D×オリ主
「なんで…こんなトコにこんなもん…建てたんだ……」
一人の少年が断崖絶壁をよじ登る。
「ハーーーっ、ハーーーッ。や……やっと着いた……エクソシスト総本部、黒の教団…かな…?」
白髪の少年 アレン・ウォーカーは道の向こうにある黒い塔を見上げる。
「にしても、アレル。キミ、重くなってないか…?」
「キュイ?」
アレンの頭の上にいる青いトカゲはアレル・ウォーカー。アレンが弟のように育ててきたトカゲだ。
「話には聞いてたけど、なんてゆーか、雰囲気あるなー……ココだよね、ティムキャンピー?」
ティムキャンピーと呼ばれた黄色いゴーレムはコクコクと頷く。アレンは、起き上がり門まで歩く。
その頃、教団本部内部では…。
「なんだいこの子は!?ダメだよ、部外者入れちゃぁ~、何で落とさなかったの?」
白い帽子を被りコーヒーカップを持った、黒髪の男性はメガネを押さえながら言う。その問いに、金髪の男性と黒髪ツインテールの少女は答える。
「あっ、コムイ室長。それが、微妙に部外者っぽくねーんスすよね。」
「ここ見て、兄さん。この子、クロス元帥のゴーレム連れているのよ。」
「!」
『すみませーーーん』
アレンは、黒いゴーレムに気づき話しかけていた。
「クロス・マリアン神父の紹介で来た、アレン・ウォーカーです。教団の幹部の方に謁見したいのですが……。」
「元帥の知り合いだ!」
「あの人生きてたのか。」
「『紹介』って言ってますけど室長、何か聞いてますか?」
金髪の男性がコムイに問う。コムイはコーヒーをすすりながら答える。
「知らない」
『後ろの門番の身体審査、受けて。』
「え?…………どうも。」
アレンは後ろを向き、門の間にある顔に挨拶をする。その顔はアレンに近づき、目を光らせ当てる。
(レントゲン審査!アクマか人間か判別!!)
因みにアクマとは、千年伯爵が生み出す生きる兵器、通称AKUMA。機械と魂、人間の悲劇を材料とする兵器だ。人間の皮を被り人間社会に紛れている。そいつを倒すのがエクソシストの役目だ。アレンもその一人。
「こいつ、アウトーーーーー!!こいつバグだ!額のペンタクルに呪われてやがる!アウトだアウト!!ペンタクルはアクマの印!こいつは奴らの…千年伯爵の
「んな!?」
『『なにぃーーーー!?』』
「おい、城内のエクソシストは………」
「大丈夫、神田がもう着いたわ。」
黒髪でポニーテールの神田と呼ばれた青年が門の上に立つ。
「一匹で来るとはいー度胸じゃねーか…。」
「ちょっと待って!!何か誤解されて…」
ゾワッ
急に後ろから寒気を感じたアレンはとっさに対アクマ武器を発動する。神田の攻撃を受け、後退りする。
「つっ?」
発動させた左腕が痛み、見てみると剣傷が入っていた。
「 !(対アクマ武器に傷が!!アクマの砲弾でもビクともしないのに、たった一撃で!?)」
神田がアレンの腕を見て、驚く。
「!……お前、その腕なんだ…?」
「この腕は対アクマ武器ですよ。」
「何? 門番!!!」
びくっ
「いあっ、でもよ、中身がわかんねぇんじゃしょうがねぇじゃん!アクマだったらどーすんの!?」
「僕は人間です!確かにちょっと呪われてるかも知れませんけど、立派な人間ですよ!」
そう言ってアレンは、門番のあごを叩く。
「ぎゃぁぁあ!さわんなボケ!」
それを見ていた神田だったが、刀を構えた。
「ふん…まぁ、いい。中身を見ればわかることだ。この“六幻”で斬り裂いてやる。」
(刀型の対アクマ武器!)
アレンは神田の対アクマ武器に驚き、神田はアレンに向かって走り斬ろうとする。
「待って!ホント待って!僕はホントに敵じゃないですって!クロス師匠から紹介状が送られてるはずです!!」
その言葉を聞いた神田は刀をアレンの目の前で止める。
「元帥から…紹介状…?」
「そう紹介状…(この人、怖えぇっ…)」
『コムイって人宛てに……』
皆がコムイを一斉に見る。当の本人は、一人の部下を指す。
「そこの君!…僕の机を調べて。」
指を紙束が机の上や床に散らばっている机に動かす。
「アレをっスか…?」
部下に命令させといて自分は動かないコムイ。皆がコムイを見る。
「コムイ室長……」
「兄さん……」
「…僕も手伝うよーっ。」
数分後…。
「あ、ありましたぁ!クロス元帥からの手紙です!」
「読んで!」
「〝コムイへ 近々、アレンというガキをそっちに送るのでヨロシクな byクロス〟です。」
「はい!そういうことです。リーバー班長、神田くん止めて!」
「たまには机、整理してくださいよ!! 神田!攻撃をやめろ!」
コムイはコーヒーのおかわりをするために、コーヒーメーカーの下へ歩く。
「リナリー、ちょっと準備を手伝って。」
リナリーと呼ばれた黒髪ツインテールの少女はコムイの方を向く。
「久々の入団者だ。」
「かっ、開門ん~~~~?」
ごごごごごごごっ
門番の両脇の扉が開く。
「あの人が、出してきた子か……鑑定しがいがありそうだ♪」