「ブラック?」
「グリーン?」
「ピンクだぁ?」
いきなり現れて、こちらに対してリュウソウジャーと言われて俺は戸惑い、ソーマは疑うように見つめており
「えっと」
「けっ」
「イエロー!!」
忍はなぜかピンクの胸部を睨み付けており、俺は慌てて忍を引っ張っていく。
「まさか、これが先代のルパンレンジャーだとはな」
「そう言うお前達は何者だ?
なんか転生者みたいか気配をしているが?」
「まぁその通りだ。
俺達はとある事情があって、死神と契約し、リュウソウジャーになった」
「俺達としては先輩としてあんた達の様子を見させてもらったけど、やっぱりこういうのは実践でやった方が分かりやすいと思ってな」
「・・・」
「なるほどね」
各々の反応は違うようだが、俺達の実力に対して疑問があるようだ。
「・・・良いだろう。
直接確かめるのは、その後だ」
「あぁそうだな」
そう言い、グリーンとブラックはその場から去っていった。
「お前は行かないのか?」
「私は正直言って、未だに分かりません。
世界を救ったと言われても信じられず、聞かされた貴方達の経緯で」
「なるほどな、まっ確かにな」
改めて考えてみれば、怪盗となって活動している俺、神を殺す為に作られた人造人間ともいえるソーマ、そして長年人を喰らい続けた吸血鬼。
その三人だから、向こうからしたら信じたら良いか分からない存在だろう。
「まぁ確かにそうだな。
けど、とりあえずは行くか」
「そうだな」
「けっ」
「はっはい」
忍は最後までなぜかピンクを気に入らない様子で現場へと向かったのだが、そこには黒く月を思わせる奴の他に黒と白の模様の盾と槍を持った奴らがいた。
「なんだこいつらは?」
「さぁな、だが」
「数が数だけに厄介そうだな」
「とにかく片付ける」
俺達はその言葉と共に手に持ったリュウソウケンで周りにいる奴らを吹き飛ばしながら、黒い奴に向かっていく。
「一番乗りは貰うぜ!!」
そう言い、グリーンは剣を使って斬りかかるが、目の前にいる奴は意図も簡単に受け止め、グリーンを吹き飛ばす。
「なっ!!」
「貴様は未だに未熟だな。
俺の相手にはならない」
「てめぇ」
「俺の名はジャークムーン。
俺を満たす強者はいないのか?」
「とにかく油断はできない相手だな」
「確かにな」
その言葉と共に、俺達は一斉に囲むように攻め込んでいくが、ジャークムーンは俺達の合間を縫うように攻める。
「数も強さもある程度はあるが、連携はなっていない」
「ぐっ!」
その言葉に否定はできず、先程の事もあり、俺達は息を合わす事ができていない。
そうして、俺が倒れ込んでしまうと、ジャークムーンはこちらに剣を向けてきた。
「この程度か、この世界を守る奴は」
そう言い、ジャークムーンはそのまま剣を振り下ろすのと同時に俺は剣を上に押し上げて、リュウソウケンを押し当てる。
同時にリュウソウケンを引くと、リュウソウケンはジャークムーンから何かを吸い上げて、俺の手元には新たなリュウソウルが現れる。
それをすぐにリュウソウケンに挿入する。
【リュウケンドー!】
【ゲキ・リュウ・ケン!スーパーヒーロー!リュウケンドー】
「なっ!!」
その音声が鳴り響くと同時に、俺の剣から青い龍が現れジャークムーンを吹き飛ばし、上に一度吠えると共に俺の元に来ると、瞬く間に俺の身体を覆う。
覆われるのと同時に俺は先程の龍をイメージさせる青い装甲を身に纏う。
「くっくはははぁ!!
面白いぞ、まさかこの世界でリュウケンドーの力を使う奴と出会えるとはなぁ!!」
「リュウケンドー?」
「さぁ勝負だ、リュウソウレッド!!」
その言葉と共に俺に再び剣を振り上げ、襲い掛かるが、俺は手に持ったリュウソウケンを持ちながら、応戦する。
「これはっ?」
俺はリュウソウケンを振り上げると、これまで苦戦していたとは思えないように、ジャークムーンの剣技を受け流す事ができた。
「なにが起きているんだ?」
「奴の身体に残っている魂が再現したんだろ」
「どういう事じゃ?」
「リュウソウケンは相手の特典を喰らい、その特典をリュウソウルに変える能力がある。
だが、転生者自身が力を持っており、特典を持っていない奴の場合、リュウソウケンは持ち主と近い力を再現する」
「だとしたら」
「あいつはリュウケンドーという奴と似ているから、そいつの力を再現しているだろ」
「なるほどな」
情報として、なんとか聞き取れたが、どうやらこの力自体は紛い物みたいで、本物ではないようだ。
「だが、紛い物だろうと、人を守るのにそんなのは関係ない!!」
「あぁそうだ!!
お前がリュウケンドーの偽物だろうと関係ない!
