ケツアゴ作品番外及び短編集   作:ケツアゴ

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従者が金ピカと青タイツと半裸だったら…… ⑫

「やぁ、君が神田くんだね? 初めまして、私の名前はサーゼクスだよ」

 

「人違いです。じゃあ、急いでいるので」

 

授業参観から幾日かたったある日、アーシアと買い物に出かけていた柳はサーゼクスと出会った。後ろにはグレイフィアと一誠が織り、一誠はアーシアとデートしていると思って嫉妬の念を送ってきている。そして、柳はサーゼクスに対して嫌悪を隠そうともせず、話したくないとばかりにさっさと離れていった。しばし呆然としていたサーゼクスだが慌てて柳を追いかける。

 

「いや、人違いじゃないよね!? 君に頼みがあるんだけど、今度の三勢力会談に出席して欲しいんだけど」

 

「その事でしたら既にアザゼル総督やミカエル様からご依頼を受けています。貴方に頼まれるまでもありませんよ」

 

柳は素っ気ない態度でそう告げるとアーシアの手を引いてその場を離れていった。、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って訳で会談に出席しますが何方かお一人について来て頂こうと思います」

 

その日の夜、柳は夕食の席で三人にそう告げる。するとエネルが首を傾げながら聞いてきた。

 

「なぜ一人なのだ? 三人共行けば良いではないか」

 

「いや、貴方方全員を連れていったら明らかに過剰戦力じゃないですか。それで空気が悪くなって会談がご破産になったら今後の仕事に差し支えます。仕事に見合った報酬しか寄越さない悪魔が滅びようが別に良いですが、今後の付き合いも含めて多めに報酬を出してくださる堕天使やボッタクリ価格で販売しているから高く転売できるアイテムをくださる天使に何かあったら事です」

 

「その程度のこと何を気にする必要がある? 我の黄金率があれば生活には困るまい。雑種どもに気を使う必要など何処にもないではないか」

 

「いや、スキルに頼ってばかりだとダメ人間になりそうなので。……それに父親の臑齧りみたいで嫌ですよ」

 

「……フン」

 

柳の言葉にギルガメッシュは興味なさげに鼻を鳴らすがその口元はわずかに緩んでいる。どうやら父親呼ばわりされたのが嬉しかったようだ。その様子を横から見ていたエネルとバルバトスはニヤニヤしながら口を開いた。

 

「なら、我が共に行ってやろう。貴様の『心綱』は未熟だからな。余計な真似をするバカがいてもすぐに察して排除してやろう。ヤハハハハハハハハ!」

 

「フン、何を言っているぅ? 護衛なら軍隊経験のある俺が適任だろぅ」

 

「あっ、ならお二人の何方にお願いしますね。ギルさんはアーシアさんと一緒にお留守番お願いします」

 

「なっ! お、おい、我を連れていかんのか……?」

 

柳の言葉にギルガメッシュは明らかに狼狽し、その様子を見た柳はバレないように口元を緩ませる。バルバトスやエネルも同じようにしている事から共謀して彼をからかっている様だ。

 

「お気を使っていただかなくて結構ですよ。王を名乗る有象無象共の所になんて行きたくないでしょう? アーシアさんも危険ですから残っていてくださいね。多分妨害が入りますから」

 

「わ、私は柳さんと一緒に居たいです!」

 

「……駄目です」

 

「わ、私だって戦えます! 今日だってグランヴァニッシュを覚えたんですから!」

 

「……わ、私が覚えるのにドレだけ掛かったっと。クソゥ、これが才能の差か。兎に角駄目です。……何か一つだけお願い聞きますから我慢してください」

 

その時、アーシアの目が輝く。それは獲物を前にした肉食獣の目だった。

 

「あっ、なら今夜から一緒に寝て下さい。……駄目ですか?」

 

今度は小動物独特の瞳。更に上目遣いでモジモジしながらというコンボだ。その仕草に思わずドキリとした柳はバルバトスの方をチラリと見る。すると嘆息を吐きながらもサムズアップを返してきた。ただし、羽目を外すなよっと目で語りかけながら……。

 

「……仕方ありませんね」

 

「本当ですか!? ふ、不束者ですが宜しくお願いします!」

 

「いや、結婚を申し込む訳では……いや、しかし、いい年こいて同衾しておきながら……あっ、会談の時にはギルさんに来て頂きますね」

 

「……我は留守番ではなかったのか?」

 

一人だけ頼りにされず、あまつさえ途中で放って置かれた事により拗ねたしまったギルガメッシュはプイッと顔を背ける。その声には鳴き声が僅かに混じっていた。

 

