特典を喰らう騎士   作:ボルメテウスさん

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EPISOOD11 決闘‼タンクジョー

「それにしても、相変わらずよく分からないな、こいつらは」

 

「あぁ、正直正体が不明すぎるからな」

 

俺達は現在、全員で本部に集まり、これまでの転生者についてのデータと新たに現れたタンクジョーなどの奴らと比べてみた。

 

これまでの転生者達は能力や道具に関わらず、本人の価値観もあって人の姿のままでいる者達がほとんどだった。

 

それは俺達がルパンレンジャーとして活動していた頃からも変わりなかった。

 

だがタンクジョウ達は完全に人間の姿を捨て、異形の姿を求めた存在となっていた。

 

その裏では人の身体を乗っ取り、その能力を取り込むガイソーグが絡んでいる事まで分かっている。

 

「俺も現地で様々な騎士竜を仲間に、転生者の特典を奪い、戦力は十分なぐらいに増えたからな」

 

「それにしても、どうやったリュウソウゴールドに?」

 

「なに、例え種族が違っても、拳と拳でぶつかり合えば分かり合えただけだ」

 

「あれ、何を言っているのかさっぱり分からねぇ」

 

「えっと、そこから先は僕が説明します」

 

そう言いエルフナインが出てくると、何やら映像が出てきたのだが

 

「僕達が調査を行っている時に敵側は神の力を再現したヨナルデパズトーリを召喚したのです」

 

「名前が言いにくいな」

 

「おほん、それで緊急事態という事もあり、指令が直接出て、そのヨナルデパズトーリと戦ったのです。

その戦いの最中で念のために持ってきたリュウソウルのサンプルが強い反応を起こして、なんとヨナルデパズトーリを騎士竜モサレックスへと変わったのです」

 

「モササウルスは俺が一番好きな恐竜だからな。

ある意味、俺達は相性が良かったのさ」

 

「・・・どうしよう、この人、特殊能力もなにもないのに、色々とやばい」

 

その話だけ聞くと、元々敵だった存在を騎士竜として仲間に引き入れたようだ。

 

既に最強の名前を持っても可笑しくない指令に、話を聞く限りだと神の力を持つというヨナルデパズトーリの転生体であるモサレックスがパートナーになった訳か。

 

「もう俺達、いらなくない」

 

そう不知は思わず言ってしまう。

 

「あぁ、だが元々は敵の戦力という事もあって、上はモサレックスを信用していなくてな。

今回の事態でもない限り許可は出ないのだ」

 

「それを聞く限りだと、まぁ確かに」

 

最強×最強が合わさったような人だから、俺達にとっては本当に切り札のような存在だろう。

 

「っ、緊急警報、アルカノイズの反応感知。

同時に別の地域にて、タンクジョウ出現ですっ!!」

 

「アルカノイズは響君達に、タンクジョウは任せれるか」

 

「あぁ、分かった」

 

俺達はその言葉を聞き、すぐに基地から出ていき、現場へと向かって行った。

 

三人称Side

 

現場へと駆け付けた連達。

 

そこに待ち受けちえたのは、まるで城自体が怪人のような存在、タンクジョウがいた。

 

タンクジョウは連達の登場を見つめると、立ち上がり、確認する。

 

「なるほど、貴様らがリュウソウジャーか」

 

「てめぇは」

 

「我が名はタンクジョウ、ガイソーグ様に仕える騎士だ」

 

「騎士?」

 

「まぁ貴様らには関係ない話だがな」

 

その言葉と共に体格と同じぐらいの大きさを誇る大剣を振り回しながら構える。

 

「ガイソーグの事、少しは知っているようだな」

 

「まぁな、だが貴様らに教えるつもりは毛頭ない」

 

「だったら、すぐにでも聞かせてもらうぜ」

 

その言葉と同時に連達は各々のリュウソウルを取り出し、リュウソウチェンジャーに挿入する。

 

【ゲボーン!】

 

その音声が鳴るのと同時、連達の周りにリュウソウルを模した各々の色と同じ人形達が現れ、周りでまるで祭りを行うように囲んでいた。

 

【ワッセイワッセイ!ソレ!ソレ!】

 

そして見計らうように、同時にバイザーを回し、そのまま再度付ける。

 

【リュウソウSOCOOL!】

 

同時に周りにいた人形達から一体ずつ連達へと飛びつき、リュウソウジャーへと変身させる

 

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

「叡知の騎士!リュウソウブルー!」

 

「雄飛の騎士!リュウソウイエロー!」

 

「剛健の騎士!リュウソウピンク!」

 

「威風の騎士!リュウソウブラック!

