もし一人のオリキャラが増えることで、ユウキが生きるルートが生まれるなら   作:葦束良日

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 二〇二四年、一二月上旬。

 

 俺は自室のベッドに横になりながら、本のページをめくる。その際に視界に入った己の手。その皮膚の下に青く走る血管を見て、ここが現実世界なのだとふと理解して……溜め息をこぼした。

 史上最悪のネットワーク犯罪と呼ばれる《SAO事件》が終息し、俺が現実世界へと帰還してから約二か月の時が過ぎていた。

 現実での覚醒時にはしなびた竹箒のように痩せ細っていた身体も、ようやく以前の状態に近づきつつある。とはいえそれでも若干の誤差は未だにある。元々が中肉中背、どちらかといえば痩せ気味であったから目立たないが、筋肉などはまだまだ鍛え直していかなければならないだろう。

 辛いリハビリもある程度の目途がつき、少しずつかつて身を浸していた日常に俺は戻りつつあった。

 二年前までは当たり前だと思っていた生活。刺激が足りないなんて不満を口にしつつも、心の底では確かに小さな幸せと充足を感じていた幸福な日々。

 

 ――それが破られたのは、忘れもしない二〇二二年十一月六日の日曜日。

 

 SAO――正式名称《ソードアート・オンライン》という一本のゲームが、全ての始まりだった。

 

 世界初のVRMMORPGと銘打たれて世に放たれたそれは、自分自身が仮想のゲーム世界に入り込んでプレイするという、既存のゲーム全てを置き去りにするかのような突拍子のない革新的なゲームだった。

 これまでにもMMORPGと呼ばれるジャンルのゲームはいくつも誕生していた。俺自身、いくつかのタイトルはハマってやりこんだこともあるぐらいだ。

 しかし、それらは結局画面の中を動くキャラクターを操作しているにすぎなかった。つまり、あくまでも「現実の自分」と「ゲーム内の自分」は別物だったのである。

 だが、SAOは違う。従来の据え置きハードやPCではなく、《ナーヴギア》と呼ばれるヘルメットタイプのハードによってプレイするそれは、「現実の自分」と「ゲーム内の自分」を分ける区切りを恐ろしいまでに取り払ったのだ。

 ナーヴギアはその内部に組み込まれた数多の信号素子によって、ユーザーの脳と直接《リンク》する。脳から身体へと伝わる五感を始めとする電気信号をナーヴギアは身体に伝わる前に一度遮断し、代わりとなる情報を脳そのものに直接働きかける。

 視覚ならば視覚野、聴覚ならば聴覚野。ナーヴギアが伝える仮想の情報をユーザーはダイレクトに脳へと受け取ることが出来る。

 それによってもたらされるのは、まるで自分がゲームの中にいるかのような臨場感だ。仮想空間に作られた世界を、ユーザーはそれこそ現実世界のように事細かに感じ取ることが出来るのである。

 草原に漂う若葉の香り、空を舞う鳥の鳴き声、どこまでも続く広大な風景を見て、食事をとれば美味しいと感じることが出来る。

 それはまさしく異世界の誕生だった。そう、ナーヴギアとSAOは……いや、その開発者である茅場晶彦は、誇張でもなんでもなく本当に一つの世界を作り出したのだ。

 

 俺たちゲーマーは歓喜した。

 これ以上はないといえるほどにリアルを感じさせてくれる世界に、期待しないという方が無理だったのだ。全国、全世界のゲームファンたちが今や遅しとSAOの発売を心待ちにし、瞳を輝かせてカレンダーを見つめたのもむべなるかなだろう。

 そしてその結果として当然のように、初回生産分1万本は瞬く間に売り切れた。

 その中で1本とはいえ俺が確保することが出来たのはきっと幸運だったのだろう。その時の俺は間違いなくそう確信していたし、またその幸運によって発売初日にプレイできることを俺は心の底から喜んでいた。

 あの日、あの時。全てがデータによって形作られた美しい夕焼けの中で鳴り響く、厳粛な鐘の音を聴くまでは――。

 

