特典を喰らう騎士   作:ボルメテウスさん

20 / 25
EPISOOD19 不器用先輩と素直な後輩

「でっ出ていってしまいましたね」

 

「まぁ、連は時々、一人で動く時があるからのぅ」

 

連が爆弾魔事件を追っていた時、彼が出ていった所を見ていたソーマ達は呆然としていた。

 

「とりあえずは自由行動じゃな」

 

「えっ、忍さん!?」

 

連が出ていった事をきっかけに忍も出ていこうとしていた。

 

「えっ良いのか!?」

 

「元々はルパンレンジャーの時から自由行動が多かったからな」

 

「そういう感じなのか」

 

忍の行動に対して呆れたように不知は言い、神牙は特に何もなかったようにコーヒーを飲み始める。

 

「っ、私、忍さんに付き添います」

 

「えっマシュちゃん!?」

 

忍の後を追うように店から出ていった。

 

「今日はなんだか騒がしいなぁ」

 

「とりあえず、お前達も働け」

 

「「えっ」」

 

ソーマはそう言いながら、エプロンを取り出し、二人に押し付けると不知と神牙は驚きの顔で振り返る。

 

そんな事が喫茶店で起きている間、マシュは忍の後についていく。

 

「まっ待ってください!!」

 

「なんじゃ、お主が着いて来る」

 

「えっ、その、忍さんとはあんまり話した事がなくて、その一緒に戦うメンバーなので」

 

「あぁ」

 

「えっ?」

 

忍に話しかけたマシュだが、忍は何やら機嫌が悪くなったのか、振り返った。

 

「えっ?」

 

「勘違いするなよ、小娘。

儂は別に一緒に戦う仲間だとは思っていない」

 

「えっ、それは一体なんで」

 

その言葉に戸惑うマシュだが、忍は変わらず冷たい目で見つめていた。

 

「儂がなんでお前達と一緒に戦っているか分かるか?」

 

「えっ、それは転生者から人々を助ける事ですか?」

 

「儂は連の為に戦っているんじゃよ」

 

「リーダーですか?」

 

「あぁ、儂にとってはそれだけしかない]

 

その言葉を聞いて、マシュは

 

「それでも構いません」

 

「はぁ?」

 

その返答に対して、思わず素で返してしまう忍。

 

「生前、私は様々な人と一緒に戦っていた。

忍さんは戦う理由は、とても純粋で、信用できると思いましたから」

 

「だからと言って、儂が仲間だと思う理由にはならないぞ」

 

「それでも」

 

その言葉の終わりと共に、攻撃を仕掛けてきたのに気づき、マシュはすぐにその手に盾を持ち、攻撃を防いだ。

 

「一体、何者っ!?」

 

「ふふっ、丁度良いぜ。

まさかリュウソウジャーの二人がいるとはな」

 

「なんじゃ、貴様らは」

 

「俺はサウナギンナン!

そして、ここにいるのは我が幹部だよ」

 

その言葉と共に現れたのは、かつて歴代恐竜戦隊を苦しめさせた幹部達がいた。

 

「丁度良い、憂さ晴らしには丁度良い」

 

「まっ待ってください」

 

【リュウソウチェンジ!】

 

同時にリュウソウジャーに変身し、忍達は走り出す。

 

「ふっ」

 

それを見たエンドルフは銃を取り出し、リュウソウジャーに向けて放つ。

 

「カタソウル!」

 

【カタソウル】

 

すぐにリュウソウピンクは前に飛び出し、その手に持った盾と共にカタソウルで攻撃を防ぐ。

 

そして、その背中を土台にして幹部達の中心に入ると

 

「ノビソウル」

 

【ノビソウル】

 

その音声と共にその手に怪異殺しを持ち、周りにいた全ての幹部を一気に切り裂く

 

「なっえぇ!?」

 

「儂の事は知らされてなかったのか?

