いわゆる「普通」な魔法使い   作:朱莉

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その陸! 食欲の秋とか絶対に敵だと思う!

 何がってそりゃ女の子にとって食べるってのはつまり……って言わせんなバカ野郎。

 

 家を吹っ飛ばされて泊まるところなんて考えてない訳で(そもそも吹っ飛ばされるなんて思うわけ無い訳で)怒っている霊夢に会うのも気が引けて、結局頼ったのはアリスだった。アリスに理由を言ってみれば苦笑したあとに「ちゃんと謝りなさいよ?」って言われた。そう言われても「謝るって何を!?」って返しても自分で考えろだってさ。素直にわからないから教えてってへりくだった方が良いのだろうか……。

 

 とりあえずぶっぱされて初日に寝床は確保できたからそれからという毎日を建築作業で過ごした。萃香に頼めたら楽だったんだろうけど原因は多分私なので甘えないようにする。魔法でやろうと思ったけれどこういうのは時間をかけて自分の手でじっくりとやったほうが愛着がわくと思う。

 

 ぶっぱされて悪いことだらけだった気がするんだけど良い事も多少あった。というか多少なりともあった事に驚いているといったほうが正しいか。

 借りたものも丁度返却し終えていたし、メモした物もいつも持ち運んでいたし、以前釣った魚も大きくなりすぎたから湖に帰した後だったし、アリスと作った人形も帽子の中に居たりする。ぶっぱされた家にあったものと言えば作り慣れたますぽだったり、いつもの収集癖で集めてしまった(アリスが言うには)ゴミしかなかったのだ。タイミングがよかったと思う事にした。丁度増築しようと思ったんだ。とか言い訳して慰める。

 

 

 家に使う素材はこの森の木を使うことにした。一応近くにいる妖精とかアリスに使用許可を頂いてからだよ? 敷地内(予定の更地)にある木を出力最低のマスタースパークでひと薙。倒れる方向にも気を使って一気にスパーンと。葉っぱは使わないので集めて焼き芋作るのに利用した。出来上がったら近場にいる人に配ろう。匂いに釣られてやってくるだろうし。

 倒れた木材を大きさ順、用途別に分けて凹みをつけながら組み立てる。プラモデル感覚で楽しかったりする。失敗したら成長の魔法でちょっと手直し。便利すぎる。

 それでもだいぶ時間がかかる。今日はここまでにしよう。

 

 ここ寝室でー、ここ浴室でー、ここ魔法店関連でー。間取りを決めるだけでも一日を費やす。でも楽しくて仕方がない。エプロンドレスが汚れるが気にしない、気にならない。終わったあとの洗濯で落とす喜びも増えるというもの。

 

 壁材は木材一択だけどそれだけじゃ寒いし暑い。暖炉周りに木材は絶対有り得ない。そこら辺の材質は萃香に聞くため怖いけど神社に行く。霊夢が昼寝してるタイミングを見計らって。ついでに作り置きの食事も置いていく。早いうちに謝りたいって思うけど何を謝ればいいんだろう。

 

 萃香に聞いた材料を求めて隙間妖怪に頼んだり、花妖怪に頼んだり、吸血鬼に頼んだり、そのメイドに頼んで分けてもらう。紫はしょうがないわねの一言で手伝ってくれた。幽香は露骨に嫌な顔したけど礼儀正しくお願いしたら何もなかった。レミリアは何処で仕入れたのかわからないけど(多分パチュリーからだろう)私の現状を知ってて笑いながら了承してくれた。咲夜も同様に。運んで移動を繰り返して一日が過ぎる。

 

 もらった材料を家にはめ込んでいく。レンガはここ、コンクリはここ、漆喰はここ、そうしてやっと全貌が出来上がる。あ、屋根忘れた。あとで瓦貼らなきゃ。

 

 家具を入れてから扉をはめ込む。足りなければ追加で作ろう。そんなこんなで家ができたとさ。

 

 

 

 家作りも終わり残る問題は霊夢だ。それを考えるだけで肺の中全部ため息で出るわ。

 家作ってたら理由もわかるんじゃないかとか軽く考えてたけどぜんぜん思い浮かばない。やっぱこういう時は謝ったうえで理由を聞くべきだよね……はぁ。

 

 しばらくお世話になったアリスにダメもとで理由を聞いたけどやっぱり教えてくれなかったよ。

 






間が空きすぎて内容を覚えてない方、申し訳ない。

霊夢怒る → 訪ねても留守 → 怒り心頭で魔理沙家ぶっぱ → 魔理沙を使って物理でやっと沈下 → 今に至る

という感じです。


とりあえず家を直しましたが霊夢との仲は治ってない模様。


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