“ログアウト不可”、“HPゼロ=現実での死”。それがSAOにおける絶対のルールだった。

 

 鐘の音が鳴り響く中、《はじまりの街》に現れた茅場晶彦扮するアバターによって告げられたその事実は、あまりにも重くそして受け入れ難いものとしてプレイヤーたちに襲い掛かった。

 唯一助かる方法は、SAOの舞台となる鉄と石の巨大城――《浮遊城アインクラッド》の最上部百層に待つ最終ボスを打倒し、ゲームをクリアすること。

 ゆえに、俺たちがあの世界で行ったのは、ただひたすらにそれだけだった。一度もやり直しが許されない中でのモンスターとの殺し合い。神経をすり減らして戦いに明け暮れた日々こそが、俺たちの二年間だった。

 これはゲームであっても遊びではない。あるインタビューで茅場晶彦が言った言葉だが、まさしくSAOはそんなゲームだったのだ。

 

 クリアするまでに二年。被害者一万人。死者四千人。史上類を見ない最悪の犠牲を生み出した悪魔のゲーム。

 

 デスゲーム、《ソードアート・オンライン》。

 

 それまでの穏やかな日々とは似ても似つかない剣の世界。その中にて最前線で未踏の迷宮区を踏破し、上層を目指して生きる《攻略組》こそが俺――高谷総真、プレイヤーネーム《ソウマ》の生きていた世界だった。

 

 そう、“だった”。過去形である。

 

 約二か月前、アインクラッド七十五層のフロアボス戦にて、俺にとって友人と呼べる程度には親しかったプレイヤー《キリト》が茅場晶彦本人であったプレイヤー《ヒースクリフ》と決闘を行い、これに辛勝を収めた。

 引き分けにも見えたが、俺がこうして現実に生きているということはキリトが勝ったということだろう。ともあれ、それによって本来の最終ボスとなるはずだった《ヒースクリフ》は七十五層時点で打倒され、最終ボスを倒したことでSAOはついにゲームクリア。晴れて虜囚となっていた六千人は解放されたというわけだった。

 恐らく多くのプレイヤーは今頃俺と同じようにリハビリを終え、あるいは続け、日常への帰還を行っていっていることだろう。何か大きな肩の荷を下ろしたような解放感と、幾許かの寂寥感を抱きながら。

 SAOは確かに辛く苦しい世界だった。しかし、俺たちにとっては紛れもない現実であり、かけがえのない時間でもあったのだ。

 

 失ったものも多いが、得たものもある。

 

 俺たちにとってSAOはやはりどこまでいっても現実の世界だった。だから、その世界が失われることはやはり寂しい。

 きっと、世の人々には理解できないと言われるだろうけど。

 俺は自分の少々ずれた思考に苦笑して、再び本のページをめくる手を動かした。

 

 

 

 

 

 

「骨髄ドナー?」

 

 読書のさなか、それを遮って響いたノックに応えて部屋に招き入れた母親の口から出た言葉を、俺は疑問符を付け足して繰り返した。

 

「そうよ。あなた、十八になった時に登録したでしょう?」

「そういえば……」

 

 言われるまで完全に忘れていたが、確かに俺は大学に入ってすぐの時に骨髄バンクに登録していた。

 とはいっても、何も世のため人のためなんて高尚な目的があったわけではない。そういうものがあると知って、悪いことではないし別にいいか、程度の気持ちだった。

 まぁ、後で親からは自分の身体のことでもあるのだからもっと真剣に考えなければダメだと叱られてしまったのだが。

 SAOのこともあり、すっかり意識の彼方にあった事実であるが、しかしそれが今更どうしたというのだろうか。

 そう訝しむ俺の目の前に、母親は一通の封筒を差し出した。反射的にそれを受け取る。

 

「それ。ドナーのお願いだって。私としてはあんなことがあった後だしどうかと思うけど……本人の意見も聞かないとね」

「え?」

 

