函南「やっと治ったのか?」
どうにか。おのれインフルB型・・・滅びてしまえ・・・
函南「さて、本編行こうか。」
了解。それではどうぞ!
side 函南
地下へと俺達は降りて行く。ロイがいると思われる実験棟を目指して。
「フォートレスからバルチャー3-1。その先からは通信リンクが繋がらない。気を付けろ。」
「了解した。バルチャー3-1アウト。」
『通信リンク切断』
ゴーグルに通信リンク切断の表示。だが、俺達は止まらない。敵を食い止めている仲間に報いるためにも。
そして、ベッカーの為に。
最下層へ降りると、長い廊下があった。
「こっちだ!」
「コンタクト!」
敵が奥から現れ、俺達は柱に身を隠す。
「交戦開始だぶちかませ!」
長谷川が床に伏せてバイポッドを展開。敵へ弾幕を張る。撃ち漏らしは俺と鷹見が片付けていく。
だが、敵も本陣を守るだけあってしぶとく抵抗してくる。隠れている柱に何発か命中。俺は顔をすくめる。
「グッ!」
「大丈夫か3-2!」
「ベストに当たっただけだ!」
マガジンが空になり、俺は人差し指と中指でマグポーチからマグを取り出し、空のマグを中指と薬指で挟んで交換する。
チャージングハンドルを引き、リロード完了。
「フラグ行くぞ!」
痺れを切らした長谷川がM320を敵に目掛けて撃つ。見事命中し、残っていた3人を吹っ飛ばす。
「クリア!」
「前進しろ!」
前方に金属製のドア。ロックされている。
「俺に任せろ。」
長谷川がドアに爆薬を仕掛け、俺達は退避する。
「爆破!」
長谷川がスイッチを押し、ドアを吹っ飛ばす。
「突入! 突入!」
ドアの先にはだだっ広い研究施設。薄暗いけどIRNVを使う程じゃないな。
「クククク、運が良かったな。」
気持ち悪い笑い声のする方を見る。そこにはロイ・サージェンスキーがいた。せり出した足場に立っている。
俺達は銃口を奴に向ける。
「君らの相手をするのは俺ではない。ここが
すると、隔壁の1つが開き、コンガが突進して来た!
咄嗟に散開する。俺は鷹見と長谷川の逆へ走る。すると、床からガラス板がせり出し、俺達は分断された! 向こうにコンガがいる!
「鷹見! 長谷川!」
「なんとかやってる! 取り敢えずそのガラス板を壊せ!」
長谷川が叫ぶ。俺はMk.23を抜き、ガラス板に向かって射撃するが、割れない!
すると、俺の方の隔壁が1つ開き、誰かが入って来た。その顔には見覚えがあった。
「父・・・さん?」
「ククク、感動の再会そして父親は敵。どうだね? 愉快だな!」
ロイが気持ち悪い笑いをしながら言う。敵?
「やれ! デウスエクスマキナ! 奴を殺せ!」
デウスエクスマキナ!?
「おい嘘だろ!? 函南!」
「集中しろ鷹見! 心臓を狙え!」
デウスエクスマキナは日本刀を2本構える。
あれは父親。そして、ターゲット。
後ろでコンガに吹っ飛ばされる鷹見が見えた。
どうすれば?
任務か? 私情か?
決まってる。俺達をここまで行かせるために上では仲間が命を散らしている。
俺がここで奴をやらなければ、仲間の死が無駄になる。
そして、長谷川と鷹見を助けに行けない。
函南祐介。お前は兵士だ。奴はターゲット。やるべきことは分かるだろ?
目を閉じ、自分に言う。
エクスマキナが日本刀を振りかぶる。
「「函南!」」
「I kill my father.(デウスエクスマキナを殺す。)」
目を開くと同時に右にローリング回避し、奴に向けてトリガーを引く。
奴を殺せ。仲間と、大勢の人を救うために。
覚悟は既に決めている。今何をすべきか分かるだろう? 祐介。
5.56mm弾は奴の胸にヒットする。が、弾丸が弾かれている。よく見れば身体中に禍々しい模様の装甲が貼り付けられている。頭には変な形のヘルメット。
だが、どんな装甲でも防げない場所はある。例えば関節などの可動部。
奴の突きを躱し、腹への蹴りを見舞う。が、装甲のせいで俺がダメージを受ける。
もう片方の刀で切りかかって来た。上手く躱し、すれ違いざまに抜いたククリで手首のジョイント部を切りつける。多少の効果はあるようだ。
奴は距離を取ると、刀とは別に持っていたバヨネットを俺に投げつける。
ローリングで回避。G36Cを構えて撃つ。狙うは肘の装甲に覆われていない部分。
side 長谷川
どうにかグレネードランチャーを使い、コンガを仕留める事に成功した。だが、今度はシノビが来た。4体。
「鷹見! ショットガンは!?」
「ある! こいつを使うぜ!」
鷹見は落下攻撃を仕掛けて来たシノビにバックショット弾をブチ込み、足を破壊する。
思い切り床に落下した所で俺はM249のストックで思い切り殴りつける。
回転しながら両腕を広げたシノビが接近してくる。こいつは足を潰して機動力を削ぐのがセオリーだ!
