Muv-Luv Alternative ~take back the sky~   作:◯岳◯

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B分隊最終試験前の、ちょっとした息抜き話です。




短編集 : 2

●9月、207A分隊

 

 

今日もいつもと変わらぬ、嫌な汗が背中を通り落ちていく。一方で慣れてしまった自らの血肉は、BETAを討つように迷いなく動いていた。

 

(意識も、無意識も――味方につける)

 

涼宮茜はそう呟きながら、自らが指揮する207A分隊と一緒に、珍しく少数で動いていたBETAを迅速に撃破していった。そのまま、何の問題もなく短時間で掃討に成功する。茜は楽な仕事だったという感想を抱くと同時、これだけで済むはずがないとも思っていた。

 

『っ、茜! 1時の方向に敵影多数!』

 

『うん、予想通りね―――全機、即座に移動! ポイント203で敵集団に接敵、迎え撃つ!』

 

茜が20を越える模擬演習を経て確信したのは、この演習を考えた人物は相当に底意地が悪いという事。そして、戦闘時における自分たちの足元、地形が戦術に著しく影響するという事だった。

 

(真後ろに下がれば、不陸な足場で戦うことになる。だったらここは………!)

 

積極的に前に出て、迎撃すると共に後退。BETAの進路をまだ平坦と言えるフィールドに誘導して、そこで決着を付けるのが賢い選択だ。茜は前もって把握していた周囲の地形から、最適と思える解を構築していった。

 

『了解。私達は少し右側に寄って援護するね』

 

『……うん、お願い晴子。残弾とリロードのタイミングだけは気をつけて』

 

後退に移った時の事を考えると、そうする方が最善だ。茜は移動時にかかるGを全身に受けながら、後衛である二人に要点を告げると、前に注力した。

 

『敵数を確認………よし、行くわよ多恵!』

 

『う、うん!』

 

無意味に立ち止まらないようにしなければと、茜は後退のタイミングを考えながら、前方にいる突撃級へと突撃砲を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、終わった終わった」

 

淡白な晴子の声が響く更衣室。それ以外の4人は、深く重い溜息をついていた。

 

「元気だね、晴子は。私、もう体力の限界だよ」

 

戦闘があと2分続けば、集中力が切れていたかもしれない。晴子と同じく後衛を務める麻倉篝は、羨ましそうに呟いた。

 

「集中力の維持、って本当に疲れるよね。気力だけじゃなくて、体力もごりごり削られていく感覚が……」

 

「その点、私は有利かもね。見ての通り、無駄に背が高いし」

 

「タンクの差かあ……でも、それを言うなら多恵が一番かも」

 

多恵を除く4人が、多恵の方を見た。具体的には胸についた大きな双子山を。多恵は、ふえっと恥ずかしそうに叫びながら、胸を両手で隠した。

 

「……こっちからだと、隠せてないどころか強調されてるように見えるんだけど」

 

余計に高さを増した多恵の双丘を見た茜が、ジト目になった。そのまま、何となく自分の胸元に視線を落とし、がっくりと肩を落とした。それを見ていた晴子が、片目を瞑りながら言った。

 

「そんなに落ち込むことないって。全体的なバランスなら茜の方が良いし」

 

「そ、そうだっぺ!」

 

「え、そ、そうかな? ……でも、私より背が高くてスタイルも良い晴子に言われてもね~」

 

またジト目に戻った茜に、晴子は何を悩んでいるのかと思った後、すぐに声を上げた。

 

「もしかして、茜の憧れの先輩……速瀬さんだったよね? その人もスタイルが良いのかな」

 

「え……うん、そうだけど。晴子も会った事あるの?」

 

「無いけど、分かるよ。というより、茜の様子を見てたら誰でも分かるって。時々尻尾見えるからねー」

 

晴子が微笑ましそうに笑い、他の3人も笑いながら頷いた。茜はうっと呻いた後、心当たりがあるのか口を閉ざした。一瞬の沈黙。その後、何でもないように晴子は言った。

 

「その先輩と、どれだけの差があるのかは分からないけど……近づいている、って感触だけは掴めてるよね」

 

戦術機に乗った当初より、確実に成長している。その言葉に、全員が深く頷いた。基礎教練から応用課程を経ての模擬演習の日々。積極的に忘れたくなるぐらいに厳しいものだったが、乗り越える度に出来る事が増えているという実感を伴えている分、苦しさや辛さよりも充実感が勝っていた。

 

「先週の第二ステージだけは、あまり思い出したくないけどね……」

 

萌香が遠い目をしながら呟いた。人の断末魔があれほどまでに正気を削る事を、彼女は可能であれば一生知りたくはなかったのだ。

 

「でも、心身共に消耗した状況から挽回する方法は学べたよね」

 

失敗は糧になる。強い声で断言する茜に、全員が頷いた。届かなかったからこそ、足りないものも見えてくるのだと。

 

