できません。
なぜならそれは外的要因だからです。
はやての体が悪いのではなく、闇の書が悪さをしてるのでこの場合は闇の書のおっぱいを揉む必要があります。が、本におっぱいはありません。
・・・せっかくなので、おっぱいの生えてる本を想像してみたんですが・・・ゲームによってはモンスターとして出てきそうですね。ダークファンタジー系に。
DODとかに。やったことないんですけどね。
最近ので言えばソウルサクリファイスに出てくるリブロムにおっぱいを付けたら意外とイカスかもなんて・・・ないですねww
「こちらスネーク。アースラ艦に潜入、成功した。」
『あほ言ってないで、とっととシグナムを救出しなくちゃ。』
「・・・ちょっとくらいいいじゃないか。」
響は早速とばかりにアースラ艦に潜入した。
捉えられているならばここにいるだろうという考えの下。
ちなみにダンボールを被っている。
某、潜入(スニーキング)の達人もダンボールは最高だと言っていた。
ばれないに違いない。
「君は一体何をやっているんだ?」
「・・・。」
響はこそりこそりとダンボールを被った状態で歩いていく。
極限の緊張感の中、汗がたらりと流れ落ちる。
心臓が激しく脈打つ。
「おい、無視するんじゃない。」
「・・・。」
じとりとした脂汗で肌に張り付く服が嫌に気持ち悪い。
ばれれば命は無い。
そんな強迫観念が響を襲い、今にも足を外へ向けたくなる。
が、一度やると決めた以上やらねばなるまい。などという高い志は持たないがそれでも男の子としてのちっぽけな意地くらいは守ってみたい。
女の子を守るという、昔ながらの男の子の意地を。
ただただ一心にそう考え、逃げそうになる足を叱咤し歩を進める。
「聞こえているのかっ!?」
「ぽぉんっ!?」
ダンボールをひったくられた響。
なぜか警告音のような悲鳴が出てしまった。
「な、なん・・・だとっ!?
バカなっ!?どうしてばれた!?」
「はぁ?」
先ほどから話しかけていたクロノは頭にクエスチョンマークを浮かべた。
「ええと・・・かくれんぼのつもりだったのか?
どう考えてもこんな怪しいダンボールがあればばれるだろう?」
「いや、だからこそ“こんなダンボールに人が隠れているはずが無い”という虚を突くわけで、普通の人間ならばスルーするはず。クロノ・・・オマエってヤツはKYだな。」
「・・・話の流れが良く分からないが、君が僕をバカにしていることは分かった。」
クロノはただひたすら困惑するばかりである。
そもそも地球よりも遥かに文明の進んでいるミッドの人間にとってダンボールなどと言う前時代の遺物など下手なロストロギア以上に珍しい物だ。
衝撃吸収能力に優れた良い品なのであるが。
すなわち響から見たら完璧でも、ミッドの人間からすればむしろ響こそ異質でKYなのだ。
そしてよくよくKYとされるクロノだが、彼は決してKYなどではない。
職務に忠実で、真面目なだけだ。
たとえば周りが1人の人間を苛めてるからといって、俺も空気読んで苛めておこう!などという理屈がまかり通らないように、クロノは職員としてただ懸命なだけである。
決して彼はKYじゃない。
大事なことだから二度言いました。
「こうなってはクロノ、すまぬ。」
「は?って、いだっ!?」
「あれ?
ダメだな?気絶しない?」
「いだっ!?あいたっ!?ちょっ、君は突然何をするんだ!?いたっ!?やめないかっ!?あうちっ!?」
「なぜに?」
響はクロノを気絶させようとして首の裏をビシビシとチョップするのだが、クロノは気絶しない。
当然である。
最近になって剣が多少振れる様になった程度の人間に、そんな芸当がこなせるはずもないのだ。
このまま出来ないと、ちょっと格好つけて気取ったイタイやつ認定されかねないので、響はムキになってクロノの首裏をチョップし続けた。
アイシテルが忍び笑いしてたのもあって恥ずかしさが加速した。
気絶してよっ!
今気絶してくれないと自分がイタイやつになっちゃうじゃないかっ!!
「ちょっ!
だから痛いといってるだろうっ!?
