ヴェアヴォルフ~ヘルシングの大尉が転生~   作:むらやま 

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・・・実はある伏線を何処かの話に仕込んでます。案外気が付いてる方もいるかもしれないけど・・・え?これ作者の調査ミスだろって?伏線にして誤魔化す気だろって?ハッハッハッ、ソンナワケナイデショー(棒




第41話 ジャッカル兵の憂鬱

「・・・どうだパトラ、順調か?」

 

「ふん、誰にものを申しておる。位高きファラオであるぞ、あの程度の下賎なものに妾の下僕が負けるわけがなかろう」

 

ピラミディオンから少し離れた沖合・・・そこにピラミディオンへと近づく船の上で二人の男女・・・一人は前にイ・ウーを退学処分されご立腹のパトラ、その横には教授からのお目付け役と、その裏でイ・ウーの壊滅を目論む大尉の兄貴、金一さんである。

 

「倒す必要はない。神崎一人に、もしくは仲間と分断できればそれでいい。」

 

「分断?全滅させてもいいんぢゃぞ?」

 

そう言うとパトラは得意げな顔になり、ジャッカル兵たちの操作へと意識を傾けた。

 

 

 

 

 

ピラミディオン内部

 

グルアアアアアッ!!ガアアアアッ!!

 

一体目を由美江が倒したと思ったのも束の間、天井によじ登って侵入してきたジャッカル兵たちとの交戦が始まっていた・・・いや、もはや戦いではなかった。

 

グルアアアアッ!!

 

「・・・フン・・・」

 

 

ボッ!!

 

 

ガラスを叩き割り上から落ちてきたジャッカル兵の上半身を大尉の垂直蹴りが粉みじんに蹴り飛ばす。大尉には砂になったジャッカル兵が降りかかる。が、大尉はそんなことを気にする素振りも見せずに、着地したジャッカル兵へ向けてモーゼルで制圧射撃を加えて彼らの脚を止める。そして足が止まった所を・・・

 

 

「・・・」ダァン!ダァン!

 

「そこだァ!」ヒュンヒュン!!

 

ギャアアアアアッ!!グガアアアアアアッ!

 

 

レキの狙撃、トバルカインのトランプのコンビ攻撃がジャッカル兵達に襲いかかり、攻撃をくらったジャッカル兵達は悲鳴を上げて砂山になっていく。

 

 

「・・・よし、このまま押し込『キンジ!通信よこしなさい!そっちはどうなってるの!?』キ〜ンッ!!

 

「うっ・・・もう少し音量を下げろ、耳がおかしくなる・・・」

 

大尉が戦況を読んで2人に指示を出していると無線から神崎の怒鳴り声が鳴り響く。

 

『こっちは上のフロアから逃げて来た一般人の誘導とゴレムの対処で大忙しよ!上で何が起きてるの!?』

 

(・・・ふむ、やはりあれが出たのはここだけではなかったか・・・)

 

「・・・いや、こっちも何か砂で出来た犬人間が7匹・・・いや、また来そうだが・・・武器を持って襲いかかって来てるから対処してる・・・神崎はそのまま一般人の避難誘導をしつつ、あれの相手をしててくれ・・・そっちには何匹いる?・・・」

 

『えーっと、3匹よ。あと「あれ」じゃないわ、ゴレムよ』

 

「・・・ゴレム?・・・普通はゴーレムじゃ『ゴレムよ』・・・え?呼びにく『ゴレムよ』・・・いや、でも『ゴ!レ!ム!』・・・はい、すいません・・・」

 

・・・何か神崎なりにこだわりがあるのか、ごり押しされた・・・

 

『で、そっちの戦況は?そっちがピンチなら一旦合流して対処した方がいいと思うけど』

 

「・・・いや、大丈夫だ・・・こっちにはSランク武偵が1人に男2人、それにバーサーカーもいるからな・・・」

 

『・・・バーサーカー?』

 

「・・・そう、バーサーカー・・・」

 

 

 

 

「首おいてけよ!化物だろう!?化物だろお前!?なあ!首おいてけよ!」

 

ヒュン!ズバァ!!