「千鶴達も……きっと、そうしている筈」

 

A分隊の全員が、B分隊がどうなっているかを知らされていた。自分たちよりも、もっと厳しい課題が与えられている事も。

 

心配そうに言う茜に、晴子は大丈夫だよと前置いて、そう思った根拠を説明した。B分隊は我が強く長短がはっきりしているが、それだけに一つの方向に力を集中させられた時、その爆発力はA分隊以上になる。その分指揮官に負担がかかるが、千鶴は早々に諦めるような性格をしていない事を、晴子は見抜いていた。

 

「でも、まとまらなかったら……」

 

「その時はその時だよ。教官も甘くないし、ね」

 

晴子は表向きの言葉を皆に告げながら、裏向きの理由を考えた。横浜の上層部の事だ。不自然に集められた彼女達には役割がある。だからこそ迂闊に戦場に出られて死なれては困るのだと。

 

(政府、陸軍に……斯衛かな。攻撃材料を自分から増やす趣味もないだろうし)

 

横浜基地という、今の日本で一番と言って良いぐらいの重要な拠点に集められている人間が、その程度の判断が出来ない筈がない。

 

(他人事じゃないんだけどねー……今までの演習を思い返す限りは)

 

晴子は今日の演習で自分たちが叩き出したキルレシオ等を冷静に分析して、結論付けた。自分たちは出来すぎていると。少なくとも、正規兵の誰もが自分たちと同じ戦果を上げられるのなら、人類はここまで押し込まれていない。

 

(戦術機か、あるいは別の何かが……考えても仕方がないんだけど。あとは剣術の腕が立ってなお、田中太郎とかいう偽名を使う………恐らくはベテランの衛士)

 

晴子はA分隊に在籍していた男の事を改めて考察していた。冥夜という、恐らくだが斯衛でもそう低くはない剣腕を持つ彼女に伍する、同い年の男性衛士。そして、軍属中学でも見たことがない、戦場を虚飾なく当たり前のように語る姿勢と雰囲気からして、どう考えても田中太郎という男は只者ではないと結論付けざるを得ず。

 

それでも晴子は、きっと悪い方向じゃないからと前向きに捉えることにした。悩んでも無駄だと割り切ったのだ。

 

(日本は、変わった……でも、悪い事ばかりじゃないんだよね。そっちばかりに眼が行っちゃうけど)

 

だが、弟を死なせたくないという思いを持つ自分と同じで、自分よりも能力が高い上層部が何も考えていない筈がなく。力を示すためにも、手を打たない筈がないのだ。

 

(役割分担、役割分担っと……余裕を見せられるほど強くも無いしね)

 

ポイントガード役は合わないんだけど、と思いながらも晴子は自分の成すべき事をした。教官は甘くないと言われて気合を入れ直す皆に、笑顔のまま語りかける。

 

「甘くはないけど、辛すぎる事もないよね……気負いすぎる必要はないと思うな。いつも通りにしていれば問題ないよ」

 

「いつも通りに、変わらず……怠けず、弛まず、諦めず?」

 

茜の言葉に、多恵が頷いた。萌香も、先週の事を思い出しながら口を開いた。

 

「そうだね……きつかったけど、必死にやれば乗り越えられた。神宮司教官も褒めてくれたし」

 

それまでは滅多に無かった、称賛の言葉。その時に抱いた感触を―――快感に似た思いを、5人全員が噛み締めていた。

 

そうして、分隊長である茜が顔を上げながら全員に告げた。

 

「私達の方は―――あと一つだけ。最後の課題は難易度が上がるステージになると思う。今まで以上に厳しい内容を強いられる……けど、どうしても超えられない壁じゃないよね」

 

それは特別ではない、誰だって告げられるもので。それでも少し気負っているのか、硬い声で。多恵を筆頭とした4人は、こう思った―――いつも通りだと。

 

悲壮感はなく、含むものも何もなく。だからこそするっと胸に収まった言葉と、そこから発せられる熱に反発せず、4人は軽く敬礼をしながら了解、と返した。

 

心の隅に少し、凝り固まった戸惑いが削れていく。

 

それでも、程よい緊張感は消えず。

 

「みんな……最後まで頑張ろう!」

 

 

当たり前の言葉に、207A分隊の隊員達は大きな声で了解という二文字を唱和した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●10月、大東亜連合にて

 

 

人を喰う化け物、異星起源種、人類の敵であるBETA。大勢の尊い命を奪った異形の怪物に対抗する人類の刃として挙げられるものは何であろうか。

 

軍人であれば、軍そのものと答えるだろう。あるいは、火砲こそが刃であるという者も居るかもしれない。だが、民間人に質問すれば必ずと言って良いほどに返ってくる答えがあった。

 

「これが……戦術歩行戦闘機。人類が持つ力、その切っ先」

 