アイアンサイトを覗かず、腰だめで乱射し、足に5.56mmの銃弾を大量に叩き込み、シノビの特徴である機動性を削いで行く。機動性を失ったシノビはリッパーよりも弱い。
「長谷川! 全方向からリッパーが来る!」
今度は物量攻めと来た。こうなれば。
すぐにフィードカバーを開き、BOXマガジンごと残り数発のベルトリンクを捨て、代わりの200発入りのベルトリンクを装填する。
「鷹見! こっちにこい! そして俺を信じて伏せろ!」
鷹見は俺の所へスライディングしてくる。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
M249を腰だめで構え、右足を軸に反時計回りに回転しながらトリガーを引き、全方向へ乱射する。
命中精度を捨て、連射速度を上昇させるというカスタムを施してあるので、制圧力は十分。
200発のベルトリンクを装填したM249は10kgになる。回転していると遠心力で銃を持って行かれそうになる。
弾幕の向こうではリッパー共が血飛沫をあげて倒れて行き、倒れた死体は他の奴らの動きを邪魔する。そしてさらに弾幕の餌食は増えていく。
ベルトリンクを撃ち切ると、大体のリッパーが沈黙している。鷹見は立ち上がり、生き残りを撃ち、俺もM249をスリングで背中に吊るし、ホルスターからG17Cを抜き、リッパー共を始末して行く。ただ、目を回しているので上手く狙いが付けられない。吐き気までしてきやがった。
函南はガラスの向こうで死闘を繰り広げている。が、俺は視線をリッパーへ戻す。
大丈夫。祐介ならば必ずやり遂げてくれる。相手が相手だが、あいつは本気で戦っている。
その両肩に俺と鷹見、そして多くの命を背負っているんだ。
守るべきものが祐介の背中を押し、強くする。
だから、俺は自分のリーダーを信じて、生き残る事を考えよう。あいつより先に倒れるわけにはいかない。
side 宮間
「フォートレス! ヴィンペル2-5です! もうすぐ嵐が止むかも知れません!」
「耐えろ! バルチャーは地下へ侵入した!」
函南さん達、とうとう辿り着いたようですね。
私は始まりに立ち会う事はありませんでしたし、タスクフォースの人より1日早く仲間入りしただけ。
それでも、彼らが来てくれなかったらもう既に感染者の仲間入りでした。
「敵の増援! そろそろヤバいぞ!」
キリルさんの声。どうやら感染者の集団のようですね。
函南祐介。私よりも年下ながらも、仲間を率い、ここまで生き延びさせた私の知る中で最も勇敢な少年兵。
「下がれ!」
ウラッドさんが叫ぶ。
「先に行って下さい。」
「何するつもりだ愛良!」
いつも私達を信じて背中を預けてくれた。だから
「撤退を支援します!」
私は死力を尽くしてその背中を守り抜いて見せます。
長谷川さんからもらったマシェットと、函南さんからもらったククリナイフを持ち、リッパーの集団へと駆ける。
先頭の2体の間をくぐり抜け、首を切り裂く。次のリッパーの腹に蹴りを入れ、仰け反った所でうなじをマシェットで一撃。
私を狙って鎌の様な爪を振り上げて来た奴にはククリを投げつけ、撃退し、その間にマシェットを引き抜き、別のリッパーの首を切る。
ククリを回収して次から次へとやってくるリッパーを葬り続ける。
「2-5! こっちまで下がれ! トマホークが来るぞ!」
置き土産にフラッシュバンをその場に落として味方の方へ走る。味方の所へたどり着くと同時にトマホークがリッパーの集団を吹き飛ばした。
函南「まさかの展開かよ・・・」
函南、やれるか?
函南「どこ見てたんだよバカ。やるしかない。俺は任務を取る。」
そうか。デウスエクスマキナは函南が気付いた通り、間接部が弱くなっています。
函南「まあ、流石にそこを装甲で覆う訳にはいかないしな。にしても長谷川の奴、全方向に乱射って何考えてるんだか・・・」
かなり前にラムネで酔ってやってますね。Dead spaceのパルスライフルのセカンダリみたいな感じです。
函南「アレかよ。というか長谷川って結構なバカ力・・・」
函南の方が筋力あるから。
それでは
「「次回もよろしく!」」