【完結】CombatZone   作:Allenfort

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今回はちょっと戦闘が入りますが、ちょっと重いです。

函南「あちこち手直ししてたな。」

そりゃ、こういうシュチエーションの小説ってあまり見ないから手探りなんですよ。しかも小説書くのはこれが初めてだから心情の変化の表現が思ったよりも大変でしたし。

函南「大丈夫なのかよ?」

最大限の努力はしてます。

函南「ま、気を取り直して、本編をどうぞ!」

12/30 台本形式から変更しました。


mission3反動

(函南視点)

9階では3人の歩哨がいた。まだこちらへ気付いていない。

 

アサルトライフルで武装しているが、民間人が反撃するなんて思っていないのだろう。それが命取りになるがな。

 

見つかったら問答無用で撃ってくるだろう。さっきのを見ればだいたい予想は付く。なら、やられる前にやれだ。

 

「同時にあのクソ野郎共を殺るぞ。鷹見は左、長谷川は真ん中。俺が右を殺る。」

 

全員首を縦に振る。

そして、緊張のせいか、ブレる照準を抑え、敵の頭に狙いを定める。

 

「3カウントだ。」

 

3

 

心臓が高鳴る。

 

2

 

息を吐く。

 

1

 

心拍数が下がり、照準のブレか一瞬収まる。

 

「Open fire!」

 

トリガーを引く。

 

放たれた3発の銃弾は、それぞれの目標に真っ直ぐ飛んで行き、ターゲットの頭蓋骨を貫通、脳細胞を破壊し、生命活動を停止させた。

 

同時に俺の腕を反動が襲う。

 

そして撃たれた敵は頭から血飛沫を上げ、壊れた人形の様にその場に力なく崩れ落ちる。

 

サプレッサーで銃声はほとんど聴こえず、聴こえたのは敵が倒れる音と薬莢が床を跳ねる音だけだった。

 

そして、最初と変わらぬ静寂がその場を覆い尽くす。

 

死体を確認。確実に仕留めた。

 

とりあえず、死体は見つからないような所へ隠す。

 

この階に敵はこの3人しかいないようだ。周りにいたらそれこそ銃撃戦になっていたからな。

 

「クソ・・・なんかイライラするぜ・・・」

 

「ああ。殺したんだな。人を。」

 

いくら敵であっても、殺した。その事実は変わらない。その罪悪感がストレスとなって鷹見と長谷川の心に重くのしかかっているようだ。

 

俺はどうにか自分の感情をコントロールする。ただ自分に落ち着けと言い聞かせながら。

 

こんなところで戦闘疲労起こされたら終わりだ。

 

「なあ、函南。なんでお前は平然としているんだ?何で落ちついでいられるんだ?」

 

鷹見の声は震えている。

 

俺は、確かに罪悪感は感じている。だが、それは表面だけの様に感じる。俺は本心では何を思っているのか自分でも分からない。何で自分はこうも落ち着いていられるのか、自分でも分からない。

 

ただ、この中の誰かを1人でも失えば、俺は壊れてしまうだろう。それだけははっきり分かった。

 

「俺が慌てても変わらない。もう後戻りは出来ないんだ。だったら、俺は俺の目的を果たす為に戦うさ。」

 

そう答えることしか今の俺にはできない。

 

「目的って何だ?」

 

「あいつらは人質を殺してる。俺は奴らを引っ掻き回してこっちに注意を向けさせて時間を稼ぐ。人質を救出する為のな。」

 

 

本当は俺だって戦うのは嫌だ。

 

 

仲間を失いたくない。

 

 

誰かが傷つくのを見るのは嫌だ。

 

 

だけど、

 

 

ここで俺だけが逃げたりしたら、また罪なき人が犠牲になる。

 

 

もしかしたら仲間が犠牲になるかも知れない。

 

 

だから、

 

 

 

俺は戦う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仲間の為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それならば、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喜んで犠牲者となろう。

 

 

それだけの覚悟を決めたのだから。

 

 

「お前らは先に逃げてろ。戦う意味の無い奴には戦えない。その状態じゃ、殺されに行くようなもんだ。」

 

本当は自分もこのままじゃ戦えない。そんな事は分かっている。

 

「・・・いや。俺も戦う。」

 

「俺もだ。」

 

鷹見と長谷川は言う。

 

「お前見捨てて逃げたくは無い。それに、お前に死なれたら、どんな顔してお前の家族に事情を話せと?お前を見捨てて逃げて、あいつは1人で戦って死んだと?そんな事言えると思うか?」

 

「戦う意味ならあるさ。大丈夫。俺はやれる。言い出しっぺが逃げるのは無しだ。」

 

「もう一度聞く。覚悟はいいな?」

 

「ああ。」

 

「もちろん。」

 

俺達は拳を合わせる。

 

こいつらには安心して背中を預けられる。俺はそう思っている。

 

俺達は拳を離し、移動する。

 

この先何が待っていようとも、

 

俺は守り切ってみせる。

 

大切な、仲間を。

 

それが戦う意味だから。

 

(鷹見視点)

 

やっぱり函南は強いな。いや、恐らく、無理矢理感情を抑え込んているのだろう。

 

俺達の内の誰かが死ぬような事になったらあいつは一瞬で壊れるだろうな。函南は強いが脆いという矛盾した奴だ。1人で戦うと言ったのは、出来るだけ自分が壊れる可能性を減らしたかったからだろう。

 

それを函南は薄々気付いてるはずだ。

 

なら、俺達の安全を重視した行動を取るはず。函南の判断力は俺達の中ではトップクラスだからな。

 

頼むから壊れたりしないでくれよ?俺達はお前を必要としているんだ。こんな時にまとめ役がダメになってバラバラに行動する様になればそれこそ"終わり"だ。

 

それに、俺と長谷川はそう簡単には死なない。だって、俺達の背中はお前が守ってくれるだろ?祐介。

 

戦う意味なら今出来た。

 

全員で生き延びる。それだけだ。

 

いつしか罪悪感に蝕まれていた俺は平常心を取り戻していた。




・・・暗い。

カチッ、パッ!

いや、電気じゃなくて雰囲気が。

長谷川「仕方ないだろ、本編であれだったんだからテンション上げろと言われても無理だ。」

まあ、3人共兵士ではなく民間人ですからね。自分で選んだ事とはいえ、罪悪感と言うものが重くのしかかっているのでしょう。それが人間として正しい反応です。

鷹見「函南は落ち着いてたが?」

まあ、なんで落ち着いていられたのかは後々明らかになると思いますが、原因は物語の開始前となりますね。実際、理由は2人は知ってるんですよ。まあ、落ち着いていたというより、物事を漠然としか捉えられてないという方が正しいですが。

函南「まあ、ネタバレになるからな。」

(函南、ちょっと精神科行って来た方がいいんじゃないか?)

さて、3人がどうにか戦う覚悟を決めた所で、次回、イキナリの展開になります。

函南「今3話だよな?一体どうなるんだ?」

1話で既にフラグは立ってるので、勘のいい人は気付いてると思います。

長谷川「俺達が主に苦労するんだがな。」

そこは頑張れとしか言えないですね。

函南「じゃ、締めよう。」

それでは、

「「「「次回もよろしく!!」」」」

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