Muv-Luv Alternative ~take back the sky~   作:◯岳◯

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3.5章の予告でっす


予告
ver.Total Eclipse ~Strike Back~ 予告


生き残ったその数が10億となった、混迷の時代。

 

人が、人成らぬモノに追われる時代の最中で、それでも人は生きていた。

 

――――ある女性は足掻いていた。痛い程に不足を感じて。

 視野狭く、だけど賢明な彼女は志を胸に抱き誰よりも気高くあろうとした。

 祖国の友人に背を、恩師の願いに応え、敬礼と共に彼女は往くことを決めた。

 

――――ある男は藻掻いていた。

 寄る辺を失いたった独り。機械だけしか信じることのできない彼は、諦める事を知らなかった。

 だけど突然に消えてしまって。覚束ない足を懸命に、前に出すことで平衡を保った。

 言われるがまま、なすがままに。ただ歩かされる道の中で、言い訳を重ねながら。

 

――――ある女性は戦っていた。

 失った約束を胸に、だけど忘れられず。守るべき存在のために、誰よりも強くあろうとした。

 悲しみを背負い、下を見て安堵せず、見上げる程に高い壁を眺め、不敵に笑った。

 

――――何も持っていない少女は流れていた。

 与えられたものを享受することこそが最善と。疑問も何もなく、己の道の正しさを信じた。

 それが仕組まれたものと知らず。寄り道の楽しささえ教えられず。

 自由になるものなど何もない地面で、隣り合う存在と、定められた足跡の通りに歩いていく。

 

厳しい戦乱の果てに傷ついて、空も見上げられない人が多く。

死ばかりが溢れる最前線より離れた、アラスカはユーコン基地。

世界各国の巨人が集まる、謀略の渦巻く都市があった。

 

大義という太陽と、陰謀という月と、それに寄り添う星々。

太陽は当然のように天に、だけど月は全てが一列に重なる時を待ち、星達はあるがままに瞬き続けている。

光らされている事も知らず、それぞれに志と意味を背負って、輝かんとしていた。

 

運命の繰り手を自負する月に、利用されることを知らないままに。

 

だが、それを良しとしないものが居た。

 

 

全てを知り、全てを知らない男が居た。

彼は言った。嫌なものは嫌なのだと。たどり着いた世界の果て、受け取った約束があった。

 

 

世界中の希望が集まる場所。

 

思惑が交差する町があった。

 

すれ違い、誘われ、生まれるは悲劇。

 

溶けてしまった雪娘。

 

偶像と呼ばれた少女。

 

それぞれの祖国のために動く者たち。

 

 

 

 

大気が蠢き、何かが喰われようとしている動乱の中心で。

 

 

 

彼の者が動く時、空はまた動き始める。

 

 

 

 

 

 

 

Muv-Luv Alternative ~take back the sky~

 

 

3.5章 

 

 

ver.Total Eclipse ~Strike Back~

 

 




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