これであとはお前だけだな」

 

「それは、どうかな」

 

「なに?」

 

サウナギンナンは手を上に伸ばすと、サウナギンナンの身体から霧が出す。

 

「なに?」

 

その霧はやがて人型に変わると、現れたキルボレロとアイスロンは各々の武器でリュウソウイエローに襲い掛かる。

 

「復活したじゃと?」

 

「まさか、彼らは全てサウナギンナンによって作られた偽物?」

 

「それは違うぜ、俺達は偽物などではなく、本物だ」

 

「まさか恐竜戦隊の奴らにこうして倒せる日が来るとはな」

 

そう言いながら、全員が気味の悪い笑みを浮かべながら、囲んでいた。

 

「危ない、ハヤソウル」

 

【ハヤソウル】

 

その音声と共にリュウソウピンクはハヤソウルを使用し、リュウソウイエローを掴み、その場から離れた。

 

「一体どういうつもりじゃ?」

 

「仲間だからです」

 

「だから「リーダーの為ですよね」っ」

 

「だけど、リーダーは私の事を仲間だと思ってくれています。

だから、忍さんは連さんが信じてくれた私達を信じてください」

 

「連が信じた仲間か。

ふっ、本当にあいつは、こんな所まで影響を出すとはな」

 

その言葉と共にリュウソウイエローは手は立ち上がる。

 

「まだ、いけるじゃろ」

 

「はいっ!!」

 

その言葉と共にリュウソウピンクも立ち上がる。

 

「何をしても、もう遅いんだよ」

 

そう言いデスリュウジャーはその手に持ったフルートバスターを投げた。

 

「おらぁ!!」

 

「なっ」

 

フルートバスターは彼女達に当たる直前、フルートバスターを叩き落した赤い影が現れる。

 

「なっなんだ!?」

 

「行くぜ、同じブラック同士の連携見せてやるぞ」

 

「分かりました。

ファイヤーインフェルノ」

 

「なっなぁ!?」

 

「うわぁ」

 

そんな赤い影に驚いている間に現れた黒い戦士の片方は手にした武器を地面に突き刺す。

 

そうした事により、地面から溢れ出るマグマがデスリュウジャー達を襲い掛かる。

 

「獣電ブレイブフィニッシュ」

 

そして吹き飛ばされたデスリュウジャーに向けて放たれた黒い弾丸がデスリュウジャー達を倒した。

 

「これって一体」

 

「まさか、スーパー戦隊が助けに来るとはな」

 

「遅れてごめん、色々な事があってね」

 

「本当にすまないな、レディ達に怪我をさせてしまって」

 

「えっと、貴方達は」

 

「あっはい、私はアスカ、アバレブラックです。

そして、こっちはアバレッドとキョウリュウブラックです」

 

「なんだか雑だな、まぁ良いけど」

 

「・・・お前達は確か既に儂らに力を貸してくれたはずじゃが?」

 

「うん、だけど、今回は少し事情があってね。

俺達、アバレンジャーの力を一番使える子に預けに来たんだ」

 

「アバレンジャーの力」

 

「できるか、リュウソウピンク」

 

「えっ私!?」

 

力を受け取る相手がまさか自分だという事に驚き、眼を見開く。

 

「どうだね?」

 

「ですが、ここは一番の実力者である忍さんの方が「何を言っている」えっ」

 

「奴らが渡したい相手がお前じゃ。

それを受け取らない馬鹿がいるか」

 

「ですが」

 

「最初から諦めるのか?」

 

「・・・私、やります!!」

 

リュウソウイエローの言葉を聞き、覚悟を決めたリュウソウピンクは頷く。

 

「だったら、やりますよ。

本来のやり方とは違うけど」

 

「俺のブレイブも加わるからな。

一体どうなるかは、お嬢さん次第だぜ」

 

「勿論」

 

その言葉と共にリュウソウピンクに向けて手を伸ばす3人の戦士。

 

同時に3人のエネルギーがリュウソウピンクに注がれると共にその手にはマシュが英霊として戦っていた時に使っていた盾が現れる。

 

