函南「さて、主がやりたかったネタがやっと出せるようだが?」
それはちょっと後になりますね。それでは本編をどうぞ!
1/4サブタイトル変更しました。
mission13 悪夢の再来
とある病室
1人の少年は窓際で月を見上げている。
彼の左頬には、何かで切られた様な傷がある。
1ヶ月前、彼は窮地に立たされ、仲間と共に戦う事を選んだ。
その場にいた民間人を救出した。
しかし、数名は既に犠牲となっていた。
彼の両親と、妹や弟も。
顔は判別が付かなかったが、DNA鑑定により、彼の家族と判明した。
ただ、父親の死体だけは見つからなかった。
彼は全身に傷を負い、瀕死になりながらも戦い、生き延びた。
あの事件以来、彼の戦友も顔を見せない。
いつも孤独で、ただ虚ろに毎日を過ごしていた。
ベッドの隣の棚には、あの時持っていたドッグタグと、持ち主の見つからなかったオルゴールの内蔵された銀の懐中時計があった。
6/15 10:37
(函南視点)
いつも通り、朝食の後、日課のトレーニングをしている。
その時、誰かが入って来た。
「よう、元気そうじゃないか、函南。」
「お前もな。鷹見。」
鷹見だ。1ヶ月振りといったところか。
「悪りぃな。あの事の取り調べやら個人で情報収集やら大変だったんだ。」
またハッキングでもしてたのか?
「で?何か分かったから来たんだろ?」
鷹見は何も言わず、レポート用紙の束を渡す。
「これは?」
「あの時回収したレポートの日本語訳だ。」
俺はそのレポートに目を通す。
「・・・何だこれ?嘘だろ?」
「嘘じゃない。あの時、そこに書いてある"不死身に近い"化け物と長谷川が交戦したんだ。」
その場に鷹見は新聞を置き、話を続ける。
「そいつはまだ人を襲っている。この新聞にある通りな。」
新聞の見出しには、
謎の連続殺人。肩から刃物で心臓を一撃
とある。
「まさか・・・」
信じたくない。確かに奴らは殲滅したはずだ。
「公開されてはいないが、いきなり遺体が変異して警察もパニクったらしい。」
「また戦うのか?」
「そうなる。」
「俺に戦えると思うか?結局こんな化け物野放しにしちまった上に体はボロボロだぞ?」
「いつまでそんな弱気でいるつもりだ!これを作った張本人は逃げたんだ!お前はそいつを野放しにしてボンヤリしてるつもりか!あのときのお前はどこへ行った!」
そう、あの時捕まえた敵のボス(本名、国籍は不明。)はいつの間にか逃走していた。俺が病院に担ぎ込まれた頃、屋上から離陸するカサートカが目撃されたことから、生き残りを連れて脱出したと見られている。
「確かにその通りだ。」
奴は野放しにはできない。
「それに、お前以外に誰が指揮をするんだよ。まとめ役はお前だろ。」
「ああそうだな。必ずあのクソ野郎はとっ捕まえてやる。」
「なら直ぐ着替えろ。長谷川が熊井さんの店で銃を改造してるぞ。」
長谷川が銃を改造だと?
「なあ、何か嫌な予感がするんだが・・・」
なんか嫌な予感しかしない。いや、確信だろう。
「鋭いな。あいつ、M249の命中精度を犠牲に、連射速度ガン上げしやがったぞ。トリガーハッピーモデルってドヤ顔で言っていたな。」
鷹見は苦笑いを浮かべた。
「あいつ誤射するに10ドル」
俺は長谷川がまたやらかすに賭ける。
「同じく。」
そんな軽口叩きながら、着替える。
その時、放送が入る。
「緊急事態発生!係りの指示に従い、直ぐに避難せよ!繰り返す・・・グシャ!ギャァァァ!!!!」
「「!?」」
どうやら、悪夢がまた始まったらしい。
「ほら。お前に必要な物だ。」
鷹見から渡されたホルスターには、SOCOM Mk.23が入っている。あの時入手したものだ。マガジンには.45ACP弾が装填されている。
「お、タクティカルライト付けたのか。嬉しいねぇ。」
素早く腰にホルスターを着けると、Mk.23を構える。そして、1回ガンスピンしてホルスターに戻す。
「サマになってるじゃん」
鷹見はM9を構え、言う。
「お前もな!」
ドッグタグと懐中時計をジャンバーのポケットに入れた。
「行くぞ!」
今度は何が待っているのか、知る由もない。
函南「俺生きてたようだな。前回流石に死んだと思ったが。」
死なせる訳には行きません。確か書いたと思いますが、ウイルスは免疫により無力化されたので函南くんはゾンビになってません。
鷹見「ならなくてよかった。あれだけやられて生きてるとかとんでもない生命力だな。」
函南くんはあれから3日は寝てましたね。出血多量で一時はヤバい状態になりましたし。
函南「脇腹をパックリやられればな。」
鷹見「さ、これからどうなることやら。それじゃ締めよう。」
了解。それでは、
「「「次回もよろしく!」」」
長谷川「あれ?俺は?」
お前今回出番なかったろ!