何気に書いた二次作品集   作:青火

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ノーネームの説明は飛ばしました。もう、一話でこりました。


問題児×オリ主 4

「きゃーきゃーきゃー♪ 見てください! こんな大きな水樹の苗を貰いました!」

 

「よかったねウサちゃん。だけど、一つ聞いていい?」

 

「どうぞどうぞ! 今なら一つと言わず三つでも四つでもお答えしますよ~♪」

 

「それは三段腹な事だな。」

 

「誰が三段腹ですか!」

 

 

 怒ったり喜んだりと忙しない黒ウサギ。満は倒れている蛇神を見ながら質問をする。

 

 

「ウサちゃんのコミュニティ--“ノーネーム”だっけ?のことはよくわかったよ。十六夜も入るなら僕も入ろうと思う。」

 

「満さんまで入ってくださるのですか!?」

 

「嫌なら、違うところ行くけど?」

 

「だ、駄目です!」

 

 

 満は黒ウサギの慌てっぷりにふふっと笑う。

 

 

「冗談だよ。でも、三十日間は僕等にコミュニティに入らず、自由なんでしょ?」

 

「はい。」

 

「じゃ、僕は黒ウサギたちと行動を共にするけど僕は入っていないことにしといて。」

 

「な、何故ですか!?」

 

 

 突然の申し出に困惑する黒ウサギ。さっきは入ると言っていたのに、三十日間は入らないと言い出したのだ。言葉が矛盾しているのだ。

 

 

「僕は拘束されるのが嫌だからね。それに、僕は一つの理由で仲間を裏切れる自信がある。」

 

「言っていることがわかりませんが、決してコミュニティに入るからと言って基本、行動が制限されることはありません。」

 

「そ、それなら入る。」

 

「どっちなんですか!!」

 

「ふふっ…じゃ、“世界の果て”を見に行こう十六夜、ウサちゃん。」

 

 

 さっさと歩き出す満に十六夜は横を歩き、黒ウサギは置いていかれる。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんであの短時間に“フォレス・ガロ”のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」準備している時間もお金もありません!」「一体どういう心算があってのことです!」

 

「聞いているですか三人とも!!」

 

 

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省してます。」」」

 

 

「黙らっしゃい!!!」

 

 

 まるで口裏を合わせたような言い訳をする三人に激怒する黒ウサギ。それをニヤニヤと見ていた十六夜が止めに入る。

 

 

「別にいいじゃねぇか。見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ。」

 

「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ? この“契約書類(ギアスロール)”を見てください!」

 

 

 “契約書類”は“主催者権限(ホストマスター)”を持たない者達が“主催者”となってゲームを開催するためにあるギフトだ。

 

 

「『参加者(プレイヤー)が勝利した場合、主催者は参加者の言及する全ての罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する』----まあ、確かに自己満足だ。時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを背負ってまで短縮させるんだからな。」

 

「僕らノーネームのチップは『罪を黙認する』だから…失うものはないね。」

 

「でも時間さえかければ、彼らの罪は必ず暴かれます。だって肝心の子供達は……その、」

 

 

 黒ウサギは言い淀む。

 

 

「そう、人質はもうこの世にいないわ。その点を責め立てれば必ず証拠はでるでしょう。だけどそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの。」

 

 

 それにね、と飛鳥は続ける。

 

 

「私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲内で野放しにされることも許せないの。ここで逃せば、いつかまた狙ってくるに決まってるもの。」

 

「ま、まぁ……逃せば厄介かも知れませんけれど。」

 

「僕もガルドを逃したくないと思っている。彼のような悪人は野放しにしちゃいけない。」

 

 

 ジンも同調する姿勢を見せ、黒ウサギは諦めたように頷いた。

 

 

「はぁ~~……。仕方がない人達です。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。“フォレス・ガロ”程度なら十六夜さんと満さんがいれば楽勝でしょう。」

 

「何言ってんだよ。俺は参加しねぇよ?」

 

「僕も。」

 

「当たり前よ。貴方達なって参加させないわ。」

 

 

 フンと鼻を鳴らす二人と、ハハッと笑う一人。黒ウサギは慌てたように食ってかかる。

 

 

「駄目ですよ! 御三人はコミュニティの大事な仲間なんですからちゃんと協力しないと」

 

「そういうことじゃないよウサちゃん。」

 

「この喧嘩は、コイツらが売った。なのに俺達が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ。」

 

「あら、分かっているじゃない。」

 

「……。ああもう、好きにしてください。」

 

 

 もうどうにもなればいいと呟いて肩を落とす黒ウサギだった。

 


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