カラカラとシリンダーが回転する。
鈍色に光る鉄の塊を握り締め、少女はただただそのシリンダーを回した。
銃身へとシリンダーを収めて、少女はその銃口を顎の下から押し付ける。自然と上を向いた顔、神に祈る様に組まれた両手。
親指でハンマーを引いて、最後まで引かれたハンマーがカチャリと音で知らせる。引き金を振り絞る。
ガチンッと鉄同士が打ち合う音が響き、少女は表情を変えることもなくもう一度ハンマーを引いた。
ガチンッ。
カチャリ。
ガチンッ。
カラカラ。
カチャリ。
ガチンッ。
たった一人の控え室で少女は息を吐き出した。座っていた長椅子に一緒に置かれた薬瓶を手に取り、乱暴に中身を吐き出させる。
手の平に落ちてきた錠剤をそのまま口にして喉を動かす。
肩の力が抜け、次第にどこか幸せな気持ちが溢れてくる。
「くひっ、くふっ、フフッ、ひひっひっひっひひひ」
緩む口角を支え蕩けた瞳を閉じる。
少女は嗤いを携えながらもう一度薬瓶を手に取りそのまま口へと運ぶ。吐き出される錠剤を口で受け止めて、その小さな口に入り切らなかった錠剤たちが控え室の床へと落ちていく。
音を立てて錠剤を砕いた少女は喉を動かしてまた息を吐き出す。
「…………」
蕩けた瞳と吊り上る口角はそのままに嗤いだけが姿を潜めた。酩酊したように首が落ち着かず、熱っぽい吐息が彼女から吐き出される。
そして狂人だった彼女は持っていたリボルバーピストルの銃口をコメカミへと押し付ける。
片手でハンマーを引き、引き金を絞る。
静かな控え室にガチンッと鈍い音が響いた。
◆◆
シャルロットは溜め息を吐き出した。
自分の買い主であり、飼い主であるルアナ・バーネットがよもや篠ノ之箒の申し出を受けた。
いや、それも溜め息モノなのだが、その時の空気もかなり拙かった。
それこそよくよく小説や漫画、そして達人が言う【殺気に満ちた空間】と似通った空気だったのではないだろうか。そんな事を達人ではないシャルロットは思った。
文字にすれば一触即発。「touch and go」。俺に触れると火傷するぜ。
ともかくシャルロットの間違ったようであってる様な、それでいて間違った知識は祭りを楽しんでいた心を抑え込んで容易く二人の間を取り持つ行動を選んだ。
『この勝負、私が預かります!』
そんな事を言った自分を引っ叩きたい。その後に抱き締めてよくやったと褒めてもやりたいけれど。
シャルロットとしては話し合いをして終わらせたかった。とりあえず主であるルアナにその旨を通信すれば「無理」の返事。篠ノ之箒に聞けば無言の圧力が掛かったのだ。
それだけでも溜め息モノだというのに、主の準備の良さが余計に悪かった。IS学園に戻ってから早々にアリーナの使用権を得て、日時を篠ノ之箒へと伝えていた。
シャルロットは諦めた。諦めてどうにかしてもらおうと織斑一夏へと連絡を入れようとした。
入れようとしたのだが、御主人様にソレを禁止されたのだ。ニッコリ笑ってナイフを瞳孔へと向けられ、更にはどうしてか艶っぽい声で「ナかすわよ?」なんて言われたのだ。一体どちらの意味でナかされるのか、シャルロットは非常に気になったがそれよりも命が大切なので一夏への通信を遮断した。
ついでにこの勝負のことを他言することを禁じられて、シャルロットは今に至る。
「どうして勝負なんて……」
もう一度、改めてシャルロットは頭を抱えて溜め息を吐き出した。
ルアナという人物を考えれば、この勝負に意味は無い。なんせ、ルアナに得が無いのだ。何を、どう考えてもシャルロットから見れば意味が無い。
それこそルアナが一夏の為に動いているという事を踏まえても篠ノ之箒と戦う事が織斑一夏へと繋がるとは思えない。
と、するとである。
シャルロットは頬を少しだけ緩めた。緩めた頬を見られない為にふにふにと頬をマッサージしてなるべく真面目な顔を作る。
ご主人さまはツンデレだからなぁ。
