銀河英雄ガンダム   作:ラインP

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第二十一話 ヤン艦隊前進せよ!

ショーンコップが戦っている同時刻

 

ヤン艦隊は地球連合軍との戦いの真っ最中であった。

 

「レーザー水爆あるだけ持ってこい!どんどん打ち込むんだ!」

 

艦橋に雄々しく立ち、サーベルを抜き放ちモニターに映る地球へと突きつけ声を張り上げるヤン・ウェンリー提督。

彼に付き従う15000隻の宇宙戦艦は地球を包囲し、主要都市へとレーザー水爆を連射する。

それを阻止せんと連合軍のMSが主要都市から出撃し、レーザー水爆をビームサーベルで切り払い、返す刀で戦艦へと襲い掛かる。

迎撃しそこねたレーザー水爆が都市を焼き、それに歓声を上げる戦艦クルーの目の前にMSが現れ、ビームサーベルで戦艦が真っ二つにされ、火球となり墜落する。

また、戦艦から出撃した無数の単座戦闘艇スパルタニアンに纏わりつかれたMSが払いのけようとするも、サイズが違いすぎるために数十機ものスパルタニアンに機体の周りに肉薄され、さながら蜂の大群に襲われた人間のような状態になってしまい、四方八方からミサイルを食らい爆散していく。

 

大地が吹き飛び、海が蒸発し、山が割れ、まさに神話の戦いのような光景が地球全土で繰り広げられる。

 

「このような資源豊かな星を帝国に占領されるわけにはいかないよね。これも議会で決まったことだし、民主主義の犬と呼ばれようが憎き地球人どもには消えてもらわないと」

 

艦橋のメインモニターにはレーザー水爆の炎で焼かれ泣きながら母親の名前を呼ぶ小さな子供の姿が映っていた。

ヤンはそれを見ながら「可哀そうに、地球になんて生まれてくるから」と戦争の悲惨さを痛感しながらも、攻撃続行の命令を下す。

その少女は2発、3発とレーザー水爆の直撃を食らうたびに右腕が、次は左腕が、と一つずつ四肢を失いながら苦しみながら泣き叫ぶ。

艦橋でモニターを見ていた女性士官はもう一思いに殺してあげて、と半狂乱に泣き叫びながら発射トリガーを引き続ける。

まさに戦争とは地獄であるのだ。

 

 

「地球連合軍本部発見しました!」

 

 

地球をスキャンしていた索敵兵が一つのビルをモニターへと映し出す。

そのビルの窓から中にいる人が見える。

その映像を拡大し、中にいるのが地球連合軍総帥だと分かる。

他にも連合軍の大幹部や親衛隊らしき戦闘員などの姿が見える。

 

 

「でかした!これより地球連合軍本部を強襲する!総員我に続け!」

 

 

ヤンは窓ガラスを突き破りビルへと一直線に落下する。

副長や切り込み隊長もそれに続く。

ヤンは降下しながらビームブラスターを抜くと、窓ガラスから見える幹部たちの頭を連続で撃ち抜く。

 

「銃の腕が悪いって言っても流石に動かない的ならなんとかなるか」

 

運よく敵が棒立ちだったため、恥をさらさずに済んだヤンは安堵のため息を付きながら、窓ガラスをライダーキックで突き破り、さらに近場にいた驚きすくむ兵士たちをサーベルで切り捨てる。

そのヤンに続いて次々と窓から侵入するヤン艦隊の兵士たちに地球連合軍本部は数分で制圧される。

 

最後に残った総帥は、さすがに支配者の器だけあってか玉座に座って頬杖を突いたまま鷹揚と眺めているだけだ。

 

「ふむ。此度の戦、あっぱれなり。その功績をもって我が臣下として迎えてやらんこともない。跪け」

 

その言葉に一般兵はすくみ上り慌てて跪いて首を垂れるが、ヤンと数人の幹部は鉄の意志でその言葉にあらがう。

 

「さすが地球の王。威圧感がすごいや。だが僕たちも使える主がいるんでね。二君に仕えぬという信念ぐらいはあるんだよ。悪いけどあなたにはここで死んでもらう」

 

ヤンは毅然とした態度で答える。

 

「是非も及ばず。それもまた世の理。だが我を倒そうと第二、第三の地球連合軍総帥が現れ、いずれ貴様らを地獄へと引きずり落とすだろうよ」

 

「其のたびに僕たちは正義の剣を持って切り払って見せるさ、今回みたいにね」

 

ヤンはその言葉とともにサーベルを切り払い、総帥の首が宙を飛ぶ。

 

こうして第一次地球連合戦争は終結した。

 

 

キラ・ヤマトが参戦するまで後4時間28分。

まさに電光石火の出来事であった。

 


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