「そのとーり。厳密に言えばその容れ物の方のみだけど、格好良いじゃろ?」

 

「は、はい!」

 

「うん、元気な良い返事だ。期待しているよ、プルティウィ・アルシャード技術士官候補生くん」

 

広大なハンガーの中に少女の声が2つ響いた。方や笑みを浮かべ、方や眼を輝かせてカーボン製の巨人を見上げていた。共通点があるとすれば、互いに褐色肌な所と、その身長の低さだ。傍らを通り過ぎた、物資を移動している途中の作業員の顔が僅かに緩んだ。

 

「戦術機は、それ単体では十分な性能を発揮できない。聞いたことがあるかね、アルシャード少尉」

 

わざとらしく威張った様子で。それでも嫌味も何もない風に告げられたプルティウィは、敬礼の手を自身の水色の髪に叩きつけるよう構え、元気よく答えた。

 

「はい! 機体を操縦する衛士、機体を健全な状態に保つ整備兵……だけじゃなくて、機体の部品を作る人、食事を作る人など。国全体が必要になると教わっています」

 

素直な口調で語られた内容に、深紫の髪を腰まで伸ばしている案内役の技術士官―――メルヴィナ・アードヴァニーは感心した風に頷いていた。

 

「普通は整備兵で止まるんだけど、よく勉強しているねアルシャード少尉は」

 

さらりと答えられる内容。更に言えば、言葉に実感と、食事を作る人に対する感謝がこもっていたことに、メルヴィナは嬉しそうに笑みを返した。

 

「はい、少尉殿。それから私のことはプルと呼んでくだ……あっ」

 

言った途端、プルティウィはしまったとばかりに口を押さえた。いつもの身内を相手にしている調子で喋ったが、相手は案内役であり先輩、それも上官なのだ。養父とその知人から教わったのに、と焦るプルティウィに、メルヴィナは微笑みと共に答えた。

 

「それは光栄だね。ちょーっと発音しにくい名前だから助かったにゃ」

 

「あっ、その……すみません」

 

「あやまるこたーない。それで、この戦術機だけどね―――」

 

メルヴィナは気にしていないと、戦術機の機種や周囲にある施設について説明を始めた。すらすらと分かりやすく、次々に語られていく内容をプルティウィは真剣に聞いていた。そうして、一通りの説明が終わった後、メルヴィナはプルティウィに質問はないかと聞き。プルティウィは顎に小さな手をあてながら少し考えた後、戦術機の機種について尋ねた。

 

「あの、少し前に大東亜連合オリジナルの……米国のライセンス生産じゃない戦術機が開発されたと聞いたのですが、このハンガーには無いんですか?」

 

「おお、通だねプルちゃん。でも、残念ながらね……我が大東亜連合希望の黒猫様は、遥かアラスカの地に飛び立っている所なんだ」

 

最新鋭戦術機E-04『ブラック・キャット』。8月にひとまず組み上がった機体は、アラスカはユーコン基地で行われている先進戦術機技術開発計画、通称プロミネンス計画に送られていた。軍内にも士気向上を狙って周知されているため、メルヴィナは隠すことなく訓練兵に等しい立場に居るプルティウィにもその事を教えた。

 

「開発衛士は、連合でも最精鋭の大隊の、第三中隊長……と言えば分かるかな?」

 

「あっ、はい、バドルさんですよね」

 

「こーらこら。個人的な知り合いかもしれないけど、軍では上官だから。軍人である以上、公の場では階級で呼ぶこと」

 

「あっ………すっ、すみません!」

 

「まあ、今は公っていう事もないから。でも、次からは気をつけてね」

 

気にする人は怒るを通り越して手が出るから、と言うメルヴィナだが、次には申し訳ないという表情で頬をかいた。

 

「それにしても、ごめんね。本当はもっと別の所にも行く予定だったんだけど」

 

「食中毒、ですよね。いきなりで……でも、私達の方も申し訳ないです」

 

メルヴィナの方は同じ技術士官が、候補生であるプルティウィ達を案内するつもりだった。だがメルヴィナの方は二人、プルティウィの方は四人が食中毒になり、その結果から今のように一対一での授業という形になってしまっていた。

 

(代わりの人員もね……人手が欲しいよ、ほんと)

 

助かっている部分もあるんだけど、とメルヴィナは心の中だけでため息をついた。連合結成以来、ずっとついて回っている問題だが、候補生に対して無闇矢鱈に現実を突きつけることもないと考えていたからだ。

 

「っと。少し端によろうかプルちゃん」

 

「はい」

 

二人は運搬用のカートが近づいてくるのを見て、脇に移動した。倒れたら大惨事間違いなしと断言できる程に荷物が積まれているカートが通り過ぎ、二人は自然とその様子を目で追いかけ。

 

直後、プルティウィ達はカートとすれ違いながらこちらに近づいてくる。二人組の姿に気がついた。

 