心の中で微笑みながら、だらしなくシャルロットは呟いた。尤も、この呟きが今しがたアリーナへと姿を現した
「……ふへへ。私もオカシクなっちゃったのかな?」
思わずソレを想像して、次は表情に出てしまっただらしない笑みをもう一度正し、過去の自分と比較する。比較したところで、意味が無いことを理解して、切り捨てる。
今はツンデレなご主人さまのためにアシストに徹しよう。
そうしてシャルロットは近くにある説明書を捲りながら装置を起動させていく。
公式戦に近しいモノにしてくれ、という主からの些細なお願いは十全に叶えなければいけない。叶えられなくてもお仕置き等は無いが、叶えればご褒美があるかもしれないのだ。
◇◆
ルアナ・バーネットは自身の外殻……いいや、ISである【ルアナ】を纏いながら宙に立っていた。
極力装甲を削りバーニアを設置した繊細で狂った機体。
そんな装甲に纏われながらルアナは瞼を下ろして宙に立っていた。
立って数分。ルアナは瞼を上げる。
対面するように、数m離れた位置に赤い機体が映った。長い黒髪を揺らし、両手には既に刀が握られている。
「待たせたか?」
「ええ、数分程」
ルアナは淡々と言葉を吐き出した。開かれた瞼から覗く瞳はどこか虚ろで焦点を定めていない。ユラユラと揺れる焦点が前にいる黒髪の侍へと向けられる。
ゆったりとルアナの左腕が上がる。肩ほどの高さで腕は静止して力なく垂れていた手首が弾かれたように上へと跳ね上がり、腕の装甲から一本のナイフが排出されソレをしっかりと握りこんだ。
「どうして私と戦うのかしら?」
未だに定まらない焦点のまま、ルアナはそう呟いた。本当に今更な問いを吐き出して、ルアナはどこか虚ろに嗤った。
「いいえ、どうでもいい事ね。いいえ、どうでもよくない事かしら。どうでもいいわ」
「ソレをいえば、お前もどうして私の申し出を受けた? いつも逃げている癖に」
次に吐き出したのは箒だ。まるで指すように伸びた《空裂》をルアナへと向ける。切っ先を向けられているというのに、ルアナは相変わらず虚ろな笑みを浮かべていた。
「だってアナタ、私と戦っていても私と戦わないモノ」
「は?」
「そんな自慰行為に私は付き合わないわ……それこそ一人でヤッてなさいな」
「なぁっ!?」
「今日戦うのは……そうね、どうでもいい事よ。私の調子を確かめる為、都合が良かったからアナタの自慰に付き合う。それだけの事よ。簡単でしょ?」
焦点の定まらない瞳でさらに笑みを深くしたルアナ。ソレから吐き出された言葉に顔を赤くして歯を食いしばる箒。
「私に……【紅椿】に勝てると思っているのか?」
「【紅椿】に勝つ必要があるのかしら? 名馬を駆る愚かな侍を討てば、ソレで終わる事でしょう?」
箒は力強く自身の刀を握った。こんな挑発に乗っている自分を理解して、同時にこれほどの挑発を放っている人形を倒すことを改めて誓う。
―きっと、この
そんな気持ちが伝わったのか、箒の視界にカウントダウンが入った。どうやら試合形式で行うらしい。
箒の意識に従う様に【紅椿】はバーニアに光を灯していく。準備は既に完了している。
後は必殺の一撃を、必中で、叩き込めばいい。
【紅椿】は現行ISに置いて全てを凌駕するスペックなのだ。ソレは擬似とはいえISである【ルアナ】にだって勝てるという事だ。
「往くぞ、【紅椿】」
カウントはゼロへと至り、【紅椿】のバーニアから一瞬だけ光が消える。そして強烈な光を灯し、余剰となったエネルギーを粒子へと変換して軌跡を残し加速する。
箒の視界が緩やかに流れる。
両腕を交差しながら振り上げる。敵に当てるのは振り下ろしの丁度交差になる部分。
「はぁぁぁぁああああああああああああああ!!」
喉を震わせ、必殺を決める為に刀を振るう。
変わらずも緩やかな流れの視界にルアナの嗤い顔が映っている。その表情がゆったりと消える。