 俺はどこか間の抜けた声を出しながら、手の中の封筒に目を落とした。

 

 

 結論から言えば、俺は受けることに決めた。

 誰かの命がそれで繋がるならそれ以上のことはないと思ったし、せっかく登録してあるのだからここで断るような真似はしたくないという意地のようなものもあった。

 そして、これは自分でも曖昧な感覚なのだが……あの世界で二人の人間の命を奪った俺という存在が、誰かの命を助ける。そうすることが奪った命に対する償いになるのではという思いがあったのかもしれなかった。

 もちろん、二人を殺したことに後悔はない。彼らは好んで人を殺すレッドギルドの一員であり、彼ら自身も殺しを嗜好として楽しんでいた。あの時、あの場所であのギルドを確実に壊滅させる必要があった。その思いは今でも変わらない。だから後悔はない。

 しかし、思うのだ。殺してしまったなら、それが例え敵であったとしても、俺にはその命の分までこの世界に貢献する義務があるのではないだろうか、と。

 その思いが俺の背を押した。それはきっと間違いがないことだった。

 

 後日、俺は病院に赴いて検査を受けた。何でもこの検査結果によって最も患者さんと適合するだろう最終的なドナー候補が決まるらしい。

 その日は採血、問診等を終えると、特に問題もなくそのまま帰路に着いた。

 それから俺が最終的なドナー候補と決まると、医師やコーディネーター(ドナーと患者や医師、関係団体との間を取り持つ人)と様々な話をし、家族とも話し合って最終同意まで至った。家族はやはりSAO事件からあまり間がないこともあって渋い態度ではあったが、しかし俺の意志が強いと知ると最後には俺の意志を尊重してくれた。

 そして手術当日。俺は自らの骨髄液を患者に提供した。手術は問題なく終わり、俺は一週間ほどの入院を経て退院し、自宅へと戻ることになった。

 軽く聞いた話によると、俺が骨髄を提供した相手はまだ十三歳ほどの女の子だったらしい。倉橋という医師が深い感謝と共に俺に教えてくれた。

 ドナーと患者は会うことが出来ない。本当は一言二言会話が出来たらとは思うが、様々な問題やしがらみによってそれは許可されていなかった。

 そのため残念だが、俺は倉橋医師から聞くその子の断片的な情報だけで満足するしかなかった。

 だから俺は彼に、その子によろしく言っておいてくださいとだけ伝えて、頭を下げることしか出来なかった。せめて今後のその子の幸せを願うのみである。

 倉橋医師はその医師然とした細い顔に申し訳なさそうな表情を浮かべ、あの子もあなたに直接お礼を言いたいと言っているのですが……と歯切れ悪そうに口にした。

 しかし、直接会うことは禁じられている。俺は「俺もそうです」と前置いたうえで、「残念ですが、仕方ないことですね」と苦笑するに留めた。倉橋医師の表情はそれでも晴れてはいなかったが。

 

 またこれは後から聞いた話だが、どうも俺の骨髄……というか細胞は大変珍しいものだったらしい。何でも特殊な遺伝子(CCR5なんとかという長い名前だった)を持っており、それはHIVウイルスに耐性を持った遺伝子なんだとか。詳しい原理はわからないが、HIVウイルスの拡散を防ぎ行動を阻害する働きがあるらしい。

 倉橋医師はそれはもう興奮気味に、これがどれだけ珍しい事なのか、この事実が俺の骨髄を受けた患者さんにとってどれほどの朗報であったかなどを語ってくれた。

 時折専門用語が混じる彼の話は聞いていて正直半分も理解できなかったが、その患者さんに対する真摯なまでのひたむきさは伝わってきた。

 俺としても、俺がしたことなど僅かなこととはいえ、誰かの命を救えたのならこれほど嬉しいことはない。俺は倉橋医師と共に喜びを分かち合った。

 

 これで、SAOからほんの少し続いた俺の非日常は終わりを告げた。これからは再び、俺SAOを始める前の日常へと埋没していくことになるのだろう。

 ……と、俺は思っていたのだが。なかなかそうはいかないようだった。

 