「いえいえ、貴方を差し置いて王を名乗る不届き者共に真の王の姿を見せてやってくださいよ、英雄王」

 

「……仕方ない。態々我に足を運ばせる非礼を働くのだ。当然その晩は我が所望する物を作るのであろうな?  満漢全席だ。それ以外は認めん!」

 

「ええ、お任せ下さい。英雄王である貴方が自らの宝物庫に入れるに値するとまで褒めたたえた私の料理の腕、しかとお見せ致しましょう」

 

「そうか、せいぜい励めよ。さて、我は少し散歩に行ってくる。共は要らんぞ」

 

ギルガメッシュはそう言って立ち上がるとそそくさと出かけていく。本人は隠しているつもりだが、柳たちの耳にはしっかりと彼の鼻歌が聞こえていた。

 

 

 

 

「……やはりアヤツはチョロイな」

 

「甘すぎだぁ」

 

「チョロ甘ですね♪」

 

 

 

「……アーシアさんも染まりましたねぇ。可哀想に、もう戻れませんよ」

 

「大丈夫です! 柳さんと一緒ならたとえどんなになっても平気です。私、貴方の事が好きですから」

 

「……そうですか」

 

満面の笑みで告白してくるアーシアに対し、柳は恥ずかしそうに顔を背けながら返事をする。その光景をバルバトス達はニヤニヤしながら見ていた。

 

 

 

「ヤハハハハ! 青春だな。ところで貴様は好きな相手は居たのか?」

 

 

「他の奴に取られたぁ」

 

「……すまん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその晩、ベットの上にはウキウキとしているアーシアと落ち着かない様子の柳の姿があった。男所帯で知識はあっても女性に免疫のない柳と教会出身で知識が皆無な為に反対に行動に枷がないアーシアという二人は態度こそ違うも相手を意識していた。

 

 

「それじゃあもう夜も遅いので寝ましょうか」

 

「あっ……」

 

柳はそう言うなりアーシアに背を向けて寝転がる。それを見たアーシアは表情を僅かに曇らせるもそのまま電気を消し、そのまま柳の背中に抱きついた。

 

 

 

 

「ちょっ、アーシアさん!?」

 

「……柳さん。私は貴方に助けて頂いて死なずに済み、今もお世話になています。最初は恩と行為が一緒になっていたのかもしれません。でも! 今まで貴方と一緒に過ごしてやっぱり貴方が好きだと気付きました!」

 

そう言ってアーシアは抱きつく力を強め、柳は背中越しに彼女の鼓動を感じていた。

 

「……私も貴女が好きです。一緒に過ごす内に貴女の事ばかり考えてる時がある事に最近気付きました」

 

「じゃあ、こっちを向いてください」

 

「……恥ずかしいので嫌です」

 

「なら、私が背を向けるので貴方が抱きしめてください。……駄目ですか?」

 

「……分かりました」

 

柳は赤面しながら了承し、今にも折れてしまいそうな程華奢なアーシアの体を優しく抱きしめる。その時、アーシアは赤面しながら柳の方を向き口を開いた。

 

「あ、あのお願いが。……まだ私は世間知らずで男性への警戒心が少ないので、男性が女性に対してどういう事をしたがっているかを教えて頂けませんか? 私、柳さんに教えて頂きたいです。……駄目ですか?」

 

アーシアが瞳を潤ませながらそう尋ねた時、柳が彼女の向きを変えて抱きしめて口付けをした。

 

「……まだ学生の身ですから途中までです。それで良いですね?」

 

「……はい。……あの、優しくしてくださいね?」

 

アーシアは少々不満そうだが了承し、柳はパジャマの下から手を入れて彼女の体をまさぐる。アーシアはそれに応えるかの様に彼を強く抱きしめた。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝に起こしに来たバルバトスに途中までした事が明らかなその姿を見られ、こっぴどく叱られたのは言うまでもない

 

 




次は赤髪にしようかな?

意見 感想 誤字指摘お待ちしています


思いついたネタ 舞台はハイスクールdd

①神様転生で強力な悪魔の力を欲したら、「よんでますよ、アザゼルさん」の悪魔の力だった 結構チート?

② ソウルクレイドルの例の黒剣(ギグ封印中)を手に入れた気弱な少女 なんだかんだ言って甘いギグに甘やかされつつ平和に生きるが色々巻き込まれる 「ギグが居れば大丈夫…多分」 『多分ってなんだよ多分って!? しっかりしろよ相棒』

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