銀河英雄ガンダム   作:ラインP

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Fateは原作のZeroが一番好きです。続編のSNもかっこいいキャラ出てくるんですが、主人公くんが微妙。
Zeroが売れたからって二番煎じで作られたけど、子供受けを狙って主人公を若くしたんだろうね。
でもアーチャーとランサーは好きです。


第七話 失われた半身の為に

シェーンコップとアカツキ改の激しい戦いが行われている頃。

 

アークエンジェル、最高級VIPルーム。

 

照明が落とされて窓からは綺麗な夕日が差し込む部屋の中。

窓の外には接舷している無数の揚陸艇が見えるが、部屋の主はそれを意に介さない様子で、ただベッドの上で寝息を立てる青年たちを慈しみの眼差しで見ている。

 

ベッドの上で静かに寝息を立てているのは、キラ・ヤマト、アスラン・ザラー、イザーク・ジュール、シン・アスカ、レイ・ザ・バレル、アンドリュー・バルトフェルドの7人。

 

それぞれ、全裸で満足しきった恍惚な笑みを浮かべ寝入っている。

 

部屋の主、時の賢者シズコ・ヤマトもまた全裸の上にガウンを羽織り、ソファーの上でワインを飲みながら優雅に寛いでいる。

 

「パスはちゃんと繋がってるわね」

 

ポツリと呟いた彼女に姿なき声がかけられる。

 

「この時代の英雄、死後を守護者になることが決められている逸脱者、それを7人分。そんな膨大な魔力を受け止めれる君の才能には恐れ入る」

 

「これぐらいしないとあの金髪の獅子には勝てそうにないものね、それにしても未来の守護者の魔力で呼び出されたのが別世界線の守護者とは皮肉がきいてるわ」

 

「あの母にしてこの娘ありか。まさか親子二代に渡ってこき使われるハメになるとはな。だが私を簡単に御せるなどと思わんことだな」

 

「まぁお手柔らかにお願いしますわ、お父様」

 

 

---

 

 

 

同時刻

 

ドンッドンッドンッ!

ドンッドンッドンッ!

ドンッドンッドンッ!

ドンッドンッドンッ!

ドンッドンッドンッ!

ドンッドンッドンッ!

 

青い空に儀礼兵の弔砲の音が響く。

その数、21発。

故人がどれだけの人望があったのか、それが伺える数である。

 

ここは帝国首都星オーディン、高級貴族用墓地ヴァルハラ霊園。

そこで慎ましくもしめやかにミッターマイヤー上級元帥(2階級特進)の葬儀が行われていた。

 

「ミッターマイヤー様は私に最後まで希望を捨てるな。生き恥を晒してでも人類の勝利のために戦えと言って私を脱出ポッドに載せ敬礼を送ってくれたのです。一緒に逃げようと私が進言しても、艦長である自分はこの船と最後をともにする義務があると頑ななまでに拒み、旗艦と最後をともにしたんです」

 

ミッターマイヤーの副官が彼が生前どのように勇敢に戦ったのかを涙を流しながら語っていた。

それを聞いている彼の部下たちは嗚咽を漏らしながらやけ酒を煽っている。

 

その片隅で、ロイエンタール提督が静かにはらはらと涙を流しながら佇んでいた。

彼の胸中は愛すべきミッターマイヤーが亡くなった悲しみと、それを謀ったラインハルトへの憎しみの2つの感情が渦巻き巨大なうねりとなり、そして自らを復讐の凝縮態へと変貌させていった。

 

 

 

---

 

 

 

1時間前、首都星オーデン、衛星軌道上、ロエインタール艦隊旗艦、執務室

 

「なんだと!ミッターマイヤーが死んだだと!」

 

寝耳に水な言葉を聞かされ思わず激高して立ち上がるロイエンタール。

それに対して無表情ながらどことなく沈痛なふいんきを漂わせるオーベルシュタイン。

 

「はい、ミッターマイヤー上級大将、いや今は二階級特進してミッターマイヤー上級元帥ですな。彼はラインハルト陛下の無謀な命令によって単艦で敵の基地へと攻撃を命じられ、奮戦の末惜しくも戦死されました」

 

その言葉を聞き、常に冷静沈着なロイエンタールが珍しくも顔を青くしたり赤くしたり、口をパクパクとあけしめしたり、まさに混乱の心地である。

 

「我が友…ミッターマイヤーが…そんな…まさか…」

 

信じたくはない、そんなことは信じたくはない、そんな様子できつく目をつぶり、頭を左右に振るロイエンタール。

そんな彼にオーベルシュタインはズボンのポケットからハンカチーフを取り出し、ロイエンタールへと差し出す。

そのハンカチーフを開けば、そこにあったのは。

 

「これは!ミッターマイヤーの髪!まさかこれは…」

 

