『えーっ、このようにして、ポケモンと人間は強い信頼関係を結ぶようになった。今年、本校に入学した皆さんも、ポケモンと信頼関係を築き、ぜひとも優秀なポケモントレーナーになって欲しい。』
トレーナーズスクールの校長の挨拶を終え、入学式は終わりを迎えた。
「はあー、やっと終わったぁ~。」
「面白かったな!校長の話!」
「……サトシ、お前…ポケモンの話なら何でもいいんだろ?」
「そうだよ。それが何だ?」
「………羨ましいよ…その性格。」
スバルとサトシは教室に戻る。まだ、半分は戻ってきてないようだった。
「そういや、サトシのポケモンってまだ教えてもらってねぇぞ。」
「え?俺のポケモン?…出さないけど…ピカチュウだよ。」
「え!?マジで!!すげっ!めっちゃ、珍しいヤツじゃん!!」
「シーーーっ!」
サトシは人差し指を口にあてている。それを見たスバルは周りを見ると、クラスの皆がこちらを向いていた。
「あっ、すみません…。」
「たく、人のこと言えないぞ。それ…。」
「そうだな…サトシの言うとおりだ…。」
ガラッ
教室の扉が開き、先生が入ってきた。男性で白衣を着ている。
「あーっ、皆さん入学おめでとう。俺の給料が増えたことに感謝する。」
どうやら、性格が捻くれてるようだ。
「まず、俺の名前はサカタ・ハジメという。こう見えてポケモン研究をしているので、ポケモン科担当だ。今日からお前らの担任になった。よろしく。」
担任の先生らしい。サカタはガシガシと頭をかく。
「一時間目からポケモンバトルの実習をする。ので、グラウンドに集合だ。はい、ホームルーム終わり。」
サカタは退出し、生徒達はガヤガヤと話を始める。もともと、実力でのクラスわけは同じクラスに強いやつがいるとバトルにならないからだ。強いやつも弱いやつを倒してもつまらないだろう。
「よっしゃ!早くも実習か!燃えてきた!」
「といっても、サトシのポケモン言うこと聞いてくれないんだろ?」
「そうだった…ガクシッ」
サトシのポケモン、ピカチュウは決して人懐こい性格ではないといわれている。だが、今後なぜかサトシに心を開いたと思えば人懐こい性格にかわっている。どういうことなのかは分からないが。
「でも、サトシの気持ちは分かるぞ。」
「!ホントか!?同士よ!!」
サトシはスバルに抱きつこうとする。スバルはひらりとかわして避ける。床に顔面激突したサトシだった。
「うッ…痛い…。」
「自業自得だ。」
サトシは起き上がると鼻血を拭く。もう、皆が移動し始めたので自分達も移動しようと思ったのだ。
「さて、行くぞサトシ。バトルできるといいな。」
「できたとしても、こいつが言うこと聞いてくれるが問題。」
「あ、その…ガンバ。」
「うっ…悲しくなるから…やめろ。」
学校生活は始まったばかりだ。