特典を喰らう騎士   作:ボルメテウスさん

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EPISOOD01 復活の騎士竜

ギャングラーとの戦いを終え、世界は再び平和な日々が始まってから数ヶ月。

 

「あぁ、それにしても平和だなぁ」

 

「良い事じゃないか」

 

「そうじゃな」

 

俺達は店で客がいないの事もあり、のんびりと過ごしていた。

 

「ギャングラーがいなくなった事もあってか、派手な動きをする奴もいなくなったからな」

 

「まぁ今では転生関連も死神が管理しているから、心配はないからな」

 

「儂らの出番はほとんどなしじゃからな」

 

「グットストライカーもな」

 

そう言いながら店の中には何時の間にか入り込んでいたグットストライカーに対して愚痴るように言う。

 

「おいらとしても出番がないのは嬉しい事だけどな。

というか、お前達もあの最終決戦で無茶しすぎだぜ。

一番被害が少なかったビクトリーストライカーでさえ、この状態なんだから」

 

そう言い、見てみると、そこにはビクトリーストライカーだが、既にボロボロの状態になっており、それ以外のダイヤルファイターもそうだがVSチェンジャーは死神様の元で修理中である。

 

「とりあえずはビクトリーストライカーも頼むぞ。

俺にとっては大事な奴だからな」

 

「分かっているって。

他のアイテムも修理が終わり次第に持ってくるからな」

 

そう言い、グットストライカーは空へと消えていった。

 

「これでルパンレンジャーはしばらくは活動できなくなったな」

 

「まぁ良いじゃないか、そんな大ごと、そうそう「おい今は平気か!!」へっ?」

 

そう呟いていると、店のドアが開いて、見てみるとクリス達が慌てて入ってきた。

 

「どうしたんだ?」

 

「実は、とんでもない事が起きたんだ!!

とにかく来てくれ!!」

 

「はい?」

 

俺達はいきなりの呼び出しに驚いている間に連れられた場所はS.O.N.Gに連れてこられたんだが

 

「一応聞くけど、今の俺達はルパンレンジャーになれないから、あんまり役に立てないと思うけど」

 

「いや、ペルソナやゴットイーターに吸血鬼が揃っている状態で何を言っているんだ?」

 

まぁ確かにルパンレンジャー以外の力も使えるのだが、それでも大きな助けになるとは思えないのだが

 

「今回の任務は、俺達だけではなく、様々な世界で戦いの経験を得た君達にも力を借りたい」

 

「どういう事なんだ?」

 

既に俺達は怪盗戦隊になる事ができない俺達では余り力になれないと思うのだが?

 

「いや、君達の経験ならば、分かると思う。

これを見てくれ」

 

その言葉と共に現れたのは何かの遺跡のようだが。

 

「これは?」

 

「ギャングラーとの戦いによって、融合世界が崩壊してから現れた数々の遺跡だ。

この遺跡自体もつい最近発見された物だ」

 

「つい最近?」

 

「遺跡については様々な専門チームによる調査が行われたのだが、未だに謎が多い」

 

「そこで色々な世界を渡り歩いた俺達の出番か」

 

「あぁ、一つの視点だけでは分からなくても、君達ならば分かる事もあるかもしれない」

 

そう言われたら、確かに俺達でも役に立つ事ができるかもしれないな。

 

「分かった、一応はやってみる。

それで場所は?」

 

「あぁ遺跡の場所は長野県にある。

詳細については現場で」

 

「分かった」

 

その言葉と共に遺跡にたどり着いた。

 

「それにしても、本当にこんなのが突然現れたのか?」

 

「なんだか信じられないよねぇ」

 

今回の調査に当たって、俺、ソーマ、忍、響、クリスのメンバー5人で遺跡の中を探っていた。

 

遺跡の中にはこれまで見た事のない文字があり、俺達もさっぱりだった。

 

「にしても、こんなのがあるとは驚きだよ」

 

「まぁそうだな」

 

「けど、気味の悪いのが混じっているようだな」

 

遺跡の中に入ってから感じる奇妙な気配と共に、俺は借りていた銃で背後に向けて撃つと銃弾は弾かれ、地面に銃弾がめり込んでいた。

 

そして、奥から出てきたのは全身が縄のような何かで覆われた男だった。

 

「えっえぇ!!

