アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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皆様、新年あけましておめでとうございます!

今年もアイ転をよろしくお願いします!

※今回も『アイドルの世界に転生したようです。』という良太郎たちが本人役で出演していたドラマの新春&四周年記念ラジオという設定でお送りします。
一部設定に矛盾があったりなかったりするので、『本編とは似て非なる物語を歩んできたパラレルワールドの良太郎たち』ぐらいのノリで深く考えずにフワッと読んでいただけたら幸いです。


番外編38 新春&四周年特別企画・前

 

 

 

 それは、あり得るかもしれない可能性の話。

 

 

 

 ピッ、ピッ、ピッ、ポーンッ!

 

 

 

「「新年」」

 

「「「あけまして!」」」

 

 

 

 ――おめでとうございます!

 

 

 

「諸君、お年玉は貰ったかな!? 数年前から既にあげる側の123プロダクション所属の周藤良太郎だ!」

 

「お前ら、初夢はどうだった? 俺は良太郎に散々振り回される夢だからさっさと人に話して正夢を阻止させてもらうぞ。同じく天ヶ瀬冬馬だ」

 

「みんなー、元旦はお雑煮食べたー? アタシは事務所でまゆが作ってくれたお雑煮食べたよー! 同じく所恵美!」

 

「うふふ、みんな元旦は忙しかったですから、喜んでもらえて嬉しいです。同じく佐久間まゆでぇす」

 

「思わず食べ過ぎてしまいました……アイドルとして、猛省です。同じく北沢志保です」

 

「本日はこの五人でお送りしていきまぁす」

 

「てなわけでみんな、改めてあけましておめでとうございます」

 

「「「「あけましておめでとうございます」」」」

 

「いやぁ……確かに全員事務所に顔は出してるはずなんだけど、大晦日からこうしてちゃんと顔を合わせるのが実はこれが初めてなんだよね」

 

「ありがたいことに、トンデモなく忙しいからな……」

 

「去年に引き続き、ホント年末年始ってアイドルは忙しいですねー」

 

「志保ちゃんはアイドルになって二度目の年末年始ですけど、どうですかぁ?」

 

「その、去年もそうでしたのである程度は覚悟していたのですが……まさか去年と比べてここまで多忙になるとは思っていませんでした……」

 

「志保も、去年と比べるとそれだけ売れたってことだよねー」

 

「ハハッ、三人はまだいいよー十八歳未満の年少者だから……」

 

「俺と良太郎は既に成人しちまってるからな……」

 

「えっと……本当にお疲れ様でした……」

 

「まぁ忙しいのはまだまだこれからなんだけどね……」

 

「収録……収録……また収録……」

 

「あぁ、リョータローさんと冬馬さんが遠い目をっ!?」

 

「が、頑張ってくださぁい!」

 

「と、とりあえずお茶をどうぞ……」

 

「あ、ちなみに今回は全員炬燵に入ったままでお送りしておりまーす」

 

「いつもだったら見えねーから分からんっていうツッコミが入るところだが」

 

「今回はWebカメラによるライブ配信があります」

 

「ヤッホー! みんな見えてるー!?」

 

「うんうん、相変わらず俺の無表情と冬馬の仏頂面、志保ちゃんの可愛いすまし顔に恵美ちゃんとまゆちゃんが仲睦まじく隣り合わせに並んでいるところが映ってるな」

 

「これなら最初っからテレビで良かったんじゃねーのか?」

 

「まぁ、それはそれということで……そうだ、ついでだしここで渡しちゃおう」

 

「ん?」

 

「はい、今年も全員にお年玉」

 

「わっ! ありがとーございます! ……ん?」

 

「今年もありがとうございますぅ……ん?」

 

「あ、ありがとうございます……ん?」

 

「……って、コレ、まさか噂の青封筒……!?」

 

「テーテテッテッテー」

 

「大きさは普通のポチ袋ですけど、まんまアレですよねコレ……」

 

「無駄に凝ってますね……」

 

「今日の為にちひろさんに作ってもらった(有償)」

 

「他事務所の事務員を使うな」

 

