暇を見つけてチマチマと投稿していきます!
あと、夢見の狩人さんの『黄昏に染まりし幻想郷』とコラボ中! 函南達バルチャーチームがお邪魔しているので、よろしければそちらもどうぞ!
函南と青葉は村に到着し、商店へ向かう。あたりには畑や田んぼが広がっており、ちょうど田植えの時期のようだ。
「のどかな風景だな。いいなぁ・・・」
「祐介さんはどんなところで暮らしてたんですか?」
風景に見惚れていた祐介に青葉が問いかける。
「強襲揚陸艦・・・軍艦の中。」
「へえ〜・・・祐介さんって海軍の人なんですね。」
「いや、海軍じゃなくて海兵隊だ。」
函南はどこが海軍に見えるんだよと一瞬思ったが、素人目にはわからないかと納得した。
「あ、そこの商店です。あそこで必要な物は大体揃うんです。」
青葉が指差した商店は道の駅だった。その近くには道路が一本通っているが、車の通りはほとんどない。
「道の駅か・・・小さい頃に一度行ったなぁ・・・」
そう呟きながらドアを開け、中に入る。
「えーと、買い物メモは・・・」
青葉はポケットからメモを取り出し、函南が持つカゴの中へメモに書いてある物を放り込んでいく。それも、重いものばかり。
「なあ青葉、お前、いつもこんなに重い物持ってここと神社を行き来してるのか?」
「いえ、こんなに重い荷物になる時は神主様と来ます。今日は男手があるから神主様も重い物を買って来るように指示したんじゃないでしょうか?」
函南は買い物カゴ一杯の荷物を持っても大丈夫だが、これ持って護衛は少しキツイかもと考えていた。
青葉が煮豆の瓶を両手に持ってどっちが安いか悩んでいる間、函南はガラス越しに大福を作っているのを眺めていた。
餡を餅で包み、並べていく。どれも同じ形に見える。函南には大福を作っている職人の腕前に感心していた。
その近くに椅子とテーブルがあり、その近くに置いてある看板には『お休み処』と書いてあった。どうやら、その場で出来たての大福を食べられるらしい。
「すいません、大福と緑茶2つずつください。」
函南はポケットマネーで大福と緑茶を注文する。程なくしてトレーに緑茶と大福が載せられて来た。
「青葉、少し休憩しようぜ。」
函南は青葉に声を掛け、近くの椅子に腰掛け、テーブルにトレーを置く。
「あ、大福どうしたんです?」
「買った。ポケットマネーだ。青葉も食うか?」
「え? いいんですか?」
「おう。俺っち給料もらってるしな。」
「じゃ、お言葉に甘えて・・・」
青葉は函南の向かい側に座り、大福を頬張る。
「ん〜・・・! 美味しい! これ、食べてみたかったんですよ〜!」
満面の笑みを浮かべる青葉を見て、函南も微笑む。
その時、道の駅の駐車場に一台の白いバンが止まった。そのバンには『SGS』の文字とエンブレムが描かれていた。函南はそれを窓から見ていた。
(SGS? 確か
すると、道路を2台のハンヴィーが全速力で通って行った。これはただ事ではないと函南は警戒を強める。
そして、2台のハンヴィーは道の駅へ戻ってきた。駐車場に停車すると中から兵士が8人降りてきた。
「え!? 何!? 何事ですか!?」
それを見た青葉は慌て出す。が、函南は落ち着き払っていた。
「あれ、味方・・・長谷川!」
函南は外へ飛び出し、仲間の所へ向かう。
「長谷川! 鷹見! 宮間軍曹にベッカーも!」
他にもジャッカルチームの4人もいた。ジャッカルの4人はバンへ向かう。
「函南! ここにいたのか!」
「何事だ!?」
「そのバン追っかけてたんだ! SGSは敵と絡んでる!」
すると、力自慢のウィルがバンから運転手を引き摺り下ろした。
「確保!」
その間にヘンリーが積荷を確認する。
「やっぱり・・・PETNだ!」
バンの中にはPETNが積まれていた。何処かへ運ぶ途中だったらしい。
すると、青葉が函南の所へやって来た。
「祐介さん!」
「青葉! 危ないから下がってろ!」
その時、長谷川が何かに気づいたらしく、バンの下に潜り込んだ。
「これ・・・時限爆弾だ! 爆弾が設置されてる!」
「ふざけやがって! 解除しろ!」
「今やる!・・・son of a bitch!」
長谷川は爆弾を見るなり憎まれ口を叩いた。不思議に思った函南もバンの下に潜り込む。
「どうした!?」
「見ろよこれ。解除させる気ないぜ!」
その爆弾の配線は、すべて赤いケーブルで繋がれていた。
「・・・函南、タイマー見ててくれ。」
長谷川はそう言うと、バンの下から出て、ボンネットに向かう。
「1分切ってる!」
「ちょい待ち!」
「早くしろってんだよクソ野郎!」
流石の函南も多少焦りだす。その間、鷹見達は住民の避難にかかる。爆弾が爆発したら、積荷のPETNも爆発する。
「30秒!さらばだみんな!」
「これだ! うぉぉぉぉぉ!」
長谷川はボンネットを開け、中のバッテリーを引っこ抜くと、アスファルトに思い切りた叩きつけ、破壊した!
