私が殺した彼女の話   作:猫毛布

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篠ノ之さんが空気……お姉ちゃんは存在感がヤバイノニー!

2014/03/31
誤字訂正。


38.神に祈るロシアンルーレット

 ISに備わっている量子変換の話をしよう。

 前述する形になるのだが量子変換したものを復元するとして、その復元したものは同じ物ではあるのだけれど、決して同じ物ではない。

 ISコアにデータを覚えさせ、そのデータ通りに量子を動かしている。複製であるのだ。よくできた、寸分違わぬ複製である。

 人がわからない程度のそのコピーは正しく「同じ物」なのだ。部品の一つしても、異なるところなど有りはなしない。

 

 けれども、想像して欲しい。

 複製であるモノは寸分違わぬ物だったとして、同じ物なのだろうか。

 相手と鍔迫り合いをして鍔部分に付いた傷。相手の弾丸を受け抉れた銃身。自身を守る為に展開された盾の誇りすらも。量子変換されたモノは復元したことにより一度復元されたデータは保持されないので、修理、という形で復元するのだけれど。

 

 例えば折れた刀があるとしよう。

 その刀を量子変換し、ドコかへと保存しておく。そして別の場所で復元する。手には折れた刀が握られている。握り心地も、折れた箇所も、その破片ですら同じ物だろう。

 何もかもが同じ物だ。これは同一視出来るだろう。

 

 例えば寸分違わぬ物が二つあるとしよう。

 摩訶不思議なモノで片方が傷付けばもう片方も傷つく、そんな物だ。

 ソレを他人である二人が持つとして、未来に置いてソレは同一視出来るのだろうか。当然、第三者からすれば、ソレは応と答えるだろう。

 けれどどうだろうか。同じ物を持たされている筈の二人は決して否と言うのだ。決して、自分と同じ時間を過ごしたソレでは無いのだ、と。

 科学的、いいや、物理的な話をすればソレは同一視できるのだ。けれども、哲学的……愛着という心的な話をすればソレは決して同一視することができない。

 

 ようやく話を戻そう。

 量子変換し、量子テレポーテーションを行い、復元された【ルアナ・バーネット】は確かに同じ物体であり、同一視することが可能だ。

 けれど、哲学的に、心的な話をすれば、それは正しくルアナなのだろうか。

 

「え? そんな事私の知ったことじゃぁないなー」

 

 そう言ったのは、【ルアナ・バーネット】開発者である篠ノ之束であった。

 問いかけていたセシリアは歯を食いしばり、心の中で舌打ちをした。

 この天才にすれば、ルアナがルアナで無くなろうが関係などないのだ。【ルアナ・バーネット】であればそれだけでいい。元々、そういう為に作った物なのだ。

 話の中心である筈の一度分解され、転送される本人は何を考えているのかポケットの中から飴を取り出して包装を破いている。

 

「ルアナさんは……それでいいの?」

「別に。どうでもいい」

「どうでもいいってアンタね! 自分が自分じゃなくなるかも知れないのよ!?」

「私は、私」

 

 そう言って口に含んだ飴を噛み砕く。バリボリと飴が砕けて、ルアナの舌に甘味を伝えていく。

 そんないつも通りの態度に悲しい顔をしていたシャルロットも怒りを表してた鈴音も思わず呆れた様に溜め息を吐き出してしまう。

 けれども未だに納得がいっていないセシリアだけはその言葉が気に入らなかった。

 

「ルアナさん! アナタ、消め……亡くなるかもしれないのですよ!?」

「それも、どうでもいい」

「なっ?!」

「だって、私は死なない」

 

 ケロッとした口調で言ってのけたルアナは砕けた欠片を全て飲み込んだ。

 口調自体はかなり軽いモノではあったけれど、その言葉は自信に満ち溢れたモノであった。だからこそ、セシリアは言葉に詰まってしまった。

 