 

「疾風の騎士!リュウソウグリーン!」

 

「正義に仕えし、6本の剣!騎士竜戦隊!リュウソウジャー!」

 

名乗りをあげると同時にタンクジョウはリュウソウジャー達を見て、笑みを浮かべると同時に手を上げる。

 

するとタンクジョウの背後から数十のドルン兵が現れる。

 

「ふんっ、行け!!」

 

タンクジョウの言葉に応えるようにドルン兵達は一斉に襲い掛かる。

 

「一気に攻め込む!!

アルセーヌ!!」

 

その言葉と共に連の背後から出てきたアルセーヌは腕を交差させ、巨大な闇をタンクジョウとドルン兵に向ける。

 

その攻撃により、一瞬でドルン兵は消え去るが

 

「ほぅ、なかなかやるな」

 

「へぇ」

 

その闇をタンクジョウは軽々と受け止めていた。

 

その様子を見て、連も面白い物を見るように見つめると、アルセーヌをルパンマグナムへと変える。

 

「はあぁ!!」

 

同時にルパンマグナムの銃弾を次々とタンクジョウに向けて放っていくが、タンクジョウはその腕を交差させ、攻撃を防いだ。

 

「なるほど、なかなかやるようだが、それが命取りだ!!」

 

「なっ!!」

 

タンクジョウはそう言うと、剣を地面に叩きつけると、同時に地震が連達に襲い掛かる。

 

「なんだっこの地震はっ!!」

 

「まさか、奴の能力か?」

 

「そんなの、貴様らで調べてみろ」

 

「それもそうだな」

 

そんな中でソーマは怯む事なく、手に持ったリュウソウケンを構えながらタンクジョウに向けて攻撃を放っていく。

 

タンクジョウもその攻撃に対して巨大な剣で防いでいく。

 

「おい、可笑しいぞ」

 

「あぁ」

 

タンクジョウは先程の攻撃を行う訳でもなく、ただソーマの攻撃を受け止めるだけだった。

 

その違和感を感じながら、タンクジョウは左拳でソーマに向けて殴りつける。

 

「っがはぁ!!」

 

「ソーマ!!」

 

たった一撃でソーマは吹き飛ばされてしまい、急いで不知は飛びあげて受け止める。

 

だが

 

「なっがぁ!!」

 

「何をっ」

 

「どうなっているんですかっ!!」

 

ソーマを受け止めた不知はまるで攻撃を受けたような衝撃で吹き飛ばされ、神牙とマシュの二人が受け止める事によって、なんとか威力を殺す事ができた。

 

「一体何が起きたんですか」

 

「・・・まさか、奴は地震を起こす程の力なのか」

 

「さぁ、それはどうかな」

 

単純なパワー、だがそれは使い方がしっかりと行えば幅広い応用力ができる武器となる。

 

先程のように地面を殴り地震を起こし、集団攻撃をしたり、一撃で敵を倒す事も可能になる。

 

単純なパワーだけであそこまでならば、正直言って、かなり危険だ。

 

「だが、しかし。

何か妙だとは思わんか」

 

「妙?」

 

「奴はなぜ、最初からその攻撃を行わなかった」

 

「・・・」

 

忍の言葉を聞き、連はそれまでのタンクジョウの攻撃について考える。

 

行ったのはたった2回、その驚異的すぎるパワーのせいで、何か見落としている所はないのか、連は少ない情報の中で一つの仮説を立てた。

 

「試す必要があるかもな、忍」

 

「分かっておる」

 

【ライディングソウル!リュウ、ソウ、そう、そう!この感じ!ライディングソウル!】

 

その音声と共に地面から巨大なウミサソリ型の騎士竜エウリプテローダーが現れ、そのままバイクへと変形させる。

 

「なんだ、それは?」

 

「指令のおみあげさ。

それに、少し実験だよ」

 

「ほぅ、ならば来てみろ」

 

そう言い、タンクジョウはこちらに向けて挑発を仕掛けてくる。

 

それに応えるようにエウリプテローダーを走り出す。

 

エウリプテローダーは、地震によって乱れてしまった地面の上でも苦も無く走っており、一瞬でタンクジョーまで近づく。

 

同時に連はリュウソウケンを構え、タンクジョウに攻撃を仕掛ける。

 

リュウソウケンと比べて、巨大な剣は連を捕らえるように大振りで仕掛けていく。

 

だが、エウリプテローダーの速さについて来れずにいた。

 

しかし、それとは反対にリュウソウケンはタンクジョウの城だと思える程の防御力の前では無力に等しく決定的なダメージを与えられない。

 

「くっそ、タンクジョウの攻撃当たれば、一発で危険だぞ。

すぐにでもリーダーを助けないと「それは駄目じゃ」えっ!!」

 

「今は攻撃するな」

 

タンクジョウの攻撃に対して油断できずに攻められないと思い、拳を握り締める不知はすぐに飛び出そうとするが、忍はそれを止める。

 

「なんでだよ、仲間がピンチなのにっ、黙っていられるか!!」

 

「お前には連が危機的状況に見えるのか?