定まっていなかった焦点がしっかりと箒を捕らえている。必殺の一撃を向けられているというのに、その瞳には恐怖も絶望もない。
ただどこか失望した様に。
ただどこか呆れた様に。
そしてルアナの左腕が動く。順手に握られたナイフを逆手に持ち替えて自身の前へと向ける。
速度の乗っている刀二本と動きの無いナイフ一本。どちらに物体としてのエネルギーが込められているかなんてハッキリ分かる。
故に箒はその攻撃を中断も、変更もしなかった。
故にルアナはその対処の中断も、変更もしなかった。
「は?」
箒の視界が途切れ、回復した時に見えたのは自分を見下すルアナであった。呆れたように溜め息を吐き出し、落下している箒を見ている。
混乱。まるで頭の中がかき乱された様に箒は思考がどこかへ向かってしまう。
どうして、どうして見下されている。どうして私が落ちている。落ちていたのはバーネットだろう。
第三者であるシャルロットは思わず嘆声を漏らした。何てことは無い、箒の攻撃をナイフで横へと流し、その勢いと脚部のバーニアを吹かして蹴りを箒へと入れただけなのだ。
尤も、シャルロットが感心したのはあの速度でソレをしてのけたルアナではなく、その攻撃を防いだ【紅椿】にである。
非固定装甲が意識的にルアナの攻撃を防いだ。変態的な加速を持つ蹴りの衝撃を殺しきる事は出来なかったようだが。
そんな第三者ではない箒は何をされたかが一切分かっていない。分かるわけが無い。
高速戦闘の慣れ始めであり、受け流され、振り向けば落ちていた。箒からすれば何が起こったのかサッパリだ。
ただソレでもルアナが見下していることには違いがなく、そして明らかに落胆していることも確かだった。
舌打ちをして態勢を整えた箒は刀を横一閃した。振るわれた《空裂》の斬撃は攻撃性を帯びたエネルギーへと成り、ルアナへと向かう。
ルアナはソレを静かに見つめて溜め息を吐き出す。迫る斬撃をツマラナさそうに見て、まるで羽虫でも払うようにナイフで切り消す。
「まだ以前のアナタの方が強かったわ」
ルアナが箒を見下しながら言葉を吐き出す。箒はその言葉に歯を食いしばり声を絞り出す。
「お前に……お前に私の何が分かるっ!」
叫んだ声に従う様に箒はバーニアを吹かせてルアナへと接近した。刀を振りかぶり乱暴にルアナへと振り下ろす。
片方の刀をナイフで、もう片方は腕を掴むことで押さえたルアナは怒りを表情に浮かべている箒の顔を真正面から見つめる。
「分かりたくも無いわ。愚直だった人間が愚かになった事なんて、分かりたくも無い」
「私は……強くなりたかった……強くならなきゃいけなかったんだ!」
「なぜ?」
刀を払らわれ腹部へと蹴りを入れられた箒はルアナから距離が開く。睨むようにルアナを視界に入れた箒は搾り出すように声を上げる。
「そうしないと認められない。そうしないと……私の居場所なんて何処にも無いんだ!」
もう一度バーニアを吹かせルアナへと接近。横に一閃した刀はナイフで止められ、もう一方の刀の切っ先をルアナへと向けて刺突。
体を横へと反転させソレは回避されたが同時に止められていた刀を斬り返しルアナの後方から攻撃をしかける。
まるで見えているかの様にルアナはソレを上下を反転させて足で防いだ。
認められなくては居場所が無い。だからこそ箒は努力をした。剣道の大会で優勝もした。ISの操縦技術も磨いた。
「なら努力を続ければよかったじゃない」
反転したルアナから声がまた吐き出される。どれほど連撃を続けようが一向に当たる気配など無い。
その癖ルアナからは攻撃らしい攻撃など余り無い。
努力を続ければきっと報われただろう。
努力を続ければきっと認められたであろう。
そんな事、箒にも分かっている。分かっているのだ。
けれど、そんな時間的余裕が箒には無かった。
だからこそスグに認められる力が欲しくて天災へと力を求めた。
「お前が言うかっ! ルアナ・バーネットォォォオオオ!」
