函南「いきなり何を言い出すかと思えば。」
だって!キャラのイラスト書きたいけども絵が・・・
函南「中学の美術でやった点描でお前だけ切り紙細工みてぇになったもんな。」
やめて、それは言わないで!
函南「さて、本編をどうぞ!」
(函南視点)
20:00
「そろそろ交代の時間か。」
三日月を眺めながら言う。
俺と長谷川は電池式ランタンの明かりを頼りにチェスをしている。
空は星が輝き、つい見入ってしまう。
「なあ、函南。」
長谷川がビショップを俺のキングの前に置く。
「どうした?」
俺はルークで長谷川のキングを奥に閉じ込める。
「少しは自分に誇りを持てよ。」
長谷川はナイトを動かす。
「なんだよ急に。」
何を言い出すかと思えば。
俺はポーンを前に進める。
「あのクソ野郎に罵倒された時、俺達は何であそこまでキレたと思う?」
長谷川もポーンを前に進める。
「さあな。自分勝手さが鼻についたから?」
また1つ、ポーンを前に出す。
「それもあるが、元々はお前を無能呼ばわりしたからだ。」
長谷川はナイトで俺のポーンを狙う。
「そこまで怒る事か?」
またポーンを進める。
「ああ。俺達はお前を信頼してる。だから分隊長にしたんだよ。お前以外に頼れるヤツがいやしねぇからな。」
ナイトを動かす。もう遅い。
「そう・・・なのか?」
ポーンが最奥に着く。そしてポーンはクイーンへ昇格する。
「!続きは後だ!あそこに何かいるぞ!」
長谷川が何かに気付く。
続きも何も、長谷川のキングはルークとクイーンに端に閉じ込められている。チェックメイトだ。
それは置いといて後方のようだ。
街灯は壊れて点いていない。
俺は直ぐにG36Cのアンダーマウントレールに装備していたライトを点灯し、辺りを照らす。
「いた!リッパーじゃねぇな。」
腕が変異していない。だが、首からは大出血だ。間違い無く死んでる。
「確かウォーカーだったかな?音に寄ってくるぞ!」
長谷川の記憶能力が発動。にしても厄介なのが来たな。
「2人を起こそう。」
俺はトランシーバーを手に取る。
「バルチャー2、4!!お出ましだ!とっとと起きろ!」
(鷹見視点)
「バルチャー2、4!!お出ましだ!とっとと起きろ!」
トランシーバーから函南の怒鳴り声が聞こえてくる。
売店はブレーカーが損傷しているので真っ暗だ。車にあった電池式のランタンを点けて辺りを照らす。
「こちらバルチャー2。敵は?」
なんか無線の向こうから銃声が聞こえる。
「ウォーカーが多数!交戦中!」
もうドンパチおっ始めやがったか。
「宮間さん、敵です。起きてください。」
隣で爆睡していたロシア兵・・・じゃなくて宮間さんを起こす。
「懲りない奴らが・・・今すぐミンチに・・・」
「どうしたんだ?」
助かった。宮間さんが危ない事言ってたからどうしようかと思ってたところだ。
「敵です。ちょっと相手して来るんで何かあったら使って下さい。」
俺は男性にM9と予備マガジンを2つ渡す。
「撃ち方分かります?」
「ああ。これでも元自衛隊だからな。」
「ちゃんと娘さんを守るんですよ?」
「任せな!」
俺は宮間さんと函南の援護へ向かう。
(函南視点)
だーもー!鷹見達は何もたついてんだ?こっちはもうドンパチおっ始めてんだぞ?
「ッ!撃ちたいけど敵がどこか分からねぇ!」
長谷川は辺りを見回すが、電池式ランタンじゃ光度が足りない。辺り一面真っ暗だ。
「フラッシュライト1個じゃ足らねえな!」
どっから来てる?あいつら、視覚より聴覚に頼ってるから大きな音を出せば寄ってくるのだが・・・
「後ろだ!」
「クソが!」
長谷川が敵を発見!車の後ろか!これじゃ車のヘッドライトで照らす事が出来ない!