「……ルアナ。量子テレポーテーションに確実性はあるのか? お前がソコでミスをしてしまうと偵察も斥候も出来ない訳だが」

「ボーデヴィッヒ。所詮は出現出来るか、出来ないかの二択でしかない。私は死なないから、跳べる」

「二分の一で消えるのですよ!?」

「大丈夫」

「大丈夫な訳がありません! 織斑先生、この作戦は―」

 

 セシリアが言いかけている最中、ガチャリと音が鳴った。

 その方向を見れば、ルアナが重そうな回転式拳銃を握っていた。

 

「セシリア。このシリンダーの中には六つの穴と五つの弾丸が入っている」

 

 横からシリンダーを取り出し、手でカラカラと回しているルアナ。適当な位置でシリンダーを銃身へと戻し、撃鉄を起こした。

 銃口を持ち上げ、自然な動作で自身の額へと押し付けた。親指をトリガーに掛けて、両手でグリップを握る様はまるで神様に祈るようだ。

 

「な、やめ」

 

 ガチンッ。

 そんな音が響いて、ルアナは銃口を額から外した。そこには穴なんて空いていなければ、銃口も硝煙を吹き出してはいない。

 

「六分の一程度、何度でも当てれる。二分の一なんて、私にとって選択にも入らない。だから、大丈夫」

「――ど、どうしても行くというのですか」

「いかないと……」

 

 ルアナはチラリと一夏を見た。

 その視線に反応したのか、一夏は眉をしかめてしまう。

 

「そこにいるバカが戦わないといけない」

「バカって言うなよ」

「バカは、バカ」

 

 そんな一夏(バカ)の為に戦う自分も相当だ。と心の中で苦笑したルアナは銃を消した。

 くるりと身を反転させて、ルアナは千冬の前に立った。千冬は口をへの字に変えて溜め息を吐き出して目つきを鋭くする。

 

「バーネット。情報を収集、目標ISの偵察、及び足止めだ。嫌ならしなくても構わないぞ」

「嫌、と言える口は昔に縫ったわ」

「そうか。なら行ってこい。――死ぬなよ」

「この程度で死ねないわ」

 

 ルアナはクヒリと笑ってみせ、部屋から出ていこうとする。途中に一夏とすれ違う間際に小さく口を開く。

 

「あなたの力は、守る為に使いなさい」

 

 一夏の返答を聞く前に、ルアナは部屋の襖を開いた。そして何かを思い出したのか足を止めて、口を開く。

 

「千冬。別に倒してもいいんでしょ?」

「出来るならそうしろ」

「ええ。そうするわ……」

 

 パタン、と静かに閉まった襖。その襖を見て停止する各自。

 千冬は溜め息を吐き出して、チラリと自身の友人を見る。その友人は楽しげにニコニコとしていたが、その瞳の奥は笑いすらしていなかった。

 勿論、その瞳の微妙な変化なんて親友である自分しかわからないし、その一瞬だけの変化だ。

 気付いた事により、千冬はより一層深い溜め息を吐き出す。

 

「す、すいません」

「……なんだ、デュノア」

「少し、ルアナと話してきても」

「…………許す。行ってやってくれ」

「はい。すぐに戻ります!」

 

 シャルロットは慌てた様子で襖を少し乱暴に開けて、乱暴にあけた事で大きな音が鳴った事に驚いてからゆっくりと襖を閉めた。その後にドタドタと忙しない足音さえ鳴らなければ及第点だっただろう。

 

「まったく……束、【紅椿】の調整時間は?」

「そうだね、今から始めるから十分程度かな」

「急いでやれ」

「えー、これでも急いで出来る程度の算出なんだけどなぁ」

「期待しているぞ、束」

「! まっかせなさぁい! ちーちゃんのお願いとあらば十分なんて軽く超えて七分で終わらせてしんぜよう!!」

「篠ノ之はコレの言う事を聞いていろ」

「待ってください、織斑先生!」

「オルコット、先に言うがお前に送られている高機動武装のスペックは知っている。が、量子変換は終わっているか?」

「いえ……」

「バーネットの足止めにも時間は限られている。最速で準備をするしかない」

「……はい」

「篠ノ之を除く各員は織斑に超高速軌道のレクチャーをしろ。初めての実践で実戦だ。懇切丁寧に教えてやる必要はないが、徹底して教えておけ。では各自、準備をしろ!」

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

「ルアナさん!」

 