それは少し違うぞ」

 

「・・・なるほどな」

 

神牙は何か納得したように一つのソウルを取り出す。

 

「何か分かったのですか?」

 

「あぁだいたい分かった。

忍、タイミングは何時だ」

 

「マグナムを撃ったその瞬間じゃ」

 

「えっ、えっ、えっ?」

 

「どういう事なんですか!?」

 

状況に理解できずに混乱する不知とマシュを置いて、不敵な笑みを浮かべる忍と手に持ったリュウソウルを構える神牙。

 

そして戦いが激化する中で連は手に持ったルパンマグナムをタンクジョウに構えると同時に打ち込む。

 

「この距離だったら、どうだろうなぁ!!」

 

「ふっなかなかの一撃っ!!

だがしかし、爪が甘い!!」

 

その言葉と共に大剣を連に向けて振り上げる。

 

【ヘアソウル】

 

その瞬間を見計らうように神牙は取り出したソウルをリュウソウケンに挿入し、腕に装着した鎧の力で伸びた髪をタンクジョウに向けて放った。

 

それにより、タンクジョウの攻撃の軌道は変わり、地面へと叩きつけると共に地震が起きる。

 

「ぐっ!!」

 

「おらぁ!!」

 

タンクジョウはすぐに剣を構えようとするが、連はすぐに蹴り上げて、タンクジョーの腕から大剣を落とした。

 

同時にリュウソウケンにリュウソウルを挿入し、構える。

 

同時にタンクジョウも腕を連に向けたまま、固まる。

 

「あぶねぇリーダー!!

すぐに逃げろ!!」

 

先程のようにソーマのようになると心配し、不知は叫ぶ。

 

だが、タンクジョウは一切動こうとしない。

 

「どういう状況なんですか」

 

「タンクジョウは見た目はパワータイプに見えるが、それ以上にとんでもない奴みたいだな」

 

「えっどういう事なんですか?」

 

「奴は、自分が受けたダメージをそのまま受け流すカウンタータイプだったんだ」

 

「えっ!!」

 

その言葉を聞き、不知はすぐにタンクジョウのこれまでの行動を思い出す。

 

「そういや、最初の攻撃だって、リーダーのルパンマグナム。

次の攻撃はソーマさんの攻撃、そして今のは再びルパンマグナムを受けた後だった」

 

「・・・そこまで分かったのならば正解発表だ。

俺の能力は受けたダメージを地震エネルギーに変える事ができる能力だ。

この地震エネルギーってのは、俺の力に変える事ができたり、さっきみたいに地震を起こす事自体簡単に行える。

まぁ俺にはあまり攻撃力はなく、一級品の防御力と技量があるからな」

 

「見た目とは違って厄介な奴だな。

でも、そんなに喋っても良いのか?」

 

「まぁな、ガイソーグ様の情報を渡さない代わりの楽しませてもらった礼だ」

 

「何をっ!」

 

同時に再び地響きが起き、見てみるとマイナソーが現れていた。

 

「ぐっ」

 

「それでは、また会おうリュウソウジャー」

 

その言葉と共にタンクジョウは手に持っていた物を地面に叩きつけると、魔法陣と共にその姿を消した。

 

「くそっ、テレポートジェムか!!」

 

「それよりも、まずはあのマイナソーを」

 

「・・・そうだなっぐっ!!」

 

すぐに立ち上がろうとした連だが、既にダメージを受けすぎて、まともに立つことすらできなかった。

 

「ティラミーゴを借りるぞ」

 

「・・・あぁ、頼む、神牙」

 

その言葉を受けると同時に連達の元にティラミーゴを始めとした騎士竜こちらに向かって走ってくる。

 

そして、連とソーマ、そして二人を守るようにマシュが残った。

 

残りの三人は見合わせると同時に騎士竜達に向かって跳ぶ。

 

「「「騎士竜合体!!」」」

 

神牙の言葉に合わせるように、集った騎士竜ティラミーゴ、アンキローゼ、プテラードル、そして神牙の相棒であるミルニードルが向かってくる。

 

そして4体の騎士竜が合体し、神牙のブラックリュウソウルが挿入される事で新たなキシリュウオーが誕生する。

 