だっ誰なの!?」

 

「全身縄って、変態かよ!!」

 

「・・・あの縄、武器」

 

「それにこの奇妙な感じ」

 

「お前、転生者だな」

 

「えっ!?」

 

この世界に転生してから、元転生者達は特典は失っている者達が大半だったが、目の前にいる奴はシンフォギアでもなんでもない、未知の力。

 

「まさか、ここで怪盗にシンフォギアがいるとはな」

 

「どうやら、この遺跡で何かするつもりだな」

 

「そうだと言ったら」

 

「ここで止めさせてもらう」

 

「やれる物ならば、やってみるが良い」

 

その言葉と共に一斉に縄が襲い掛かり、俺は前に出ると共にアルセーヌを呼び出し、炎の壁によって縄を燃やす事で攻撃を防ぐ。

 

「まったく、世界が変わってもこういう事をする奴がいるのかよ!!」

 

「とにかく、なんとかしないと」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、俺達は各々の武器を持ちながら、転生者に向かって攻め込むが

 

「見た目は変態なのに」

 

「なんつぅ防御力なんだよ!!」

 

「まぁな、この縛の装の防御は貴様達では突破はできない。

そして」

 

「やばそうな感じがするっ!!}

 

その言葉と共に縄が一斉に外れ、そこから出てきたのは鎧が出てくると共に、俺達に縄が襲い掛かり、俺達を拘束する。

 

「がぁ!!」

 

「ちっ、これじゃあ動けない」

 

「さて、あとはこれを使えば」

 

そう奴が呟くのに合わせるように、地面から信じられない程の地響きが辺り一帯に置き、俺は周りを見渡す。

 

すると、目の前にあった通路が崩れ去り、目の前に現れたのは巨大な竜の顔だった。

 

「ついに、復活したか!!」

 

「復活、まさか聖遺物!?」

 

「そうだよ、この世界特有の物だからね。

一つは手に入れたかったのさ」

 

 

その言葉と共に、目の前に出てきたのは竜が現れ、あまりの大きさに俺は口を閉ざす事ができなかった。

 

「なんだ、これは」

 

「さぁ、俺の声に従え!!

俺が主だ!!」

 

そう言い、奴は叫びながら、聖遺物に向けて杖を向ける。

 

だが、聖遺物は何の反応も示さなかった。

 

「どうなっている?

確かに操れるはずだ」

 

「・・・」

 

奴が何を目的にしているか分からないが、このまま奴にあれを奪われたら危険だ、何とかしなければ。

 

『おい、人間』

 

「っ!?」

 

俺がなんとか聖遺物の対処方法について考えていると、突然頭に響いた声に俺は周りを見渡すが、声の主は見つけられない。

 

『お前に聞きたいが、お前、さっき力が欲しいと思っただろ』

 

「それがどうした」

 

「あぁ?」

 

俺は謎の声に対して静かに応えると、転生者はこちらに視線を向けてきた。

 

『もしも、その力を手に入れる事ができるとしたら、お前は何をする?』

 

「・・・そうだな、とりあえずは、目の前にいる奴を止める」

 

「おいおい、ついには頭が悪くなる」

 

『殺さないのか?

そいつを放っておけば、確実にお前の仲間にも手を出すぞ?』

 

「それはしない、それが俺の誓いだからな」

 

この1年間の戦いにおいて、多くの出会いを経て、様々な事を経験したが、人の命の重さは変わらなかった。

 

だからこそ、それを守りたい。

 

『なるほど、俺が反応したのも頷けるぜ。

おい、お前の名前は』

 

「雨宮連!!」

 

『ならば、人間、今日からお前が俺の相棒だ!!』

 

「なっ」

 

その言葉に応えるように、辺り一面に巨大な地響きが起きると共に、巨大戦艦の周りにあった石は崩れ落ち、そこから出てきたのは、先程の巨大戦艦から変形したティラノザウルスだった。

 

「なっなんだ、これは!?」

 

「お前が、俺に話しかけてきたのか!?」

 

『おい、連!