 廊下を静かに歩いていたルアナに追いついたシャルロットは声を上げてその歩みを停止させた。

 止まったルアナは面倒そうに振り向いて、溜め息を吐き出している。

 

「何?」

「いや……えっと、心配で」

「心配無用。自分の換装装備の準備をしていればいいわ」

「え?」

 

 シャルロットは違和感を覚える。

 当然、ルアナの物言いはいつもの様に気だるげで、面倒そうなモノではあったのだけれど、ソレだけではない。

 

「……」

 

 けれど、確信的な何かが足りない。決定的に、何かを言うには材料が足りなさすぎる。

 そうして困った様な顔をしているシャルロットに対してルアナはまた一つだけ溜め息を吐き出した。

 

「困ったものね……私の楽しみの時間を削らないでほしいわ」

「えと……もしかして、バーネット、さん?」

「そうね。別にルアナと呼び捨てにしてもいいのよ?」

「やめときます」

「そう、残念ね」

 

 シャルロットは違和感の正体を突き止めた。目の前には嫌に艶っぽい声と女性らしい言葉を吐き出しているルアナ……いいや、彼女らにとってはバーネットと呼んだ方がいいのだろう。

 そのバーネットが自身の楽しみ、と言ったのだ。今回の戦闘も恐らくその一部なのだろう。と適当にアタリをつけたシャルロット。

 

「量子テレポーテーションって……大丈夫なの?」

「またその話題? 時間が限られているから歩きながらでよろしくて?」

「あ、うん」

 

 踵を返して歩き出すバーネットの隣についてシャルロットは同じスピードで歩きだす。

 

「あの天才様が転位予定位置に私の因子を置いて少し跳びやすくなっているけれど、どうかしらね」

「さっきの自信はいったい……」

「ああでもしないと、私が一番乗りで戦えないでしょ?」

 

 呆気からんとクツクツ笑いながらバーネットは言う。なんとも欲求塗れの発言ではあった。

 シャルロットはその言葉に思わず溜め息を吐き出してしまう。

 

「それであんな無茶なロシアンルーレットだなんて……」

「無茶なんかじゃないわよ。 ほら」

「わっ」

 

 ポイッ、と投げ渡されたリボルバーピストル。加える様にさっきまでの状態、とバーネットは付け加えて言った。

 驚きを声に出して、シャルロットはシリンダー部分を開く。そこには五つの穴とシリンダー上部の穴に入った一つの弾丸が入っていた。

 

「うわぁ……」

 

 つまりは、八百長である。それでも一つだけ弾丸が入っていたのはバーネットの趣味なのだろう。

 

「ラウラは軍人だから私の行動を推奨する。セシリアと鈴音はこのパフォーマンスでどうとでも出来る。篠ノ之箒さんは……私に死んでほしいんじゃないかしら?」

「そんな事ないよ」

「どうかしら。あの娘にしてみれば私は一夏を奪った泥棒猫だと思うし……一夏が剣道から離れた理由にも繋がっちゃうし……どうせ坊やの事だから篠ノ之箒さんにも私の面倒を、とか言っちゃったんだろうし」

 

 あぁ、面倒ね。これを面倒と言わずして何を面倒と言うのかしら。

 と相変わらずクツクツと笑って言ったバーネットは少しだけ楽しそうだった。

 

 

 

 

 花月荘から出て、砂浜へと移動する。

 この時にはシャルロットも無口になり、バーネットは変わらずクスクスと笑っている。

 バーネットは、あぁ、そうだ。と一つ呟いて懐から小さな記録媒体を取り出し、シャルロットへと渡した。

 

