特典を喰らう騎士   作:ボルメテウスさん

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EPISOOD14 古の鎧

「ここが、ソウルに導かれた場所?」

 

連達はあれから1日を賭けて、その場所へと向かった。

 

道中では、彼らの道を阻むように、星の特有の生き物や、転生者達が襲いかかってきた。

 

だが、連達はそれを乗り越え、ついに辿り着いた場所。

 

その遺跡は、彼ら7人は知らないがイリスとユーリ、その二人が出会った遺跡だった。

 

既に星の再生が行われていながら、近づけなかったはずの遺跡は、ビュービューソウルの力により、遺跡にあった死蝕を吹き飛ばしていた。

 

それを知らない彼らは、その遺跡の奥へと進む。

 

「本当にここなの?」

 

「あぁ、間違いない。

この遺跡、なんだか普通の雰囲気じゃない」

 

そう言いながら、連はゆっくりと足を進めながら見つめる。

 

「なんだか慣れた動きね。

やっぱり怪盗だから?」

 

「先輩は私達に出会う前から怪盗をやっていたから。

それこそ、私達が知る限り、最強の」

 

「そうデスよ!!

今はリュウソウジャーだけど、心の怪盗団だったり、色々と活動していたんデス!!」

 

「お前達、あまり情報を流すな。

そいつらは管理局と繋がっているからな」

 

気になったキリエに対して、自慢気に話す二人に対して、呆れたように忍は言う。

 

「・・・あの、質問なんですか、よろしいですか?」

 

「なんだ?」

 

「なんで、怪盗になったんですか?」

 

素朴な疑問、アミタは目の前にいる連にそれを抱いていた。

 

たった1日だけ共に行動していたが、連を初めとしたメンバーはかつて出会ったなのは達と同様に困っている人を助ける善人だと思える。

 

だが、それでも怪盗という、世間では余り認められない存在に、自らなったのか。

 

「きっかけなんてのは俺の場合は複雑だな。

だけど、あえて言うならば、困っている奴を助けるのが怪盗になる。

それだけだ」

 

「それだけですか」

 

「まぁ、復讐ってのもあるけどな」

 

そう言いながら連はからからと笑うが、アミタは目の前にいる連の存在に対して、さらに複雑な気持ちを持っていた。

 

「・・・へぇ」

 

「まさか」

 

そんなアミタを見て、キリエは少し笑みを浮かべており、忍はむっとした表情になった。

 

そんな道中を進む中、洞窟の奥から強烈な風が吹く。

 

「なにっ!!」

 

「なんじゃ、この風は!!」

 

「えっ?」

 

台風のような風は瞬く間に連を除く者を吹き飛ばす。

 

そして、連と彼らを阻むように透明な光の壁が現れる。

 

「なっ、これは一体」

 

『これは試練』

 

「試練?」

 

洞窟から聞こえくる声に疑問に思いながら、全員が周りを見渡す。

 

『騎士竜の力を得る者は、今から戦う者との決闘に勝ち、その力を証明せよ』

 

「それで、なんで俺が?

 

『貴様の中にある神殺しの力』

 

「そんな事までとはね」

 

「神殺し?」

 

「喋るなよ」

 

「はっはい!!」

 

「お口にチャックデス!!」

 

疑問に思ったアミタはすぐに聞こうとするが、忍の鋭い視線に、調と切歌はすぐに黙った。

 

「なんで、それを知っているか知らないけど、良いぜ、受けてやるぜ、その試練を!!」

 

その声を皮切りに、洞窟は光り始め、その奥から鎧の音が聞こえ、近づいてくる。

 

一切の油断なく、その正体を探るように見つめながら、現れたのは

 

「てめぇは!?」

 

連が構えた先に待ちかまえていたのは、ガイソーグだった。

 

「なんで、てめぇが!?」

 

「我はここにいる騎士竜のかつてのパートナー。

そのパートナーを摸した存在だ」

 

「摸した存在だと?」

 

「お前が、ガイソーグという存在を知っているようだが、目の前にいるのは、同じ存在であって、全く別の存在だ」

 

疑問の言葉が出てくる度に丁寧に話をするガイソーグに対して、警戒は続く。

 

「あの、知り合いですか?」

 

「ガイソーグ、儂らとは敵対している最悪な奴じゃ。

だが」

 

「奴からは、感じる気配がまったく違う」

 

