「いよいよ、明日か」
マイナソーを作り出した存在との接触から数日後、響達が日本に帰ってくる事が聴かされ、待っていた。
これまでの情報もそうだが、錬金術師についての情報も統合して、これからの対策についてを話したかった。
「そう言えば、向こうでも騎士竜を発見されたらしいぞ」
「なに!?」
そのことについては、俺は思わず起き上がって、ソーマに迫る。
「どうやら向こうでヨナルデパズトーリとの戦いで出てきたらしい」
「・・・なんか噛みそうな名前だな」
思わず言ってしまうが、それでも新たな騎士竜が仲間になってくれたのは嬉しい。
「そう言っている間に、どうやら転生者が出てきたぞ」
「まったく、こういう時に」
俺達はすぐに駆け付けると、そこにはまるで黄金に輝く球体が街を囲んでいた。
「まったく、転生者達の能力は本当に」
「とにかく行くぞ」
俺達はその言葉と共に結界の中へと入り込む。
結界の中はまるで桜の花びらで覆われており、街の中を歩いている。
「一体何が起きているんだ、この空間は」
「なるほど、お前達がリュウソウジャーか」
この空間について話していると、何やら声が聞こえ、その方向を見てみると、まるで平安時代の貴族のような恰好をした男が立っていた。
「お前が、この空間を作り出したのか」
「そうだったら」
「お前を止める!!」
そう言い、リュウソウルを取り出そうとしたが、手に持ったリュウソウルが光が閉じ込められた。
「これは」
「お前達を倒すのは簡単。
変身させなければ良いだけ、そして」
その言葉と共に目の前にいる男は黄金の鎧を身に纏った。
「お前っ、なぜ魔戒騎士の鎧を」
「支配者たる藤原道長には相応しい姿だろ」
「だからと言って、負けるかよ」
そう言い、俺はアルセーヌを呼び出す。
「お前達、ここは俺に任せろ。
まさか、これを使うとはな」
そう言い、神牙が取り出したのはリュウソウケンとは違う剣を取り出し、宙に円を描く。
それと共に現れたのは、目の前にいる狼の鎧とは正反対の黒い鎧を身に纏っていた。
「ほぅ、貴様も魔戒騎士だったか」
「まったくもって、未熟な奴だがな!!」
そう言い、剣と剣が交わす。
藤原の動きは素人とも思える動きで、神牙の方が圧倒的に有利なはずの戦いだった。
だが、全自動で動くように対応しており、どんどん追い込まれていく。
「ぐっ!!」
「所詮、下賎の者はこの程度の事」
「ぐっ」
そして、神牙は吹き飛ばされ、鎧は解除され、俺達は受け止める。
「この時代でも、やはり私が支配しなければならないようだな」
そう言い、鎧の下からでも分かる程に気味の悪い笑みを浮かべる。
リュウソウルを封じられ、不利な状況になっている。
それでも諦めるつもりはなく、俺達は藤原に向けて睨み付ける。
「人々の支配しか考えないお前に、これ以上好きにはさせない」
「えっ!?」
突然聞こえた声に、俺達は見てみると、そこには本部にいるはずの司令がゆっくりと近づいていた。
「馬鹿な、この結界を抜けれる人間がいるはずがない!?」
「俺一人だったら、無理かもしれないな。
だが、俺には多くの仲間と、そして相棒がいてくれたおかげで、ここまで来れたのさ」
そう言い、取り出したのは、これまで見たことのない銃だった。
「それは!?」
「少し隠していて済まなかった。
だが、後は任せてくれ」
そう言い、司令が取り出したのは黄金に輝くリュウソウルだった。
「リュウソウチェンジ!!」
そのまま銃にリュウソウルを入れて、先端部を回す。
同時に俺達が変身する時に見た黄金のリュウソウルが踊る。
【ドンガラハッハ!ノッサモッサ!エッサホイサ!モッサッサッサ!】
「リュウソウチェンジ!!」
【リュウSOCOOL!】
その音声と共に出てきたのは黄金に輝くリュウソウジャーに変身した司令だった。
「リュウソウジャーに変身した!?」
「栄光の騎士!リュウソウゴールド!」
その声を出すだけで、周りの空間が揺れる程の衝撃が現れ、俺達も立っていられない程だった。
「では、行かせてもらうぞ」
「だが、貴様が来た程度でっ!!」
そう藤原が言うが、司令はまるで雷になったような速さで急接近し、正拳突きで吹き飛ばした。
それだけで黄金に輝いていた鎧を瞬く間にヒビが入る。
「ばっ馬鹿なっ!!
