函南「予想よりハードだったが。」
それでは本編をどうぞ!
パキスタン某所
4人は現地の住民と同じような格好をして、町の中で待ち伏せしている。
函南、長谷川がカフェで、鷹見、宮間はそのちょっと先に止めてあるバンのところで。
武装は羽織っている上着に上手く隠している。
「なあ、今日で何日目?」
長谷川があくびしながら言う。
「13日目。いい加減飽きてくるよな。全くよ。長谷川じゃなくて可愛い女の子とならやる気出るのによ。」
「宮間軍曹と待ち伏せすれば?」
「ダメだ。宮間さんは暇さえあればナイフ見てニヤニヤしてるから怖い。いい人なんだけどな・・・」
「そいつは言えてる。刺されんじゃないか気が気でないぜ。」
そんな事を言っていると、タックゴーグルに反応。
「おっと、顔面が90%一致だな。いたぞ。ファラーズだ。」
函南と長谷川はファラーズの後ろを歩く。
「手早く、だな。」
鷹見と宮間はバンのドアを開け、引きずり込む用意をする。
あと5m。だが、ファラーズが感づいたようで、突然走り出した!
「逃げる気だ!追え!」
函南達は銃を取り出してファラーズを追跡する。
ファラーズは門をくぐると、扉を閉じて逃げる。それを函南がドロップキックで開け、長谷川が猛スピードで追いかける。
「ついて来るな!」
「うるせえヴァーカ!」
長谷川はファラーズを追って市場を抜け、階段を駆け上がると民家の屋根やアパートのバルコニーを走り抜け、追いかける。いつもベルトリンクと合わせて10kgになるM249を使ってるおかげで足はかなり鍛えられている。
「アバーディに入るぞ! 武器を用意しろ!」
ファラーズの声。そして長谷川のタックゴーグルに警報。
『モーションスキャン反応 武装』
「函南! あいつ手下を呼んだぞ!」
「宮間とそっちに向かってる! ファラーズはどこだ!?」
「奥の方でバテてるよ! 鷹見は!?」
「車で先回り! 無免許だけどな!」
「知ったことか!」
長谷川はAKs-74uを構え、ファラーズの手下へ発砲する。
弾幕魔の長谷川も、ある程度の射撃能力はあるので、どんどん命中させる。
「遅れた!」
函南と宮間も到着し、攻撃を開始する。
函南は1発で正確に1人の頭を撃ち抜き、宮間は胸に2発、頭に1発とセオリー通りに敵に当てる。
「クリア!追え!」
手下が全滅したとみるや、ファラーズも逃げ始める。さっさと逃げればいいものを。
「鷹見!」
「UAVからの画像を見てる。その先にまだいるぜ。スクラップ置き場だ。」
本当に敵さんが来た。
「邪魔だボケ!」
長谷川はマシェットを抜き、出会い頭になった敵の腹を突き刺すと、そのまま下へ切り裂いた。
「下り列車が参ります!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
「あ、あいつ男として死んだな。」
一部始終見てしまった函南はしかめっ面をした。
「まだ来ます!」
宮間は角から飛び出して来た奴らをどんどん倒して行く。もはや入れ食い状態だ。
「クリア!行け!」
「しつこいぞ!」
「しつこいのは追っ手として優秀って事だ!」
函南はファラーズに負けじと言い返す。
「おい鷹見! これって罠じゃないか? 誘い込まれてる気がする!」
長谷川が言う。野生の勘で何かを感じ取ったようだ。
「その先に施設だ。ファラーズめ、手下を呼ぶ気だろうな。」
その時、またファラーズの手下が現れる。大した数じゃない。いても2個分隊ほどだ。その程度でバルチャーを止められるはずもなく、敵はどんどん数を減らして行く。
走り続けてバテバテのファラーズはどうにか逃げ始める。諦めればいいものを。
その時、上をMi-24ハインドが通って行った・・・
「うわ、鷹見! 例の施設だ! おまけにハインドまでいやがる!」
函南が嫌そうな顔をする。
「まさに。結構いるぜ? 引くに引けないしな。」
「俺達が引いたことあるか?」
「ないな。やっちまえ函南!」
扉に函南が再びドロップキックし、そのままスライディングしながら敵を撃つ。
「無駄にスタイリッシュだな!」
「そりゃどーも!」
「コンタクト! 前方の建物屋上です!」
宮間が敵に気づく。スナイパーのようだ。
その時、何者かがスナイパーの首を後ろから掻き切った。
「間に合ったな。援護するぜ!」
鷹見だった。鷹見はドラグノフを構えると、下にいる敵へ狙撃を始める。
「フォートレス! バルチャー3-1だ! ちょいとおかしいぞ! 敵の練度が高い!」
さっきの奴らより動きがいいことに気づいたようだ。
「フォートレスだ。そいつらISIかも知れない! まあ、お構いなくやっちまえ! こっちは国連安保理決議の適用下にあるんだからな! ファラーズはまだか!?」
「あの野郎なら、近くでバテてますよ! 3-1アウト! 長谷川! こうなりゃ最終兵器だ! 飲め!」
函南はバッグからラムネを取り出して長谷川に投げ渡す。長谷川はそれを一気飲みした。
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
「前方からテクニカルです!」
宮間の指差す方向から敵のテクニカルが来た! 荷台の機関銃を景気良くぶっ放して来る。が、ガンナーは即座に鷹見によって狙撃されることとなった。
「わーい! 重機関銃だー!」
もちろん長谷川が飛びついた。グリップを握るやいなや、敵の集まっているところへ容赦ない弾幕を張って吹き飛ばして行く。
「君が!」
ガガガガガガガガガ!!!
