ケツアゴ作品番外及び短編集   作:ケツアゴ

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この作品は徐々にアンチが強くなります 二巻だとリアスとグレイフィアに罵詈雑言吐く予定


悪魔と秘密道具 ②

その日、画期的は発明をした発明家を表彰する式典が開かれていた。その中でも表彰式の常連となっている女性科学者が一人居る。彼女の名は己道 束(おのれどう たばね)。人類最高の知能を持つ……社会不適合者だ。

 

「え~、では次の受賞者は己道 束博士ですが……今、居られません」

 

「……またか」

 

「……この所ずっとですね」

 

今回彼女が発表したのはあらゆる言葉を理解し、相手に聞こえる言葉も自動翻訳するというコンニャクと雨雲を作り出す機械の二つ。魔術的な現象を科学の力で再現した二つによって彼女は最優秀者として表彰される事になったのだが、毎年の如く表彰式に出席していなかった。

 

彼女は興味のない相手には全く関心を示さず、一円の価値すら見出さない。故に旅行とパーティのご馳走目当てにやって来たものの、途中で面倒臭くなって何時も抜け出しているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしもし、ひねもす? あ、白音ちゃん? 因果ちゃんかダーリン居る? ついでに黒歌ちゃんも」

 

そして、会場を抜け出した彼女はホテルのスィートルームのベットでゴロゴロしつつスナックを齧りながら電話を掛けていた。

 

「はい、居ます。でも、今用事がありまして。それで何か伝言でも?」

 

「うん! お土産は何が良いか聞いて欲しいのと、今晩九時に迎えに来て欲しいって伝えといて」

 

「分かりました」

 

「それでさ~、聞いてよ。有象無象が私に式に出席しろって五月蝿いんだよ。なんで私がそんな事しなきゃいけないのかな? パーティに出席してあげるだけでも感謝して貰わなきゃね✩ あ、君にもお土産買って帰るから楽しみにしといて」

 

束は楽しそうに笑いながら電話を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、因果と黒歌は偵察用の機械であるスパイ衛星で堕天使の様子を探っていた、魔術的なものに反応する結界はあっても機械は通し、電波を妨害する魔術も因果の発明品の前には無効化される。衛生は難なく教会内部に侵入し本体の画面が内部を映し出す。其処には堕天使らしい女性二人と少女一人が映っていた。

 

 

 

「此処のお風呂って狭いから嫌ね」

 

「あ~あ、本部の広いお風呂が恋しいわ」

 

「にしてもウチら大丈夫なんすかね? 危険な神器所有者の抹殺のついでに貴重な神器を手に入れるてヤバくないですか?」

 

三人は今後の計画を話し合っている。……それも風呂場でだ。衛星が侵入した頃を見計らって画面を付けた途端、三人のあられもない姿が映し出されていた。

 

 

 

そして、そのタイミングで白音がお茶を持ってきた。

 

「……覗きですか。最低です」

 

「いや、違うが? 偶々この画面が映っただけだ。……しかし興味深いな」

 

「背中を凝視してますね。背中フェチですか?」

 

「いや、奴らは翼を隠しているだろう? その術をなんとか応用できないものかと……閃いた!」

 

因果は突如叫ぶと研究室へと走って行き、後には黒歌と白音が残された。

 

「……結局、堕天使の目的は何だったんですか?」

 

「なんか回復系の神器を宿す子を騙して呼び寄せて神器を抜き取る気らしいにゃ。とりあえず異能者の組織には連絡したら、不法入国で逮捕した後に勧誘するって言ってた」

 

「殺しのターゲットにされてる人はどうするんですか?」

 

「忙しくて不正確な情報は動けないから放っておくそうよ。まぁ、因果は実験材料が欲しいって言ってたから手を出す気みたいだけど。……それより、白音。因果が堕天使の入浴シーン見てるの知って嫉妬したでしょ? ねぇ、悪戯しない?」

 

黒歌はニヤニヤ笑いながら白音の耳に何やら囁いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……風呂。なにか風呂に入りながら使える発明品は……」