「これは?」

「アナタが選ぶかもしれない、選択肢の一つよ」

「…………ルアナさんが戻ってきたらもらうよ」

「ダメよ。今貰っておきなさい」

 

 有無など言わせない、そんな言葉がバーネットから吐き出された。

 その言葉にシャルロットは眉間を寄せてしまう。同時に直感してしまった。

 

「……戻ってきてからでいいよ」

「ダメよ。何か(・・)あった時に困るでしょう?」

「それこそダメだよ。絶対に帰ってこないと……簪はどうするのさ」

「簪は、もう大丈夫よ。私がいなくてもアナタがいる。アナタなら上手くや――」

「ふざけないで!」

 

 思わず叫んでしまったシャルロット。その叫びにキョトンとしてしまうルアナ。

 何処か泣きそうな顔をして、シャルロットは言葉に怒りを乗せて吐き出していく。

 

「あの子は……簪はルアナの事を親友だと思ってるんだよ!? 僕なら上手くやれる!? ふざけないでよ! 僕は……私はルアナじゃないの! 簪にとってのルアナの代わりになんて――」

「…………」

 

 ルアナは、やっぱり失敗したかもしれない。と何処かで思ってしまった。

 自身が一夏と……そして篠ノ之束と繋がりがある時点で唐突に消える(・・・)可能性は十二分にあったはずなのに。それでも同室の女の子を構い過ぎた。昨晩のアレで彼女が受け止めやすくしたけれど……きっと、それも串刺しを見てしまって崩れてしまったのだろう。

 もっと上手く付き合う事が出来れば、きっと私の事なんて放っておいても、彼女はきっと直立出来たと言うのに。

 それこそ、放置して、普段のクラスメイトの様になるべく自分に近づけなければ……。

 そこまで考えて、ルアナは考えを改める。既に終わったことであり、簪と関係を持っている事に嫌悪感などない。自身に対しての後悔はあるが、簪に対して悪い感情など持ってはいない。

 そんな思考を回転させていたルアナが一瞬にして思考停止する。

 目の前にいた泣きそうなシャルロットが今は視界にはいない。視界の端に映る金色の髪と鼻腔を擽ぐる甘い匂い。体には拘束感と柔らかい感触。

 

「シャ、シャルロット?」

 

 唐突の事で言葉が裏返ってしまうルアナ。シャルロットを剥がそうとそれなりの力で身じろぎするが、拘束が余計に強くなった。

 

「私だって……私だってルアナの事を親友だって思ってるんだよ……そんな何か(・・)あった時の事なんて言わないでよ」

 

 スンスンと、鼻を鳴らして言葉を吐き出しているシャルロットにルアナは苦笑してしまう。

 意外と、私は幸せ者なのかも知れない。そう考えて、ふふふ、と口から漏れてしまった苦笑。

 自分よりも少し背の高いシャルロットの頭を撫でて、ルアナは優しく拘束を解く。

 目の前には涙を溜め込んだシャルロットが居た。

 そんなシャルロットに笑顔を向けて、ルアナは言ってやるのだ。

 

「大丈夫よ。これだけ散々言ってるけれど、私は死なないわ……何なら、相手を倒して戻って……簪が聞いたら『フラグだよ!』なんて言われそうね」

 

 ニヤリと笑って、肩を竦めたルアナ。言葉通りの事を想像して簪が慌てている様子を思い浮かべたシャルロットも吹き出してしまう。

 その笑いを見てルアナはシャルロットから一歩だけ離れる。瞬間、ルアナに粒子が纏わり付き、淡い緑色の装甲がルアナへと装着された。

 

「では、任務を遂行してまいります。……私の楽しみの為にゆっくり合流してもらって大丈夫、と伝えておいて」

「なるべく急ぐよ。ご武運を」

「久しぶりの戦いなのに……ツマラナイわね」

 

 クスクスと二人が笑う。同時に、ルアナが纏う装甲が淡く発光する。発光に寄せられる様に、ルアナに粒子が集合していく。

 