獣が叫ぶように、箒は喉を震わせて声を荒げる。
きっとルアナがいなかったならば、箒は力を求めなかっただろう。
少なからず努力を続け、十二分に精進した力を開花させただろう。
ソレが出来なかったのはルアナの存在が在ったからだ。
ルアナが居たから、未熟であろうと認められなくてはいけなかった。
ルアナが居たから、力を望まなくてはいけなかった。
ルアナが……一夏の隣に居たから。
ようやく戻ってきたと思える居場所には気がつけば紫銀の人形が在り、一夏はずっと人形を見続けていた。
だからこそ、箒は居場所を求める為に、少しでも一夏に振り向いてもらう為に力を欲した。欲した力がどういうモノかなんて考えもせずに。得た力を存分に思うがまま振舞った。
子供が覚えた言葉を喋る様に。
「お前が! お前がそこに居るから! 私は何処にも行けない!」
「勝手にしなさいよ」
ルアナは少し疲れた様に声を出した。その言葉に対しても箒は瞳に激情を込めてルアナを睨む。
睨んでいるというのに、どこか泣きそうで、その気持ちを食い縛り、けれど感情のままにその言葉は吐き出される。
「一夏は……一夏はお前のことが好きなんだぞっ!」
認めたくは無い。認めれる訳が無い。
ずっと見てきた一夏は、ずっとルアナを見ていた。そんな事分かっている。
分かっていたからこそ、その感情を認めたくは無かった。
これは汚い感情だ。コレは私にはいらない感情だ。
自然に振舞うルアナが羨ましく。
一夏に構われるルアナが妬ましい。
自分の理想としている一夏がこんな汚れた気持ちを持っている自分を認めてくれる筈が無い。
だからこそ、箒は気持ちを奥底へと収めて気付かない振りをした。
吐き出してしまえばまるでダムが決壊したように瞳から水が溢れる。どうしようもない感情が溢れて零れた。
「……そう」
だから、だからこそ。
こうして無感情に、無表情なルアナのことを許せない。
恋をしている自分と比較している時点で問題なのだが、好意を寄せられて、ソレに誠意を示さないルアナを箒は許すことが出来なかった。
故に、箒はルアナと戦う事を選らんだ。
飄々と模擬戦を逃げられていた彼女がどうして今回に至ってはこうして戦ったのかなんて、どうでもいい。
戦うのなら、後は勝つだけなのだ。
勝って、ようやく箒は自分の居場所を確保出来る。
「もう大丈夫ね」
ルアナはボソリと呟いた。微笑みを少しだけ携え、その微笑みを隠すように嗤いを浮かべる。
ルアナ自身が吐き出した言葉だが、コレは自慰なのだ。
自分の理想と現実の折り合いをつける為の慰め。
そして、ソレをつけさせる為の自分勝手なエゴの行為だ。
ルアナは刀を弾き、右手首を翻して右手にもナイフを握る。
「終りましょう、篠ノ之箒」
弾かれた刀が戻るよりも先に箒へと体を滑り込ませたルアナがそう紡いだ。
同時に【紅椿】のエネルギーがゼロを示し、けたたましいブザーがアリーナに響いた。
◆◇
「すまなかった」
終ってみれば呆気ないモノで、ある程度の損傷はあれど軽傷のルアナに完敗、という形で試合は終った。
シャワールームにて互いに汗を流ている最中、ルアナに向かって頭を下げた篠ノ之箒がソコには在った。
どうしようもなく汚い自分を曝け出したことも、自分勝手な物言いでルアナに嫉妬していたことも、一度吐き出して認めてしまえばなんてことは無い。
ルアナをもってして愚直と言わしめた篠ノ之箒はしっかりと自分を見つめている。
「構わない。コレは自慰と言った筈」
そんな箒に対しても相変わらずの物言いであるルアナは箒を視界にも入れず汗を流している。
そんなルアナに思わず苦笑してしまった箒。
「……篠ノ之」
「なんだ?」
「……一夏は、好き?」
「……ああ。諦めてたまるか。例えお前が相手だったとしても私は負けん」
「そう。よかった」
顔を赤くしながらも箒は言葉を出して、その言葉を聞いてルアナは安心したように声を出した。
