【完結】CombatZone   作:Allenfort

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函南「さて、なんかサブタイトルがヤバいが・・・」

察して。

函南「お、おう。それでは本編をどうぞ!!」


mission28 悲鳴はヴォーカル、ベースは銃声

(函南視点)

 

「どうやって駅まで行くんだ?」

 

感染者の軍団を片付けた後、コンビニで物資を集めている。で、俺は輸送手段が気になり、ウラッドに聞いて見た。

 

「自衛隊から借りた73式大型トラックがある。それで駅まで行けるぞ。」

 

「物資も載せて?」

 

「もちろん。」

 

倉庫にあった食料や水をどんどんトラックに積み込んていく。あって困ることは無いだろう。

 

「おい! こっちはもうないぜ!」

 

ヴィクトルの声だ。倉庫の中のものはだいたい取り出したようだ。にしても少ないな。

 

「俺達も乗ろうぜ。」

 

鷹見が荷台にさっさと乗り込む。

 

運転席にはヴィクトル、助手席にはウラッドが乗った。ウラッドが運転すると言ったのだが、ヴィクトル、キリル、ユーリの3人が顔面蒼白で止めていた。なんでだろう?

 

そして残りは後ろの荷台に乗り込む。

 

「いいぞ! 出せ!」

 

ユーリがインカムを使ってヴィクトルに合図。トラックが動き出す。

 

なんか荷台にM2重機関銃とかいう愉快なモノが付いているようだがスルーしよう。

 

そんな時、後方から4輪バギー数台が接近して来た!

 

「キリル! あれは味方か?」

 

「違う! 敵だ!」

 

「でもあいつらロシア軍みたいですよ?」

 

宮間さんもロシア軍っぽい格好ですよね。

 

「敵側に付いた奴らだ! 粛清する必要があるな。」

 

まてユーリ、お前が言うとシャレに聞こえん。

 

ガガガ!! カンカン!!

 

バギーの荷台に乗った奴が撃って来た! その場にあったライオットシールドでどうにか防ぐ。

 

「クソ! めちゃくちゃ撃って来てやがる!」

 

「うわ! ちょ!」

 

ユーリが毒づき、宮間さんは咄嗟に伏せ、弾丸を避けた。

 

これはもう、長谷川の破壊力に頼らないと収集がつかない!

 

最終手段だが仕方ない。俺はバックパックに隠していた、とある缶を取り出し、

 

「長谷川! 受け取れ!」

 

長谷川に投げた。

 

「正気か!? 函南!」

 

鷹見の顔が少し青い。

 

「もう奴の破壊力に頼るしかない!」

 

投げたのは、ラムネだ。倉庫に1本だけあったのを隠していたのだ。

 

「ヒャハー!!」

 

ラムネを一気飲みした長谷川が荒ぶり出す。こうするしかない。

 

「長谷川! 50口径に付け! 後ろの奴らを吹っ飛ばしてやれ!」

 

俺と鷹見はライオットシールドを構え、M2の左右に付くと、長谷川がM2のグリップを握り、

 

「ヒャッハー! コンサートの始まりだぜ!」

 

さあ、機銃掃射(弾幕狂奏曲)の始まりだ。

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!

 

弾幕に巻き込まれ、敵が次々と血に染まり、バギーがクラッシュする。銃声、悲鳴、爆発音の騒音(協奏曲)が響き渡る。鼓膜がイカれそうだ。

 

そのうち弾が切れた。

 

「ベルトリンクはどこだぁ!」

 

「これを使え!」

 

ユーリが弾帯の入った弾薬箱をこっちに滑らせる。

 

俺は弾薬箱を受け取り、長谷川に渡す。

 

弾帯を取り出した長谷川はいそいそとリロードする。

 

「さあ、2曲目だ!」

 

新手が現れたが、後方へ回り込むと同時に弾幕の嵐に巻き込まれ、次々と挽肉の山を築き上げる。

 