「はい、ミッターマイヤー提督の遺髪になります。ミッターマイヤー艦隊全滅の報を受け、至急御遺体を探しに戦場を捜索いたしたところ、戦艦は高出力のビーム兵器で破壊されており、兵たちの遺体もほとんど蒸発したりバラバラの状態でありました。そんななか、なんとかミッターマイヤー提督の遺髪を見つけ、それを持ってミッターマイヤー提督が戦死したことを認定、ラインハルト陛下に報告したのですが…」

 

 

『ええい、私の栄光ある常勝不敗の戦歴を汚すやつなど配下などとはいえん、ミッターマイヤー?聞いたことがないな。データベースにも乗ってないぞ。汚らわしい髪など持ってくるな』

 

「そのように言われ、ラインハルト陛下はミッターマイヤー提督の遺髪を土足で踏みにじりました。小官は悔しくて仕方がなく、こうしてミッターマイヤー提督の旧知であるロイエンタール提督のもとに馳せ参じたのです。ラインハルト陛下は次期皇帝の器にあらず。ロエインタール提督こそ、この銀河英雄帝国をまとめ上げ、皇帝となるに相応しい王者と考えております」

 

「おのれ・・・おのれ、ラインハルトぉぉぉ」

 

「ですが、ロイエンタール提督、唯一つだけ、朗報があります。実はラインハルト陛下が狙っているものが分かったのです。それは・・・」

 

 

 

----

 

 

 

彼、ミッターマイヤーとの出会いは唐突でそして鮮烈だった。

 

 

 

「金銀妖瞳か。その瞳、とても美しい」

 

 

 

自ら忌み嫌っていた瞳を揶揄されたのかと激高しそうになったが、まっすぐな彼の強い眼差しにそうではないと分かり、戸惑いを覚えた出会い。彼は戸惑う私を壁へと押し倒し、更に瞳を覗き込んできた。

 

「美しい、だが寂しい瞳だ」

 

そして唇を奪われた。

 

「君はまだ本当の愛を見つけられていなんだね、君は女性を愛せない。その瞳と同じように、普通の愛じゃ満たされないんだ」

 

彼の言葉は私の胸を深く貫いた。

 

 

それから私は彼と共に行動するようになった。

 

当然のように体も彼に差し出すようになった。

 

だが彼には婚約者がいて、そして任官後、その婚約者と結婚した。

 

それでも彼は私と寝ることをやめようとはしなかった。

 

「私の家は厳格な家でね。人と違うことは認められていないのさ。だからエヴァンゼリンと結婚した。俺は卑怯な男だ」

 

私が彼の妻に対する不義理からもう会うのは止めようと言ったら、彼は泣きそうな顔で告白した。

 

「エヴァンゼリンはいい子さ。純粋で汚れることも疑うことも知らず、私が軍人で今まで何億人という敵国人を殺していることすら理解していない。・・・そして・・・私の本当の愛がどこにあるのか。それすらも理解していないのさ」

 

そういって、私の体を力強く抱きしめてきた。

誰にも理解されない悲しみ、それが辛くて仕方がないと彼は泣いていた。

 

「私も。私もそうだ。いくら女を抱いても満たされることなんてなかった。いつだって私を殺そうとした母が脳裏にちらつくんだ。愛していると言っているこの女ですら、母のようにいつか私を殺そうとするのだろう。そう思えてしかたがなかった」

 

 

「ただ、ミッターマイヤー。君に抱かれているときだけが唯一安らげるんだ。私には君が必要だ。だから泣かないでくれ、ミッターマイヤー」

 

ミッターマイヤーとロイエンタールはその時から一つの存在となった。

 

 

---

 

 

私の半身でもあるミッターマイヤーを殺してラインハルト。

 

絶対に許す訳にはいかない。

 

オーベルシュタインは語った。

ラインハルトは地球という星の冬木市という場所で行われる魔術儀式が狙いなのだと。

その魔術儀式で聖杯が現れ、その聖杯を手にしたものは何でも望みが叶う奇跡が得られると。

 

 

ラインハルトの願いは全人類を支配すること。

そんな子どもじみた願いのためにミッターマイヤーは殺された。

そんなどうでもいい願いのためにミッターマイヤーは殺された。

それがどうしようもなく許せない。

 

 

そしてその聖杯を手に入れればミッターマイヤーを生き返らせれる。オーベルシュタインはそう言い、参加するための魔術書を渡してきた。

 

こうなった今、やることはただ一つだ。

 

 

 

「ロイエンタール艦隊、全艦隊に告げる。これより我が艦隊は地球へと出撃する。目標は冬木市の制圧だ!全艦出撃せよ!」

 

ロイエンタール艦隊10万隻が首都星オーディンから出発した。

 

彼の傍らには、全身を黒い鎧に身を包んだ異形の騎士が立っていた。

 

 

キラ・ヤマトが参戦するまで後4時間56分。

復讐の鬼が地球へと旅立った。

 

 




原作をガンダムにしてみるテスト。後で銀英伝に戻すかも。

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