息抜きに書いた仮面ライダー電王の一発ネタです。続きません。
仮面ライダーみたいに視点がコロコロ変わるものや戦闘描写を一人称で書くのってすごい難しい……。
ではどうぞ。
拝啓 向こうの世界の皆様
現在の吾輩は光の玉である。名前はもうない。
敬具
いや、冗談ですけどね?なんでオレがこんなことになっているのかというと……
君死んだから転生させるよ~!どこがいい~?
電王の世界!オレもオリジナル電王になれるようにして!凄い強い奴!
いいよ~!
という噂の転生を果たしたんです!いや、実際のことは覚えてないんだけどね?けどさ…絶対にこうなるとは思わないよね?電王になれるって言ったら良太郎やNEW電王の光太郎を思い浮かべるじゃん?確かに電王として主に戦っているのはイマジンだったよ?確かに最終回辺りやさらば電王ではイマジンが電王に単体で変身してたよ?だからと言って誰がイマジンになりたいって言ったよ!?オレは人間やめるつもりはなかったんだよ!イマジンになったせいでオレツエー計画がパァーだよ!
おまけに契約したらデンライナー組に敵と間違われるからできないし!契約しないと光の玉のままだから喋れないし、美味しいご飯も食べれないしでもう散々だぁ!ってアレは……。
「はっ…はっは…よ…し…もう少しで新記録…。」
死にかけの
「はぁ、はぁ、よしなんとか新記録が出た!」
って言っている場合じゃない!この隙に憑かせてもらおう。前例があるしうまくいけばそのままにしてくれるかもしれん!主人公一行に入れば合法的?に暴れられるし!よしそうと決まればお邪魔します!アレ?意外に狭い……こんにゃろ!
「え?え?な、何?」
うぐぐ……頭(感覚的に)がつっかえて入れない……おりゃぁあ!ど根性ぉ!
「痛っイタタタ!ってよし!入った!うわぁすっげ!久々の体だぁ!」
『イタタタ……君誰?イマジンだよね?』
「よしよし。ん?オレ?っふ。オレは通りすがりのイマジンだ!覚えとけ!」
よし、このネタ決まった!
『だからイマジンだよね?』
「……そうですね。イマジンです。まぁ、ちょっと体貸してよ。大丈夫、大丈夫!悪いことには使わないから!多分。」
『今多分って?』
「よしレッツゴー!」
『ちょっと待ってよ~!』
やった!やった!久しぶりの体だ!さ~て何を食べようかな~。ラーメン?ハンバーグ?久々のご飯だぁ!
「おい!お前!良太郎をどうするつもりだ!」
ってアレ?なんかうるさいな~無視無視。ワタシ、イマジン語ワーカリマセーン!イマのワタシニンゲンデスカラ~ハハハ!
「おい!無視してんじゃねえぞ!おい!聞いてんのか!」
「うるさいなぁ!久々のご飯タイムを邪魔すんな!赤鬼!」
「誰が赤鬼っておァ!」
アレ?どっか消えちゃった。まぁいいか静かになったし。とりあえずまずはラーメンだな!レッツゴー!
「すみませーん!照り焼きハンバーガー一つ!。」
――
「すみませーん!DXハンバーグ一つ!」
――――
「すみませーん!とんこつラーメンと醤油ラーメン一つずつ!」
――――――――
「すみませーん!豚玉お好み焼きとDXお好み焼きを一つずつ!なるべく早く!」
――――――――――――――――
ふー食った、食った。なんかすごい落ちぶれた店だったな。すごいうまかったけど。
それにしても二万円分くらい食ったか?一食二万とは大変だな。良太郎。
『使ったの君だよね?それにどうして僕の名前知っているの?』
……しまった。ドジった。えーっと言い訳……言い訳……。
『ねぇ、どうして?』
「ほ、ほら電王って有名だからさ?調べたんだよ!個人的に!」
『ふーん。』
良かった。なんとかごまかせたか?やれやれ。
「居た!アンタ!良太郎をどうするつもり?」
「おりゃ?ハナさんだ。」
「……どうして私の名前を知っているの!?」
やべぇ、またドジった。
「良太郎から聞いたんだよ。」
「ってそうだ良太郎!アンタ、良太郎をどうするつもり?まさか…リュウタみたいに…。」
「って、違う!違う!君達って電王だろ?だから仲間に入れて欲しくて……。」
「……。」
「どうした?」
「怪しい。」
なんかすごい警戒されているんですけど。なんで?
