ケツアゴ作品番外及び短編集   作:ケツアゴ

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悪魔の力を手に入れました……

青年は気づくと白い空間にいた。辺りには何もなく、目の前に机と紙と鉛筆が有るだけだ

 

「ここは? 私はベットに入ったはずですが……これが明晰夢という奴でしょうか?」

 

青年が首を傾げながら紙に目をやると、急に文字が浮き出た

 

「……やっぱり夢ですね。何何、おめでとうございます?え~と、あなたは厳選なる抽選の中、転生者に選ばれました。つきましては下記の項目にご記入ください。なお、転生先はランダムです。ただし、ファンタジー系の世界になっています。……二次創作の読みすぎですね。これはまたお約束な。まぁ、せっかくの夢なんだから楽しみましょう。ここは一つ、真面目に答えてみますか」

 

『質問①前世の記憶はどうしますか?』

 

「要りませんね。子供からやり直すのも抵抗がありますし。うわっ!?」

 

青年が記入した途端、質問①は消え、次の質問が現れた

 

『質問②特典はどうしますか?ちなみに、原作には関わります』

 

「それを最初に言ってくださいよ。じゃあ、ファンタジーという事で悪魔の力で……」

 

青年はそう言って『悪魔の力』と記入した。すると、その質問も消え、穴の空いた箱と共に次の質問が現れる

 

 

『3枚引いてね♥ キャンセルはできないよ♪』

 

「……うざっ!」

 

青年は渋々といった様子で三枚の紙を引く。その紙に書かれていた名前を読んだ瞬間、青年の顔は引きつった……

 

「……幾ら何でもこれは。いや、夢ですし、仮に現実だったとしても行く世界によっては、いや、しかし……」

 

腕を組み頭を悩ませる青年だったが、突如、足元の床が抜け

 

「こんな所までお約束ですかぁぁぁぁぁぁ!」

 

暗闇の中へ落ちていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二十数年後。一人の青年が大量の書類をこなしていた。彼はもの凄い速さで書類をこなしているが机の上にはまだまだ書類の山が積み上がっている。ついに限界を迎えたのか青年お手がピタリと止まった。

 

 

「支取さ~ん。この書類いくらあるんですか?」

 

「それで最後です、芥辺先生」

 

彼の質問に答えたのはメガネを掛けた真面目そうな女子生徒。彼は駒王学園という高校で生徒会の顧問をしており、目の前の彼女は生徒会長の支取蒼那という生徒だ。彼女の返答を聞いた彼――芥辺 薫は溜息をついて書類の山を見上げた。

 

「……明らかに生徒会以外の仕事も入っているのですが何故でしょう? この書類なんて理事長の仕事じゃないですか……」

 

「それは先生が優秀だからです。他の先生方は貴方に期待なさっていらっしゃるのですよ」

 

「……これは単に押し付けられているだけでは? 私は貴方達悪魔と違って人間だから体力の問題があるというのに……」

 

そう、彼の言った通り生徒会長は、いや、生徒会のメンバーは彼以外悪魔なのだ。それどころか理事長なんて魔王でもある。なぜ彼がそんな事を知っているかと言うと、それは彼の少年時代にまで遡る。

 

 

 

 

 

「……なんだこりゃ?」

 

それは田舎の祖父の家の蔵に入った時の事だった。突如棚の上から落ちてきたのは一冊の本。中に書かれているのは彼が知らない文字にも関わらず何故か内容が理解できた。そして彼がその本のことを理解した時、その本は彼の体の中に吸い込まれていった……。

 

 

 

 

 

 

 

「(……あれから大変でしたよね。本を狙う奴らに襲われて悪魔やらの事を知っってしまいましたし)」

 

彼は昔を思い出しながら書類を片付ける。その速さは某悪魔の執事のようだった。彼は昔から何かとスペックが高いのだ。もっとも、薫と某執事では体力やらの差がありすぎて頭で分かっているのに体が追いつかず、とても敵わないが。そして薫が何気なく本を出した時、生徒会のメンバーが一斉に青ざめてその場を飛び退いた。

