いろんな意味で破滅を呼んでます。
函南「何が起きたんだよ? とりあえず本編をどうぞ!」
7/21
12:00
福岡空港 レストラン
side函南
今月の17日に俺は16歳になった。この間の歓迎会のメンバーに盛大に祝ってもらえて涙腺が緩みそうだった。
さて、今はレストランで分隊のメンバーで楽しい食事・・・のはずだが、今すぐ逃げ出したい。理由は・・・
「てめぇ!ウォトカどこに隠した!」
「自分で飲んでただろ!」
「なんだと!」
ウォッカの在庫が無くなり、ロシア軍の奴らが食事の度に乱闘騒ぎを起こし、
「今しがた大きな音が聞こえた。どういうことか説明してもらおうか?」
「え、いや、食後に運動してただけです!な、同志!」
「あ、ああそうだな同志よ!レスリングとはなんてエキサイティングな競技なのだろう!」
「それならいいが。」
モリソンが立ち去ると、バケツの水をかぶったかの様に汗をかいたロシア兵2人がその場にしゃがみ込んだ。
ちなみにモリソンが来ても喧嘩を続行した場合、仲裁(物理)が入る。
全く。食事の度にこれだ。おかげで病院送りになる奴が増える一方だ。(主にインタビューを受けた当人、及び余波を食らった奴)キリルなんか、ウォッカが無いならワインを飲むとか言ってまたモリソンのワインをくすね、インタビューを受けた。入院中。
そして今日、モリソンから重大発表があるという。
14:00
ロビー
ロビーではホワイトボードに地図を貼り付けてブリーフィングが始まった。
「総員、先程入った情報によると、奴らは広島空港に物資を運び入れている。恐らくどっかを襲撃するか籠城に備えているのだろう。ここで朗報だ。奴らは大量のウォッカを持っていると言う。ロシア兵諸君、これを奪えばウォッカがまた支給される。それまで耐えてくれ。襲撃作戦が決まり次第連絡する。以上。」
モリソンの話はこれで終わりだ。だが、その発表はロシア軍将兵にとって重大発表だったようだ。
15:00
ロビーではロシア軍の代表の3つの分隊が集まっている。で、バルチャー、ジャッカル、ユニオンはそれの見張りだ。これからロシア軍の代表で決起集会をやるとか。
「野郎ども!俺達はアルコールに飢えている!今貴様らに必要なのはなんだ!日本酒か!?」
「「「「あんな薄いの飲んだ気になれるか!」」」」
日本酒を薄いと言った。流石ロシア人だ。ちなみに最初に怒鳴っていたのはウラッドだ。
「ならばマッコリか?それともビールか!?」
「「「「あんなの酒じゃねぇ!」」」」
ロシア人はアルコール度数10%未満は酒と思わないと聞いていたが、ここまでとは。
「ならばなんだ!」
「「「「ストレートのウォッカ!カクテルなんて邪道は認めない!」」」」
ロシアではウォッカのカクテルは邪道なんだとか。前に宮間軍曹がカクテルのウォッカにトライしたら倒れたが。
「そうだ!奴らからウォッカを取り上げて俺達の物にしろ!」
「「「「Урааааааааа!!!!」」」」
もうやだ逃げたい。アランやジェームズも震えてるよ。
「なあ函南。」
「なんだ長谷川?」
「ウォッカって火炎瓶にしたら良く燃えるよな。」
長谷川はギリギリ俺に聞こえる位の声で囁く。
「誰だ!ウォトカを火炎瓶にするとかほざいた奴!」
え!?なんで聞こえたの!?
「伍長!どいつだ!?」
「あいつですドミトリエフ少尉殿!」
バッチリ俺達を指差す。待て!俺無罪!
「長谷川伍長か!そして函南曹長!貴様は前に本当にウォトカを火炎瓶にしやがったな!」
まだ覚えてたのかウラッド!
「あの時お前ら4人が中身飲んだおかげでピンチになったじゃねぇか!」
こうなりゃ徹底抗戦だ!
「「「「たりめーだ!あんな使い方するくらいなら飲んだ方がいい!」」」」
この野郎!ヴィンペルチーム全員で反論か!
「野郎ども!異端者どもに死を!」
え?ちょ!?ウラッド?
「「「「Ураааааааааааа!!!!!!!!」」」」
「「逃げろぉぉぉ!!!」」
それから福岡空港ターミナル内で、俺と長谷川VSロシア軍3個分隊のガチンコ鬼ごっこが始まった。
「「「「待てこの異端者ども!」」」」
「「誰が待つか!」」
その頃、モリソンの部屋
「失礼しますモリソン将軍!緊急の報告があります!」
「どうしたロドリゲス少尉?」
「先ほど、ロシア軍の決起集会中に、ウォッカを火炎瓶にしたらよく燃えると言った長谷川伍長と巻き添え食らった函南曹長がロシア軍に追いかけられています!警備要員だけでは対処できません!」
「分かった。奴らを待合室に誘い込め。」
「了解!」
アランはすぐにモリソンの部屋から出ると、ロシア軍を止める為にモリソンの指示通り動く事にした。
その頃函南。
「祐介!こっちだ!」
アランが手招きしている。
俺達はそのまま待合室に逃げ込むと、アランはロシア軍ごと俺と長谷川を待合室に閉じ込めた。何しやがる!?
そして、
「さ〜て、インタビューの時間と行こうか♪」
モリソンがいた。
「「「「「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」
それから俺の記憶は無くなった。その日から3日後、病院のベッドで起きた。軍医によると、ずっと何かにうなされていたらしい。思い出せるのは、恐怖とトラウマだけだ。
あの時待合室に閉じ込められた者はもれなくインタビューを受け、病院に搬送された模様。病室は干物と化したロシア兵が埋め尽くしていた。
今回、函南が入院中のため、宮間軍曹が来ています。
「どうも〜。」
今回は長谷川の一言が破滅を呼んでましたが
「当然ですよ。ロシア軍の前でウォッカを火炎瓶にするなんて言ったんですから。本当にやってましたが。」
と言うか何で止めに入らなかったんです?
「止められると思います?」
無理ですね。もし函南と長谷川が捕まってたら
「フルボッコでしょうね。どっち道病院送りですよ。」
(黙祷)
さて、今回はこの辺で
「「次回もよろしく!」」