なぜ、動きを読めているはずなのに、見えないだと!?」
「心を読むよりも早く、殴っているのか!?」
「元々は化け物のような身体能力だったけど、もしかしてリュウソウゴールドになった事でここまで強化されたのか」
そこからリュウソウゴールドの動きはまるで見えず、藤原の鎧はただただ破壊されるのを許すだけだった。
「悪いが、さっさと決めさせてもらうぞ」
そう言い、腰に締まっていた、手に持っていたリュウソウルを再度入れる。
【めっさ!ノッサ!モッサ!よっしゃ!この感じ!】
その音声と共に足に力を籠め、藤原に向けて引き金を引く。
そうする事により、恐竜を摸した雷のエネルギーが藤原に向かっていき、そのまま藤原を飲み込んだ。
「こんな、事に!?」
その叫び声と共に、余りにも高すぎる威力に、藤原に取り付いていた特典とマイナソーは吹き飛ばされ、すぐに実体化される。
その姿は先程までの黄金に輝く狼の鎧とは程遠い獣のような姿になっていた。
「おいおい、本当に何者なんだよ」
「さて、まだ終わっていないようだな。
それじゃあ、こいつらの紹介も兼ねて、戦うか!!」
「もしかして、司令の騎士竜!?」
その言葉と共に後ろの海から出てきたのは巨大なワニを思わせる騎士竜、それに付き従うように亀とアノマロカリスのような騎士竜が現れる。
「行くぞ、モサレックス、カメロドリル、アノマシンガン、竜装合体!!」
その声と共にモサレックスは叫ぶと、リュウソウルがモサレックスの口の中に入り、カメロドリルとアノマシンガンがモサレックスに装着する。
「完成、キシリュウネプトゥーン・ナイツ」
その言葉と共に現れたキシリュウネプトゥーン・ナイツはその手に巨大な剣を手に持ちながら、アノマシンガンをマイナソーに向ける。
一秒に何百という弾丸を打ち込まれ、マイナソーは怯んでしまう。
それでもマイナソーは、進む事を辞めず、噛みついてくる。
「ッ!?」
だが、その攻撃はカメロドリルの盾によって防がれ、同時に攻撃を仕掛けていく。
「おいおい、どうなっているんだよ、あれは!?」
「おそらくだが、司令の動きもトレースしているのか」
「これでとどめだ!!」
その言葉と共にキシリュウネプトゥーン・ナイツは空へと飛ぶと同時に、手に持った槍ごと身体を回転させて、マイナソーを貫き、倒した。
戦いを終えて、俺達は本部の潜水艦に来たのだが
「まさか、あんたがリュウソウジャーになるとは」
「あぁ、俺自身も驚きだがな」
そう言っているが、潜水艦の周りには司令の相棒のような存在であるモサレックス達が泳いでいた。
「あの時は驚いた。
まさか、あの時にな」
そう言われて、干渉深く言っている。
「とにかく、これで師匠も一緒に戦えば心強いですね」
「いや、それは、少し」
「俺は一応はここの司令をしている。
だから、非常事態のみにしか出撃はできなくなっている」
そうため息をついているが、確かにこの人だけで全てを解決できそうだからな。
「それに、向こうで気になる情報を聞いたからな」
「情報?」
俺達は首を傾げる。
「マイナソーは奴らにとっては通過点でしかないらしい」
「通過点?」
そう言われ、出てきたのはマイナソーの画像だったが
「こいつらは、なんだか」
「他のマイナソーとは違う」
そこに映し出されていたのは城と一体化しているような奴やマジシャンを思わせる奴がいるが
「こいつらは」
「錬金術師と共に行動していたマイナソーだと思われる奴らだ。
だが、その能力は、これまで戦ってきたマイナソーとは比較にならない程の能力を持っていた」
「もしかしてクレオン達はこいつらを作り出すのが目的?」
未だに分からない奴らの目的に対して、俺達は気を引き締めるように見つめる。
カリオストロ戦での連の姿は
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リュウソウジャー
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ルパンレンジャー