 

血走った目で敵を睨みながら白雪・・・いや、由美江が敵へと突貫する。それに気付いたジャッカル兵が由美江に向けて武器を振り上げる。が、由美江の持つ巨大な刀が武器を持った腕ごとジャッカル兵の頭を切り飛ばす。それも一体ではなく2〜3体まとめてである。

 

中にはそれを躱して走り抜け様とした者や、スロットマシンを持ち上げて盾にする者もいたが・・・

 

 

「島原抜刀流!鍾馗!」

 

「縮地!?」

 

ヒュン! スパァッ!アーーーーーーッ!!

 

逃げようとした者は縮地で逃げる間も無く距離を縮められるとそのまま背後から叩き斬られ、無残な悲鳴を残して砂に戻って行った・・・

 

そしてスロットマシンを盾にした者は・・・

 

「エイメンッ!!」

 

ドガンッッッ!!イ゛ェアアアアーーーーッ!!

 

スロットマシンごと縦に叩き斬られ、辺りに砂とコインを撒き散らすことになった・・・

 

 

「うわぁ、スロットマシンごとぶった斬りやがった」

 

「・・・もうあいつだけでいいんじゃないか?・・・」

 

 

 

 

その頃・・・

 

パトラ「・・・・・・」(゚д゚)

 

「・・・パトラ、別に無理して戦わなくてもいいぞ?」

 

「・・・そ、そうぢゃな」

 

 

 

 

 

「ガ、ガウッ!」

 

「グッ!?グルア!!」

 

ダダッ!!

 

 

「・・・む・・・?」

 

(なんだ?急に吠えたと思ったら背中を向けて逃げ始めたぞ・・・)

 

目の前で戦っていたジャッカル兵達がまるでなにかを話すように吠えたかと思うと大尉達に目もくれず、後ろの窓へと向かって走り、体当たりで窓ガラスを叩き割ると外へと飛び出して行く。

 

「チッ!あいつら逃げる気だ!」

 

トバルカインが追いかけようとする。が、この階が二階なのを思い出して足を止める。以前なら平気で降りられたが今の体では少し無茶だ。

 

・・・だが、それならこっちにもやり方がある・・・

 

「・・・トバルカイン、あそこのジェットスキーは使えそうか?・・・」

 

「え?あ、ああ、バニーガールの乗ってた奴ですね。まあこんな状況じゃキーを抜いて無いでしょ。」

 

「・・・ふむ・・・レキ、お前はあそこが見渡せる場所まで行って援護に回ってくれ・・・二人は俺について来てくれ・・・」

 

「・・・」コクッ

 

「了解」

 

「・・・神崎、聞こえてたか・・・ジェットスキーで奴らを追撃しろ・・・俺たちの到着が遅ければお前の判断で倒して構わん・・・」

 

『あんたに言われなくたってやってるわよ!』

 

「・・・よろしい・・・」

 

(・・・いい調子だ、このままなら12時前には帰れそうだ・・・)

 

・・・この時、大尉の脳裏には神崎が大尉達より先にジャッカル兵を片付け、余った時間でチップを換金し、さっさと帰るプランが出来ていた・・・だが

 

 

「う、うーん・・・」

 

「?どうした白雪、浮かない顔して。」

 

「な、何か、大切な事言い忘れてる気が・・・」

 

 

その頃レキ

 

「・・・」(話すタイミングがなかった・・・)

 

 

・・・しかし、大尉の予想と裏腹に、現実は確実に最悪の方向へと向かって行った・・・

 

 




数日前

「せっかく船に突っ込むんだからSRー71みたいな、何かいい飛行機無いかな・・・何処かにイ・ウーが持ってそうで簡単に運転出来てマッハ6とか7出ても不思議じゃない使い捨ての都合のいい飛行機無いかな・・・」

ゴトッ

「おっと、前図書館で借りたザ・コックピットが・・・・・・ん!?こ、この機体は!!」

・・・アンベリール号、もしかしたら木っ端微塵になるかもしれません。



意見・感想お待ちしております。あともし質問があれば出来る限り答えます。それと誤字脱字は発見次第教えてくださいm(_ _)m出来る限り早く修正します。

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