受け取れ、これがお前に渡す力だ!!」

 

その言葉と共に、俺の元に光が降り注ぐと、右腕には恐竜を模したブレスレットが巻かれており、手にはオレンジ色の鍵が現れるも、一瞬で黒い炎に包まれると、鍵の色は赤く塗り替わる。

 

「なんだ、なんだその力は!?」

 

『連、リュウソウチェンジャーにリュウソウルを挿入するんだ』

 

「あぁ、この形でだいたい分かった!!」

 

VSチェンジャーのように、ダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする事で変身できると思い、俺はリュウソウルをリュウソウチェンジャーにセットする。

 

【ゲボーン!】

 

「雨宮」

 

『バイザーを回して、再び付けろ!!』

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

俺は声の指示に従うように、バイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

その音声が鳴り響くと同時に、俺の姿は赤い光に包まれると、俺の姿は変わり、そこに出てきたのは目の前にいるティラノサウルスを模した姿へと変わり、俺に馴染みがある赤の姿へと変わった。

 

「これは」

 

『それこそ、お前の姿。

勇猛の騎士だ!』

 

「騎士、騎士か。

怪盗の次に騎士とは皮肉だな」

 

その言葉通り、俺の腰には何時の間にか剣があり、見る限り、恐竜を模した剣だと分かる。

 

「なっなんだ、貴様は」

 

「そうだな、今は一人だけど、せっかくだから名乗らせてもらうぜ!!」

 

その言葉に合わせるように、俺の後ろにティラノザウルスが移動し、吠えると共に俺は剣を持ち、構える。

 

「勇猛の騎士、リョウソウレッド!!」

 

『リュウソウレッド?』

 

あぁ、ルパンレッドではなく、この姿で戦う事になるが、その決意として、俺はこの姿の事をリュウソウレッドと名乗る。

 

『へっなかなかに面白そうじゃないか。

だったら、俺達の名前も決まったな』

 

あぁ、そうだな!!

 

『「騎士竜戦隊リュウソウジャー』」

 

その言葉と共に、俺の後ろからティラノサウルスが巨大な雄叫びを上げる。

 

「くっ姿が変わったぐらいで調子に乗るなよ!!」

 

その言葉と共に奴は再び雄叫びを上げると、その姿は先程まで戦っていた縛の装だった。

 

「この鉄壁に、貴様は破れるものか」

 

「言っておくが、ここからの俺の戦いは一味も二味も違うぜ」

 

その言葉と共に、俺は手に持った剣を構えると、奴の身体から幾つもの鞭が現れ、こちらに向かって襲い掛かってくる。

 

それに対して、俺は持っている武器は剣一本だが、驚く事に、羽のように軽く、俺の動きに合わせてくれる。

 

そして何よりも切味が鋭く、目の前に迫っていた鞭を全て切り裂いた。

 

「なっ!?」

 

「こいつは凄いぜ!!」

 

『リュウソウケンはお前の最大の武器だ。

そいつは己の魂や、敵の魂を食わせる事でさらに強くなるぜ』

 

「殺す気はないぞ」

 

『分かっているぜ。

奴の持っている、あの鎧は奴の魂と密着している。

あの鎧を喰らえば良いだけだ』

 

「なるほどな」

 

『レッドリュウソウルを作り出して、リュウソウケンに入れるんだ』

 

「こういう感じか?」

 

そう言い、俺は手を前に出すと、そこに出てきたのは先程まで変身に使っていたアイテムが現れ、俺はそのままリュウソウケンのレバーを開き、入れる。

 

【それ!それ!それ!それ!その調子!】

 

