ケツアゴ作品番外及び短編集   作:ケツアゴ

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俺屍2購入! そして感想 タコとムカデ。またお前らか!


悪魔と秘密道具 ⑤

「あらら~、因果もキッツイ事言ってるわね~♪」

 

「……珍しいですね。因果さんが彼処まで嫌悪感を露にするなんて……」

 

「いや、あの女達って因果が嫌うタイプじゃない。そんなのに侮辱されたらキレるにゃ」

 

侵入者収監用の結界房は家から中の様子を見る事ができ、一触即発の房内の様子を黒歌と白音は眉にシワを寄せながら眺めていた。

 

 

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと因果っ!? グレイフィアに対して言い過ぎよっ!」

 

「はっ! 魔王の妻としての勤めも、メイドとしての勤めも中途半端な無礼者に対して言葉を選ぶ必要など無いだろう? 知っているぞ、そいつはメイドの時も主を叩いたりしているのだろう? 使用人としては及第点すら与えられん。メイドプレイは寝室だけにしろ、吐き気がするわっ! 第一、貴様に呼び捨てにする権利を与えた覚えはないぞ、馴れ馴れしい!」

 

因果は嫌悪感に染まった瞳で二人を睨む。リアスは思わず怯み、グレイフィアは不機嫌そうに睨み返した。

 

「……確かにこちらが無礼だったのはは認めましょう。ですが、お嬢様の身分を知った上での、その言葉は見過ごせません」

 

「ふん! 人間を拉致し奴隷にする事を黙認している貴様ら悪魔に払う敬意など無い! 貴様らが我々人間を路傍の石コロ程度の扱うのだから、こちらが貴様らに対してどの様な態度をとっても文句を言われる筋合いはないわ! ……これ以上貴様らの顔を見るのも腹立たしい。駒王学園の旧校舎に転送してやるから、二度と来るなっ!」

 

因果は相応なり振り返らずに部屋から出て行き、リアスとグレイフィアは旧校舎に転送されていた。

 

 

 

 

 

 

「何故お前らが俺の部屋に居る? ……ああ、房の様子を見ていたのか」

 

因果が部屋に戻ると黒歌と白音がベットに腰掛けていた。二人共下着で、黒歌は黒の下着を着ており、もはや隠すというよりも、より扇情的に見せている。横の白音は……将来に期待といった所だろう。

 

「……因果さん。あの女の下着姿を見ましたよね」

 

「その様な目で睨むな。あの様な女の下着姿を見ても何も感じんから、嫉妬などしなくて良い」

 

「ま、私達は因果が好きだから、他の女の下着姿を見られるのは腹立たしいのよ。で、私達も同じ格好をして印象を塗り潰そうとしたんだけど……無駄だったみたいにゃ♪」

 

因果はスタスタとベットまで歩くと、そのままフカフカのベットにダイブする。

 

「……俺は寝る。添い寝するなり好きにしろ」

 

「襲っちゃ駄目?」

 

「駄目。……その内相手してやるから寝かせてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、帰るぞ白音」

 

次の日の放課後、退屈な授業を終えた因果は荷物を纏めると一年の教室まで向かう。彼が来た途端、一年の女子生徒達が騒ぎ出した。

 

「あ、己道先輩よ! 今日も知的で素敵だわ!」

 

「白音ちゃん、お迎えよ! あ~、私もあんな格好良い人に毎日迎えに来てもらいたいなぁ」

 

既に飛び級で海外の大学を卒業し、母親同様に様々な発明をしている因果は知的で格好良いっと女子の間で噂されていた。……なお、彼の父親がマッチョオカマだという事は誰も知らない。

 

「……相変わらず騒がしいな。よく知らぬ相手に対して、何故彼処まで騒げるのだ?」

 

「……分かりません。私が好きなのは、よく知っている因果さんですから」

 

彼女たちの騒がしさに辟易とした表情を見せながら校庭を歩いていた。その横を歩く白音は平然と告白をし、周囲のモテない男子生徒達は悔し涙を流す。

 

「クソ! イケメン死ね! なぁ、元浜」

 

「いや、こう考えるんだ、松田。己道は女顔だから百合に見えるっとな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さて、呪い系の発明品でも考えるか」

 

「止めておいた方が良いですよ。我道さんは身内だからと手加減する人じゃありませんから」

 

「……そうだな。それを口実に組織の外部協力者から正式職員にされかねん。我が叔父ながらあの外道には恐怖すら覚えるよ。外面と本性の差があり過ぎだ。……帰りにカラオケでも行くか? クーポンが今日までなんだ」

 