君は喧嘩を売りに来たのかっ!?」
「あれ?何してるの?響君。」
「あ、エイミィさん。」
クロノの幼馴染らしいエイミィ。
クロノはなのはたちと変わらない外見年齢なのに、実は14歳。
さらにはこのエイミィも14歳。
見てみろよ?
これで同い年なんだぜ?信じられるか?
「いや、首裏にチョップで気絶させようとしたんですが・・・」
「なぜそんなことをするっ!?」
「え・・・そういえばなぜだろう?」
なんか見つかって、焦って、とりあえず口封じがてら・・・みたいな感じだったんだろうか?
「あははは、まったく響君ってば漫画の読みすぎだよ!
こういうのはコツがあってだね・・・こんな感じで・・・えいやっ!!」
ズビシッ!!
エイミィのチョップがクロノの首筋にクリーンヒットした。
あがっ!?と情けない悲鳴をあげて崩れ落ちるクロノ。
おおっ!?
ちょっと畏怖が篭った声で驚く響。
その容赦の無さはもちろんのこと、すっごい痛そうな音にドンビキした。
「大抵の素人さんは首筋ってことで下手に力をこめたら・・・みたいな感じで遠慮しちゃうんだけど、そうしちゃうと逆に難しい上に痛い思いをするのさ。大切なのは思い切ることだね。それじゃ、クロノは持ってちゃうけどいいよね?」
「あ、は、はいっ!」
「そんじゃね。」
呆然とクロノを引きずるエイミィを見送った。
まぁ、仮にも荒事を担当する管理局の職員だしそれくらいは出来るよね・・・そう納得しておくことに。
あ、でも彼女は事務系等なんだからそんな訓練はーというところで考えるのをやめた。
まぁ異質なんじゃ仕方ない。
ダンボールは諦め、普通に歩いてシグナムを探すことにした。
どうせ戦う上で自分が向こう側に付いたことなどばれるのは決定事項。
こっそり助け出して、できるだけ追われる立場になるのを後回しにしたかったのだが、覚悟を決める響。
いや、覚悟はすでに決めてあるはずだというのに未だに揺らぐ。パンピーの精神を舐めてはいけない。
犯罪を犯すというのはそれだけ怖いことなのである。
気が変わらないうちにとっととシグナムを助け出してしまおう。
そう思ってキリキリ歩いていく。
すると“仮牢”の札がある部屋へ付く。
軟禁状態ということか?
何にせよ、アイシテルに協力してもらって艦の防衛プログラムにハッキング。ロックを開けて入ってみた。
一応別の犯罪者が捕らえられていると言う可能性も念頭に、ブリッツフォームで開ける。
そこにはあられもない姿のシグナムが居た。
着替え中のようだ。
目線が逢う。
「ええと・・・ごゆっくり?」
「とっとと出て行ってもらいたいのだが?女であることは捨ててあるがそれでも幾許かの羞恥心くらいはある。」
「ご、ごめんなさいっ!!」
響は焦って外へ出た。
シグナムのおっぱいはデストロイ。
そんな感想を持った。
どんな感じかはニュアンスで理解して欲しい。
☆ ☆ ☆
響はシグナムに事情を説明した。
味方になることも。
「必要ない・・・と言いたいところだが、素直にありがたい。礼を言おう。」
「あ、いや・・・その・・・でも」
「迷いは無いのだろう?向こう側に付いてたことなど最早どうでもいいことだ。」
「・・・はい。」
「そうか。君が選択したことだ。いや、君と言うのも最早他人行儀か。響。
オマエが決めたことだ。私がどうこう言うことではない。できることならば巻き込みたくは無かった。が、それもまた意味がない。」
「シグナムさん・・・その、俺が言うのも難ですけど信用・・・してくれるんですか?」
「見くびるなよ?
これでも何百年と生きてきた。
そうした目をした人間は総じて強い。力がーーーではなく中身がな。ゆえに絶対の信頼とまでは行かずとも少なくとも私たちに不利なことはしない。そう断言できる。」
「・・・。」
そうなんだろうか?