「あれっ、ホアン少佐? 隣の人は見たことがない―――ちょっ、プルちゃん?!」

 

メルヴィナは二人に駆け寄っていくプルティウィの姿に焦り、声をかけた。プルティウィはメルヴィナの声に気づき、慌てて止まろうとした所でつまづき、走る勢いがついたまま前方へとダイブした。

 

そのまま転倒すれば、プルティウィの顔と膝はえらいことになっていただろう。だが、その直前に救いの手が差し伸べられた。素早く反応した二人組の片割れが、さっとプルティウィを受け止めたのだ。

 

「かっ、間一髪……大丈夫か、怪我ないか?」

 

よほど焦ったのか、プルティウィを助けた男は抱えていない方の手で額の汗を拭った。そのまま行けば、良い話で終わったのかもしれない。だが、致命的に間の悪い出来事が発生した。ちょうど受け止めた手の位置が、ちょうどプルティウィの慎ましやかな胸の上に当っていたのだ。

 

プルティウィはみるみる内に顔を赤く染めて、小さな悲鳴と共に男から離れた。それを見ていたホアン・インファン―――大東亜連合でも有名な少佐は、胸元からメモ帳を取り出して何かを書き込もうとしたが、男の手によりその行動は阻止された。

 

「ちょっと待て……いや、待って下さい。今のはどう考えても事故だろ? 一部始終を見てただろ? だから、そのまま書いて下さいお願いします」

 

「何を言っているのかは分からないけど、私は見たままを書くわ。読み手がどう受け取るかは知らないけどね」

 

「報道の自由という詭弁っ!?」

 

何やら寸劇を始めた二人を見たメルヴィナは眼を丸くしたあと、何度かぱちぱちと瞬きをしていた。原因はインファンが見せた気安い口調と、気安い言葉にあった。

 

どうしてか基地内のどこにでも出没する彼女だが、クラッカー中隊以外には事務的な立場でしか対応しなかった筈だ。

 

(どうしてか、私相手だと柔らかい態度になったけど……あの男の人、昔の知りあいかな? 同い年ぐらいだよね。うん、会ったことも見かけたことも無いけど……)

 

そこで、メルヴィナは男の視線がようやくこちらに向いた事を確認した。冷静に観察をするが、やはり見覚えがないよね、とメルヴィナは内心で呟き。直後、男の顔が驚愕に染まったのを見て、メルヴィナも驚いた。なんというか、過去に死んだ人を見たかのような表情で。もっとも、隣に居たインファンに「変な顔でうちの癒し娘を見るな」と後頭部をはたかれ、即座に元に戻っていたが。

 

「さてっ………と」

 

断ち切るように、インファンは告げた。

 

 

「ちょっと、移動しよっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広大な敷地の中央にある、司令部がある建物。その中にある、少人数の会議に使われている部屋の中央で4人は卓を囲っていた。

 

取り敢えずは自己紹介をと、唯一この場で互いに今の顔を見知っていない武が名乗りを上げた。

 

「白銀武だ。取り敢えずは国連軍所属で、今は横浜基地に居る。階級は、一応少尉だ」

 

怪しいにも程がある内容に、メルヴィナとプルティウィが硬直する。だが、プルティウィは即座に再起動した後、おずおずといった様子で話しかけた。

 

「プルティウィ、です……その、久しぶり……お兄さん」

 

「……やっぱりか。大きくなったな……生きていたのは知っていたけど」

 

自分の眼で見るとまた感動の度合いが違うと、武はプルティウィを見つめた。

 

「というか、お兄さんって。名前でいいんだぞ、プルティウィ」

 

「えっ、いいの? ……でも、私も軍人になるから、それは」

 

「公的な場じゃなかったら大丈夫だって。というかお兄さん呼ばわりさせてる変態野郎と思われるから、是非とも名前で呼んでくれ……それで、そっちの少尉は」

 

「メルヴィナ・アードヴァニーっす。大東亜連合所属、技術士官……少尉。プルちゃんとは姉妹の契を交わした仲っすお兄さん」

 

「た、頼むからお兄さん呼ばわりは止めてくれ。ターラー教官とかに見られたらマジでヤバイことになる」

 

ターラー・ホワイト閣下は頭も良く理性的な人格をしているが、時折せっかちな所を発揮するから。それも、こっちにダメージが来る形で。そう告げた武に、メルヴィナは冗談っすと敬礼を返した。

 

「しっかし、プルもそういう年かあ……俺も年を取ったもんだぜ」

 

「18の若造が何言ってんだか。あんたが年寄りなら、一つ下のメルヴィナもそうなっちまうだろ」

 

インファンの言葉に、武が少し驚いたという様子でメルヴィナを見た。だが、直後に元の表情に戻っていた。メルヴィナは年齢よりも相当下に見られる容貌をしている事を自覚していた。それが原因でからかわれる事も多かったが、こうもあっさりと流されるのはあまりない経験だった。

