「今回は俺の視点か。で、ACT.3は灯火で、4は狼煙か。」
はい。それでは本編をどうぞ!
mission48 巡りゆく季節
12/24
15:00
位置情報不明 雪山
side 函南
あれから3ヶ月。特に戦闘は無かった。
こっちは敵基地に攻撃した部隊が痛手を負い、向こうはポセイドンを攻撃した際、大打撃を負ったようだ。
俺は1日でメソメソするのをやめてトレーニングのメニューを増やした。この日に備えて。
今回の攻撃目標はこの山のどこかに地下基地があるとの情報が入り、威力偵察に来たのだ。
全員白い冬季迷彩で。
ちなみに宮間軍曹はAS VALを借りてきたようだ。
サーマルビジョンを起動。ゴーグルがサーマルスコープになる。灰色の背景に熱源が白く浮かび上がるタイプだ。
「3-2、ドローンで付近を偵察しろ。」
鷹見に指示する。ベッカーがいなくなったので、コールサインは1つ詰める事になった。今は俺が3-1だ。
鷹見はホバードローンを飛ばす。4つのローターで飛び、小型カメラを装備した小型ドローンだ。鷹見がディスプレイを使って操縦している。画像は俺達のゴーグルにも送信される。(画面左上に表示されてる。)
「付近に敵影なし。」
「総員、モーションスキャンを起動しろ。移動するぞ。」
俺達は雪に紛れて移動する。
『アンノウン接近 武装 』
ゴーグルに表示。敵がモーションスキャンに引っかかったらしいな。
「おっと、身を隠せ、敵だ。」
パトロールが2。気付いていない。
「どうする曹長?」
長谷川が聞く。
「バレねぇようについて行くぞ。カラムフォーメーション。」
「ウーラー。」
俺の後ろに長谷川、鷹見、そして宮間軍曹が
暫くついて行くと、奴らが地面をいじる。
どうやら地下へ続く扉のようだ。
「基地はあそこだな。3-4、ここには誰もい《・》な《・》か《・》っ《・》た《・》よな?」
宮間軍曹はカランビットを取りだし、右手に握ると奴らに駆け寄る。
1人の後頭部にカランビットを突き刺し、手を離すと、もう1人の顔面にジャブを入れ、マシェットを取り出し、頸動脈に刃を叩きつけるように切りつけた。
「はい。誰もい《・》ま《・》せ《・》ん《・》でしたね。」
スコップで死体と血を雪の下に
さっきと同じくカラムフォーメーションで階段を降りると、ゲートがある。ゲートの左にコントロールルーム。ゲートの前にはバイオスキャナーがある。
「コントロールルームに見張り1。寝てるな。3-3、気絶させろ。」
鷹見はスタンガンを取り出し、見張りに近寄ると、
バチッ!
警棒タイプのスタンガンで一撃。そのまま引きずって来て、バイオスキャナーに手を乗せる。すると思惑通りゲートが開く。
見張りは元のとこへ戻す。寝ぼけてたとでも思ってくれたらいいんだがな。
さて、しばらく道なりに進むと分岐路があった。そしてマップもある。
「3-3、マップデータをフォートレスに送れ。で、左が情報管理棟で右が実験棟か。この場合どっちを選ぶ?」
「極秘情報を目の前にしていかないのはどうかと思いますね。もしかしたらこの先の作戦を有利に進めることが出来るかも知れませんし。」
宮間軍曹は冷静に判断する。まさに正論だ。
「反対の者は?・・・いないなら情報管理棟へ行くぞ。」
ちょうど鷹見がデータの送信を終えた。
左の廊下を進むとサーバールームに到達した。
「3-3、データ取れそうか?」
「楽勝だよこんな幼稚なセキュリティ。ついでにウイルスぶち込んでやる。」
ディスプレイとサーバーをコードで繋いだ鷹見はハッキングを開始した。
「フォートレス、バルチャー3-1だ。敵のサーバーをハッキング中。指示を。オーバー。」
「フォートレスだ。送信を確認した。ウイルスが紛れ込んでないかチェックしている。実験棟にも潜入して来てくれ。余裕があればお土産でも置いてこい。」
「了解。3-1アウト。」
「おし、ハッキング終わったぜ。あとサーバー経由で発電機のシステム乗っ取ったから。」
鷹見、何て事してんだよ?