「てなわけでホイ、冬馬、お前にも。一応! お前も後輩だからな」

 

「ちゃんとありがたく受け取ってるんだからその一応ってところを強調するのヤメろ」

 

「冬馬さんのは白封筒なんですね……」

 

「三人と比べると半分ぐらいしか入ってないし、多少はね?」

 

「例え同年代であってもちゃんと後輩にお年玉を渡すなんて、流石良太郎さんですぅ!」

 

「はっはっは、よせやい」

 

「……ヨイショしてるように見えるでしょ? まゆのコレ、平常運転だから」

 

「りょーいん患者筆頭は今年も変わらず、ですね」

 

「完治は見込めねぇだろーな。……というか、いつまでやってんだよ。まだ番組説明すらしてねーんだぞ」

 

「「「あっ」」」

 

「そーいやそうだったな。まゆちゃん、進行お願い」

 

「はぁい。今回は私たちが出演しているドラマ『アイドルの世界に転生したようです。』の新春&四周年を記念した特別ラジオになりまぁす。あらかじめ視聴者の皆さんから送っていただいたお便りを読みつつ、今までの放送を振り返っていきまぁす」

 

「お便り、本当にありがとうございます」

 

「というか色々とあって流して来たけど、四周年だぜ四周年」

 

「随分と長いこと続いてるよなぁ」

 

「ちなみにアイ転が始まった四年前がどんな時期だったのかっていうのを外宇宙的な視点で語るとだな」

 

「さらっとトンデモナイこと言いますね!?」

 

「お前はフォーリナーか何かなのか?」

 

「今や大人気ユニット筆頭である346プロの『LiPPS』は美嘉ちゃん以外声帯が実装されていなかった」

 

「「「……ホントですかっ!?」」」

 

「なんとまゆちゃんですら初回放送の一ヶ月前に声帯が実装されたばかりだ」

 

「わ、私の声帯が……!?」

 

「確かに驚くのは分かるが、これ以上この話広げると収拾つかなくなるから戻れ戻れ」

 

「それじゃあアイ転の話に戻るか」

 

「えっと……初期の段階では、第二章で完結する予定だったんですよね」

 

「そーそー。それで第二章の撮影中に第三章の制作が決まって、第三章の撮影中に第四章第五章の制作が決まって今に至る、と」

 

「アタシたちはまだ聞かされてないんですけど、第六章はどうなるんですかね?」

 

「演者としてだけじゃなく、一ファンとしても今後どうなるのかが、まゆも気になりますぅ」

 

「あー、その辺りの話はまた後にしようか。長くなるし」

 

「それもそうですね」

 

「ついでにリスナーの興味を引いたまま引っ張れるし」

 

「オイ」

 

「まぁよく使われる手法の一つですから……」

 

 

 

 

 

 

『あいてんっ!』

 

 

 

「よし、それじゃあ早速お便りの方を読んでいくか。新年一発目だから、俺が読むぞ」

 

「お願いしまぁす」

 

 

 

 HN『とある天文台の星詠みの魔術師』

 

 拝見

 周藤良太郎さん、天ヶ瀬冬馬さん、PeachFizzのお二方、北沢志保さん、並びに123プロダクションの皆様、4周年並びに新年、明けましておめでとうございます。今日という日を迎えた事大変嬉しく思います。

 良太郎殿がフリーのアイドルであった時から応援しておりました。

 今は新たにプロダクション所属になり、Jupiterのお三方、PeachFizzのお二方、北沢志保さんと事務所所属のアイドルの皆様もお知りした時から応援しております。

 皆様のアイドルという星の輝きは大変素晴らしいものです。その輝きは数多の人達の希望となり、いずれは目標となる道しるべとなっていることでしょう。これからもその輝きが失われない事をお祈り申し上げます。

 長くなってしまいましたが、これからも皆様の発展とご活躍を輝く星に願いまして最後に致します。どうか、お身体に気をつけてこれからも頑張ってくださいませ。

 

 追伸

 宜しければ私の所属するとある雪山にある天文台にお越しくださいませ。この手紙にチケットを同封しておきます。お越しの際は寒いですので防寒をお忘れなく。

 