今、こうして俺と戦えている、それだけで戦う価値がある!!}
そう言い、俺をさらに攻め込んで来る。
「思考は大事だが、今、必要なのは!!」
「そう、斬り合っているこの感覚だけだ!!」
俺は剣を交えながら、剣による斬撃を受け止め、弾き、反撃を行っていく。
「どうなっているんだ、これは!!」
「さっきとは確実に動きが違う」
ジャークムーンとの戦いの中で、俺は手に持ったリュウケンドーソウルを再度リュウソウケンに入れる。
【ファイ!ナル!ブレ!イク!剣ボーン!】
「暗黒月光剣!斬月の太刀!!」
その音声と共に、俺は上空へと飛び、剣に青いエネルギーが集まりながら、ジャークムーンへと向かって振り下ろし、ジャークムーンも剣に闇のエネルギーを集めて、ぶつかり合う。
互いの剣のエネルギーがぶつかる事により、俺は後ろへと吹き飛ばされながら、手に持ったリュウソウケンを地面で押さえて、勢いを殺しながらジャークムーンの方へと見る。
ジャークムーンは未だにこちらに剣を向ける。
油断ができないと思い、手に持ったリュウソウケンを構えるが
「ふっ」
だがジャークムーンは剣を地面に落として、その場から膝から崩れ落ちる。
「ジャークムーン」
「そう悲観するな、リュウソウレッド。
所詮は紛い物の命、決着が終われば消えゆく運命だったのだ。
だが忘れるな、リュウソウレッド」
そう言い、俺の肩に手を置く。
「最後に俺の望みを叶えてくれて、感謝する。
お前のおかげで、満足のいく死に方ができた」
「・・・」
「受け取れ、貴様にはその責任がある」
その言葉と共にジャークムーンは光に変わり、自らリュウソウケンへと入り込むと、そのまま飛び出ると、そこにはリュウソウルへと変わっていた。
「・・・ジャークムーンは」
「もう意識はない。
残っているのは力だけだ」
ブラックは地面に落ちていたジャークムーンだったリュウソウルを取り確認すると、既にこの世にはジャークムーンがいない事が分かった。
「・・・そうか、だったら、俺は初めて転生者を殺してしまったかもな」
これまで、一度として破るつもりがなかった約束。
それを俺は破ってしまった。
それはジャークムーンが悪い訳ではない、俺の覚悟が足りなかったせいだ。
「人は生きていたら何度でもやり直せる。
俺はかつて、それを信じて戦っていた。
だけど、それは偽りだと気づかされて、絶望していた」
「ブラック、お前も似たような事を」
「お前は今、その時の俺と同じ道に行こうとしている。
変わるとしたら、お前が本当に人々を救う為に歩むのかどうかだ」
「・・・あのっ俺からもいいっすか?」
「グリーン?」
「俺は正直、ジャークムーンは死んで良かったと思っています。
あいつは自分がどこに向かうべきか分からなかったけど、そのレッドさんと戦ったおかげで道を見つけられたと思います」
「道か」
「確かに生きる事も大切です。
けど、死んでしまった後、本来辿るべきだった道へと戻す事も冷酷だけど必要だと思います」
「本来か、難しいな」
「私もです。
限られた命を精いっぱい生きる事、それを償う為に生きる事。
そして死んで、本来の道へと導く事、それが私達にできる事だと思います」
「・・あぁそうだな」
これまでの戦いの多くは転生者に新たな道を歩ませる事に固執していた。
だけど、時には本来の居場所へと行かせる為に倒す事も必要かもしれない。
「未だに迷うが、それもまた人間だ」
「それに儂らには仲間がいるからな」
「あぁ」
俺はそれを聞き立ち上がり、気持ちを切り替える。
あの戦いで様々な道を教えてくれた好敵手の為にも、俺は迷いながらでも進まないといけない。
「・・・お前達は?」
「俺は、お前の意思を未だに確認ができていない。
今度な」
「俺は別に良いっすよ。
あんたからはさっさんと良い奴の感じがするから」
「私も先輩と似たような感じがしますので」
「そうか、俺は少しだけ離れる」
そう言い、ブラックはその場から離れた。
「本格的に集まるのはまだまだだな」
「にしてもお主ら、儂らの素性を知っているようじゃが、人間ではない匂いもしているが?」
「あっそれを含めて自己紹介させてもらいます!!」
そう言い、リュウソウチェンジャーからリュウソウルを取り出し、変身を解除する。
「俺はリュウソウグリーン、不知吟士!
生前は喰種捜査官をしておりまして、その半分喰種です」
「「「?」」」
「私はマシュ・キリエライトです。
カルデア所属のデミサーヴァント、クラスはシールダーです」
「「「???」」」
いきなり出てきた喰種やデミサーヴァントなど訳の分からない単語で俺達は同時に頭を捻らせてしまう。
「・・・ようするに、まぁ似た者同士な訳か」
「ここにまともな人間はいない訳か」
「それはまぁ合っている気がするけど」
「あははぁ」
こうして、俺達は新たな仲間を向かえた。
カリオストロ戦での連の姿は
-
リュウソウジャー
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ルパンレンジャー