 

 

 かつてSAO内にて親交のあったプレイヤー《エギル》。SAO内では雑貨屋を営みつつ、最前線での戦闘もこなす斧使いとして名前が知られた男だ。まぁ、その外見が生粋のアフリカン・アメリカンで目立っていたことも名が売れた理由の一つだろうが。

 ともあれ、そのエギルと偶然再会したのはついこの間のことだ。ふらりと立ち寄った店先で見たことのある偉丈夫が買い物袋をぶら下げて歩いていた時は、思わず大声を出してしまったものだった。

 その際にメールアドレスなども交換していたのだが、このたびそのメールアドレスを通じて俺へと連絡を寄越してきたのである。

 

「なんだ?」

 

 俺はすっかり慣れた手つきでパソコンを操作すると、届いたメールを確かめた。タイトルは日本語で【キリトを助けてやってくれ】。

 その文字を目で追った瞬間。俺は弾かれるようにメールを開いて本文を食い入るように読み始めた。

 

 そして、俺は知る。

 

 SAOプレイヤー数百人がいまだ現実に帰還していない事。その中にキリトの恋人にしてギルド《血盟騎士団》の副団長であった《アスナ》も含まれていること。

 そして、そのアスナらしき人物をALO――《アルヴヘイム・オンライン》というSAOの後続となるVRMMOの中にて見かけたという情報があること。

 最後の情報は画像付きで、俺はすぐにデータを確認した。そして、俺もまたエギルと同じくそれがアスナであるという思いを抱くこととなった。

 エギルによると、キリトは既にこれがアスナだと確信し、行動を起こしているという。ALOに入り、アスナを取り戻すつもりなのだろう。それぐらいは言われずとも察せられた。

 そして、メールの最後はこう締めくくられていた。

 

【アスナを助け出さなければ、俺たちのSAOは終わらない。ソウマ、お前の力を貸してほしい】

 

 それを見た瞬間、俺は外出用の服に着替え、財布をポケットにねじ込んで一目散に電化製品店へと走っていた。

 目的はもちろん、ALOとナーヴギアの後継機となるハード《アミュスフィア》を買うためである。俺が持っていたナーヴギアは政府に回収されて既に手元にないためだ。

 俺は目的のものを迅速に購入すると、転がるように自宅へと戻る。そして慌ただしくパッケージを開いて中の製品を取り出し、やがてALOはいつでもログイン可能な状態となり、俺が出す合図を待つだけとなっていた。

 俺はナーヴギアよりもダウンサイジングされ流線型を描くハード、アミュスフィアをかぶるとベッドに横たわった。

 そして、友人の顔を思い浮かべて深呼吸。

 

「ったく、無茶してないといいんだけどな……ああいや無茶してるか、絶対。キリトだもんなぁ」

 

 あの年齢にしては冷静かつ視野も広いキリトではあるが、時折思い出したように直情的な子供らしさが顔を覗かせることがある。それも、何かに巻き込まれている時にそんな傾向が強かった。

 なら、きっと今だって無茶しているに違いない。俺は肩をすくめて、小さく口の端に笑みを乗せた。

 

「ヒースクリフの時は不甲斐ないことにお前に任せちまったが、今度はちゃんとお前を助けてやる! 待ってろよキリト……!」

 

 そして俺はその一言を口にした。

 

「リンク・スタート!」

 

 

 

 

 

 

「よっ、と」

 

 初回時に行われるアカウントとキャラクターの作成をさっと終わらせた俺は、自らの領地となるホームタウンに降り立った。

 ちなみにキャラクターネームはSAO時と変わらず《Souma》。性別は男性。容姿はランダム生成されるのでいいとして、あとは九つの種族から自分の種族を選ぶのがこのALOの特徴だ。

 シルフ、レプラコーン、サラマンダー、ウンディーネ、ケットシーなどなどある中から、俺は《インプ》という種族を選んだ。特に理由はない。強いて言えば、指がちょうどその辺りにあったからだろう。