「……シャルロット」

「どうしたの?」

「一夏……いいえ、簪をお願いね」

「え、あ」

 

 ソレだけを言い残し、ルアナはまるで空間から切り取られた様に姿を消した。纏っていた粒子が霧散し、シャルロットの目の前には海と砂浜があるだけである。

 

「……言いたい事だけ言って、行っちゃった」

 

 溜め息を吐き出したシャルロット。同時に、あまり彼女に楽しみを与えてはいけない、なんて冗談めいた事を思いながら踵を返した。

 なるべく、早く向かわなくてはいけない。

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

「…………」

 

 少女は一人、空中に立っていた。

 紫銀の髪を風に揺らし、四肢に力を入れず、立っているというよりは空中から吊るされている、と表現する方が自然な程力が入っていない。

 

―私は、誰だっただろうか。

 

 ソレは少女の疑問であった。

 記憶も記録もキチンと頭の中に入っているというのに、自分が誰かがさっぱり分からない。

 順を追って、記憶を辿っていく。自身の在り方を思い出していく。

 壊れてしまった自分を修復していく。

 

―私は、誰だ。

―私は、    だ。

―いいえ、違う。私は、ルアナ。

―私は、ルアナ・バーネット。

 

 ガチン、と彼女の中の歯車が噛み合う。

 大きく息を吐き出して、ルアナ・バーネットは何度か瞬きをした。

 

「私が   だなんて……私はルアナ・バーネットよ」

 

 ソレは彼女にとって、奪ってしまった場所だ。ソレを彼女が忘れる事など許されない。

 息を吐き出して、ルアナは一本のナイフを取り出す。

 

「さあ、楽しみましょう、ルアナ」

 

 ニタリと笑みを深めて、これから待つ戦闘という行為に期待を膨らませる。

 

[はぁい! るーちゃん! 無事に復元出来たようだね! さっすが私の作品だよ!]

「そうね、アナタの声さえ聞かなければ最高の復元だったわ」

[いやん。そんなに褒めないでよー]

[バーネット。一分後、目標ISと接触する]

「了解。こちらの映像はリアルタイムでそちらに送るわ。指示に対して守るかどうか、なんて高速戦闘では出来ないから悪しからず」

[どうせ聞く気はないだろう]

「よくご存知で」

 

 目を閉じて、心の中でカウントを下げていく。

 同時に頭の中がクリアになっていく。呼吸を深く、深くしていく。

 ナイフを握り直し、瞼を上げる。

 自然と笑みが溢れ出て、表情を隠す気にはなれない。念のため、ルアナは音声の送信を遮断する。

 ハイパーセンサーの領域に目標IS【銀の福音】を確認して、更に笑みが溢れる。

 

「殺しあいましょう……戦いましょう……! あぁ! 命を削ってイキましょう!!」

 

 蒲鉾型のバックパックが開き、バーニアに光が灯される。

 停止状態から、一瞬で最高速まで上り詰める。

 

 ルアナ・バーネットが楽しむ為だけの、快楽を貪る為の、悦楽を求める為だけの、そんな自分勝手な戦闘が始まる。




>>ルアナ・バーネットが楽しむ為だけの、快楽を貪る為の、悦楽を求める為だけの、そんな自分勝手な戦闘が始まる。
 始まらない

>>八百長?ロシアンルーレット
 実際、八百長でもなんでもなく、かなり天文学的な数値の確率を引き当ててる。
 六分の一を引き当てて、ソレを不発に終わらせてますから。シャルロットは気付いてないですけど

>>運がいいですね、ルアナさん
 ロシアンルーレット程度なら彼女は何度も当てる事が出来る。当たり付きの氷菓子を何度も当ててしまいコンビニから出入り禁止を言われた程度の能力。