響は自分がそれほど高潔な人間だとは思えない。
覚悟を持ってここにいるつもりだが、それこそ本当の窮地に至った時、彼女達を迷わず見捨ててーーー
「むっ!?」
「警報っ!?」
「ばれたのかっ!?」
『違うよ、そっちは私がハッキングをしてるから万全。チートデバイスの性能を舐めないでよね。これはヴィータちゃんたちが発見されたとかじゃないかな?えーっと今、モニター映像をーーーはい。』
そこには砂漠のようなフィールドで向かい合うなのはたちとヴィータたちがいた。
やはり追い詰められているようだ。
プレシアもいる。3日で回復したのはさすが元研究者と言えよう。若い子供ならばいざしらず、彼女は若くとも30代後半。
いくらなんでもリンカーコアが3日で回復すると言うのはありえない。
なのはですら全快までには一週間ほどを要したのである。
「くっ!
いますぐ援護を・・・」
しかしシグナムの手元にはもちろん武器たるレヴァンティンは無い。
「はい、これ。」
「これは・・・どこで?」
響が差し出したのはレヴァンティン。
先にレヴァンティンの回収をしておいただけだ。
「行こう。シグナムさん。」
「・・・ああ。恩に着る。それとさん付けはいらん。」
「いや、でもそういう雰囲気じゃないと言うか・・・」
「戦場の仲間に貴賎や上下など無い。必要なく畏まる必要性など微塵もないのだ。呼び捨てで結構。」
「わかった・・・シグナム。」
シグナムの言葉は信頼の現われであった。
初めての感覚。
初めての暖かさ。
これを守るために動いていると考えると今の状況も悪くないな、と考え始めた響であった。
☆ ☆ ☆
「くそ、あいつら・・・好き放題しやがって。」
「シャマル、まだかっ!?」
「・・・無理よ・・・こうまで詰められたら・・・闇の書を使う余裕も・・・っ!?」
ヴィータたちは追い詰められていた。
「ヴィータちゃん、話を聞かせて。」
「話すことなんざ・・・何もねぇっ!!」
弾丸を撃ち放つが、それは全てなのはのラウンドシールドに防がれる。
なのはは防御型の魔導師。
なのは自身の才能に加えて、魔力ランクC~Dに過ぎないヴィータには満に一つも傷をつけることは出来ない。
それは他の2人も同じである。
一番の攻撃力を持つヴィータですら不意打ちでもない限り倒せない。
これは完全な手詰まりであった。
勇者王―――仮面の男の目的は闇の書の完成で、できれば彼女達に加勢したいがこの状況でしたところで結果は目に見えている。
だが、そこに桃色の雷が降り立つ。
シグナムだ。
「シグナムッ!?」
「ヴィータ、まだ元気なようだな。なによりだ。」
管理局の皆はそれぞれが驚く。
そして続く黒い軌跡。
響だ。
重厚な音を発てて、砂漠に降り立った。
「ぶはっ!?
ぺっぺっ!おいこらッ!誰だがしらねぇが砂が舞うんだよっ!!もっと大人しくできねえのかっ!!」
ここは格好いいシーンのはずなのにヴィータに怒られて台無しになった。
『ぷくくく。』
「笑わないでくれる?アイシテル。」
「アイシテル?
オマエ、まさか?」
「ああ、鎧変えたまんまだったね。これでーーーわかるだろ?」
いつもの甲冑に姿を変える響。いや、そこは顔が分かるブリッツフォームだろ?と思わないでもない。
「オマエ・・・どうして・・・」
「・・・。まぁしょせん誤解が増えるだけ。そう思うことにした。いざとなったら世界の果てまで逃げてやる。それに一応の対策もしてる。」
『見て驚かないでよね?』
ここでユニゾンデバイス。融合騎の特徴を述べておく。
融合騎と魔導師がユニゾンした場合、その姿かたちは相性や融合騎自体の力によって千差万別に変わる。
さらに言うと融合騎の力が強ければ強いほどユニゾン対象に強い影響を与える。
すなわち。
肉体的なチートを持たない響が、神様印のーーー神が用意したチートデバイスであるアイシテルとユニゾンするともちろんのことアイシテルの方に大きく軍配が上がる。
鎧を取る響。
そこから出た顔はアイシテルよりでアイシテルと響の容姿を付け足したもので、今更であるが身長も幾許か伸びているし、鎧の下では胸も出ていた。
さらには股間にあるべき物がない。
要はアイシテルの人化姿に近づいたのだった。
響の元の肉体の影響が出ているのはせいぜいアイシテルの髪と目の色。銀髪であり、オッドアイであるという神様に与えられた特徴だけだ。
これにはモニター越しに見ていたリンディとクロ、エイミィも驚く。
てっきり響かと思ったら、別人だったのだ。
デバイスの形や鎧姿から無関係ではないとは思えるが、それだけである。
響は剣を抜く。
ユニゾンすることによって力の増した剣は煌々と輝く。
光沢が増したような気がした。
「さぁ、いくぞ。」
こうして戦闘は始まる。
☆ ☆ ☆
響の相手は同じくイレギュラーたるプレシアテスタロッサだ。
「まさか融合騎とはね。」
「・・・ここまで速攻でバレルとは。」
「私を見くびらないで欲しいわ。」
プレシアはストレージデバイスを構え、早速攻撃を開始する。
「今なら子供のオイタで済ませることが出来るのよ?