「撃ち方止め!」

 

同時に弾が切れる。追っ手は巻いた、と言うか全滅したようだ。

 

「だー! 耳鳴りが止まねぇ!」

 

「何!? 耳鳴りが酷くて何て言ってるかわからねぇぞ!」

 

俺と鷹見は銃声で耳をやられてしまった。

 

「ヒャッヒャッヒャッ! 楽しい演奏会はどうだった? うん?」

 

長谷川は全力で暴走している。荒ぶる鷹とはこのことか。

 

「今度はヘリだ! Z-11W!」

 

ユーリがヘリを発見。(ほろの風穴から見えたらしい)

 

「おい冗談キツイぜ!」

 

キリルが嫌そうな顔をする。

 

ヤバい! 側面からミニガンぶっ放してきやがった!!

 

「少しは限度を考えろ!」

 

パニック状態の宮間さん、口調が完璧変わっている。

 

「RPGはどこだぁ!」

 

「こんなとこで撃ったらバックブラストでとんでもないことになるぞ!」

 

何考えてるんだ長谷川!

 

「後ろに回られるぞ!」

 

鷹見の指差す先には敵のヘリ。

 

「なら、アンコールと行こうじゃないの!!」

 

長谷川がM2のグリップを掴み、

 

「くたばりやがれ! 蚊トンボが!」

 

またしても機銃掃射(弾幕狂奏曲)の始まりだ。今度は耳に指を突っ込んでおく。

 

長谷川がパイロットを弾幕の餌食にする。ダメ押しとばかりにエンジンにもタップリ50口径をプレゼントし、ヘリを撃墜した。

 

「ひゃっほー! 最高の演奏会だぜぇ!」

 

「あいつクレイジーだな。」

 

「クレイジーの斜め右上を行っちまってるぞ?」

 

キリルとユーリが長谷川について評価する。

 

その時、ヘリが回転しながら突っ込んで来た!

 

「機体ごと来るぞ!」

 

鷹見が叫ぶ。

 

「おいマジかよ!」

 

「あぶねぇ!」

 

キリルとユーリが伏せる。

 

荷台の少し後ろにヘリが墜落、折れたローターが回転しながら飛んできた!

 

「ヤバいヤバいヤバい! マジでヤバい!!」

 

「伏せろぉ!!」

 

全員が伏せると、荷台の上をローターが飛んで行った。死ぬかと思った。

 

トラックの荷台を硝煙の匂いが覆う。長谷川のM2演奏会はようやく閉幕となったようだ。追跡してきた奴は漏れなくミンチにされたがな。そんな時、ウラッドから通信が入る。

 

「祐介、今のは何だ?」

 

「追っ手が来たから始末した。ついでにヘリも長谷川が撃墜したぜ!」

 

「どうやって?」

 

「長谷川がM2でミンチに変えた。」

 

「ミンチ・・・まあいい。ご苦労だったな。もうすぐ着くから休んでいてくれ。」

 

ウラッドからの通信だった。あれだけぶっ放したんだからウラッドが気づかないはずないしな。

 

機銃掃射(弾幕狂奏曲)の後に、トラックのエンジン音が耳に響く。あの銃声に比べたら子守唄みたいなもんだ。俺はそのエンジン音を聞きながら眠りについた。

 

俺達の通った道にはスクラップとミンチが転がっていた。

 




函南「サブタイトルの理由あれかよ!」

情け容赦のない機銃掃射ですからね。

長谷川「・・・正気を取り戻したが、我ながらヒデぇことしたかもな。」

かも、じゃないですよ。まあ、あいつらもそれ以上に酷い事してますがね。

函南「どっちもどっちだな。」

さて、函南、長谷川、鷹見のイラストを描いてみたのですが・・・あまり上手く無いのでUPしようかどうか悩んでおります。

函南「昔のお前よりは進歩してるがな。」

イラストについては暫く考えます。それでは、

「「「次回もよろしく!」」」


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