過度の摂取は大事に至る訳で。
でもそうしていて気づいたことがある。紅魔館が忙しないのだ。妖精メイドが駆け回り、咲夜の声が至るところで響く。その事に居辛そうにすれば美鈴が私を宥める。「魔理沙さん、お茶は如何ですか」「魔理沙さん暑くないですか」「魔理沙さん、パチュリー様が来訪をお待ちでしたよ」と話しかけてくれる。
目を泣き腫らして匿ってくれるとか、これもうどうやってお礼すればいいのかわからない。とりあえず『ますぽ』を渡した。笑顔をくれた。私は暖かくなった! お礼したのに御礼される。あばばば。
「美鈴、お嬢様が――あら、魔理沙じゃないの」
「ざぁぐぅゃぁ」
「ちょっ、どうしたの、め、美鈴、説明してちょうだい」
ハンカチを鼻に押さえてくれて無色の感謝を流すことなく塞き止める。端から見たら幼児をあやす現場そのままなのだけれどね。鼻声でありがとうと告げてごしごし擦る。
「霊夢さんのところで一悶着あったそうです。魔理沙さんを見たら理由はわかりましたけど」
「あー…。あの子本当に素直じゃないわね。トゲったらしいったらありゃしないわ」
「うー…」
「あ゙、ち、違うのよ。別に悪口じゃないの、唸るのはやめてったら」
「お嬢様にお伝えしてください。私は門番をしつつ魔理沙さんとお話致しますので」
「……そうね。急ぎではないから魔理沙を頼むわ。お客様をもてなすのもお仕事ですもの」
咲夜はばつが悪そうに顔をしかめて瞬く間に消えた。忙しいのに申し訳ない。美鈴はお気になさらず。とにこにこしてた。無理です、申し訳ないです。本当に。
「そうだ、魔理沙さん、宜しければお泊まりしてくださいな。パチュリー様も妹様も喜びます」
あ、これ拒否権ないやつだ。そう思うが泣き顔腫らして抵抗すれば重ねて迷惑なので頷く。
「勿論、落ち着いてからですよ。具体的には咲夜さんがもう一度来てからにしましょう」
「咲夜が?」
「お泊まりする場所を片付けるからです。今日の魔理沙さんは大事な客人ですからね。私も許可を戴いて参加させていただきます」
「そんな、わざわざ悪いよ」
「まぁまぁ、そう言わずに」
あれよこれよと饗されてキリキリ胃が痛む。辞めて!もう私のライフはゼロよ! とか頭の片隅で描くが私の行動は全て阻止される。魔王からは逃げられない状態である。
諦めた私はこう思うのだ。もうどうにでもなれ。と。
待たせたな!(キリッ)
突貫工事で仕上げたので見直しゼロです。感想ありがとうございます。短いのは許してくだしあ。