止めておきなさい。覚悟も無しに犯罪者の仲間入りはーーーっ!?」
実際の姿は子供であるというのもバレバレである。
「暗黒的なエクスカリバー!!」
「くっ!?」
響が暗黒的なエクスカリバーをふるって、その口を強制的に閉じさせた。
プレシアはデバイスで剣を受ける。
「覚悟はすでにしたーーーと思う。だから余計なお世話だよ、鬼婆。
いつぞやの恨みも晴らしてやる。」
「・・・どこかで出会ったことがあるのね?」
『このバカっ!余計な情報を与えないっ!!』
確かにと思いつつも、そのまま響は押し出して、プレシアの態勢を崩しそのままバインドで締め上げる。つもりだったが、それを瞬時に移動したプレシアに避けられた。
「っ!?」
「仮にも大魔導師。さらに言えば、フェイトの技術はすべて私の使い魔が仕込んだの。そしてその使い魔に劣る主人がいるわけがないでしょう?」
「ちっ!」
ソニックムーブで響の背後に回ったプレシアが響に向かってその鎌を振り下ろす。
彼女のデバイスは鎌形で、バルディッシュに似ている。
『ぷろてくしょんっ!』
「ただのプロテクションくらいなら・・・カートリッジロードッ!!」
『ロードカートリッジ。』
ガシャコンと音を発てて、カートリッジが装填される。
同時に鎌に強力な魔力エネルギーが迸り、それが響のプロテクションと反応し、大爆発を起こした。
吹き飛ぶ響。
「ハーケンセイバー!」
飛び来る刃。
それらが響を襲うが、それらを意に介さず切り落とす。
爆発する。
その爆発に紛れてプレシアはさらに追い討ちをかけた。
「プラズマ・・・スマッシャーッ!!」
雷の波が響に襲い掛かる。
「アイシテル、カートリッジロード。」
『あいさ。』
アイシテルの本体を収納している篭手からカートリッジが飛び出す。
それと同時に魔力が湧き上がった。
「ディザスターブレードッ!!」
剣に纏わり付く黒い魔力が増殖し、巨大な剣となってプラズマスマッシャーと激突する。
轟音を発てて、咲き乱れる黒と黄色の火花。
それをゆっくりと見る間もなく。
「これで終わりよ。」
プレシアは背後に回り、剣を振り抜いた響の一瞬の隙を突いて鎌を突き刺そうとする。
非殺傷設定なので急所に当たっても死ぬことは無いが、気絶は免れない。
が、それを腕で止め、なおかつ。
「なっ!?」
プレシアにバインドが撒きつく。
関係ないが肉感が凄い、大人の女性がびっちりと撒きつかれた姿は、それはもうすごいものである。
さらにはプレシアのバリアジャケットはPT事件時のものらしく、やたらと胸が開いてるのでなおのことエロイ。歳を考えているのだろうか?
こんな母親を持ったアリシアとフェイトの苦悩が目に見えるというものである。
いや、アリシアはどうかは判らないが感情の起伏の乏しいーーーというかあれはあれで変にエロっぽいバリアジャケットを着ているフェイトならばむしろカッコいいと感じるかもしれない。
あの娘にしてこの母ありということだろう。
「ど、どうしてっ!?」
「バインドを設置しておいただけだ。」
「・・・それは分かっていたわ。でもそれは全て避けて・・・いや、だからこそか。」
「そう。だからこそ避けた先にタイミングよく置けば良いだけ。あんたは確かに地力で言えばどれも俺じゃ勝てなかっただろうけど・・・戦いなれてるかどうかでは俺のほうが上手だ。もともと一撃は受ける覚悟だったから、鎧にも魔力は十二分に通してたし。」
「・・・完敗ね。」
「一番は子供だと侮ったこと。融合騎のことを知ってるあんただからこそ俺を見た目である15前後の子供ではなく、元の9歳児だと判断したんだろうが・・・大間違いだったな。ここ最近は戦いが濃密でね。」
「・・・貴方って本当に9歳?」
「・・・まぁそう言って良いと思うよ?