かつて感じたガイソーグから来る狂気とは別に、まるで武人のように佇むガイソーグは姿が同じだけで、別人に思えた。

 

「つまりは、中身は全然違う奴という事か。

だけどな、ガイソーグは鎧だけの存在だろ?」

 

「違う」

 

「えっ?」

 

その言葉に連達は驚きを隠せなかった。

 

「あの、どういう事なんですか?」

 

「あのガイソーグは人々に取り付いて、その人の能力を自分の物にする事ができる鎧なんデス!!」

 

「だけど、違うって」

 

「我は所有者がいなければ、動かぬ鎧。

鎧を主にした者は、鎧を使い、他の者を操る事ができる」

 

「それを信用するとでも?」

 

「それは貴様次第だ」

 

その言葉を聞き、わき上がりそうになる怒りを抑え込みながら、連はゆっくりと息を吸いながら落ち着く。

 

「・・・あぁ、分かった。

もう、お前の正体がどうかは関係ない。

俺は、その先にいる騎士竜の力が必要だ」

 

「ならば、我と戦え」

 

「言われなくても」

 

その言葉と共に、連はリュウソウルを取り出し、リュウソウチェンジャーにリュウソウルを挿入する。

 

「リュウソウチェンジ!」

 

【リュウソウCOOL!】

 

その音声と共に連の周りに現れた網状に鎧のパーツが現れ、リュウソウケンを持った連がガイソーグの剣が激突すると同時に、リュウソウレッドへと変身する。

 

「ほぅ、リュウソウジャーか」

 

「はぁ!!」

 

驚きの声を漏らすガイソーグだが、その声を吹き飛ばすようにリュウソウレッドはリュウソウケンを振り払う。

 

ガイソーグはその剣を受け流し、手に持っている盾を連にぶつけ、後ろへと吹き飛ばす。

 

受け止めると同時に受け身を取った連はすぐに地面を蹴り上げ、ガイソーグに向けて飛び上がり切り上げる。

 

「まだまだ」

 

だが、まるで予知をしているように盾でその攻撃を受け止めると同時に、剣を使い連に攻撃を仕掛ける。

 

「がはぁ」

 

攻撃を受け止めきれず、地面へと倒れた連をそのままガイソーグは手を押さえ込むように踏みつける。

 

「剣の戦いにはまだ慣れていないようだな、その動き」

 

「だったら、なんだよ」

 

「なに、惜しいと思っただけだ」

 

「連さん!!」

 

 

ガイソーグはその一言を告げると共に、その手に持った剣を連の心臓に向けて、振り下ろした。

 

「まだまだぁ!!」

 

その言葉と共に腰に装填されていたリュウソウルの一つをリュウソウケンに装填し、レバーを操作する。

 

【オーシャンソウル】

 

「なに」

 

リュウソウケンから鳴り響く音と共に、連の身体を包み込むように水が溢れ出し、水の勢いに負け、ガイソーグはそのまま後ろへと下がる。

 

その隙を見て、連はそのまま後ろへと下がり、レバーをさらに操作する。

 

【強・リュウ・ソウ・そう!この感じ!オーシャンソウル!】

 

その音声と共に連の身に纏ったのは、メラメラソウルの力によって得られる炎の鎧とは正反対の、水を自由自在に操る事ができるオーシャンソウルの力を身に纏った水の鎧。

 

「まさか、強竜装を使える者がいるとはな」

 

「何を言っているんだ」

 

「ふっ、知らないのか、その力を」

 

そう言いながら、ガイソーグはこちらに向けて剣を構えながら、喋る。

 

「強竜装、それはリュウソウジャーが力を増大させる竜装を越える力の事だ」

 

「はぁ?」

 

「何も知らずに会得したのか。

いや、だからこそか」

 

「そういう細かい事情は正直、どうでも良い。

俺達は、今、時間はない」

 

「ふっ分かっている。

来るが良い」

 

その言葉を受けると同時にリュウソウケンに水が集まり始め、刀身を伸ばし、刀身を伸ばすと、そのままガイソーグに向けて一閃に斬る。

 

「なに?」

 

予想外の戦い方を行い、驚きの声を出しながらも、盾を受け止めたガイソーグに、そのまま追撃を行うように、連は動き始める。

 

水の刀身による攻撃は、これまで近接戦闘を行っていた連とガイソーグの戦いを変えていた。

 