 

「驚きませんね、白銀さんは」

 

「ああ、俺は誓ったんだ―――タリサの時の悲劇を繰り返してはならないと」

 

「そういや本人から聞いたな。年齢間違えるどころか性別まで間違えられたって」

 

インファンの暴露。武がばらすなよとばかりに、ジト目で睨みつけたが、プルティウィはしっかりと聞いてしまっていた。

 

「そ、それは酷いというか……お兄ちゃん、タリサさんとも知り合いだったんだ。あっ、ひょっとしてグルカのお師匠様と関係あるの?」

 

プルティウィの言葉に、武はああと頷きながら説明した。

 

「師匠が同じなんだよ。だからタリサは姉弟子になる……んだけど、そう表現する事にすげえ違和感を覚えるな。まあ、戦術機で言えば俺の方が上だけど!」

 

誇っているような、自棄になっているような様子。それを見たメルヴィナといえば、ふむふむと頷いた後に、武の方を見た。

 

「白銀さんは……衛士ですよね。ひょっとして、初陣はインド亜大陸で迎えたとか?」

 

「ああ、一応は。っと、敬語で話さなくてもいいぞ、かたっ苦しいのは苦手だし」

 

武の言葉に、メルヴィナは眼を瞬かせた後、小さく笑った。

 

「それならありがたく。で、つまりは……伝説のクラッカー12殿っすか。火の先、一番星の」

 

「そ、その名前は恥ずかしいって……というか、なんで俺の存在が周知の事実になってんだ? ていうか伝説って」

 

大東亜連合でも情報統制が敷かれたと武は聞いていた。居ないことになってる筈だという疑問に、インファンはしたり顔で答えた。

 

「バカみたいに多い人間全てを残さず余さず情報統制をしようなんて、できる訳ないじゃない。戦場でアンタを見かけた人達は特にね。忘れろって言われても、忘れらんないでしょ」

 

記録だけ見てもとんでもない存在だったし、という言葉にメルヴィナだけではなくプルティウィも頷いた。経歴や戦果を知れば知るほど、それまでの常識が崩れていくのだから仕方がないと言えた。

 

「それに加えていたいけな少女にお兄ちゃんと呼ばれるのが趣味、と」

 

「ふ……ふふ、風評被害も甚だしいなアードヴァニー少尉!」

 

「でもプルちゃんに言われた時はちょっと嬉しそうに笑ってたよねお兄ちゃん」

 

「な、流れるような追い打ちっ!?」

 

やりよる、と武は目の前の技術士官に戦慄した。さりとて、にへら、と柔らかい笑顔で言われては反撃の糸口も掴めなかった。武は「クールになるんだ武」、と己を鼓舞した。それをずっと見ていたインファンが、苦笑しながら告げた。

 

「メルちゃんもやるねえ……まあ、言い訳は罪だぞお兄ちゃん」

 

「いや、はっきり言ってババアはNG」

 

直後、ごすりと鈍い音が部屋の大気を響かせた。その後、武はプルティウィから年頃の女性にそんな事言っちゃだめだよ、と怒られた。泣きっ面に蜂な状態になった武だが、そういえばとメルヴィナの方を見ながら尋ねた。

 

「そういや、少尉はインド出身?」

 

「ご明察。でも、よく分かったにゃ。豪州人に間違われてもおかしくない名前じゃろ?」

 

「英語を話すときのイントネーションの違いがな。インド人ってけっこう独特だし。中国人が話した時の次ぐらいに分かりやすいし。それに、亜大陸じゃよく聞いたしな」

 

「……経験者は語る、って奴っすか。その……インドは、良い所でしたか?」

 

メルヴィナの質問に、武は腕を組みながら目を閉じた。

 

「取り敢えず……コックピットの中で吐きまくってた記憶が一番だな。街の方も、俺が知ってるのは変わった後の姿だけだ」

 

それでも、武は覚えている限りの事を話した。ナグプールでの事、ターラーと交わした会話や、撤退戦の時に立ち寄った街の事も。

 

「そこで、お姉ちゃんとも出会ったんだよね」

 

「ん? ……ああ、毒舌な方のお姉ちゃんか。まあ、そうだな。そういや、プルに会いたそうにしてたぞ。何故かプルの事を娘呼ばわりしてたが」

 

「あ……そういえば、そうだったね」

 

懐かしそうな顔をする横で、メルヴィナの顔が少し固まっていた。額からは、極少量だが汗が浮かび出ていた。それを見た武が、話を別の方向に変えた。

 

「メルヴィナ、って豪州風の名前をつけられたのは……避難していたからか」

 

「少なくとも名前だけで苛めの対象になる事はなくなった、かな?」

 