 

 

「先生! その本を出さないでくださいと何度も頼んだではないですか! 私達悪魔がもし触れてしまったらただでは済まないんですよ!?」

 

「あ、すいません」

 

薫は慌てて本を仕舞う。実はこの本に悪魔が触れてしまった場合、とんでもない厄災がその悪魔を襲うのだ。その為、彼を狙う者達は多い。悪魔の敵対者や本を危険視する悪魔達。最も、本は破壊できず使用者が死んだら次の使用者に移るようになっているので、理事長とは違う彼の知り合いの魔王は彼を監視する意味合いも兼ねて生徒会に入れたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその夜、薫はとある廃屋にいた。明らかに血の匂いを漂わせる女性に誘われて廃屋に入った途端、彼女が怪物になったのだ。

 

「ヒヒヒ、美味ソウダ」

 

怪物は上半身は女性の裸体。下半身は獣の様になっており、両手には槍を持っている。そして怪物は薫を踏みつぶそうと足を振り下ろす。

 

 

 

 

 

「……『暴虐』」

 

だが薫が本を出してそう唱えた途端、彼の腕が膨れ上がり怪物の足を受け止める。重量によって床がヒビ割るも彼は平然とした顔をしていた。

 

これが薫が本で手に入れた力の一つ『暴虐』。最もこの怪力は副産物に過ぎず、真の力は別にあるのだが。薫は片手で怪物を投げ飛ばすと目を見開く。

 

 

 

「『暴露』!!」

 

その瞬間、腹の鳴る音と共に怪物は腹を押さえて悶えだした。

 

「ハ、腹ガ痛イ!?」

 

「ふふふふふっ! これが『暴露』の力の一端! 強制脱糞! ……何格好つけて言ってるんでしょうか。では、トドメです! ソード……」

 

 

 

 

 

「出てきなさい、ハグレ悪魔バイサー……って芥辺先生?」

 

「ああ、今晩わ、グレモリーさん。部のメンバーと一緒という事は貴女の獲物でしたか?」

 

「え、ええ。先生は何で此処に?」

 

突如乱入してきたのは赤髪の少女。彼女の名はリアス・グレモリー。彼女も悪魔である。後ろには同年代の少年少女達がいた。

 

「私はアイツに誘われましてね。明らかにヤバそうだったので一般人に被害が出る前にと思ったのですが貴女の仕事でしたらお譲りしますよ。さっ、どうぞトドメを」

 

「……あの職能を使いました?」

 

「……ええ」

 

リアスは哀れむような目で怪物――バイサーを見る。そして溜息をつくと掌からドス黒い魔力を放出した。

 

 

「せめてひと思いに殺してあげるわ……」

 

その魔力はバイサーを包み込んで消し去る。消しさられる際にバイサーは言った。

 

「……アリガトウ」

 

どうやら腹痛に耐えながら嬲られるよりは何倍もマシだと思ったようだ……。リアスは一息つくと薫がいた方を振り返る。

 

 

「では、先生。詳しい話を……てっ、居ない!?」

 

リアスが振り返ったときには薫の姿は綺麗に消え去っていた。これが彼の力の一つ『隠匿』である。

 

 

「さっ、話は面倒くさいし早く帰って寝ましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

薫の能力

 

① セバスチャンの事務等の能力(身体能力除く) 黒執事

 

② グリモア及び悪魔の職能(モロクの怪力やルシファーの口からの光線など職能中に悪魔の力を得る。自分へのグリモアの罰則なし) よんでますよ アザゼルさん これは本を手に入れた時に手に入れた

 

③ 魔界戦記ディスガイアの超魔王バールの技(sp不要) こっちも本と同時に手に入れた

 

 

 

 

続かない

 

 

 

 

 




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