ケツアゴ作品番外及び短編集   作:ケツアゴ

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今更だけどナルトの螺旋手裏剣って使いすぎると自分も術が使えなくなるってリスクは何処に行ったんだろう? 伏線?


霊感少年 Fate編 ③

かつて滅びかかったブリテンを救ったのは一人の高潔な騎士だった。聖剣に認められ王となった騎士は騎士王と呼ばれ、その近くには円卓の騎士を名乗る勇猛果敢な騎士達が数多く居た。その中でも最強と呼ばれ騎士王から最も信頼された騎士。その名は―――。

 

「……まだ…まだ私を憎んでいるのですか、ランスロット!?」

 

「いや、ですから貴女は誰でしょうか? 申し訳ございませんが全く思い出せないのですが……。申し訳御座いませんが主が待っていますので私は此処で……」

 

ランスロットは少女と同時に手をかけてかつサンドを買い物かごに入れると会計へと持っていく。その姿を少女は涙を浮かべながら見ているだけしかできなかった。

 

「……私なんて王になるべきではなかった。故にお前なんて知らない、そういう事なのですね……」

 

 

 

 

「ふ~ん、知らない人に話しかけられたんだ」

 

「ええ、向こうは私の事を知っているようでしたが、私にはサッパリで……」

 

「はい、お兄ちゃん。クリームパン半分あげる」

 

ランスロットがマイルームに帰ると既に改築は終わっており、窓から見える風景はスイッチ一つで四季折々の風景を映し出し、今は桜が咲く見事な日本庭園を映し出している。ランスロットは紅茶を飲みながら先程の事を話し、ありすは興味がないのか食べるのに夢中だ。そんな中、買ってきた食パンと食材を使ってピザパンを作っていたグレンデルが話に入ってきた。

 

「なぁ、もしかして此方の世界のアーサー王だったんじゃねぇの?」

 

「はっはっはっ! まっさかぁ。王は男でしたし、大体それならモードレッドはどうなるんです? 流石にモルガン達が男ならウーサー王も自分の子を後継にするなんて出来なかったでしょう」

 

「いや、ガウェインやお前が偶々見た目が同じってだけで、その辺の流れは少し違うんじゃねぇの?」

 

「……ねむい」

 

ランスロットやグレンデルが話を進める中、お腹が一杯になって眠くなったありすはコクリコクリと船をこき始める。一誠はありすを抱き上げると彼女の部屋まで連れて行った。部屋に入るとグレンデルの手製のものと同じヌイグルミで溢れたファンシーな部屋で中央に子供用の可愛らしいピンクのベットが設置されている。

 

「……うわぁ、これデザインしたのグレンデルなんだよね? 正直言って……」

 

『邪龍とは一体何だったんだ?』

 

「まぁ、ロリショタ皇ホモペドンよりはましじゃない?」

 

『誰だ、それ?』

 

アルビオンの事などすっかり記憶の彼方に追いやったドライグは心底疑問といった声を出し、一誠は退屈なので散歩に出かける事にした。

 

 

 

 

 

「ふんふんふ~ん♪」

 

死神の服装で素顔を隠した一誠は調子外れの鼻歌を歌いながら校舎を散策する。この学校では何故か戦いがあるというのに授業があるのだが、今は昼休みなので廊下に生徒の姿がチラホラと見える。そんな中、一人の少女が一誠の目にとまった。ウェーブのかかった長髪をした女生徒で、その魂は何処か妙だ。

 

「やぁ、こんにちは!」

 

「……こんにちは?」

 

一誠にに話しかけられた女生徒は戸惑いながらも挨拶を返す。やはりサーヴァントに話しかけられた事に動揺しているらしく、何処か挙動不審だ。

 

「ねぇ君、名前は?」

 

「岸波…白野」

 

「我が奏者から離れろ、下郎」

 

少女…白野が名乗ったその時、彼女のサーヴァントが姿を現した。小柄な少女で赤いドレスを着ており、スカートはスケスケで半ケツだ。

 

「うはは! 痴女だ! 痴女のチビが居るっ!」

 

「ええい! 其処になおれ!」

 