「ど、どこが怪しいんだよ?」
「大体、それなら素直に言えばいいのに、わざわざ良太郎の体乗っ取っていろいろしでかしているあたり信じられると思う?」
「……おっしゃる通りです。」
マズイ。反論できん。
「おい!お前!良太郎の体を返しやがれ!」
「あ、赤鬼。」
「誰が赤鬼だ!」
「先輩無駄だって。先輩はどう見ても赤鬼でしょ?」
「そうそう!桃の字は赤鬼や!」
砂のバケモンがなんか増えた。いや、良太郎のイマジンズなんだけどね?アレ?リュウタロスがいない。この前公園で踊っていたからもういるはずなのに。
「って、そんなこと言っている場合じゃねぇ!行くぞお前ら!良太郎の体をか~え~し~や~が~れ~!」
「あ、先輩ちょっと待って!」
「って、ちょ、ちょっと待って!……アレ?」
三人……三匹?が突っ込んできて砂になって崩れた。アレ?なんか知らないけどオレが憑依している間って他のメンバーは入ってこれない?
「ちょっとあんたたち大丈夫?」
「なんでや?なんで付けないん?」
「っち!また小僧と同じパターンかよ!」
何か言っているが今のうちに説得を!ぜひオレツエー計画を再浮上させるんだ!
「待って!待って!別に悪いことしたいわけじゃないんだって!」
「なんだと?」
「オレは要するに電王になって派手に暴れたいだけなんだって!」
「……これって先輩と同じパターン?」
「じゃあなんで良太郎に憑いているのよ!」
「いや、久々に美味しいご飯が食べたくって。」
「久々?」
「あっ……まぁ、そういうこと。つい目の前に体があったら好きにしたくなるよね?ね?」
ハナさんはなんか胡散臭そうな顔で見ているけど他の三匹は心当たりあるのか顔を背けてる。いい加減答え聞きたいんだけどなぁ。
「だからってなんで電王?普通に契約者探して暴れればいいじゃない!」
「いや、人の願い聞くのってなんかめんどくさいし。それにそうやって暴れたらあんたらに倒されそうな気がするし。」
「……。」
あっ!なんか胡散臭そうな顔から呆れて胡散臭い顔になってる!よし、ここで全力全開必殺技を!まずは一回離れて……アレなんかキツイな。グググ……
「ググ……痛い!痛い!ってアレ?」
「良太郎?元に戻ったの?」
「うん。そうみたい。でも、あのイマジンは……?」
「そうだ!あのクソイマジンそこ行きやがった!?」
「アレじゃないの?」
「「「「アレ?」」」」
「なんか変なふうに動いているけど……。」
「いや、ちょい待ち!なんか伝わってこうへん?」
「伝わってって……あ!あれって文字じゃない?」
「「「「文字?あ、確かに!」」」」
やっと気づいた!転生してからこの方暇に暇を重ねて作り出した奥義!必殺!動いて文字書く!ちなみに内容はよろしくおねがいします。まだ平仮名と簡単な漢字しかできません。
「よ…ろ…し…く…お…ね……。」
「…が…い…し…ま…す…?」
「これって頼んでるのじゃないのかな?」
「とりあえず、デンライナーに連れて行こうか?」
「って良太郎正気か!?」
「良太郎本気?」
「う、うん。なんか付いている間悪い人には見えなかったし……僕といろいろ話していたし……。」
「マジかぁー!」
やった!これでオレツエー計画スタートできる!よし次は……
「あ、また何か動いてるよ?えーっとなになに……あ…り…が…と…う…?」
「……変な奴。」
「うん。ちょっとね。」
なんか外野が何か言っているけどやったよ!別世界のお母さん!オレやったよ!やったー!