インドやアラブ系の難民の多くは東南アジアだけではなく、豪州(オーストラリア)にまで避難した。元々人種差別の気風が強かった所だが、そこに大勢の異民族が雪崩込んだ事になる。必然的に地元民の反発や衝突が発生して、その後に何が起こるのか。

 

インファンがため息をついて、補足した。

 

「使える奴は利用して、使えない奴はポイ……とまではいかないけど、“露骨”だったとは聞いてる。アメリカとは違ってああいった事態と情勢に慣れてないのが原因とは言えども……」

 

修羅場慣れした事で成熟するに至った米国様と比べちゃ酷だけどね、とインファンは皮肉げに呟いた。それに、メルヴィナが補足すればと小さなため息をついた。

 

「流刑植民地を経てのゴールドラッシュ。侵略者と、先住民の戦い……米国と違うのは、英国という共通の敵を持たなかった所っすね」

 

「互いに遺恨を忘れず、まとまっていない所にどちらでもない人間が流入した、か」

 

そんな泥沼の情勢で育った者が安全に生きていくためには、どうすれば良いのか。答えは一つ、国籍を取得することだ。米国も欧州からの避難民に同様の選択肢を与えているという。

 

「“一世が永住権、二世でようやく市民権。生き残っていたら君も星条旗の元に集う事を許されるであろう!”ってか……あっちも別の意味で露骨だと思うけどな」

 

国籍取得は狭き門だ。前提として、米国のために貢献しなければならない。それには、軍人になって軍務を勤め上げるという他にはなく。

 

「はあ……やめやめ。辛気臭い過去よりは、未来の事を話すべきだよな」

 

「うんうん。おねーさんもそうしたいけど……そろそろ時間だ」

 

インファンの言葉に、武は部屋にある時計を見て、あっという声を上げた。その後、申し訳なさそうな様子でプルティウィとメルヴィナに謝りながら両の掌を自分の顔の前で合わせた。

 

「ごめん、先約があってな」

 

「いえ、こちらこそ。色々と楽しい話でした」

 

アードヴァニー少尉に戻ったメルヴィナは、その視線をちらりとプルティウィに向けた後、武の方に戻した。武は何を言いたいのかを察した後、小さく首を横に振った。

 

「本当にすまんが、時間がない。まあ、また会えるしな。次は自称お母さんが来ると思う……から、泣くなよプルティウィ」

 

落ち着いたらまた会いに来るからと、武がプルティウィの頭を撫でた。くすぐったそうに俯くプルティウィに、武は懐かしそうに顔を綻ばせた。

 

「猫みたいな仕草は変わってないけど……本当に大きくなったな」

 

「うん……でも、身長差は昔よりも大きくなったよ」

 

「俺も育ち盛りだったからなぁ。次会う時は、もっと差が縮まってると思うぞ」

 

だからまた、次の時には。そういった意図を含ませた武の言葉に、プルティウィはうんと頷いた。

 

「それじゃあ……またね。武」

 

「ああ、“またね”だな……メルヴィナも」

 

「はい、貴重な時間をありがとうございました……故郷の話が聞けて、嬉しかったです」

失礼します、とメルヴィナが敬礼を。続いてプルティウィも、動作は甘いが意気込みだけは人一倍こもっていると分かる敬礼をした。

 

応じ、武とインファンが敬礼を返すと二人はそのまま退室していった。それを見送った武が、横目でインファンを見た。

 

「―――期待の新人、って所?」

 

「ご名答。まあ、アンタには分かるか」

 

「悲しいことに、曲者揃いの職場だったから。いや、現在進行形か」

 

武は遠い目をした。それでも、身についた事はあった。軍人としての資質を見抜けるようになったのも、その一つだ。

 

「両者ともに頭の回転が早い……それなのに傲慢にならず善性を保っている、か」

 

「殺伐とした職場に舞い込んだ日溜まりだったわー……良いと思うんだけどな~」

 

「本気で惜しがってるよな、インファン。まあ、気持ちは分かるけど……分かるけど」

 

大事な事なので二回言いました、と武は呟いた。どちらも話していると本気で癒されるのだ。殺伐を通り越した状況に置かれている武が、話の途中に本気で泣きそうになったぐらいに。

 

「でも、CP将校じゃないとしたら……技術士官って言っても、どの分野?」

 

「さてねえ。次はあんたのお父さんが狙ってるって話だけど」

 

「人の父親捕まえて幼女趣味呼ばわり……ダメだ、否定できねえ」

 

武は、父・影行がタリサの事を気にかけていると聞いていた。それにメルヴィナ

を加え、極めつけは母である風守光だ。

 

「……クリスの勘違いが加速しそうだな」

 

「そういや、ユーコンで会ったんだっけ」

 

「ああ、巻き込んだ。それで、無茶振りに答えてくれたな」

 

「こっちでも噂になってるわよ。衛士連中がめっちゃ興奮してたし」

 

