銀河英雄ガンダム 作:ラインP
朝、目が覚めると夜だった。
ここは地球の裏側。ブラジルだ。だから朝は夜だ。
「ふむ、もう朝の7時か。南半球は昼夜が反転しているから時差惚けで大変だ」
皇帝キルヒアイスは布団からモゾモゾと這い出ながらあくび混じりにぼやいた。彼の傍らには布団からはみ出した白いお尻があり、キルヒアイスはたわわな桃を連想させるそれを見て目を細め、大きな手で揉みしだく。
ひゃん、と可愛らしげな声が布団の中から聞こえた。
キルヒアイスは怒張をその可愛らしい桃へと宛てがい、ふんぬと息を荒立たせながらねじ込む。
その衝撃で桃の持ち主の体が布団の中で跳ね上がる。
ようやく布団から出てきたその愛らしい顔の少年兵をキルヒアイスは抱き寄せた。
「ふふふ。あのゲイ野郎。侍従兵の趣味はなかなか良いじゃないか」
少年兵は先日死した皇帝ラインハルト付の侍従兵だった。ラインハルトは重度のゲイで、可愛らしい少年を見つける度に自分の愛妾として弄んでいたのでいたのだ。
「お前もラインハルトの無駄にデカいナニでケツを掘られて苦労したんだろう。俺もそうだ。毎晩毎晩何度許しを請うたことか。何がキルヒアイスは俺の半身だ。ただのオナホール扱いしていただけじゃないか」
キルヒアイスは少年の頭を優しく撫でながら、ラインハルトの所業をあげつらう。
「俺は奴とは違う。お前のことをいつまでも大事に扱ってやるぞ。ほら、俺のは柔らかくて細長いから奥まで届いて気持ちが良いだろう」
堅くて太いだけが自慢のラインハルトとは違うと優しく愛撫する。
「閣下、懲罰艦隊の準備が整いました」
そう言ってきたのはミッターヤイヤー将軍だ。
疾風のごとき早さで艦隊の準備を整えた彼は、少年兵の痴態を見て羨ましそうにしながら敬礼する。そんな彼のズボンは大きく膨らんでいた。
「そうか、ならば俺は出撃するぞ。よし、褒美だ。こいつを好きにして良いぞ」
白く汚れた少年兵をミッターマイヤー将軍の足下に投げ捨て、彼はガウンを羽織り、艦長席に座る。途端にミッターマイヤー将軍が少年兵を抱えて部屋の奥へと消えていった。
「忠勇たる帝国軍の諸君よ!見よ!私が新たなる皇帝、キルヒアイス様だ!」
艦長席に優雅に座り、両手を広げ、慈愛の精神を象った端正な笑顔を見せる。
その美しさに、部屋に集まって待機していた10億の帝国兵達が感動しながら一斉に敬礼する。
「其方達は強い。なぜなら私の兵士達だからだ」
帝国軍は進む。日本を目指して。
すべての始まりの地。約束された大地。終遠のヴィルシュ。今、まさに聖戦が始まろうとしていた。
日本。国会議事堂。その周りには無数のデモ集団が集まっていた。
彼らは日本の悪辣なる政府に振り回された哀れな羊たち。
与党である自演党の党首。海田総理は総理官邸の窓からそれを見下ろし、呆れたような顔で嘆息する。
「やれやれ、愚民どもにも参った物ですな」
総理に声をかけたのは執事セバス・チャン。国会に潜入している自由同盟軍のスパイだ。彼は自演党に潜り込んで日本を影から支配していた。
党首である海田総理も日本崩壊後は自由同盟軍の名誉市民として亡命できる手はずになっている。
「あれは…千葉選挙区の住人ですな」
セバス・チャンは脳内に埋め込まれた電子チップから住民名簿をスキャンしてデモ集団の所属を看破した。
「千葉か…確か支持率が落ちていたな…だとしたらアレだ」
「はい、アレですね」
セバス・チャンは総理の指示を聞いて、壁のスイッチを押す。
壁が左右に分かれ、大きなモニターが現れる。そのモニターには日本列島が詳細に表示されていた。そしてそのモニターの下には操作パネルが添え付けられている。
セバス・チャンが操作パネルを操作すると日本列島の千葉県が赤く表示され…「諸元データ入力完了。ではよろしいですね?…始めます」セバス・チャンは海田総理が首肯したのを確認してエンターキーを押す。すると千葉県が黒へと変化した。
『とてもおいしいお饅頭ですね。やはり水が違うんですね。のどごしが爽やかです…えっ!ここで臨時ニュースです!千葉県全土で震度10の地震が発生。千葉県全住人は死亡しました!』
グルメリポートが流れていたテレビでいきなりの災害ニュース。これが偶然などはあり得ない。
自演党は戦前から100年以上日本を支配していた与党だ。日本各地に人工地震発生装置を設置してあり、支持率の悪い地域は地震が起きてみんな死ぬのだ。そして総理が危険を顧みずに現地へと慰問を行うことで支持率は大幅に上がる。そういう出来レースがもう1世紀近く行われているのだ。
みんなは疑問に思ったことはないだろうか?なぜこうもあちこちで道路工事がひっきりなしに行われているか。それは人工地震を発生させるための爆弾を設置していて、そしてそのメンテナンスも兼ねているからだ。
だから仙台で大地震が起きたとき、自演党はすぐさま現地に視察に迎えたのだ。なぜなら当時の自演党党首が起こした人工地震だからだ。
あれで、当時ガス抜きで与党にして貰った民事党が地震の責任を取り、自演党がまたもや政権を取り、確固たる支持を得ることになったのだ。
なのに日本国民は誰も気づかない。
なぜなら奴隷根性が染みついているからだ。
資本主義に毒されて、愚昧な民主政治などに夢を見て現実と戦おうとしない愚かな国民達。早く目を醒ませ。
ヤンウェンリーは悲しい気持ちに涙した。
なので自由同盟軍は日本人を解放するために、日本を自由同盟軍の管轄にするべきと活動していた。
キラ・ヤマトが参戦するまで後4時間26分。
血のバレンタインが再び幕を開けるのは、もう間もなくだ。