発明品で儲けている因果だが、発明に掛かる費用はその中で自由に使えるも、遊びに使う費用は父である摂理によって制限されていた。彼曰く”子供にあまり大金を持たす訳には行かないわ”との事だ。二人が黒歌も誘おうと大学部の方に向かおうとしたその時、背後から声が掛けられる。

 

「やぁ、己道君。部長が昨日の事で謝罪と説明をしたいそうだから、部室まで来てくれないかい?」

 

声を掛けて来たのはリアスの騎士である木場祐斗。イケメン王子と呼ばれている美少年だ。

 

 

 

「久々にデュエットでも歌うか? 言っておくが今日は持ち合わせが少ないからあまり食うなよ?」

 

「……私も出しましょうか?」

 

「いや、俺が出そう。身内とは言え男女で行くのだから、男の俺が出すべきだ」

 

「えっ!? いやっ、ちょっと待ってくれないかい!?」

 

二人は彼を無視してスタスタと歩いて行き、木場は慌てて二人を追いかけた。しかし二人は止まらず、木場に前に回り込まれた時には不機嫌さを隠そうともしなかった。

 

「理由などどうでも良い。謝罪も結構。貴様らとは関わりたくない」

 

「……用事がある方がアポを取った上で来るべきです。その程度常識ですよ」

 

二人は再び彼の頼みを断ると校門から出ていく。木場もリアスから絶対に連れてくるようにと言われているので、慌てて追いかけると肩に手を伸ばそうとし、見えない壁に激突した。

 

「うわっ!? 結界!? でもそんな気配は……」

 

「貴様は馬鹿か? 普通、このような場所で結界を使う奴など居ないだろう。科学の力によるバリアに決まっているではないか」

 

「……因果さんってたまに一周回って頭悪いですよね。普通はバリアも使いませんよ」

 

「なっ!? この私に頭悪い……だと? この『バリアーポイント』を作り出す程の私がかっ!?」

 

因果はショックでその場で固まり、白音は彼を引きずって去っていく。暫くそのやり取りを呆然と見ていた木場が我に帰って追いかけるも、二人の姿は何処にもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……姉様は友達とボウリングに行きましたし、私達だけで行きましょう」

 

白音は何処か上機嫌な様子で鼻歌を歌い、因果の腕に出来ついている。これで彼女が小柄じゃなかったらカップルに見えるのだが、小学生程度にしか見えない今の体格では仲の良い兄妹程度にしか見えない。

 

「……数年経ったら彼処まで成長するのにな」

 

「……でしたら数年後まで待っていてください。彼方の方が好みですよね? 彼処まで成長できる体で良かったです」

 

「まぁ、その容姿も大事だが、中身が気に入らん奴や、よく知らん奴はいくら見た目が良くても何にも感じないがな」

 

二人はそのままカラオケ店に行き、存分に歌った後に店を後にする。するとチンピラに絡まれている男女が目に入って来た。

 

 

 

 

 

 

「分っかんねぇかな。テメェらみたいなのより、俺の方が其奴らを楽しませれるって言ってんだろ?」

 

「だからアーシア達はお前に付き合わないって言ってんだろ!」

 

「ちょっとシツコイわよ、貴方」

 

絡まれているのは一誠とアーシア、そしてジャンヌとレオナルドだ。そして絡んでいるにはホスト風の金髪の男性。放つ雰囲気から彼が悪魔だという事が感じ取れた。

 

「あ、あの私達は八咫烏の関係者です。あまりシツコイと、じょ、上司に報告しますよ!」

 

「はっ! たかが人間の組織程度がどうしたよ! 俺はフェニックス家の三男だぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

「……確かライザー・フェニックスだったか? ああ、あのビッチの婚約者だったな。……あれとの婚約を破棄する為に私を利用しようとしたのか。……とりあえず顔見知りは助けるか。……取り寄せバック~!」

 

「一々名前を言わないといけないんですか?」

 

「形式美だ。……白音、これを使え」

 

因果はニヤニヤ笑いながら発明品を取り出す。出したのはお尻を模した物体と手袋と指輪だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ、行こうぜ……あ痛ぁぁぁぁぁぁっ!? し、尻がぁぁぁぁっ!?」

 

「……痔?」

 

最終的にライザーはジャンヌの手を掴んで連れて行こうとし、急にお尻を押さながら飛び跳ねる。近くの建物の影では手袋の上から指をを付けた白音が尻状の物体にアイアンクローモドキを決めていた。

 

「……力を大幅に上げる『パワー手袋』、指の力を数千倍に上げる『ウルトラリング』、離れた相手の尻に攻撃できる『マジックお尻』。この組み合わせは作った私でも恐怖を感じるな……」

 

ちなみに白音はウルトラリングを薬指に、しかも因果に嵌めて貰うように頼んでいた。




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