【完結】CombatZone   作:Allenfort

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そろそろ本格的に動いてもらいますよ函南曹長?

「了解。」

それでは本編をどうぞ!


mission36 ブリーフィング

7/12

10:00

USSポセイドン ブリーフィングルーム

side函南

 

あれから俺達は訓練があった。

主にパラシュート降下やラペリング、乗り物の操作、兵科ごとの講習などだ。

 

俺は戦闘救命士(コンバットライフセーバー)で、鷹見が電子戦、長谷川と宮間軍曹は戦闘工兵の講習を受けた。うん。宮間軍曹ならピクニックにでも行くような雰囲気で戦車を葬って来るんだろうな。

 

で今、USSポセイドンのブリーフィングルームで作戦の説明が始まる。

 

ちなみにキリルはつい1週間前にもう1回インタビューを受ける羽目になり、(今度はモリソンの作りかけのプラモデルを壊したらしい。全くくだらない理由だ。)またあのメンバーで洗礼を受ける羽目になった。(また食堂で)今度は長谷川が発狂しかけて医務室に送られた。2人共、復活したのはつい昨日だ。

 

「諸君。これから作戦を説明する。」

 

今回ギャリソン艦長は英語で喋っているが、ゴーグルに日本語のテロップが表示されているので俺達でも分かる。

 

「今回は岩国飛行場への攻撃作戦だ。米軍が引っ張り出して来たブラックバードの報告によると、SLF側に付いたロシア軍のものと思われるTu-95爆撃機が集結しているとの事だ。恐らく、福岡空港を爆撃するものと思われる。そのため、海兵隊は先手を打って岩国飛行場を襲撃、爆撃機を離陸前に破壊せよ。」

 

ゴーグルに岩国飛行場の写真が表示される。ディスプレイを操作すると、拡大や視点変更が可能。全くすげェもの作ったな。

 

「まず、このUSSポセイドンからオスプレイを使用し、市街地に降下。その前に、USSレグルスから海軍のF/A-18Fが出撃し、制空権を確保するので安心してくれ。その後、飛行場へ侵入し、敵の対空車両とSAMを無力化しろ。対空設備の無力化後、海兵隊は市街地へ脱出。その後、空軍のA-10とSU-25TMで飛行場を攻撃する。また、第7艦隊は陽動のため、海兵隊の突入まで飛行場へ艦砲射撃を行う。」

 

成る程。対空車両は潰さないとA-10神はともかくフロッグフットが耐えられないかも知れないな。

 

「なあ函南、なんで爆撃で吹っ飛ばさないんだ?燃やしちまえば楽だろ?」

 

「長谷川。爆撃で穴だらけにしたら俺達が使えないだろ?」

 

「成る程な。」

 

恐らくモリソンの狙いは飛行場の奪取だ。本州攻撃への足掛かりにするつもりだろう。そして広島空港や関西国際空港辺りの敵にプレッシャーを与える。そんなとこか?もっとありそうだがそれは一兵士が気にする事では無い。初任務に集中だ。

 

「作戦開始は日本時間本日1500時ジャスト。タックゴーグルに搭乗機の情報を送信しておくので1400時には支度を済ませろ。失敗すれば我々の身が危うくなる。心してかかれ。以上。解散だ。」

 

全員が一斉に席を立つ。俺達は席に座ったまま、送信されて来たデータを確認する。搭乗する機体、侵入ルート、メインターゲットを確認する。99式とツングースカ、LAV-ADの破壊だ。他にも敵はFIM-92スティンガー、9K38 IGLAを所持と思われる。なんとまあ厄介なもんを引っ掻き集めて来たんだか。

 

侵入ルートは岩国飛行場の南30km程からオスプレイで河原を目指す。その間、艦隊は飛行場の東から艦砲射撃で暫く陽動だ。

 

また、攻撃機部隊は地上部隊の対空車両破壊と同時に福岡空港を離陸。地上部隊の作戦地域離脱が完了後に攻撃に移るとのこと。遅いような気もするが、万一敵からの足止めを食らった時に備えてだ。

 

「はっ、飛んでる内に撃たれなきゃいい。」

 

「おいおいベッカー。そんなことになったらシャレにならないぞ?」

 

「9K38IGLA・・・撃ちたい!」

 

「宮間軍曹、抑えて。」

 

ベッカーに突っ込みを入れてる間に宮間軍曹が暴走しかけた。鷹見が抑えたが。

 

12時

 

早目に食事を済ませ、俺は一人で船外通路に来た。ちょっと潮風を浴びながらオレンジジュースでも飲もうかと思ったからな。

 

左舷側船外通路、第6ステーション。たまに俺達が見張りをしている場所だ。そこに行くと先客がいた。

 

「大尉? 何をしてるんです?」

 

「祐介か。堅苦しいの嫌いだからもっとフランクでいいぞ。まあ、潮風を浴びながらグレープジュースが飲みたくなったんだ。お前はオレンジジュースか?」

 

「ああ。柑橘類のさっぱりした味が好きでな。ベッカーは?」

 

「ワインの代わり。」

 

「そんな理由かよ。」

 

俺は思わず吹き出す。

 

「ああ。作戦が終わればワインが飲める。それまではグレープジュースだ。あと、今回の作戦での活躍、期待してるぞ。これでもお前達の事を買ってるんだ。弟よ。」

 

「ウーラー。」

 

1455時

USSポセイドン ヘリ甲板 オスプレイ内

 

指定されたオスプレイには、バルチャーチームとジャッカルチームが乗っている。

 

「総員注目。あと5分で離陸する。近くの河原に降下、市街地へ侵入後、各部隊が片っ端から対空車両へC4を仕掛け、ドカンだ。その後、給油中の敵爆撃機にビーコンを仕掛けて脱出。行きと同じく河原で回収だ。」

 

ベッカーからのおさらいが終わる。

 

その後、時計の同期、データの更新を済ませる。問題無しだ。飛行場付近は堤防だらけで車両部隊が上陸出来ないらしい。

 

武装をチェック。G36Cに専用のアダプタを付けたので、STANAGマガジンが使える。

 

戦闘工兵の長谷川と宮間軍曹はC4をチェック。問題無し。

 

「作戦開始まで30秒!」

 

パイロットからの無線。いよいよだ。

 

「状況開始!」

 

オスプレイが一斉に離陸する。

 

初任務の始まりだ。

 




「俺のG36Cに付けたアダプターって実在するんだっけ?」

しますよ。

「俺のM249もSTANAGマガジンポート付きだからな。ベッカー、函南とは弾薬の共用ができるな。そう言えばハンドガンって何使ってたっけ?」

函南 Mk.23
長谷川 G17C
鷹見 M9
宮間 MP446
ベッカー MP412 REX

ですね。

「俺と鷹見以外弾薬がバラバラじゃねぇか!」

マガジン違うし。

「ところで、なんで水路は使わないんだ?」

地図見なかったの函南? 川は護岸工事されているからLAV とかは上陸出来ません。この作戦を考えるとき、地図とにらめっこしながら考えましたからね。

「ほうほう。さて、それでは」

「「「次回もよろしく!」」」

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