モンハン×オリ主
皆さんは、『小さな狩人』の話をご存知だろうか?
ここは、バルバレ。大きな船で移動する集会場が現在、滞在している場所だ。この集会場にはいろいろな
集会場に来た一人のハンターが小銭稼ぎにと採取クエストでも受けようかと依頼板を見ていたらふと目に入ったそうな。そこには、こう書かれていた。
「小さな狩人?」
クエスト名は小さな狩人。内容は、一匹のアイルーを調べて欲しいということだった。アイルーとは、猫のような姿をした獣人たちのことだ。主に、白毛をアイルー、黒毛をメラルーという。獣人たちは人語を喋ることができ、小さな集落を作りそこに暮らしている。中にはハンターの手伝いをしたり行商人として活動している者もいるそうだ。
その依頼を見たハンターは採取クエストより報奨金が高いことに気づいた。よしこれならと紙をちぎりカウンターへと持っていく。カウンターの受付嬢はハ~イと挨拶をして紙を受け取る。
「コレですか……ハンターランクは?」
「? 2ですけど?」
「なら、いいです」
不思議に思うハンターをよそに、受付嬢は手続きを完了させる。それから受付嬢はいってらっしゃいませ~と手を振りハンターを見送る。
見送った後、隣の受付嬢が話しかけてきた。
「また、あのクエスト?」
「はい。ですが、今度はランクが2の方ですので大丈夫でしょう」
「そうだといいけど……」
そこまでの会話をして受付嬢たちは自分の仕事に戻る。こう言っちゃなんだが、たかがアイルーの調査。何の心配があるというのだろうか。
ところ変わって、原生林。一匹のアイルーが一頭のモンスターから逃げ回っていた。
「ニャァァァアア!!」
奇声を上げて。追いかけられているのは、筆頭オトモと呼ばれるアイルーだ。新人ハンターがバルバレに来たという情報を得て向かっていたのだが、今の状況にいたる。
「よりによってババコンガに見つかるとは思ってもみなかったニャ!! 筆頭オトモの名が廃るニャー!!」
そう、筆頭オトモを追いかけているのはババコンガと呼ばれる牙獣種だ。ピンクの毛並みが特徴的で食欲旺盛である。自分のテリトリーに入られたら例え、アイルーのような小さな動物でも追い出そうとするだろう。
筆頭オトモが必死に走っていると、自分の上を何かが通りすぎたような気がした。その直後、ババコンガが叫び筆頭オトモの反対側へと跳んでいった。ババコンガの声を聞き、慌てて振り返る。そこには一匹のアイルーがいた。
「誰ニャ?」
深い青で少し癖った毛並み、シュッと後ろに伸びる耳、折れ曲がったような尻尾、腕に赤いバンダナを巻き、装備はインナーとアイルーにしては長い太刀を持っていた。
筆頭オトモは信じられなかった。自分でも倒すのは無理に等しい、大型モンターを吹き飛ばしたのだ。
「大丈夫かニャ?」
「誰ニャ?」
「俺はトルテ。野良オトモアイルーだニャ」
オトモアイルーとは、アイルーでありながらハンターの資格を持つアイルーのことである。
ハンターの心得 オトモアイルー情報より
野良オトモアイルーは雇い主がいないオトモアイルーのことだ。
「君は強いニャ。筆頭オトモが情けないニャ……」
「そんなことニャい。君が逃げ回っているから隙が出来たんだ。さ、逃げるニャ、ババコンガが起きる前に」
トルテと名乗った野良オトモアイルーは筆頭オトモの手を引いて走り出す。アイルーたちの後ろではむくりとババコンガ起き上がっていた。そして、不意打ちをやられたのが悔しいのか、怒り状態になり咆哮を上げる。
アイルーたちは必死に走り、ババコンガの姿が見えないと確認するとヘタッと座りこんだ。
「そういえば、君の名前は?」
トルテは筆頭オトモにそう聞いた。呼ぶときに困るからだろうか、それとも自分だけ名乗るのは嫌だったのだろうか。どちらにしても、筆頭オトモは名乗ることにした。
「僕の名前は、ハズキニャ。よろしく、トルテ」
「よろしく」
それだけ言うと黙ってしまった。何だか気まずいハズキ。しばらく、二匹とも黙り込んでいたがトルテが口を開いた。
「そういえば、君はどこに行こうとしてたニャ?」
「バルバレニャ。新人ハンターが来たと団長さんから連絡が来たニャ」
「それなら、そこのハンターに頼めばいいニャ」
「え?」
トルテが指すのは茂みの中。すると、ガサガサと音をたて一人のハンターが出てきた。
「まさか、バレるとは……」
ため息をつき、こちらに歩んでくるハンター。ジャギィシリーズの防具を見に着けた男性だった。傍まで来ると、ドサリと胡坐をかいた。
「なんで隠れてたニャ?」
ハズキはハンターにそう聞いた。ハンターがいた事にも驚きだが、同時にトルテの察知能力にも驚いていた。
今度は、トルテがため息をついて頬ずえをつく。
「どうせ俺のことだ。クエストになってるとは聞いているニャ」
「正解」
「ニャニャ!?」
男性ハンターは笑顔で言い、ハズキは驚いてた。なぜ、オトモアイルーがクエストの対象になるのか分からないからだ。
「クエスト達成したいニャら、そこの筆頭オトモに聞くニャ。それじゃ…」
それだけ言うとトルテは穴を掘って消えた。アイルーたちは遠くへ行く時は穴を掘る方が早いのだ。残された一人と一匹はポカンとして、互いに顔をあわせた。