 これで設定は終了。プレイヤーは選んだ妖精の姿となって己の種族が暮らすホームタウンからゲームスタート、とあいなるわけだ。

 俺はインプ――闇妖精族であるためか、そのホームタウンもやや薄暗く影に覆われている。とはいっても決して不潔感があるというわけではなく、神秘的な深淵の世界とでも言おうか。森に囲まれた場所ながら、頭上を葉の群れで覆われたこの町は、まるで洞窟のようでもあった。

 しばしそんな光景に目を奪われ、すぐさまはっと意識を取り戻す。

 いかんいかん、俺にはアスナを助け出すという役目があるのだ。そう自分に改めて言い聞かせると、まずは早急にキリトと合流しなければと一歩を踏み出す。

 いや踏み出した、その時。

 

「あ! ねぇお兄さんお兄さん!」

 

 やたらと明るい声が一直線に耳に入ってきて、歩き出そうとした足が思わず止まる。

 誰かに意図的に声をかける時、相手がその声を聞き逃すことがないよう、システムはある程度のサポートをする。聞き間違いなどに端を発するトラブルを防ぐためというのが定説であるが、まぁつまり何が言いたいかというと、俺の耳に届く声の明瞭さからこれは俺に向けられた声であると察することが出来るということだ。

 初期装備かつ町に見惚れていたニュービー丸出しの男なんぞに、一体何の用なのか。そしてそんな男にわざわざ声をかけてくるとは一体どんな奴なのか。

 二つの興味から振り返った俺の目に入ってきたのは、闇妖精のインプらしい黒髪を揺らしつつ駆けよってくる一人の少女の姿だった。

 俺と同じく初期装備。ということは、ご同輩というわけだ。しかし、なればこそどうしてと思う。同じ初心者ではなく経験者に声をかけた方が断然ゲームの理解に繋がると思うのだが……。

 と、そんなことを考えている間に、気付けば少女は俺の目の前に辿り着いていた。

 背丈の関係で下から見上げてくる少女。その赤い瞳を何の気もなしに見返していると、突然少女は破顔した。

 

「お仲間発見! お兄さんも今から始めるんでしょ? どうかな、一緒に行かない?」

 

 にっこり笑って言われ、うっと口の中で呻く。

 期待に満ちた視線が胸に痛かった。なにせ俺はこれからキリトとの合流を目指して出発しなければならないからだ。同じ初心者でも、明確な目的がある俺と、恐らくはこのゲームを楽しみたいだけなのだろうこの子では一緒に冒険というわけにもいかないだろう。

 だから、心苦しく思いながらも断ろうと決める。アスナのこともあるし、今はキリトとの合流を最優先に考えた方がいいだろう。

 

「悪いけど――」

「あ! そうだ、自己紹介がまだだったね!」

 

 運悪く言葉がかぶった。煮え切らない俺の言葉と爛漫な彼女の言葉では、もちろん彼女に軍配が上がる。

 虚しく空に溶けて消えた俺の言葉など無かったかのように、彼女は顔一面に笑みを乗せて言った。

 

「ボクの名前はユウキ! よろしくね、お兄さん!」

 

 

 

 

 キャラクターネーム《ユウキ》。本名、紺野木綿季。

 彼女と俺の数奇な関係を知り、そして新たな関係を築いていくことになるのは、これからもう少し先の話だった。

 

 

 

 

 

 




プロローグみたいな形ですが、短編ですしこれにて終了です。
これを書いた理由は、本当に思いついたから以外にありません。
ユウキが生きている世界もあるんだと自分を納得させるために書いた文章です。

最初から最後まで自分のための本作でしたが、ちょっとでもこれからを想像して楽しんでもらえたら、それはとても幸いなことであります。
それでは、お目汚し失礼いたしました。


※補足
本来、非血縁者のドナーと患者は同じ病院に入院できません。
また諸々これからもそういった違いがあるかと思いますが、ご理解の上で目を通していただければ幸いでございます。

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