「長かったような短かったような・・・奴を必ず仕留める!」
それでは本編をどうぞ!
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USSポセイドン
no side
夜明け前、函南達はオスプレイに乗り込んだ。
準備は万全。覚悟は決めた。夜明けと共に出撃し、嵐の前にバルチャーは敵の裏に回る。
他のオスプレイには上陸部隊が。車両甲板では複合艇、AAV-7アムトラックLAV-25、そしてM1A2エイブラムスと10式戦車を乗せたホバークラフトが出撃を今か今かと待ちわびている。
函南は機内で目を瞑り、今までの事を思い出す。今度こそ、奴を仕留める。そう決意して。
戦えども報われることのない兵士達は、それぞれの思いを胸に、戦う事を選んだ。
各々が装備をチェックする。持てるだけの弾薬と、勇気を持って。
「総員、モリソン将軍からお話がある。」
艦内に放送が入り、モリソンの話が始まる。
「ここに集いしタスクフォースの兵士諸君。我々は傷付き、友や愛する者、故郷を失い、報われる事も無く、今まで耐え続けて来た。」
誰も言葉を発せず、今までの事を静かに回想する。中には涙を流している者もいた。
「君達が払った犠牲は無駄ではなかったと証明して見せよう。今は亡き
モリソンは力強く言う。
「現在、敵基地には大型の台風が接近している。これで敵は航空兵器を出せない。我々も戦いにくい状況となるが、君達ならば必ずやり遂げてくれると信じている。
かつて、元の侵攻から日本を護ったという神風は今、多くの者を護るために再び吹き荒れようとしている。
叶う事ならば私も君達と前線に立ちたいが、この歳では足を引っ張ってしまうだろう。代わりにここから君達を援護する。ありったけのミサイルでな。だから、危なくなったら遠慮せずに支援を要請しろ。ミサイルの1発2発と君達の命は変えられん。
もうすぐ夜明けだ。
進め! 仲間との絆を信じて!
以上。」
USSポセイドン内は、しばしの静寂に包まれる。
「・・・ぉぉぉ」
小さな声。そして
「うぉぉぉぉぉぉ!!」
「モリソン将軍万歳!」
「Урааааа!!」
それを聞いた他の者が喚声を上げる。叫ばない者は無く、涙を流している者もいる。
喚声は艦に響き、誰もが勝利を信じている。
そして、後部のゲートが開き、ドックに水が入る。甲板ではオスプレイやべノムがローターを唸らせる。
「状況開始!」
モリソンの号令一下、複合艇、歩兵戦闘車、ホバークラフト、ヘリがポセイドンから出撃し、上陸地点を目指す。第6艦隊のUSSクラーケンからも上陸部隊が出撃し、ポセイドン組と合流する。
台風の直撃まで5分。その前に函南達は敵施設の裏に降下しなければならない。
USSポセイドン
「なあ、ギャリソン。」
「どうしたモリソン?」
2人はモニターに映し出された函南のゴーグルカメラの映像を見ている。
「最初は広告塔にとあいつらを入隊させたが、とんだ見当違いだったようだ。」
「どういうことだ?」
「たかが高校生。そう思っていた少年は私が思っているよりも強かった。」
「そんなの見てりゃ分かるだろ。と言うか、ヘリを撃墜したって報告が入った時点で分かってただろ?」
「ああ。あいつらにあの重要な役割を与えた事に後悔は無い。必ずやり遂げて来るさ。」
「ああ。今は
モリソンとギャリソンはディスプレイに向かい、上陸部隊の指揮を始める。
上陸部隊
複合艇に乗った部隊が先陣を切る。
夜が明け始め、朝日が兵士達を照らす。
敵の防御は今のところは手薄だ。今なら上陸できるはずだ。兵士達は確信した。
「行くぞ野郎共! Ураааааааааа!!」
「「「「Урааааааааааа!!」」」」
ヴィンペルチーム+宮間軍曹が喚声を上げる。
「GOGOGO!!!」
それに釣られて他の部隊も喚声を上げる。数の少ない防御部隊はその姿にたじろぐ。
複合艇で浜辺へ乗り上げ、ヴィンペル、ジャッカル、ユニオンが先に展開し、上陸地点の確保をする。
「コンタクト! 12時方向!」
ウラッドが敵を発見し、ヴィンペルチームはそいつらへ銃撃し、倒す。
その間に上陸したIFVからどんどん歩兵を降ろし、本格的な戦闘を始める。人員を降ろしたヘリは全速力でポセイドンへ戻って行く。暗雲が立ち込め、風が強まる。
「行け野郎ども!」
前線の指揮に来ていたグリーンランド中佐が叫ぶ。
「てめぇら!