解散したとはいえ、当時の彼らに助けられた者も多い。クラッカー中隊の隊員は未だに尊敬される立場にあるのだ。その彼らが大東亜連合から見ても仲がよろしくない米国の、その最新鋭機を相手に大立ち回りしたと知れば喜びの感情が沸騰するのは必然と言えた。

 

「黒猫様も見たけど、良い機体だった。今度、別の部隊と模擬戦をするそうだけど、十中八九勝つだろうな」

 

武の言葉に、インファンは嬉しそうに頷いた。

 

「良かったわ。これで豪州の避難民……インド人やアラブ人を取り込んだ甲斐があったってことを証明できる」

 

「……オーストラリアと交渉したんだよな。避難民で希望者があれば、東南アジアへの移住を受け入れるって」

 

大東亜連合がオーストラリアに申し出たのは、国内に居た避難民の一部をこちらで引き取るというもの。その上で大東亜連合に任官する者が居れば、能力に応じて家族や給料の類で優遇するという内容だった。

 

「応じたのは、全体の1/5……よく応じたよな」

 

「国連軍も、豪州はさほど重要視してないみたいだし。後方も後方だから、無理につっぱねる必要はないって判断したんでしょう」

 

裏取引の内容はあるけど、とはインファンも言わず。別の要素で、引っ越ししたくなる根拠があると説明をした。

 

「腹黒元帥閣下が直接出向いた、ってのが一番の理由かもね。自分の国や、近い価値観を持っている人間が居るっていう影響はバカにならないから」

 

応じる理由は一つではないだろう。ある者は、偉大なるシェーカル元帥が自分たちを祖国に帰してくれるかもしれないという希望を持ったから。ある者は、明確に異国であるオーストラリアから脱出したいと思ったかもしれない。

 

「もっと状況を掴めてる人なら、こう考えただろうけどね――私達の立ち位置はここだ、って行動で示すこと。将来的に、もしインドに戻れたら――っていう時に優遇されるために。周囲の状況も、ほぼほぼ好転すると思うしね」

 

インド人の避難民の数は多いが、オーストラリア人に比べれば少ない。学校の中で言えば、その差は更に広がるだろう。その中で、インド人やアラブ人がどういった扱いをされるのかは容易に想像できた。

 

「その点、移動すれば差別は少なくなる。残り続けるのと比べれば、ね。元々、こっちにもインド系の避難民は多いし」

 

「あとは……同じ目的を持つ仲間が誰なのかが分かりやすくなる?」

 

「その通りよ。腹黒元帥閣下は、それを狙って引っ越ししてきた人達を同じ地域に集めているらしいけど」

 

同じ苦労をした者達、話が合うだろうと思っての事でもある。擬似的にだが苦楽を共にした人物どうし、全くの他人よりは縁を感じることが出来ると。

 

「……そして、忠誠を示すために子供を軍学校に入れる。大東亜連合も人手不足を解消できて万々歳ってことか」

 

「うん。なんだかんだいって、蛙の子は蛙だからね。賢明な判断を下せた親から生まれた優秀な子供……人材を集めるには効率的、ってね」

 

鳶が鷹を生む可能性よりは、現実的な方を選択した所がアルシンハ・シェーカルらしい。武はそう思いつつも、全てに納得できていなかった。豪州に残った人達をないがしろにしすぎているのではないか、という思いが消えなかったからだ。

 

「……いや。そのための、これからだよな」

 

「そういう事よ。で、ちょっと気になったんだけど……アンタ、メルちゃんとは会った事なかった筈よね」

 

インファンの問いに武は迷いながらも頷いた。その様子から、インファンは眉を顰めながら重ねて問いを発した。

 

「それなのに、驚いた……ひょっとして例の記憶って奴で?」

 

「……会ったことはないし、喋った事もない。でも、“見た”のは確かだ―――彼女、水槽の中で笑ってたよ」

 

それが口に出来る限界だと告げて、武は口を閉ざした。インファンは舌打ちをしながら窓の外に視線を移した。言葉から推測できるのは、それが死体だったということ。だが、水槽と笑顔という二文字が、その時の状況の異様さを際立たせていた。

 

(少し記憶を掘っただけで、こんな……どれだけ重いものを抱えてるの)

 

考えるだけで、恐ろしさと共にどうしようもない悲しみが湧き出てくる。インファンはそれに耐えながら、武の内心を思った。メルヴィナは、彼女は良い子だ。頭の回転は早いが、根底に優しさを備えている。卑しさがない事も、プルティウィへの態度を見れば分かることだった。

 

そして、良い娘だからこそ、その死に顔の威力は強烈になる。見知った人物の死の重さは、印象と関係の深さに比例するのだから。

 

(……感傷に浸ってばかりじゃ、駄目なんだけどね。相変わらずこういったトラブルには事欠かないし)

 