そして、その盾の形は変わりスティラコサウルスを模した盾、スティライザーへと変わった。

 

同時にリュウソウピンクの黒い部分が黄金へと変わる。

 

「なっ何が起きたんだ!?」

 

「まぁ、面白そうじゃから良いんじゃないかのぅ」

 

「俺達は少し無理そうだけど、いけるか」

 

「大丈夫です、今の私は負ける気がしません!!」

 

その言葉と共にリュウソウピンクはゆっくりとサウナギンナン達の元へと向かって行った。

 

「姿が変わった所で、こちらの数が多いのは変わりない!!

行けっ行けぇ!!」

 

その言葉を皮切りにリュウソウピンクに向けて、幾つものレーザーが襲い掛かる。

 

だが、リュウソウピンクはその手に持ったスティライザーを前に出すと、全てのレーザーを受けたまま、その場で一回転する。

 

「お返しします」

 

「なっ!!」

 

リュウソウピンクはそのまま腕を振るうと、レーザーはサウナギンナン達に当たり、吹き飛ばされる。

 

「嘘やろぉ!!」

 

「マックスフィールド、展開します」

 

その一言と共にスティライザーを構えると、眼を背ける程のの眩しい光が広がる。

 

「なっ何が起きたって、あれぇ!?

皆、どこに行ったんだぁ!?」

 

サウナギンナンが目を覚めると、そこは見た事のない雪景色が広がっており、周りにはサウナギンナンによって蘇ったはずのアースレバン達がいなかった。

 

「サウナギンナン、ここであなたを倒させてもらいます」

 

「なっ何が起きているんやっ!?」

 

「ここはマックスフィールド。

私の力を最大限に発揮できる場所です」

 

「なっ、だったら、お前を倒して、ここから脱出するだけっ!!」

 

「行ったはずです、ここで終わらせると」

 

その一言と共にリュウソウピンクはスティライザーを持っていない手でリュウソウケンに【アバレンソウル】を装填する。

 

「くそぉ、負けてたまるか!!」

 

そう言いサウナギンナンはリュウソウピンクに向けて、雷を放とうとするが

 

「必殺クラッシュマキシマム!」

 

その一言と共に、巨大化したスティライザーと共にサウナギンナンに向かって突進する。

 

電撃を受けても、傷一つつけられないスティライザーを前にサウナギンナンは抵抗空しく吹き飛ばされる。

 

「やっやられたぁ、がくっ」

 

その一言と共にマックスフィールドは解除され、サウナギンナンの特典がリュウソウピンクの元に来た。

 

「やりおったようじゃな」

 

「はい、あの他に蘇った幹部は」

 

「マシュちゃんが帰ってきたのと同時に消えたよ。

サウナギンナンの力が無くなって、元の世界に帰ったんだろう」

 

「そうだったんですか」

 

そう言い、マシュは落ち着いた様子で、その場で座り込む。

 

「それにしても、今日は騒がしい日じゃった。

連は飛び出すわ、お前が無茶をするわで大変な日じゃった」

 

「すっすいません」

 

「まぁ、後輩の面倒を見るのも先輩の役目じゃからな」

 

「えっ、今、なんて」

 

「なんでもない、とにかく戻るぞ」

 

マシュは忍が後輩と認めたのが嬉しくなり、聞き返そうとしたが、面倒臭くなった忍はすぐにその場から離れていった。

 

「結構良いチームじゃないか」

 

「あっすいません、アバレッドさん。

せっかく来てもらって」

 

「大丈夫だよ、それに忍野ちゃんはきっと良い子だから、仲良くしなよ」

 

「はい、勿論」

 

そう言ったマシュは笑顔で再び忍を追っていった。

 

そこには出掛ける前には見られなかった不器用な先輩と、素直な後輩の二人の笑みが確かにあった。

カリオストロ戦での連の姿は

  • リュウソウジャー
  • ルパンレンジャー

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。