「・・・!止まった!」
残り10秒。間一髪で爆弾のタイマーは止まり、函南はバンの下から出た。
「どういうことだ?」
「あの爆弾、起爆装置が電気式なのに電池もバッテリーも付いてなかったんだ。一か八か賭けたんだが、正解だったな。起爆装置に電力を供給してたのはあのバッテリーだったんだよ。」
「なるほどな・・・」
その時、数台のバンが駐車場に滑り込んできた!SGSのエンブレムを入れている。
「敵だ! 隠れろ!」
アランが叫び、そこにいた面々はハンヴィーの後ろに隠れる。が、青葉だけ行動が一瞬遅れた。
「こっちだ!」
祐介は青葉を抱き抱え、すぐ近くのハンヴィーの裏に滑り込む。次の瞬間、敵弾が近くに着弾した。
「きゃ!」
「頭下げてろよ! 長谷川!」
長谷川は隣のハンヴィーの裏に隠れている。函南の声を聞くと、車内に予備として積んであったM4A1を取り出し、函南に投げ渡した。
「使え!」
函南はM4A1をキャッチすると、すぐにチャージングハンドルを引き、反撃に出た。が、ボンネットに敵弾が命中。函南は咄嗟にかくれる。
「怖い・・・ヤダ、死にたくないよぉ・・・」
函南の隣で青葉は頭を抱えて縮こまっている。敵は民間人の青葉がいるにも関わらず撃ってきているのだ。
「青葉、大丈夫だ。助ける。必ず助けるから!」
函南は青葉の肩を掴んで言う。
「死にたくないよぉ・・・お願い、助けて・・・」
函南は縦に頷くと、ボンネットから再び身を乗り出し、次々と敵を射殺していく。
「いい加減にしやがれ! もーいい! ポンポンしちゃうもんねー! リア充見てストレス溜まったからオマケ付きだ!」
痺れを切らした長谷川はM249をその場に置くと、車内からM32MGLを取り出し、敵に榴弾の雨を降らせる。
榴弾はアスファルトをえぐり、爆発で敵兵を薙ぎはらう。その間に函南達は猛攻を加え、次々と敵を斃していく。
「青葉! 大丈夫か!?」
「助けて・・・ねえ! 英雄なら助けてよ! お願い・・・」
青葉は泣いていた。いきなり目の前で銃撃戦が始まり、巻き込まれたのだ。こうなるのは大体予想がつく。
「リーダー! 奴らケツ捲って逃げてくぞ!」
鷹見は逃げる敵兵へ狙撃を続ける。
「やっちまえ野郎ども!」
函南も即座にハンヴィーの銃座へ着くと、ありったけの銃弾を浴びせまくる。周りの友軍も鬱憤を晴らすように撃ち続け、とうとう敵を殲滅した。
「クリア!」
「クソ野郎どもは地獄行きだ!」
「エリアクリア!」
「よし! 青葉、終わったぞ。もう大丈夫。」
青葉はただ震えながら函南に抱きつくだけだった。
「おーいそこのリア充。怪我は?」
「おいコラ長谷川。テメーだけ徒歩で移動にすんぞコラ。」
「ふざけんなよ! というより、そいつ震えてるじゃんか。」
「目の前でドンパチ始まったらこうなるだろーな・・・」
「なら、ビビるどころか反撃してみせた俺らは異常ってことになるな。とりあえず、後始末はアランに押し付けてその娘を送り届けよう。」
鷹見が言う。
「さ、送って行くよ。立てるか?」
青葉は首を横に振る。仕方ないと函南は青葉を抱き抱えてハンヴィーに乗せた。
それを見ていた鷹見と長谷川ははぎしりをしていたという。
そういえば、民間人の近くでドンパチやったのってこれが初めてかも?
函南「全く・・・ヒヤヒヤしたぜ。てか、長谷川が擲弾兵と化しているような・・・」
まあ、いきなり銃撃戦に巻き込まれたら青葉のような反応するのが正常なんだろうけども・・・デパート事件で怯むどころか反撃に出た函南は・・・
函南「異常ってか?」
YES!
函南「殴りてえこいつ・・・」
それでは次回もよろしく!