その音声と共に俺は剣に溜まった赤いエネルギーを奴へと向かって切り上げるのを合図に連続に斬っていく。

 

【剣ボーン!】

 

そして最後に剣を振り下ろして、とどめを刺す。

 

「ぐぅ、だが特典は奪えないならば、また仕返しをするだけの話だ」

 

「確かに、それは『いいや、剣にある顔を転生者に向けてみろ』こうか?」

 

「なっ」

 

俺はその言葉に従うように前に出すと、奴の身体から出てきたのは先程まで戦っていた縛の装が現れると共に、竜の口が開き食らいつく。

 

「食べた!!

 

「なんだか、ネフィリムを思い出すな」

 

そう言っている間にも、縛の装が消えると共に、俺の手元には茶色の茨の鞭があるリュウソウルが出てくる。

 

「これって?」

 

『縛りソウル。

そいつの特性を得たリュウソウルだ』

 

「まるでダイヤルファイターみたいだな」

 

「それにしても凄いよ!!

まさか雨宮君がルパンレンジャーって、さっき違う名前だったよね」

 

「あぁ、ティラミーゴが教えてくれたんだよ」

 

「ティラミーゴ?」

 

「こいつ」

 

そう言い、俺は後ろにいるティラミーゴを見て、大きく声を出した。

 

「ほっ本当に、この子が」

 

「あぁ、それにしても特典を食べるって」

 

「とりあえずは、ティラミーゴをどうするかだけど、なんか分からないのか?」

 

「そう言われてもな、ティラミーゴ、なんかないのか?」

 

『あぁ、それならば遺跡の奥にあるリュウソウルを使えば何かあるはずだぞ』

 

「奥にもあるのか」

 

「えっまた何か言ったのか?」

 

「あぁ、とにかく行ってみるか」

 

その言葉と共に、俺達は奥へと進んでいくと、俺が使っていたリュウソウルや先程手に入れたリュウソウルに似た物が二つあった。

 

「これを使うんか?」

 

そう言い、俺は一つのリュウソウルを取ると、リュウソウルが光りだすと、先程まで一緒にいたティラミーゴが小さくなり、俺達と同じぐらいの大きさになった。

 

「なっなぁ、なんだよこいつは」

 

『おいおい、嬢ちゃん。

あんまりそんな事を言うなよ』

 

「なっ今の声ってもしかして」

 

『俺の声だ、よろしくな嬢ちゃん達!!』

 

「えぇティラミーゴの声って、なんだか渋いんだね」

 

『そりゃあ、長生きしていたからな』

 

「なんだかよく分からないけど、ティラミーゴ、お前は一体なんなんだ?」

 

俺もティラミーゴの指示で戦ってしまったのだが、意外とあっさりと戦えたんだが

 

『俺達は太古から輪廻転生から離れ、世界を乱す存在を守る存在として作られた騎士竜だ』

 

「輪廻転生から外れた?」

 

「それって、転生者の事?」

 

「つまり俺達と似たような感じか」

 

ティラミーゴは俺達と同じような役目を持っているとはな。

 

「あれ、待てよ。

そう言えばここと似たような遺跡があるっていう事は。

ティラミーゴ、お前以外にも騎士竜っているのか!?」

 

『あぁいるぜ』

 

その言葉を聞いて、衝撃を受けた。

 

という事はここ以外の遺跡には騎士竜がいるという事か!!

 

「だったら、他の騎士竜の所へと行かないとやばいじゃないかよ!!」

 

『そんなに心配する必要はない。

リュウソウジャーになるには、その騎士竜に認められなければならない。

俺は雨宮を見た瞬間から期待したら、相棒に選んだだけだ』

 

なるほど、騎士竜を選らばれた奴にしか、俺が今変身しているリュウソウジャーな訳か。

 

「また、何か不穏な事が動き始めているのか?」

 

カリオストロ戦での連の姿は

  • リュウソウジャー
  • ルパンレンジャー

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