ケツアゴ作品番外及び短編集   作:ケツアゴ

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福袋でコアトル狙って好きな声優の太陽王ゲット

心臓足らず、代わりに男必殺下姉様育成 心臓足りない


仕方ないのでアンメアレベルマフォウマ 嫁セイバー育成中 ランタン取りに冥界行ってきます。 種火は集まるが素材がQPがぁ


兵藤家のバグキャラ長男  ⑤

「起きて、起きなさい」

 

 微睡みの中、体を揺り動かされて目を覚ます。見慣れぬ寝台の中で驚いたが、よーく考えりゃハニーの神殿の中だったな。もう朝かと窓の外を見て見りゃまだ暗ぇし、どうしたってんだ?

 

「まだ早くねぇーか? 其れとも・・・・・・・続きか?」

 

 昨晩は・・・・・・・まぁ凄かったな。今でも事の最中のハニーの姿が頭に浮かぶし、続きってんなら歓迎だがよ。

 

「うーん、レーカンがそっちが良いなら私も歓迎ですガ、見せたい物が有るのデース」

 

「そっか。なら起きるとするか」

 

 少し照れた笑顔で”どうする?”、と訊いてくるハニーは魅力的だが、誘惑を振り払って起き上がる。・・・・・・・あっ、パンツどこだ? 寝転んだままベッドの下に手を伸ばし手探りで下着や服を探した俺は直ぐに着替えると起き上がった。

 

「良いの?」

 

「ハニーがわざわざ見せてくれるってんだ。見なきゃ駄目だろーがよ」

 

 不意に肩を抱き寄せられキスをされる。普段は年上ぶってる癖にこういう甘えてくる所も良い女なんだよな。

 

「えへへ、お早うのキスデース」

 

「朝から愛しの女神様の祝福たぁ景気が良いな。こりゃ良い日になりそーだ」

 

 まぁハニーが居る時点で最高の日、其れも上限が日々限界突破してるがな、と言ってみたらまた照れ顔で笑うハニー。どーも急いでるみてーだから俺からも一回だけキスするだけで止めといた。

 

 

 

 

 

「もう直ぐ着くわ。本当に凄いんだから」

 

 そろそろ朝焼けが大地を包みだす頃、目的の場所は少し遠いからと飛龍に相乗りして進む。どーも慣れておく必要があるとかで手綱を俺に握らせ、ハニーは背後から手を回して補助してくれてんだが、密着してるから背中にダイレクトに感触が伝わってくる。ああ、俺もイッセーの奴同様に胸が好きだ。だからまぁ、練習は苦にはならねぇ。

 

「んで、どんな所なんだよ?」

 

「焦っちゃ駄目よ。着いてからのお楽しみデース」

 

 耳に息がふっと吹きかけられ背筋がゾクリとする。流石に手綱を放すようなみっともねぇ真似は出来ねぇから必死で掴む。そうこうしてる内に言われていた目印の岩が見えてきた。

 

 

「・・・・・・・すげぇ」

 

 自分でも月並みな感想だと思ったけどよ、其の光景を見てそう言うしか出来なかったんだ。飛龍が降りたったのは猫科の猛獣に似た岩の直ぐ側。丁度顔が向いている方向で其の光景が広がりだした。

 

 切り立った崖の下に澄み切った綺麗な湖があって、岩山の向こうから朝日が射し込むと曇り一つ無い鏡のように反射してキラキラ光ってやがる。まるで太陽がもう一つ有るみたいで、俺は見惚れて立ち尽くしていた。

 

「この辺りは岩山の影響か気流が安定しなくってヘリも近付かないから、この場所を知っている人間は少ないわ。どう? 綺麗でしょう?  私のお気に入りの場所だから、貴方にもみせたかったの」

 

「ああ、綺麗だ。今までこんな綺麗なモン見た事ねぇよ」

 

 湖に現れたもう一つの太陽。其の光は空の太陽の光と一緒に大地を照らし、其の光を受けたハニーはこの世の何よりも美しいと、そう思った。・・・・・・・流石にこっぱずかしいから口には出さねーけどな。

 

 

 

 

「そうそう。こういったシチュエーションで婚約者に言うこと無いかしら?」

 

「お前も綺麗だぜ、ハニー」

 

