【完結】CombatZone   作:Allenfort

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テストが終わって見てみたら、UAがすごいことに・・・読んでくださった皆さん、ありがとうございます!

それでは本編をどうぞ!


File12 帰還

ド派手にドンパチやった後始末はジャッカルとベッカーに任せ、バルチャーはハンヴィーで神社へと向かっている。

 

「にしてもよ、俺らが必死に探してる間にリア充になりやがって! 爆発しやがれ!」

 

銃座に着いている暢は函南へ文句の言葉を贈る。

 

「リア充じゃねえ! あと、上官侮辱で軍法会議送りにするぞ!」

 

「こんな時だけ職権乱用すんなよ!」

 

「それはそうと、なんで連絡してくれなかったんです?」

 

助手席の宮間が函南に聞く。

 

「着地の時にバッテリーユニットがどっかに吹っ飛んだんだよ・・・」

 

「災難でしたね〜。ああ、少尉がいない間に色々動きがありましたよ。ポセイドンに戻ったら説明します。」

 

「了解。あ、そこ右な。」

 

鷹見はハンドルを切る。(無免許だが、公道じゃないのでセーフのハズ)

 

すると、神社へと続く階段が見えた。

 

「・・・アレを登るのか?」

 

「そうだが?」

 

暢は心底嫌そうな顔をした。10kgはあるマシンガンを背負って登るのだ。嫌だとも思うだろう。

 

「よし。降りるぞ。」

 

鷹見は神社の前へハンヴィーを停め、それと同時に全員が降車する。

 

「いたた・・・」

 

青葉は狭い車内で縮こまっていたので、体が痛いらしく、伸びをしている。

 

「さて、登りますか。」

 

「あ、函南はその巫女さん背負って階段ダッシュな。」

 

長谷川が函南へとんでもない一言を放つ。この階段を青葉を背負って登れというのだ。

 

「・・・なぜだ?」

 

「「俺らが大変な時にリア充に」」

 

鷹見と長谷川はそこまで言ったところで、函南から強烈な右回し蹴りを喰らい、2人まとめて吹っ飛んだ。

 

「だからリア充じゃねーっての。まあ、青葉負ぶって登るくらい余裕だがな。乗れ、青葉。」

 

「え・・・? ってきゃ!?」

 

函南は青葉を背負うと、階段を全力で駆け出した。

 

「行きますよー。」

 

宮間は伸びている2人に声をかけてから階段を登る。しばらくの間、青葉の笑い声が木霊していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5人は萩月神社に到着し、函南はすぐさま装備を整えた。

 

現在、机を挟んでバルチャー4人と仁、青葉は向かい合っている。

 

「えー、タスクフォース148海兵隊の鷹見弘行専任曹長です。この度は我々の仲間を救っていただき・・・」

 

「あまりかしこまらないでいい。彼には色々と手伝い(雑用)をしてもらったんだ。男手があまりないウチにとっては有難かったよ。」

 

函南は主に力仕事へ配属されていた。海兵隊で鍛えた馬鹿力を活用したようだ。

 

「そうですか・・・とりあえず、今は急いでいるので、後日、御礼に上がらせていただきます。」

 

鷹見はそう言って仁に礼をしてから函南に移動を促す。

 

「あ・・・なあ、青葉。」

 

「なんですか?」

 

函南は立ち上がりながら青葉に問いかけた。

 

「その・・・また来てもいいか?」

 

「・・・ええ! いつでも!」

 

「そっか・・・それじゃまたな!」

 

函南は青葉に笑顔を見せてから境内へ出る。

 

「「やっぱテメーリア充じゃねーか!」」

 

「うるせえバーカ! 上官侮辱で営倉送りにすんぞ!」

 

「「職権乱用すんな!」」

 

「はいはい。そこまでにしましょ〜ね〜?」

 

3人は取っ組み合いを始めようとしたが、宮間がカランビットとマシェットを抜いたので、すぐにやめて直立不動の姿勢になる。

 

宮間さんだけは怒らせてはならないと実感した。

 

「ところで、どうやってポセイドンへ?」

 

「あー、それなら・・・」

 

函南が長谷川に問いかけていると、迷彩服3型を着た自衛官数名がやってきた。なにやら機材を持っている。

 

「ん? よう黒部2曹!」

 

「どうも函南少尉!」

 

知り合いだった。その後ろでは何やらハーネスやらバルーンを用意している。

 

「なあ、俺達ポセイドンに戻るんだが・・・」

 

「帰りの航空券なら手配済みですよ。」

 

すると、黒部の部下が函南達にちゃっちゃとハーネスを装備させた。何事かと巫女さんたちも集まってきた。

 

「・・・黒部2曹、ここって山の中腹だよな?」

 

「この山はそれほど高くないんで大丈夫ですよ。そろそろ来ますよ。」

 

爆音を立てて1機のC-130が接近してきた。本当にフルトン回収をするようだ。

 

そして、C-130のフックがバルーンをキャッチ。函南達を大空へと引っ張り上げた!

 

「祐介さーん! お元気でー!」

 

「青葉もなぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

函南は遠ざかっていく萩月神社へ手を振っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後。機内に回収された4人は円陣を組んでちょっとした会議を始める。

 

「さて、鷹見曹長。俺の不在の間に何があった?」

 

「色々動きがあったぜ。まず、今回動いているテロリスト連中だが、SGSをはじめとしたPMCが連合組んでるんだ。奴らは『グローバルリスク』と名乗っている。」

 

グローバルリスク(全世界の可能性)? 続けろ。」

 

「ああ。奴ら、一国の軍隊くらいの規模がある。拠点は不明のパトロンも不明。PMCだから装備もタンマリだ。どっかからパクってきた軍艦もあるとよ。」

 

「おいおい・・・TF148の手に負えるか?」

 

「国連軍も動くらしい。というか、TF148も国連所属なのになんだこの扱いの差はよ・・・ブラック企業か・・・」

 

「まあいい。ポセイドンの位置は?」

 

「横須賀を出発して太平洋上へ。米軍とTF148の第7艦隊と合流する。」

 

「了解。」

 

函南は窓の外を見つめる。どうやら一波乱ありそうだと。




さて、7日はCombatZone一周年! ちょっとしたオマケを投稿しようと思います。

それでは次回もよろしく!

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