【完結】CombatZone   作:Allenfort

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前回からの続きですね。今回は長谷川視点です。

「俺の出番か。俺の視点は久しぶりだな。」

それでは本編をどうぞ!


mission46 sacrifice

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0:01

横須賀基地 正門

side 長谷川

 

鷹見がディスプレイとパネルをケーブルで繋ぎ、ハッキングする。

 

ピ!

 

ランプが赤から緑に変わる。ロック解除だ。

 

「GOGO!」

 

ベッカーが小声で指示する。

 

函南と鷹見は狙撃地点へダッシュして行き、俺達は攻撃目標の兵舎へ向かう。

 

「こちらバルチャー3-2、配置に付いた。オーバー」

 

IFFで一応を確認。兵舎近くの監視塔だ。

 

「バルチャー3-1から3-2、敵の位置は?」

 

「見回り1、角から来る。」

 

「了解。3-5、出番だ。静かにな。」

 

「ウーラー。」

 

宮間軍曹はカランビットを2回転させ、逆手に構える。

 

そして、

 

ガッ!グサ!

 

出てきた敵の胸倉を掴み、喉へ一撃。

 

「3-1、これ以上は確認出来ない。」

 

「了解。突入するから援護頼む。」

 

「了解。」

 

「3-3、炸薬は?」

 

俺はバックパックから爆薬テープを取り出す。

 

「この通り。」

 

「よし、吹っ飛ばせ!」

 

テープをドアに貼り付け、俺達はドアの左右に退避する。

 

ドン!

 

テープを爆発させるとドアが吹き飛ぶ!

 

「クソ!リッパーの大群じゃねぇか!応戦しろ!」

 

ベッカーが叫ぶ。ドアの先には敵兵ではなく大量の感染者がいた!

 

俺は最前列へ躍り出て伏せる。

 

バイポッドを展開し、トリガーを引く。

 

ガガガガガガガガガガガガ!!!!

 

ダッ!ダッ!ダッ!

 

ダダダ!ダダダ!

 

空薬莢が飛び、赤や緑のトレーサー(曳光弾)が暗い部屋を飛ぶ。リッパーの数が目に見えるように減っていく。

 

「3-1!格納庫から大量の感染者だ!退避しろ!こいつは罠だ!俺達は嵌められたんだ!」

 

函南の怒鳴り声がインカムから聞こえる。あいつが焦るレベルってことは相当ヤバいってことだ!

 

バシュゥゥゥゥ!!!!

 

「敵の照明弾!」

 

アランが叫ぶ。空には照明弾が打ち上げられ、辺りを真昼のように明るく照らす。

 

IRNVビジョンを切り、ノーマルビジョンに戻す。

 

「クソ!フォートレス!こちらバルチャー3-1!敵の待ち伏せだ!作戦続行は不能と判断する!」

 

「バルチャー3-1!フォートレスだ!こっちも敵の攻撃を受けている!すぐにオスプレイを向かわせるからすぐに助けに来てくれ!敵に乗り込まれる!」

 

「了解!全員、回収地点へ!退却だ!」

 

「こちら3-2、本隊の退却を支援する!」

 

函南と鷹見の狙撃により、俺達は少し楽に戦えている。が、長持ちはしないだろう。

 

奴らめ、主力をこっちに向けさせて艦隊を叩くつもりだったのか!

 

俺は持ってきたC4をその場に仕掛ける。感染者共を引きつけて月まで吹っ飛ばしてやる!

 

俺達は走り、駐車場を目指す。そこでオスプレイに乗り込む事になっている。

 

「3-1!こちら3-2。ライフルの弾が切れた!そっちへ向かう!」

 

「了解した!野郎ども!狙撃支援は終わりだ!」

 

感染者が俺達を追いかけて来た。今だ!

 

「月までぶっ飛べクソ共が!!」

 

カチ!

 

ドガァァァァァ!!!

 

C4を起爆し、纏めて感染者共を吹っ飛ばす。アスファルトに血が降り注ぎ、バラバラになった体が落ちてくる。ベチャ、ベチャと嫌な音が聞こえてくるが、嫌悪感を堪える。

 

「いいぞ3-3!」

 

そこへ函南と鷹見が走って来た。

 

「悪りぃ遅れた!」

 

函南はG36C、鷹見はMP7を手に持っている。函南は8kgもあるPSG-1を背負っているのに鷹見と同じスピードで走っていた。

 

俺達の所へオスプレイが2機接近する。

 

バルチャーとジャッカルが援護し、他の部隊がオスプレイに乗り込み、1機が離陸。もう1機がハッチを開けて降下して来た。

 

「よし、乗れ!」

 

ジャッカルが乗り込むが、奴らが近寄って来た!このままじゃ乗り込まれる!

 

「お前らも乗れ!命令だ!」

 

「ウーラー!」

 

鷹見、宮間軍曹、俺、函南の順に乗り込む。

 

「ベッカー!早く乗れ!」

 

函南が手を延ばす。

 

「このままじゃ乗り込まれる!早く出せ!」

 

「何言ってんだ!?早く乗れって!」

 

「ベッカー!早く!」

 

「何してんだ!」

 

ベッカーはオスプレイに乗らず、接近する感染者を片付ける。

 

「もう燃料が持たない!出るぞ!」

 

「ふざけんな!ベッカーがまだ乗ってないんだ!待て!まだ行くな!やめろ!」

 

燃料が持たないと判断したパイロットが上昇を始めた!

 

「おい!ベッカー!ベッカー!!!」

 

地上から遠ざかって行き、函南はその場に膝をついた。

 

「なんで・・・なんでなんだよベッカー!!」

 

函南が叫ぶ。悲しんでいるのは、函南だけでは無かった。そして、どこからか飛来した敵のTu-160ブラックジャックが基地を空爆した。

 

奴らは俺達を空爆で吹っ飛ばす気だったらしい。ベッカーが作戦続行不可能と判断するのが遅かったら俺達は全滅だっただろう。だが、ベッカーを失うことは、回避出来なかったのだろうか?

 

だが、今は落ち込んで居られない。函南はPSG-1を置き、バックパックから5.56mm弾のケースを取り出し、空のSTANAGマガジンに込め始めた。

 

「バルチャーチーム・・・何がなんでもポセイドンを守るぞ。」

 

「ウーラー・・・」

 

マガジンに弾を込める祐介のグローブは、涙で濡れていた。

 

俺は、なんて言ってやればいいのか分からなかった。

 




「ベッカーの馬鹿野郎が・・・」

長谷川、大丈夫か?

「なんとかな。ヘコむのはポセイドンに攻め込んでる敵を倒してからだ。」

その意気でお願いします。ベッカー大尉は生きてると思いますか?

「いや、感染者の大群に絨毯爆撃だぞ? 流石に逃げ延びるのは無理だ。認めるしかない。ベッカーは死んだってな。」

今回はこの辺にしておきますか。

「ああ。それでは。」

「「次回もよろしく。」」

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