「で、最短ルートは途中の倉庫を通り抜け、か。行くぞ。」
俺はチャージングハンドルをちょこっと引いて弾が装填されている事を確認しながら言う。
「ウーラー。」
俺は接近戦用に持って来たM1014を持ち、M249をスリングで背中に掛ける。
12ゲージバックショット弾の装填を確認。俺達は実験棟へ向かう。
バチッ!
実験棟で警備していた敵兵を俺と宮間軍曹がテーザー銃で気絶させる。
「クリア。」
バイオスキャナーは気絶した奴を使って開ける。監視カメラは鷹見が乗っ取ったので、ノイズしか映っていない。
「見ろよ、宝の山だぜ・・・」
「これは・・・ウイルスの改良型の資料でしょうか?」
資料を広げて見る。タックゴーグルにはカメラ機能があり、作戦はすべて録画している。必要なら一般公開することもある。
そのため、資料を見るだけで後々録画データを再生し、解析する事も出来る。
「3-3、PCの方は任せた。俺達は紙の資料を片っ端から片付ける。3-4、サンプルを頼む。」
実験施設にはあちこちにサンプルが置いてあった。
「・・・面倒だな。この辺の適当に持ってくか。3-2、時間無いし残りの資料は持ってくぞ。」
「ハッキング終わったぞ。」
鷹見がハッキングを終えた。こっちは手分けして残りの資料をバックパックに詰めた。読んでる時間が無い。
「フォートレス、バルチャー3-1だ。情報を回収。オーバー。」
「了解。実験施設とサーバールームにC4を仕掛けろ。」
「了解。バルチャーアウト。さーて、出番だ長谷川。持って来たC4仕掛けろ。」
「ウーラー。」
長谷川は施設の柱にC4を仕掛ける。
「何でサンプルにじゃなくて柱に仕掛けるんだ?」
鷹見は首を傾げている。
「そりゃ、ここは地下だからな。柱をぶっ壊して埋めちまえば少ない爆薬でここにある膨大なサンプルを埋められるのさ。」
ここのサンプルに爆薬仕掛けたら足りる訳がない。なんか感染者の液体漬けの入ったガラス管がメッチャ置いてあるんだもん。
「次はサーバールームだな。移動するぞバルチャー。」
最短ルートの倉庫へ向かう。
side 長谷川
倉庫
「ここは・・・敵の弾薬庫のようだな。ついでにC4仕掛けるか。」
函南がしゃがんで弾薬のコンテナにC4を仕掛けた。その時!
「スナイパー!」
鷹見が叫ぶ。すると、壁についている足場から銃声。そして、1発の弾丸が函南の脇腹に命中した!
「ガッ!? 油断した・・・」
「曹長! スモーク!」
鷹見が叫ぶと、宮間軍曹がスモークグレネードを投げた。
カーボンベストの脇腹部分は、前面と後面の装甲の繋ぎ目があり、1番弱い部分なのだ。
「函南! しっかりしろ! メディパックどこだ!」
俺は駆け寄り、函南に言う。
「腰の・・・ベルト・・・ポーチだ・・・」
函南の腰の黒いベルトポーチからプラスチック製の注射器、メディパックを出し、函南に打つ。
ベストのおかげで威力は弱まったが、相手はライフル弾だ。すぐに治療しなければ。
函南の次に階級の高い鷹見に指揮権が移る。
「3-2! 3-1を外へ! 爆破は俺達がやる!」
「任せた!」
「電源を落とすからIRNVを使え!」
から鷹見はディスプレイを使い、施設のブレーカーを落とす。
俺はIRNVビジョンを起動し、函南を担いで外へ向かう。
途中から長谷川視点。そして函南が被弾。
「で、俺が函南を運ぶところまでなんだよな。」
はい。
「函南の被弾率高いな。」
まあ、鷹見は後衛で、長谷川は撃たれる前に敵を倒すから被弾率低くて、遊撃手の函南の被弾率が高いですね。
「まあ、函南はそうやすやすとくたばりはしないさ。無事に脱出させる。露払いは俺の仕事だ。」
函南もいい仲間を持ったものだ。それではこのへんで
「「次回もよろしく!」」