 

 

「はい、魔術師さんありがとうございます」

 

「新年一発目は比較的大人しめなお便りだったな」

 

「リョータローさんがフリーの頃からって言うと、本当に初期ですよね」

 

「劇中内では第三章の時点で123が出来たけど、リアルだとフリー時代は四年間で……あれ、そうすると割と最近……?」

 

「時系列が色々とおかしくなりそうなのでそれは置いておきましょう」

 

「それにしてもカッコイーね! 星の輝きだって!」

 

「まゆにとっても、良太郎さんはいつだって天上に輝く一番星ですよぉ」

 

「おいおい何言ってんだまゆちゃん……俺はいつだって、みんなの太陽だぜ?」

 

「きゃあああぁぁぁっ!」

 

「なにいってんだコイツ」

 

「なにってんですかコノヒト」

 

「いやぁ……でもまゆを初めとしたりょーいん患者の皆様にはキいたんじゃないかなぁ……凄いイケボでしたし」

 

「ファンサービスは基本」

 

「これでもうまゆは来年まで生きていけますぅ……」

 

「早いですね!?」

 

「新年だぞオイ」

 

「さて今回もお便りと一緒に『一番印象に残ったor面白かったというお話』というテーマでアンケートを取らせてもらったわけだけど、魔術師さんが選んてくれたお話はコチラ」

 

 

 

 ――みんなのレベルを見る前にその振付がどういうのかを一回把握しておきたいんだよ。

 

 ――優しい先輩だね、良太郎さんは。

 

 ――はい。自慢の先輩です!

 

 

 

「Lesson95『良太郎、襲来ス 4』だ。確かこの辺の話は、三周年のときのお便りでも選ばれてたな」

 

「それだけ印象に残ってもらえたお話ってことですねぇ」

 

「第三章の合宿中で、リョータローさんと冬馬さんがアタシたちのダンスレッスンに来てくれたときの話ですね」

 

「『個人的に良太郎がトップアイドルとしての実力がよく現れている回なので選ばしてもらいました』だそうだ」

 

「……まぁ、あの短時間であの振付をあれだけの精度で覚えるのは、確かに凄いと思いますけど……『どっちの揺れる胸を見ようか検討中』みたいなセリフが無ければもっと凄いって思えたんですけどね……」

 

「セリフのチョイスで誤魔化されてるが、コイツそれでガチ悩みしてたからな」

 

「いやだってさぁ、考えてみろよ。B85とB86がTシャツの下で揺れるんだぜ? 結構バルンバルンいってるんだぜ? そりゃどっち見るか悩むよ。最近アイドルとして活動することがなくなって見る機会がほとんどないりっちゃんか、それとも人気急上昇中女子中学生アイドルの美希ちゃんか……苦渋の選択だったんだ」

 

「なんで二年も経ってて未だにこんな真剣なんだコイツ……」

 

「今頃律子さんからの抗議文が来てるんじゃないですかね」

 

「……外のスタッフさんが首肯してますねぇ」

 

「流石りっちゃん、仕事が早い」

 

「というかちゃんとこれを聞いてくださっている辺り、本当に律儀というか……新年早々お疲れ様です……」

 

「良太郎は自分を曲げないよ!」

 

「それはそれとして、何かチケットが入ってるって話でしたけど」

 

「これだな。……あれ、ここ知ってるわ」

 

「そうなんですか?」

 

「確か俺の高校の後輩の双子の兄妹がアルバイトに行くとかなんとか言ってた気がする」

 

「出たよ、なんかよく分かんない人材で埋め尽くされた魔境校」

 

「失敬な。最近、学園祭で王子様を賭けたお姫様たちの闘いを描く観客参加型シンデレラなる演目が上演されたらしいけど、至って普通の高校だぞ」

 

「十分魔境なんだよっ!」

 

「うわなんですかそのシンデレラ、チョー見たい」

 

「良太郎さんがいなくなっても、そのノリは健在なんですね……」

 

 

 

 

 

 

『あいてんっ!』

 

 

 