そんなルアナに箒は少しだけ疑問が沸く。どうして『よかった』のだろうか。
「箒、一つだけ訂正しておくわ」
「む?」
「一夏は私の事が好きではない。好きになんて、なる訳ないじゃない」
「ど、どういう事だ?」
「…………そういうことよ」
ルアナはこれ以上何も話すことは無いと言った風にシャワーを止めて脱衣所へと向かう。
耳に箒の声が聞こえた様な気がしたが、ルアナはソレを無視した。
しっかりと脱衣所の扉を閉めて、ルアナは壁に凭れる。息を荒げて、頭を掴む。
歯を食い縛り、体の内側から起こる激痛に堪える。
「ッァ……」
声には出さない。出してしまえば、きっと篠ノ之箒に聞こえてしまうだろう。聞こえてしまえば、きっと隠すことが出来なくなる。
全身をひっくり返された様な、全ての骨を砕かれた様な、痛覚が直接触られている様な。
激痛と鈍痛と鋭い痛みを味わいながら、ルアナは口角を歪めてみせる。
「どうせ死ねないんでしょ?」
ならば、それだけだ。
そう言いたげに、ルアナは迫る痛みを全て受け入れて、誰にも晒すことは無く日常を送る。
ただ、それだけなのだ。
>>汚い気持ち
嫉妬とか、そういう相手に対しての黒い気持ち。人間なら誰しもが持ってる物でも箒ちゃんからすればそれは認めたくない気持ちだったんじゃないかなぁ、と。
一つ認めちゃうと、きっと優しい箒ちゃんはお姉ちゃんとか両親とかも恨んじゃいそうですし。
>>カラカラ、カチャリ、ガチンッ
ルアナではなくて、彼女の根源的な行動。
>>オカシイしゃるろっと
受け。受け
>>主人公『篠ノ之箒』
少年誌的な……。まあ、主人公というよりはダークサイドに落ちた友人みたいな。結局、仲間になって最終章近くでゴニョゴニョなる損な感じ。
>>ルアナが居なければ努力を続けただろう……
原作のことは言わないでさしあげろ
>>一夏はルアナの事が……
箒ちゃんから見れば、そうだと思います。なんてったってずっと構いっぱなしですからね。
>>勝てば居場所が手に入る
なお負ける模様
>>終盤のルアナの痛み
後々語るけれど、一夏とか箒とかと戦うと生じる必然的な痛み。仕方ない事である。
>>猫書
シャルロットは変態。ハッキリ分かるんだね。
近頃執筆が滞って申し訳ありません。箒ちゃんの話が終わり、私の書きたいところが始まる、というか書けるので次は早く書けると思います。早く投稿するとは言っていない。
絶望をくべてるから仕方ないね。
結局のところ、篠ノ之箒は現実に理想を求めすぎていた少女だったのです。それこそ、姉や両親のこともあってある程度のことは分かっていたとも思いますが……変に箒ちゃん自身が力を持ってたから余計にややこしいことになっていたと思えます。
一夏に対しての気持ちと、自分の理想と、現実の汚さがごちゃごちゃになって、篠ノ之箒は現実に蓋をしちゃったんじゃないかなぁ……とか。
コレは箒ちゃんが解決しないといけない事ではあったんですが、ルアナの干渉で別方向から自分を見つめ直せた、という感じに受け取ってもらえるとうれしいです。
こうして色々書いてると作者……私の歪み具合が随分な事になってるのが分かります。うん。私も箒ちゃんに近しいのかね。
どれだけ努力しても認めてくれず、素晴らしい事をしても認めてくれず、結局何をしても価値なんて生じないから、理想を高くして。理想を高くしてから、自分の矮小さが目に見えて、努力することに意味を求められず、理想に意義が求められなくて……また別ですね。私と箒ちゃんは。たぶん似てるけど、決定的に異なってます。
どのみち変に投影して書いちゃってるかも知れません。その辺りは許してひやしんす。
よし、次は過去編だぁ! 一夏とルアナのことをそろそろ晒さなくてはいけない。あとは彼女の事も書ければ上々。
歪んでる一夏と歪んでいたルアナの話ですよ! やったね、猫毛! 楽しみが増えるよ!