「状況は?」
宮間さんの声。
やっと来たか。
「車の後方から来てる。だけどライト持ちが俺だけだ!」
「懐中電灯はどこです?」
「長谷川のアホが壊しちまった!」
「何やってんだお前!」
鷹見が長谷川に怒鳴りつける。
「ちょっと落っことしただけで壊れたライトが悪い!」
いや、改造に失敗して配線をめちゃくちゃにしちまったんだろ!
どっちにしろ、暗くちゃどうにもならない。
ライト付きは俺のG36CとSOCOM Mk.23だけだ。
あ!そう言えば!
「鷹見!ライターどこだ?」
「ダッシュボードの中!何に使うんだ?」
「宮間さん、これを!」
スリングを外し、宮間さんにG36Cを渡す。
そして、車に戻り、ダッシュボードをMk.23のライトで照らしながらライターとそばにあったアレを手に取る。
「宮間さん!敵を照らして!」
宮間さんはライトをウォーカーへ向ける。
よし!
俺は火炎瓶に付けたティッシュに火を点ける。
「うおりゃぁぁぁぉ!!」
パリン!ボワッ!!
瓶が割れ、日本酒に引火。日本酒がかかったウォーカーにも火がつく。
「リーダー!これ!」
宮間さんからG36Cを受け取る。
火が点いたウォーカーは辺りを火で照らす。
「ナイス函南!」
長谷川はそう言うと射撃姿勢を取る。火炎瓶を作っといてよかった。
敵が見えりゃこっちのもんだ。
鷹見の狙撃と長谷川の弾幕がウォーカーを襲い、生き残りは俺と宮間さんに撃たれ、地面に崩れ落ちる。
その時!後方からウォーカーが長谷川に飛び付くのが見えた!
ダン!
セミオートで狙い撃つ。思惑通り、ウォーカーの脳天に弾丸が命中。
「うお!あっぶねぇ!」
「後方不注意だな。」
「助かるよ。」
と、その時!!
「グラナータ!!」
「へ!?ちょ!伏せろおぉぉぉぉぉ!!!!」
俺達はその場に伏せる。
カン!カラカラカラ・・・ドン!!
グレネードが炸裂し、ウォーカーを吹き飛ばす。
誰だ!宮間さんに爆発物を渡したのは!長谷川の次に危険じゃねぇか!
そして、爆発音を最後に物音が途絶え、酸化した血液と硝煙の匂いが辺りを覆う。
雲に隠れた月が顔を出す頃には、ウォーカーは燃え尽き、亡骸と空薬莢が辺りに転がっているだけだった。
「クリア!」
「ナイスだリーダー。」
「ホントホント。」
鷹見と長谷川が言う。
「オイオイ、おだてても何も出ないぞ?」
「チッ。」
「おい長谷川てめぇ!舌打ちしたな!」
いつも通りの取っ組み合いを始める。
ま、これが新しい日常か。
にしても、火炎瓶もライトの電池も限りがある。
俺は、何度襲撃を退けられるのだろう?
何度、正しい判断を下せるのだろう?
いつか間違った判断で誰かを死なせてしまう。
それが、限りなく怖い。
そんな俺を、月が照らす。
俺はくたばっても構わねぇ。だが、お前達は生き延びてくれ。
何と無く開いた懐中時計のオルゴールから流れる曲が、暗闇に響いた。
感染者の別タイプ出現!
函南「どんな奴なんだ?」
リッパーとウォーカーの設定を載せますね。
Type01 リッパー
手が鋭い刃に変化している。長さは50cm程。
対象を爪で突き刺し、その際、ウイルスに感染させる。
色を識別出来ない。また、視力は素体となった死体に依存する。
鳥目で夜間は基本的に活動しない。
Type02 ウォーカー
外見は普通の人間。噛み付いてくる。
ド近眼で、聴覚に頼っている。
聴覚はそこそこ発達しているので夜間も活動出来る。
函南「うわぁ、なんだこりゃ?」
ウォーカーは普通のゾンビっぽいですが、どっちもダッシュして来ます。
函南「ジャンプもしてたな。」
普通のゾンビじゃ長谷川が無双しちゃいますからね。まだバリエーションはありますが。
函南「全く厄介な。じゃ、締めようか。」
はい。それでは、
「「次回もよろしく!」」
函南「あれ?他の奴らは?」
疲れて寝てる。