「了解。」
それでは本編をどうぞ!
7/12
10:00
USSポセイドン ブリーフィングルーム
side函南
あれから俺達は訓練があった。
主にパラシュート降下やラペリング、乗り物の操作、兵科ごとの講習などだ。
俺は
で今、USSポセイドンのブリーフィングルームで作戦の説明が始まる。
ちなみにキリルはつい1週間前にもう1回インタビューを受ける羽目になり、(今度はモリソンの作りかけのプラモデルを壊したらしい。全くくだらない理由だ。)またあのメンバーで洗礼を受ける羽目になった。(また食堂で)今度は長谷川が発狂しかけて医務室に送られた。2人共、復活したのはつい昨日だ。
「諸君。これから作戦を説明する。」
今回ギャリソン艦長は英語で喋っているが、ゴーグルに日本語のテロップが表示されているので俺達でも分かる。
「今回は岩国飛行場への攻撃作戦だ。米軍が引っ張り出して来たブラックバードの報告によると、SLF側に付いたロシア軍のものと思われるTu-95爆撃機が集結しているとの事だ。恐らく、福岡空港を爆撃するものと思われる。そのため、海兵隊は先手を打って岩国飛行場を襲撃、爆撃機を離陸前に破壊せよ。」
ゴーグルに岩国飛行場の写真が表示される。ディスプレイを操作すると、拡大や視点変更が可能。全くすげェもの作ったな。
「まず、このUSSポセイドンからオスプレイを使用し、市街地に降下。その前に、USSレグルスから海軍のF/A-18Fが出撃し、制空権を確保するので安心してくれ。その後、飛行場へ侵入し、敵の対空車両とSAMを無力化しろ。対空設備の無力化後、海兵隊は市街地へ脱出。その後、空軍のA-10とSU-25TMで飛行場を攻撃する。また、第7艦隊は陽動のため、海兵隊の突入まで飛行場へ艦砲射撃を行う。」
成る程。対空車両は潰さないとA-10神はともかくフロッグフットが耐えられないかも知れないな。
「なあ函南、なんで爆撃で吹っ飛ばさないんだ?燃やしちまえば楽だろ?」
「長谷川。爆撃で穴だらけにしたら俺達が使えないだろ?」
「成る程な。」
恐らくモリソンの狙いは飛行場の奪取だ。本州攻撃への足掛かりにするつもりだろう。そして広島空港や関西国際空港辺りの敵にプレッシャーを与える。そんなとこか?もっとありそうだがそれは一兵士が気にする事では無い。初任務に集中だ。
「作戦開始は日本時間本日1500時ジャスト。タックゴーグルに搭乗機の情報を送信しておくので1400時には支度を済ませろ。失敗すれば我々の身が危うくなる。心してかかれ。以上。解散だ。」
全員が一斉に席を立つ。俺達は席に座ったまま、送信されて来たデータを確認する。搭乗する機体、侵入ルート、メインターゲットを確認する。99式とツングースカ、LAV-ADの破壊だ。他にも敵はFIM-92スティンガー、9K38 IGLAを所持と思われる。なんとまあ厄介なもんを引っ掻き集めて来たんだか。
侵入ルートは岩国飛行場の南30km程からオスプレイで河原を目指す。その間、艦隊は飛行場の東から艦砲射撃で暫く陽動だ。
また、攻撃機部隊は地上部隊の対空車両破壊と同時に福岡空港を離陸。地上部隊の作戦地域離脱が完了後に攻撃に移るとのこと。遅いような気もするが、万一敵からの足止めを食らった時に備えてだ。
「はっ、飛んでる内に撃たれなきゃいい。」
「おいおいベッカー。そんなことになったらシャレにならないぞ?」
「9K38IGLA・・・撃ちたい!」
「宮間軍曹、抑えて。」
ベッカーに突っ込みを入れてる間に宮間軍曹が暴走しかけた。鷹見が抑えたが。
12時
早目に食事を済ませ、俺は一人で船外通路に来た。ちょっと潮風を浴びながらオレンジジュースでも飲もうかと思ったからな。
左舷側船外通路、第6ステーション。たまに俺達が見張りをしている場所だ。そこに行くと先客がいた。
「大尉? 何をしてるんです?」
「祐介か。堅苦しいの嫌いだからもっとフランクでいいぞ。まあ、潮風を浴びながらグレープジュースが飲みたくなったんだ。お前はオレンジジュースか?」
「ああ。柑橘類のさっぱりした味が好きでな。ベッカーは?」
「ワインの代わり。」
「そんな理由かよ。」
俺は思わず吹き出す。
「ああ。作戦が終わればワインが飲める。それまではグレープジュースだ。あと、今回の作戦での活躍、期待してるぞ。これでもお前達の事を買ってるんだ。弟よ。」
「ウーラー。」
1455時
USSポセイドン ヘリ甲板 オスプレイ内
指定されたオスプレイには、バルチャーチームとジャッカルチームが乗っている。
「総員注目。あと5分で離陸する。近くの河原に降下、市街地へ侵入後、各部隊が片っ端から対空車両へC4を仕掛け、ドカンだ。その後、給油中の敵爆撃機にビーコンを仕掛けて脱出。行きと同じく河原で回収だ。」
ベッカーからのおさらいが終わる。
その後、時計の同期、データの更新を済ませる。問題無しだ。飛行場付近は堤防だらけで車両部隊が上陸出来ないらしい。
武装をチェック。G36Cに専用のアダプタを付けたので、STANAGマガジンが使える。
戦闘工兵の長谷川と宮間軍曹はC4をチェック。問題無し。
「作戦開始まで30秒!」
パイロットからの無線。いよいよだ。
「状況開始!」
オスプレイが一斉に離陸する。
初任務の始まりだ。
「俺のG36Cに付けたアダプターって実在するんだっけ?」
しますよ。
「俺のM249もSTANAGマガジンポート付きだからな。ベッカー、函南とは弾薬の共用ができるな。そう言えばハンドガンって何使ってたっけ?」
函南 Mk.23
長谷川 G17C
鷹見 M9
宮間 MP446
ベッカー MP412 REX
ですね。
「俺と鷹見以外弾薬がバラバラじゃねぇか!」
マガジン違うし。
「ところで、なんで水路は使わないんだ?」
地図見なかったの函南? 川は護岸工事されているからLAV とかは上陸出来ません。この作戦を考えるとき、地図とにらめっこしながら考えましたからね。
「ほうほう。さて、それでは」
「「「次回もよろしく!」」」