>>守る為の力
 主人公らしい力の使い方。ルアナにとっての最後の抵抗

>>シャルロット
 可愛い(確信

>>簪「フラグだよ!」
 たぶん、部屋を出る瞬間の
「倒してしまっても構わないんでしょ?」
 にも反応してしまう。

>>いりゅーじょん。
 観測者がA地点での状態を観測したので、B地点にある量子の状態が決定しました。
 今回はシャルロット(観測者)がルアナ(量子)の消失(状態)を砂浜(A地点)で観測したので、同時に空中(B地点)でのルアナ(量子)が存在(状態)に決定しました。
 ちなみに、文中で披露している限り、コレが初めての量子テレポーテーション……ではないです。一回程、どうでもいい事で使用してたりします。

>その量子てれぽー、なんとかをもっと簡単に説明しろや!
 ワープしました。

>>―私は、誰?
 幾度となく壊れてしまった彼女の為の問い。哲学的な心の複製など科学では再現不可なのです。けれど、ルアナがルアナとして生きているのは、記憶からの再現です。
 心的な違いなど、当事者が「私は本人である」と言ってのければ同一視しても大丈夫なんですよ。
 まあ、彼女の場合、ソレ以前の問題なのかも知れませんけど。

>>私は、  だ。
 果たして彼女は  なのだろうか。それとも……
 という続ける為の何かです。
 面倒になったら、ここでルアナを殺して一夏くんに過去を丸投げして、設定集でも書き上げます。

>>さあ、楽しみましょう。ルアナ
 戦闘を楽しむ前の儀式みたいなモノ……だと思ってください。それ程意味らしい意味はないです。ちょっとした贖罪みたいなモノ



以下次回予告的なネタバレという予定





 快楽を求める狂人。
 戦いの幕は軽々しく上げられ、狂人は自身を満たしていく。
 弱き者を助ける訳でも無く、強き者を挫く訳でもない。
 ソレは単なる戦闘だ。

 その行為にノイズが二つ。
 狂人にとって守るべき者。快楽を得る為には不要な者。
 ノイズ達は狂人を助ける為に手を伸ばす。
 伸ばした手は何を掴むのだろうか……。
 覚悟もない戦士が何を掴めると言うのだろうか。

 そして、狂人は叫んでしまう。憎々しい相手の名前を、天才と呼ばれた人間の名前を。
 狂人は一体、何を見て、何を得て、何を失うのだろうか。
 手に抱えたモノなど、もはや少ないと言うのに……。

次回、私が殺した彼女の話。
 未蕾開花(ミライカイカ)

 私はこの為に生きていたんだ。



※なお予告と本編に違う場所があっても当方は一切責任を負いません。


>>アトガキ
 シャルロットがヒロインしている……。
 あ、猫毛です。ノープロットとか言いつつも、しっかりと順序建てて行動している……筈です。大凡の矛盾は解消されていると思います。いや、まあ、ルアナの過去とか一夏との関係など、その辺りはまだまだ開示していないのですが。
 流石に学術的、物理的な理論の矛盾は大目にみて頂けると幸いです。私はしがない一般市民であり、師がある学者でもないのです。

 予告の最後の言葉である
「私はこの為に生きていたんだ」
という言葉。
この為に死ぬ、でもなく
この為に生きる、でもなく
この為に生きていた。
 そういう、自分の人生を引っ括めた結果論の言葉です。まあ、実際出るかどうかはわからないんですけどね。そこらへんは次の猫毛が頑張ってくれるでしょう。

 そういえば、予定的に言ってしまうと、次回が結構グロ注意な感じになると思うのですよ。拙いかなぁ。と作者は思っている訳なのです。

「……コイツ、今更何言ってんだ……」

 と読者様方に言われそうですが……。サブタイの横にでもグロ注意か前書きにグロ注意は書いておきます。忘れなければ、ですが。

 個人的にはさっさとこの臨海学校編を終わらせて、シャルロットとか、簪ちゃんとか、セシリアさんとか、鈴音とかとイチャコラしたい訳なんです。
 あとは過去話をする前に箒ちゃんの軌道修正をしないといけませんし…………ぐぬぬ。よもや彼女に悩まされる日が来るとは思わなんだ。

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