海軍の誰かが叫ぶ。
敵は数で劣っているが、懸命に応戦する。とうとう暴風雨が吹き荒れ始めた。
「無駄無駄無駄!!」
アランがACOGスコープのレティクルを敵の頭に合わせて撃つ。が、風に煽られ弾道が横に逸れ、外れてしまう。
「クソ! 風で弾道がズレる!」
「ならばどうにかしろ! おいユーリ! ATはあるか!?」
ウラッドがユーリに叫ぶ。
「RPG-29があるけど1発しかない!」
「ならここぞという時に使え! ヴィクトル! 制圧射撃!」
「やってる!」
すると、敵からの銃撃が増えて来た。
「どうやら増援のようだな。」
ジェームズは冷静に状況を読む。
「分かってる。チャーリー、しっかりC4持ってきたよな?」
「持ってきてますよウィンターソン軍曹! いくらおっちょこちょいでもこんな時にミスはしません!」
「さあ、暴れてもらいますよ私の可愛い
敵の設置していた土嚢や塹壕を利用して応戦している。敵の数が多い。
「どけー! 熊井軍曹のお通りだぜ!」
熊井軍曹の乗る10式戦車が前進する。
「敵のIFV!」
ジャックの指差す先から敵のBTR-90が迫る。
「なら、スクラップにしてやれ! 逸波!」
「分かってるわよ。
「てーっ!」
車長の横山軍曹が叫び、逸波軍曹はHEAT弾をBTRへ撃ち込む。
あらかじめ熊井軍曹が最適の地点へ移動していたので見事1撃でBTRを破壊した。
「熊殺しの猛のお通りだ! 道を開けろ!」
熊井軍曹はアクセル全開で敵の陣地に攻め込む。
「行くぞ海兵! バルチャーの為に奴らを引きつけろ!」
「ウーラー!」
嵐の中の攻防は激しさを増して行く。
「モンテスが撃たれた! メディックを寄越せ!」
「敵のT-90!」
「クソ! ユーリ!」
「RPG!」
ユーリのRPG-29はT-90の砲口に入り、内部を破壊した!
「どストライク!」
「今度は感染者の集団だ!」
SLFは大量の感染者を送り込んで来た!
「うわ!」
「うぎゃぁぁ!!」
リッパーの爪に数名が首を貫かれて倒れる。
「手に負えない! フォートレス! ヴィンペル2-1だ! ポイント30
「フォートレス了解。トマホーク発射! 着弾に備えろ!」
艦隊からの大規模なミサイル攻撃で感染者の集団を吹き飛ばす。
「バルチャーはまだか!?」
誰かが叫ぶ声は嵐に掻き消された。嵐の中では終わりの見えない死闘が続く。
今回は上陸した陽動部隊の視点でした。
「私が後書きに出るの、いつ振りでしょうか? そしてなんで私は上陸部隊サイドで?」
この後の展開と3人の因縁で。
「メタなのは置いといて・・・因縁ですか?」
今回狙っているのはロイ・サージェンスキー。デパートの中で一度捕らえたものの、逃げた野郎です。函南が家族を亡くすハメになったのはこいつが原因ですし。
「それで、デパート事件の時にいなかった私は上陸部隊サイドって事ですね。」
そういうこと。今回はこの辺りで
「「次回もよろしく!」」