「これは一体」

 

「あのオーシャンソウルには水の力が宿っておる。

その水を操る力で周りの水分をリュウソウケンに纏わせる事で伸縮自在の攻撃を可能にしたんじゃろ」

 

「でも、なんで、あんなに切れ味が良いの」

 

調は疑問に思い、見ると、先程から周りの洞窟にある岩が簡単に切り裂かれていた。

 

「ウォーターカッター、水が作り出す刃よ」

 

「水を自由自在に操れるなら、そのような事も可能でしょうけど」

 

「正直、言葉で言っているよりも、確実に難しいわ。

なんだって、自分にも当たる可能性があるのに、あのレッド、一切ミスをせずに、攻撃をしている」

 

「これまでの経験だな」

 

その言葉に疑問に思うようにアミタ達は首を傾げる。

 

「俺達の中でも、特に連はこれまで奇妙な戦いを何度も行っていた。

その経験の数々が、連をここまで強くした」

 

「先輩は、これまで沢山の人を助ける為に無茶をしたからデスね」

 

「沢山の人を?」

 

「うん、私達を含めて、とても沢山の人を」

 

その言葉を聞き、アミタの中にあった連の印象が変わり始めていた。

 

そして、戦いはついに終わりを迎えようとしていた。

 

「これで決める!!」

 

その言葉と同時にリュウソウケンのレバーを操作する。

 

【超!超!超!超!イイ感じ!】

 

その音声と共にその手に持っているリュウソウケンに纏っている水の量はさらに増えていき、その大きさは洞窟の真上を埋め尽くす程だった。

 

「はあぁぁ!!」

 

巨大な刃は水によって形成されており、行く途中の瓦礫などは通り過ぎながら、真っ直ぐとガイソーグに向かっていく。

 

「はあぁ!!」

 

その攻撃に対して、ガイソーグは刀身に集めたエネルギーを使い、反撃する。

 

だが、その攻撃すらも通り過ぎ、ガイソーグの鎧を吹き飛ばした。

 

「やっやりました!!」

 

「あっぶねぇ」

 

そう、連が言うと、連の後ろには先程ガイソーグが放った攻撃によって、亀裂ができていた。

 

あと少し場所が違えば、連は確実にやられていた。

 

「・・・私の負けだ。

まさか、これ程の強者がいるとはな」

 

「おい、教えろ、ガイソーグ。

てめぇは一体なんなんだ」

 

「・・・さぁな、私自身の記憶もそれ程ない。

だが、私はお前達の元になった存在、そして本来ならばお前達と同様に人々を守る存在だ」

 

「それが、なんで」

 

「さぁな、鎧は所有者を選べない。

もしも、お前が現代のガイソーグが出会う事があれば、止めてくれ」

 

「・・・あぁ、止めてやるよ」

 

「本当に、貴様ならば託せそうだな」

 

その言葉を最後にガイソーグは完全に消滅した。

 

「おっ通れるようになれた」

 

「先輩」

 

ガイソーグが倒された事により、連達を阻んでいた光の壁は消え、心配そうに二人が寄り添う。

 

「道具は使われる。

所有者を選べないか」

 

その言葉を胸に秘めながら、ゆっくりと目を開く。

 

「お前の意思、確かに受け取った」

 

その言葉を皮切り、洞窟に巨大な揺れが発生する。

 

「うっうわぁ、これってなんなんですか!?」

 

「とにかく出よう!!」

 

何が起きたのか、分からず、大急ぎで外に出る連達。

 

外に出た連達が目にしたのは

 

「えっティラミーゴ!?」

 

そこに立っていたのは黄金に輝く鎧を身に纏った黒いティラミーゴがそこに立っていた。

 

『我の息子を知っているのか』

 

「えっ息子!?」

 

その言葉に連達は驚きを隠せなかった。

 

まさか、ティラミーゴに父親が出てくるとは思わなかった。

 

『そして、我が目を覚ましたという事は、そうか、貴殿が試練を超えし者か。

名は』

 

「連、雨宮連」

 

『ならば、連よ。

そなたの願いを言え』

 

「決まっている、この星を守る為に力を貸してくれ!!」

 

『良かろう!!

我が名はディノミーゴ、』

 

その叫び声と共に連達はこの星の最後の戦いへと向かう。

カリオストロ戦での連の姿は

  • リュウソウジャー
  • ルパンレンジャー

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