「もー! こういう時は"お前の方が綺麗だぜ”、位言うものですネ!」

 

「お前の方がずっと綺麗だ。抱きしめて良いか、ハニー?」

 

 恥ずかしいとは思ったが、求められてんなら言わなきゃならねーだろ。だから素直に言うとハニーは恥ずかしそうに頷く。まっ、本当に言うとは思ってなかったんだろーな。それにしても・・・・・・・やっぱ此奴は最高の女だって、そう思うよ。

 

 

 

 

(やっぱり貴方は素敵ね。私、この光景こそが何よりも美しいと思ってたけど、其れよりもずっと・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!」

 

 部長の意思で増築したイッセー君の家、其の地下には本格的なトレーニングルームが有る。前から彼が思いっきり体を鍛えられる場所が欲しいって言ってたから造られた其の場所で、僕とイッセー君は彼のお兄さん相手に模擬戦を行っていた。

 

 何度目の一撃、踏み込みも剣を振るうモーションも全て僕が出しうる最高の一撃。其れをイッセー君を片手で投げ飛ばした時に向けられた背中に放つ。勿論歯引きはしているけど、悪魔の身体能力で放つ特別頑丈に創った魔剣の一撃だ、普通の人間に対処できる筈が無い!

 

 

 ・・・・・・・無いんだけどさっきから避けられたり逸らされたり真正面から受け止められたりしてるんだよね。あっ、僕の方を向かないまま叩き込まれた肘鉄で魔剣が砕かれたや。部長が彼やイッセー君の家系を調べたけど、特別な血も引いてないし、異能とも縁がない。それどころか神器すら持っていない正真正銘の一般人なんだ。

 

 

『武術経験? 有るぞ。ダチが飽きた通信教育の教材を色々借りたり、テレビや雑誌でそーいう特集見て真似たりしたんだよ』

 

 お兄さんの言葉を思い出しながら思う。一般人ってなんだろうって。数秒後、振り向きざまに掴まれて投げられた僕は壁に思いっきり激突した。

 

 

 

 

「行くぜ、兄貴!」

 

「おっ! 力がまた上がったか。さっきの6倍って所だな。なら、十倍気合い入れてねじ伏せる!!」

 

 あんなお兄さんを普通だと言い切るイッセー君も普通じゃない。彼に憧れて鍛えていたそうだけど、其れでも一般人だった彼がいくら強力な神器を持っていて、その上本当にギリギリとは言えライザー・フェニックスに勝っちゃうんだから異常な成長速度だ。

 

 でも、お兄さんと比べたら普通だ。最初、イッセー君一人でも神器を活用すれば食らいつけた、僕とのコンビネーションも次第に磨きが掛かって追い詰めていた時も有ったんだ。

 

 でも、もう勝負にならない。今も最大まで倍加したイッセー君が正面からの力比べで押し負けている。お兄さんの強さだけど、戦っていて分かった。ただ単純に剛く、堅く、疾く、そして巧い、其れだけだ。たった其れだけで種族の差なんて簡単に覆し、途轍もない速度で成長を続けている。

 

 ・・・・・・・普通ってなんだろ? 考える方が馬鹿馬鹿しくなって来たや。コアトルさん(そう呼ぶように言われた)は何か知ってるみたいだけど・・・・・・・。

 

 

 

 

「兄貴、もう一回だ! まだマトモに一撃も入れてねぇ!」

 

 僕はもう体がガタガタなのにイッセー君は元気だなぁ。まだ戦えるって膝が笑っているのに言っているや。

 

 

 

 

「あっ、悪ぃ。アーシアちゃんに菓子作り教える約束してんだわ。・・・・・・・アプフェルシュトゥルーデルは流石に早いからタルト・タタンから始めっかな」

 

 あっ、お兄さんのお菓子は腕に自信があった部長が自信を失うレベルで美味しかった。ついついたべちゃうんだいよね。・・・・・・・翌日、体重計から降りた部長とアーシアさんが青ざめていたらしい。

 

 

 しかし、笑い顔が獅子舞やナマハゲの類みたいだったりキャラの濃い人だと思う。たぶん、彼くらい濃い人とは二度と会わないんじゃ無いかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時、僕はそう思っていた。二人の幼なじみの女教師と会うまでは・・・・・・・類は友を呼ぶって本当なんだね。




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