すっげー!本物のデンライナーだー!
「列車なんてすっげー久しぶり!」
「久しぶり?」
「あ、いや、なんでもない。」
「それより、その羽邪魔!尻尾も!」
「うん。確かに自分自身これ鬱陶しく思った。オレってどんな姿をしてんの?」
「え?えーっと……。」
「はーい!コーヒーでーす!あ、私はナオミって言います!よろしくね!」
「あ、ありがとうございます。すみませんオレってどんな感じなんですか?」
「えーっと~なんというか……真っ黒なドラゴン?」
「ドラゴン?」
え?リュウタロスと被ってね?いや、龍と竜だけど。
「そういえばそうも見えなくもないような……?」
「本当に俺はどんな姿してんの!?」
「でも竜だとリュウタロスと被るし……。名前どうしようか?」
「被る?お前僕の真似したな!?」
「いやいや、そんなこと良太郎に言ってくれよ!」
今まで静かにお絵かきしてたのに急に出てきたな!?
「あ!じゃあ……ドラゴンスってのはどうですか!?」
「ただスをつけただけだよね!?」
「良いと思うよ。」
「誰か別の名前を!」
「っへ!いいじゃねえか!破れコウモリには十分な名前だ!」
「黙れ赤鬼!」
「っな!誰が赤鬼だ!いいか俺は……!」
「先輩さっきも言ったけど先輩は傍から見れば完全に鬼ですよ?」
「なんだと~このかめこう!」
……なんかいいなこういう賑やかなの。こういうのって転生してから経験しなかったからな。
「どうしたの?」
「ん?いや、ちょっとこういう賑やかなのっていいなって思って。」
「君本当にイマジン?」
「そうですよ~今の俺はイマジンですよ~?」
あ、ハナちゃんにパンチもらって二人が気絶した。いや~強いな~。それにしてもナオミちゃんって煽るだけ煽って常に安全圏にいる。一番いいポジションだな。
なんかみんな笑ってスゲェ楽しそうだな。……やばい。今ちょっとだけホームシックになった。向こうの友達や父さん母さん……みんなに会いたいなぁ。会ってこうやって賑やかに……。
「大丈夫?」
「なんで?」
「なんか……泣きそうな顔してたから……多分。」
「きっと気のせいさ!」
「そう……っ?」
「今度はどうした?」
「いや、ちょっと今君が人間に見えて……。」
「……ひでぇな~良太郎は!イマジンだって一応人なんだけどなー。」
「あ……ゴメン。」
よし。逸れた。しかし、なんかボロ出しまくりだな。オレって実はうっかり属性持ちだったのか?
「どこ行くんだ?」
「もう帰るよ。」
「そっか。んじゃまた。」
「うん。またね。」
やれやれオレも寝るかね?
「……うるさい。」
モモタロスとキンタロスのいびきがうるさくて眠れん。他のメンバーはよく寝れるな。ってあっ!ウラタロスとリュウタロスがいない!アイツ等知っててオレを放って置きやがったな!……少し散歩してくるか。
「しかし、時間の中なのに夜があるんだな。カテゴリーミステイクだろ。アレ、ちょっと違うか?まぁいいや。」
クリスマスとか正月もあったしな。まぁ元々子供向けの番組だからそのくらい考えてないのかもしれないけど。
「それにしても……人間に見えた……か……。」
時間の風景を見て、ここはオレの生まれた世界とは全然違うってハッキリとわかる。こんなものオレのいた世界にはなかった。好きな世界に来れることに浮かれて喜んで。この世界に生まれて。生まれてみたらイマジンだったことに絶望して。
「多分…向こうの皆がオレのこと見ても…オレだって気づいてもらえないんだろうな…。……オレって……人間……なのか?」
……やめやめ!こんなこと考えたって無駄だし!そうだ!今なら良太郎は寝てると思うし少し遊ばせてもらうかな!