「完成、キシリュウオー・ガーディアン」

 

そこに現れたのは、これまで攻撃重視が多く見られたキシリュウオーとは違い、全身がまるで鎧を身に纏った防御重視のキシリュウオーが現れる。

 

キシリュウオー・ガーディアンへと変わるのと同時にマイナソーは目線をキシリュウオーへと向け、背中から巨大な剣を持つ手を3本生やし、両腕も剣へと変わり、襲い掛かる。

 

キシリュウオーが行った行動はその両腕に持った巨大な盾で、その攻撃を防ぐ事だった。

 

5本の剣の速さに対応する事ができずに、キシリュウオーはその場を動かず、ただ攻撃を耐えるだけだった。

 

だが、それは決して劣勢になっているからではなかった。

 

「っ!!」

 

気づくと、マイナソーの持っている剣は徐々にだが、確かに刃が荒くなっていた。

 

「今だっ!!」

 

その掛け声と共にキシリュウオーの手に装着されている楯から次々と棘が放たれていく。

 

驚くマイナソーは思わず後ろへと下がるが、マイナソーの剣は既に全てが折られていた。

 

キシリュウオー・ガーディアンは防御を得意としており、その手に持つ楯は相手の武器を壊す機能が備わっていた。

 

そして、全ての攻撃を受けきると同時に全身を覆っていた鎧が分離し、その手には全ての武装が合わさった巨大な剣となった。

 

「行くぞ、キシリュウオー、ニードルスラッシュ!!」

 

その声と共に、キシリュウオー・ガーディアンは巨大な剣を振り下ろすと、マイナソーは瞬く間に真っ二つに切り裂かれる。

 

真っ二つに切り裂かれたマイナソーはそのままゆっくりと地面に落ち、爆発する。

 

同時にマイナソーから出てきた特典と転生者を回収し、神牙達の戦いを終える。

 

連Side

 

「響」

 

「あっ連君!!」

 

俺達は戦いを終え、互いに無事に終わった事を確認して、一安心する。

 

「おいおい、お前達二人が寝込むって、どういう状況なんだ!!」

 

クリスも遅れて来ると、俺とソーマが倒れている事に驚いていた。

 

「まぁな、タンクジョウと戦って、逃がしちまった。

まぁ能力は分かっただけでも良かったけど」

 

「タンクジョウ、奴一人だけでも、まさか連とソーマの二人をここまで追い詰めるなんて。

パヴァリア光明結社、ますます油断できないな」

 

「だけど、今の所、戦える戦力は俺達だけだしな。

切歌達はシンフォギアを纏えないし、どうしたものか」

 

「おいおい、久しぶりに来たら何やら困りごとだな」

 

「んっ、その声って?」

 

「えっ?」

 

突然聞こえた声に俺達は急いで周りを見渡す。

 

すると、物陰から一匹の猫が出てきた。

 

「えっと、猫しかいませんが「モルガナ!!」えっ知り合いですか!?」

 

「うわぁ、モルガナだ!!

あんまり触る機会はなかったけど、なかなかにモフモフだぁ」

 

「ちょっお前、触るなよ!!

吾輩の毛並みが崩れるだろ!?」

 

「相変わらず弄られキャラだな、お前は」

 

響はモルガナが出てくると、飛び込むようにモフモフしており、必死にモルガナは抵抗している。

 

「あの、皆さん、あの猫とお知り合いですか?」

 

「あぁそういえば、マシュは知らなかったよな。

あいつはモルガナ、まぁいわば連の相棒のような存在だな」

 

事情を知らないマシュは疑問を浮かべるように言い、クリスは呆れたように言う。

 

「それにしても、お前、いきなりいなくなってびっくりしたぞ」

 

「悪いな、ちょっと死神様の所から預かりものがあってな。

それを受け取るのに時間がかかったんだよ」

 

「預かりもの?」

 

「あれだ」

 

ぞう言い、モルガナが指を指したのはスーツケースだった。

 

試しに開けてみると、中に入っていたのは

 

「これはVSチェンジャーに似ているけど」

 

そこにあったのは、かつての戦いで壊れてしまったルパンチェンジャーがあった。

 

だが、その形は以前よりも小さくなっており、俺達のリュウソウチェンジャーのようになっていた。

 

「あぁ、お前達の戦闘から得た情報を元に開発した新型のルパンチェンジャーだ」

 

 




今回は烈 勇志の合体パターンと転生者のマイナソー、いりごま塩さんの騎士竜で送りました。
まだまだ募集しておりますので、皆様の応募、お待ちしています。

カリオストロ戦での連の姿は

  • リュウソウジャー
  • ルパンレンジャー

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