「落ち着け、セイバー。ここで戦ったらペネルティを喰らう」

 

少女のサーヴァントであるセイバーは一誠にに切りかかろうとするも、白野の静止でなんとか止まった。

 

「……むぅ。しかしだな奏者よ。相手は敵のサーヴァントだぞ。敵マスターである其方を狙ってないとも限らん。もう少し警戒をだな……」

 

「え? その子マスターなの? いや、N…」

 

「と・に・か・く! これ以上奏者に関わるな! あと、もう一度余の事をチビと言ったら絶対に切るからな!」

 

セイバーはプンスカ怒りながら白野と一緒に去っていった。

 

「……気付いていて無いんだな。ま、どうでも良いや」

 

一誠も直ぐに白野から興味を失い、その場から去っていく。次に屋上にたどり着くと赤い服を着た少女がお弁当を食べていた。

 

「サーヴァント!?」

 

「……うわぁ、人の姿見た途端に驚くなんて失礼だなぁ」

 

「……マスターが近くに居ないしアサシンかしら? いや、アーチャーという可能性も……」

 

少女は何やらブツブツと呟きだし一誠をジロジロ見出す。そのままお弁当に手を伸ばし、うっかり引っ繰り返してしてしまった。

 

「無能姫といい、この子といい、さっきのセイバーといい、俺と敵対する赤い服装の女って変なのばっかり……」

 

流石にお弁当が七割ほど残っている時点で引っくり返してしまった事に同情した一誠は残ったパンを投げ渡した。

 

「あげる」

 

「あ、ありがと。って、どういう魂胆かしら? 敵に食べ物を与えるなんて。さっき会った白野ってこといいあなたといい、聖杯戦争がどういう物か分かってるの?」

 

「暇潰し」

 

「なっ!?」

 

一誠の返答に少女は驚きを隠せずに固まっている。

 

「俺や俺のマスターは暇潰しの為に参加したんだ。……何か文句ありそうだね。霊体になって姿を隠している青タイツを俺に嗾けてみる?」

 

「……ランサーの事を見抜いた!? 貴方、何者っ!?」

 

「いや、これは戦争なんだから情報与える訳無いじゃん。じゃあね!」

 

一誠はフェンスを飛び越え、屋上から校庭へと飛び降りる。その姿を赤い服の少女は警戒した眼差しで見つめていた。

 

「……特に厄介なのはレオやユリウスだと思ってたけど、アイツも厄介ね」

 

その後、一誠は色黒の少女や五月蝿い宗教家、ピエロの姿の女性と出会い、何か嫌な感じがしたので尼僧っぽい女性を消去してマイルームに戻って来た。

 

「ただいま~」

 

「お帰りなさい、あ・な・た♥ ご飯にする、お風呂にする、それとも……あ・た・し?」

 

「いや、ご飯はさっき食べたでしょ、黒歌」

 

一誠は裸エプロン姿の黒歌の横を通り過ぎ、後ろから抱き抱えると部屋まで運んでいく。黒歌は空中に向かって叫んだ。

 

「にゃははははは! この映像を見ている本物の玉藻とベンニーア! 一誠を独り占めできるの羨ましいかにゃ?」

 

 

 

 

 

《……ムカツクでやんすねぇ》

 

「コピーがご主人様を独り占めしてるし、本物は今晩不参加という方向にしましょう」

 

「ぎにゃっ!? い、いや、あれは私であって私じゃ……」

 

 

そして次の日、掲示板に対戦カードが表示された。

 

 

 

 

一回戦 レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ対ありす

 

「あ、昨日のお兄ちゃん!」

 

「おや、一回戦の相手は貴女ですか。……大丈夫。貴女の犠牲は無駄にはしませんよ。行きましょう、ガウェイン」

 

「はい、レオ。あの少女が私の事を知っていた事は気になりますが、些細な問題ですね」

 

レオとガウェインは既に勝ちが決まったような口振りでダンジョンへと向かっていく.その後ろし型を見るありすは頬を膨らませた。

 

「勝つのはわたしだもん!」

 

ありすも急いでダンジョンへと向かっていく。その後ろをコート姿の男性が尾行していた……。




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