 

その夜、因果が風呂に入りながら考え事をしていると扉が開いて黒歌と白音が入ってきた。

 

「にゃはははは! 風呂ではゆっくりしろって言われたでしょ?」

 

「……姉様、バスタオルが落ちそうです」

 

体に巻いたタオルがズレ落ちそうでも気にじていない黒歌と顔を赤らめながら因果の方を見ている白音はそのまま因果の隣に座る。因果は二人の体をジロジロと見ていた。

 

「……あまり見ないでください。恥ずかしいです」

 

「良いじゃない。私の体なら触っても良いわよ、因果」

 

「……いや、姉妹なのに肉付きに差があるな、と思ってな。こうして見るとハッキリ……」

 

その瞬間白音の拳が因果に放たれ、因果はそれを正面から受け止める。が、流石に種族の差からか力負けして手が痺れていた。白音は突き出した手を戻すと自分の真っ平らな胸を見ながら拗ねたような顔をする。

 

「……大人になったら姉さまの様になります」

 

「なら、今すぐなってみるか? 取り寄せバック~!!」

 

因果が取り出したのは距離を無視して目的の物を取り寄せられるバック。もっとも、因果特性のスタンプでマーキングをしておかなければいけないが。ちなみにそのバックを何処から取り出したかは秘密だ。そしてそのバックからは青と赤の二つのスイッチのついたロープが出て来た。

 

「ふふふふふ!」 

 

因果が笑いながら指を鳴らすと電気が消え、ロープをスポットライトが照らす。

 

「このロープこそ、人類の夢である若返りを叶える発明品! その名も、年の泉ロープ~!」

 

「どんな効果なのにゃ、博士?」

 

「ふはははは! このロープを繋いでボタンを押すと水が泉の如き湧き出る。そして、赤い水を百ml飲むと、一年歳を取り、逆に青い水を百ml飲むと一年若くなるのだ! ふはははは! では、試しにジョッキで飲んでみろ」

 

「……はい」

 

小猫は風呂から上がるとジョッキで一気に水を飲み干す。すると体がムクムクと成長し姉の黒歌と同程度まで成長した体になった。

 

「……どうですか? 姉様と同じ位……」

 

その瞬間、白音は足元にバスタオルが落ちているのに気付く。急成長前には軽く巻いているだけで良かったのだが、成長後は緩すぎて擦れ落ちたのだ。しかも成長した姿を見せ付ける為に因果の前で仁王立ちしており、色々見えている。流石の因果もモロに見たので顔を赤らめ鼻を押さえていた。

 

「キ、キャァァァァァ!!」

 

白音の蹴りが顔面に命中し因果は気絶する。その後、因果の父である摂理の手によって封印指定にされた。彼曰く、まだ人類には早すぎる、だそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「組織から連絡が有ったわ。例の少女を保護したそうよ。殺されそうになった事を聞かされて随分怖がっていたみたいだけど、今は落ち着いているんですって。組織に所属するかはまだ答えがでないそうだけど……あら? そろそろハニーを迎えに行く時間ね」

 

「ああ、分かっているぞ父さん。……どこでもドア~」

 

転移の術を参考に空間歪曲現象を利用して作った其のドアを開くと、空港に着いたばかりの束のすぐ前に繋がった。

 

「ただいま、ダーリン!」

 

「うふふ、お帰りなさいハニー!」

 

因果達の前にも関わらず二人はガシッと抱き合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒歌、醤油取ってくれ」

 

「オムライスに醤油? 其処はデミグラスソースでしょ!」

 

「……ケチャップこそ至高です」

 

仲は良いが味覚の好みはバラバラの三人であった。そして数日後、兵藤一誠と初めて出来た彼女(彼を殺そうとしてる)のデートの日がやって来た。

 




父親は ぷりぷりプリズナー 母親は篠ノ之 束 一応母親似です(笑) なお、因果はとある魔王を心底嫌悪しています。 さて、誰でしょう(笑)

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