「そういえば先ほど良太郎さんの出身校についてのお話しが出ましたけど、そのことに関するお便りが来ているので読ませていただきます」

 

 

 

 HN『椿@真押し』

 

 りょーたろーさんに質問です。

 りょーたろーさんと知り合った女性が346で高確率でアイドルになっていますが本当に偶然なのですか? 疑問に思っております。

 

 

 

 

「とのことですが」

 

「それなぁ……俺自身本当に疑問なんだよ」

 

「えっと……346というと、まずはシンデレラプロジェクトの凛ちゃんとみりあちゃんですよねぇ?」

 

「あとは友紀さんに茄子さん……最新話で奏もついに本編に参加してたよねー」

 

「そもそもなんですけど、良太郎さんに影響を受けてアイドルになった方が少なくないと思うんですよ」

 

「結局私たち三人も、良太郎さんの『始まりの夜』に立ち会っていたわけですからねぇ」

 

「そういえばそうだったね」

 

「あと皆さんお忘れかもしれませんが、765プロの春香さんも良太郎さんに影響を受けてアイドルになった一人ですからね」

 

「……そうだっけ?」

 

「キチンとご本人がおっしゃってますから、Lesson05を見返してください」

 

「……良太郎、お前覚えてるか?」

 

「全然覚えてない。寧ろよく志保ちゃんは覚えてたね」

 

「志保ちゃんは良太郎さんだけじゃなくてアイ転のファンでもありますもんねぇ」

 

「……そういうことは言わなくていいです」

 

「へいへーい! いつもだったら声だけだから分からないところだけど、Webカメラあるから耳が赤いのが丸わかりだぜー!」

 

「っ!?」

 

「志保カワイー!」

 

「あっ! 恵美ちゃんズルいです! 私も! 私も交ぜてください!」

 

「こっち来ないでください! 暑いです! 苦しいです!」

 

「冬なんだから温まろー!」

 

「うふふ、今日は志希ちゃんがいないのが残念ですけど、今年も123ガールズで仲良くしましょうねぇ」

 

「いやぁ……正月早々えぇもん見させてもらったわぁ……」

 

「良太郎さんはともかく、冬馬さん止めてください! 番組進行があるんですよ!?」

 

「……まぁ、こいつらのファンに対するファンサービスにはなってるから、もうちょっとほっとくか。ほら良太郎、俺のついでに淹れてやるから湯呑出せ」

 

「おっ、サンキュ」

 

「ちょっとおおおぉぉぉ!?」

 

「大丈夫大丈夫、CM入れてあげるから」

 

「そういうことを言ってるんじゃないんですけどおおおぉぉぉ!?」

 

 

 

 ※次回に続く

 

 

 




・Webカメラによるライブ配信
え、見えない? おっかしいなぁ……(心の目)

・噂の青封筒
本当にポチ袋サイズの青封筒の展開図がツイッターに上がってた。

・テーテテッテッテー
新年一発目の十連はSSR無し既存のみでした。まだ無料十連期間はあるから……(震え声)

・フォーリナー
皆さんはアビちゃん、もしくは北斎ちゃんは引けましたか? 自分はこちらでもダメでした(福袋はお話オバさん)

・『LiPPS』は美嘉ちゃん以外声帯が実装されていなかった。
2013年11月29日時点の話になります。
その後、2014年11月19日の奏とフレちゃんのCDデビュー決定まで時間が空きます。約一年ですね。

・初期の段階では、第二章で完結する予定
何回か話してますが、この小説書き始めた頃はまだ劇場版すら公開されてなかったですから。
……ホント、ここまで息の長いコンテンツになるとは……。

・双子の兄妹
この世界のぐだーズは双子。

・観客参加型シンデレラ
最近ソシャゲが始まったそうで(やってない)

・春香さんも良太郎さんに影響を受けてアイドルになった一人
(作者もこの設定忘れてたゾ……)



 というわけで久しぶりのラジオ風短編です。今回は割と分かりやすい口調の五人が集まったと思います。

 さて前書きでも触れましたが、どうぞ今年もよろしくお願いします。

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