「死ぬまで!」
ガガガガガガガガガ!!!
「撃つのを!」
ガガガガガガガガガ!!!
「やー!」
ガガガ!
「めー!」
ガガガ!」
「なー!」
ガガガ!
「いー!」
ドガガガガガガガガ!!!
「撃ち方やめ! クリアだ! ファラーズをとっ捕まえろ!」
「俺はバンを回す!」
鷹見はバンへ向かい、3人は再びファラーズを追いかける。
長谷川が蜂の巣にした敵から目を背けながら。
「食い止める術はないのか!?」
喚く体力を逃げる体力に回せばいいものを・・・函南はそう思っていた。
ファラーズは壁を乗り越えようとしている。
「チャンスだ追え!」
長谷川がさらにスピードを上げてファラーズを追う。
長谷川は3人より先に壁を乗り越え、全力疾走で追いかける。
そして、何もないところでズッコケたファラーズを見事に捕まえ、手錠を掛けた。
「っしゃコラ!」
「ナイス! さて、エドワード・タイドマン。知ってるだろ? 話せ。」
函南が尋問を始める。
「知るか!」
「よし。やれ。」
長谷川がファラーズの腕を捻る。
「うわぁぁぁ! 何も知らない! 俺は商品を売っただけだ!」
「何を売った?」
「そりゃ・・・武器だよ。AKのコピーとか色々・・・」
「その色々は?」
長谷川がもう一度腕を捻る。
「あああ! PETNだ!」
「なっ・・・PETNだと!?」
長谷川が反応する。
「長谷川、PETNってなんだ?」
「高性能爆薬!」
「マジかよ・・・フォートレス! ファラーズ確保! 野郎、PETNを売ったとよ!」
「なっ!? すぐに回収を向かわせる!」
その時、鷹見のバンが到着した。函南達はファラーズを無理矢理押し込むと、回収地点まで逃げる。だが、後ろからハインドが追いかけてくるのが見えた・・・
「鷹見! ハインドが追って来てる!」
「ふざけやがって! 掴まってろよ!」
鷹見はハンドルを切って回避行動を取り、機関砲を躱す。見事なドライビングテクニックだ。
「あー、函南さん。嫌なお知らせです・・・」
「なんだ宮間!? このクソ忙しい時に!?」
「あのハインド、センサーポッドがLLLTVラドガ・Fじゃなくなってます・・・多分サーモ・・・」
「俺達丸見えじゃんか!」
ハインドは執拗なまでにバンを追って来る。回収地点まで追われたら厄介だ。
「まあまあ・・・もうすぐUAVが近くに来るぜ。爆装した奴がな。函南、ヘルファイアミサイルをハインドにぶち当ててやれ!」
「お安い御用!」
函南はディスプレイを操作し、プレデターに搭載されたヘルファイアミサイルにリンクする。
「撃つぞ! 対ショック姿勢!」
ミサイルを発射、函南はそれを操作し、ハインドのメインローターへぶち当てて撃墜した! ハインドは爆散し、残骸となって地面へ墜ちる。
「ヒーハー!」
長谷川が歓声を上げる。
「もうすぐ回収地点だ! とっとと帰ってシャワーを浴びるぞ!」
鷹見の指差す先には、味方のオスプレイが待機していた。
函南「さっさとシャワー浴びたいな。」
砂場から引っ張り出されたばかりだし。さて、お気に入り件数やUAが増えてかなーりはしゃいでますはい。
函南「これが始まって半年以上経つからな。もしかしたら一周年突入するんじゃね?」
その時は企画とか募集しようかな。
それでは次回もよろしく!