具体的には、プルティウィの養父に関すること。プルティウィを引き取ったのは、光州作戦で責任を負わされて退役させられたラジーヴ・アルシャード元少将。彼の養女、というだけで大きな意味がある。何故なら、国連への譲歩を引き出すために退役させられた彩峰萩閣とは立場も、お国柄も違うからだ。総じて言えば、元少将の権威は失墜しておらず、軍内部への影響力も相当に残している。その上で実家が資産家という側面もあるからには、“逃す手はない”と行動するのが、今の情勢における普通の人間の考えで。

 

(蜜を求めてわらわらとすり寄ってくるもんよね~……まあ、仲良くお腹を壊してもらった甲斐はあるけど)

 

あれで心配性なアルシンハ・シェーカルあたりが事を知ったら、大人げない手段に出かねない。欲深い部分はあっても、相手は子供だ。学習する機会を与えて然るべきだとインファンは考えていた。

 

そうして思考に没頭していたインファンに、武が言い難そうに尋ねた。

 

「そういや、アードヴァニー少尉だけど……どうしてインドの事、というか故郷の話を聞かされてなかったんだ? いや、聞けない状況になってた、と言うべきかもしれんけど」

 

武の質問に、インファンはそういえばと考え込んだ後、恐らくと答えた。

 

「昔の事なら、親とか知人に聞いた事がある筈よ。そんな彼女が聞きたかったのは……貴重な話だと喜んだのは、BETAに侵略されて変わった後の故郷の話を聞きたかったからでしょうね」

 

「え……侵攻を受けた後の?」

 

「そうよ。任官して間もないからね……実感が欲しかったんじゃないかしら。自分たちの故郷が壊された、っていう」

 

過去に聞かされたのは、懐かしい故郷の話。それでも、語ることが出来る人は先に大陸の外に避難させられた。その後の、BETAに蹂躙された国を知るのは現場で戦っていた者達だけになる。

 

「話の違いから、何がどう壊されたのかを把握したかった……?」

 

「そう。まさか、当時の亜大陸の激戦を経験した人達は、漏れなく高い位置に居るからね。直接聞く訳にはいかないでしょうよ」

 

今世に居るなら、高い階級を。去ったのなら、空の彼方に。どちらも聞き出すには難しく、接触すら出来ない者が多い。

 

「……強いな、彼女。自分から知りたいと思うだけじゃなくて、機会を得たら迷わず実行に移したよな」

 

慎重に言葉を選んでいたように思う。少なくとも、武は全く悪い気はしなかった。観察力にも優れているのかも、と思える程に。

 

「―――っと。そろそろ、マジでやばいな」

 

時計を見た武が、勢いよく立ち上がった。インファンも立ち上がり、深く頷いた。

 

「移動開始。いざ、血税を吸い上げた化け物機体の所に行きましょうか」

 

「……この流れから、そういった言葉は聞きたくなかったな」

 

甘えだけど、と武は呟き。次の瞬間には、軍人のそれに戻って背筋を正した。そのあまりの早さに、インファンは満足げに頷くと、こっちよと扉の方を指し示した。

 

「それで、横浜基地にダミーは?」

 

「夕呼先生が用意してる。あっちはユーコンの後始末でそれどころじゃないだろうし」

 

それは、大東亜連合に力を集中する余裕が無くなるという意味でもあり。

 

「このチャンスを逃す手はない―――幸い、機体は間に合わせてくれたようだし」

 

ステルスという、BETAを正面から潰すには不要な能力を持つ。無駄に高価な、正道ではない機体。例外であり存在しない筈の戦術機。

 

故にその名前をEx-00と付けられた、俗称を“グレイ・ゴースト”という、最重要人物奪還の鍵となるために作られたこの上ない規格外(エクストラ)

 

 

「まあ……幽霊に乗れるのは幽霊だけだからな」

 

「……? 何か言った?」

 

「いや、何でもないって―――今は」

 

 

失敗する訳にはいかないと気合を入れ直した武は、深呼吸した後。

 

再会を誓った二人の笑顔を胸に抱きながら、悠然と前へ歩き始めた。

 

 

 

 




メルヴィナ好きなんじゃああああああああ!
でもここの武ちゃんはTDA004のJFKハイヴ内で、
メルヴィナがあの水槽らしきものの中で笑っていた理由まで察知できてしまうという。
具体的に何が起きたのか理解できてしまうという。なんだこの地獄。

彼女の年齢はTDA01にでウィルが言っていた台詞
「俺らとそう変わらない年齢なんだぞ」というものから推測しました。

あれが2004年で、ウィルが22としてそう変わらない→その時メルが20才。
で、2001年は3年前なので、今は17才という事で。
で、20才当時より経験が少ないため、TDA01の時ほどには成長していません。

次の話からは、4章後半の開始。
時系列にして3.5章が終了した後であり、B分隊の最終試験開始の時であります。

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