それと・・・アリシアだっけ?彼女の件だけど・・・俺なら完全な形で生き返らせられる。」
「っ!?」
「もし生き返らせたかったら、このことは他言無用。かつ、今回の件からは手を引け。」
響は言うだけ言って去ることにする。
殺すのはまず無理。
彼は正しく一般人なのだから。
「まっーーー」
プレシアの静止の声を無視して今度はシグナムたちの援護へ行く。
『良かったの?能力をあっちがわに明かしちゃって。』
「これで彼女が無効化できれば儲け物だと言ったのはアイシテルだろ。今のアリシアは山田君の能力によって生きてる状態だから、山田君から離れられないって。だからその弱みを突くんだろ?
あの親バカなら多少の制限でもかかってる今の状況を回復するために絶対に乗るはずだってさ。ま、信じればの話だけどね。」
『そうだけどさ。』
「とりあえずはやてを守ることだけを考えよう。後先考えてたらそれだけで動けなくなりそうだ。」
『・・・へたれなのはもう仕方ないことなのかもね。女性関係のへたれよりかはマシだろうし?』
「そこは断言しといてくれ。」
響が向かうと追い詰められてたシグナムたちが見えてきた。
「アイシテル、あの2人は手ごわいよね?」
『もちろん。彼女達が一番の敵だと言ってもいいかも。プレシアとは違って地力の強さじゃなくて才能的な強さがあるわ。これが一番怖い。多分、プレシアと同じような戦術は通用しないでしょうね。勘とかそういう曖昧なふざけてるとしか思えない物で避けかねない。』
「さすがにそれは・・・なくね?」
いや、残念なことにアイシテルの言っていることは正しい。
彼女達の恐ろしさはその驚異的なまでの才能にある。
例え相手が格上でも、その戦いの中で成長して越える。それほどの爆発的な才能が。
『勝てなければ、勝てるぐらいに強くなればいい』というのを実践できるくらいには才能溢れているのだ。
事実フェイトはハンデがあるとは言え、当初は防御で精一杯だったシグナムのスピードと剣戟に慣れむしろスピードだけならば大きく上まっている。
そして高町なのはは例え不意打ちでも瞬時に防御するーーーただの9歳児とは思えないほどの長年の戦士がようやく体得するような第六感を発揮する。
魔力資質に加えて、そうした戦闘的な資質。
実は戦闘民族の出身だと聞いたほうがまだ納得できるものだ。
「同じ地球人とは思えないな・・・ほんと。」
「フェイトは魔法世界人だけどね。」
飲み込みが早いという程度の響にはとてもじゃないけど叶いそうもない。
「でやさっ!!」
ためしとばかりに剣で斬り付けてみた。
もちろん非殺傷で、なおかつ殆ど力を入れてはいない。
だが。
「はっ?」
確実にヒットしていたタイミングだったはずなのに。
こっちに手を向けてラウンドシールドを傾けていた。
思わず間の抜けた声が漏れ出た。
ちょっと訳がわからないです。
「貴方は・・・誰?
ヴィータちゃんの味方?
分かってるの?闇の書は・・・」
「・・・いやいやいやいや。まてまてまて、どんだけ、どんだけなの・・・ねぇ、ありえないだろ?」
響になのはの声は入らなかった。
それどころではない。
ゲームで言うならば、ありえないタイミングでガードが成功したようなものである。
最近、戦いの訓練をし始めているからこそ分かるその難易度。
正直、目を疑った。
本気で目がおかしくなったのかと思った、のだけれど。
しかもそれだけの常識はずれのことをしでかしながら本人は余裕の様子。どころかこちらを詰問してくるときた。
どこの戦闘民族だろう。
そんなことを思った響である。