「よっと……アレ?なんかあるな……ん……邪魔!よし入った。」
ここは……なんだろ浜辺?あ、女性が倒れている。ってことはウラタロスが入ってたのかな?まぁいいや。どこに行こうかな~?
『僕眠いんだけど……。』
「……あれ良太郎起きてたの?」
『君が入るときってかなり痛いんだよ。』
「ゴメン。まぁいいや、ついでに貸してよ!ちょっとどっか行ってくる!」
『ねぇ?』
「なーに?」
『君はどうしてそんな辛そうなの?』
「……見間違いじゃない?」
『そうかもしれないけどさ。君が暴れたいって言った時も、今も、なにかをごまかしているように僕には見える。君に何があったのかは知らないけど……。』
「……さい。」
『いつまでも逃げていればいいってわけじゃないと思うんだ。』
「うるさい!人のこと何も知らないくせに!黙ってろ!気分悪い!もう帰る!」
『痛い!痛っ!ってあれ?ドラゴンス?」
……気分悪い。自分で分かっていることを他人に言われるってスッゲー腹立つ。っていうか、そろそろ朝だしデンライナーの食堂でやけ食いでもするか。
「ドラゴンス機嫌悪そうだけどどうしたの?」
「分かんないです。今朝からあの調子で。」
「ゴメン。ちょっと喧嘩しちゃって……。」
「聞こえてるぞ。そこの人間三人組。」
「「「あはは……。」」」
「っは。破れコウモリが拗ねているだけだろ。」
「ダメだよ~先輩。後輩には優しくしなくちゃ。」
「なんだと?」
「桃の字やめとっけて。どうせすぐなおるやろうしな!」
「リュウタはどうかしたの?」
「あの偽物嫌い。昨日せっかく良太郎の中にいたのに追い出した。」
「あぁ。アレは少し乱暴だったよねぇ。」
「っておい!亀!小僧!てめえらまた勝手に良太郎に憑いたのか!?」
……ひどい言われようだな。っていうか真面目にチャーハンを十八皿食っただけでどうしてこんなに騒がれなくちゃならんのだ。……はぁ。寝不足だし、少し寝るか。
「おりゃ?寝ちゃった。」
「本当にどうしたの?」
「うん。ちょっと朝に気にしていることを言っちゃったみたいで……。」
「放っとき良太郎。勝手に立ち直るのが男ってもんや。」
「そうそう。放っておくのが一番だよ。」
「……分かったよ。僕は一度戻るよ。姉さんと約束しているし。」
これどんな状況?いや、起きたら赤鬼がいなかった。皆なんかそわそわしているし。包帯だらけだし。
「どうなってんの?」
「あ、ドラ……今すごい強いイマジンが現れて、そのイマジンを追って過去に来ているの。」
「で、なんでこんな通夜みたいな空気になってんの?」
「それは……。」
「ワシらが……歯が立たんかったんや。」
「マジで!?」
おいおい。終盤クラスの敵が出張ってきたんじゃないだろうな?あ、見えた。あ~ホントだ。見たことのない蠍人間みたいなイマジンがソードフォームの電王圧倒してる。すげーな。あ、リュウタロスに変わった。……でも分が悪そうだなぁ。
「……ドラはいかないの?」
「なんで?」
「だって暴れたいって……。」
「確かにオレは暴れたい。でもな……自分がボロボロになるリスクを負ってまで暴れたいとは思わない。」
「……それって?」
「戦うってことはこういうことだとは知っていた。でも本当に理解していたわけじゃなかったんだ。……怖いんだよ。」
「……。」
今まで喧嘩もしたことがないような一般人だったんだ。オレはオレツエーがしたいだけで、あんな風にボロボロになるまで命懸けで戦おうとは思わない。自分が消えるかもしれないのに戦いなんて……嫌だ。
「っは。とんだ腰抜けだな。」
「なんだと?」
「そうだろ?傷つくのが怖いから戦えないってか?そんなテメェなんか腰抜けで十分だろうが!」
「……言いたい放題言わせておけば!」
「だったら!何か言い返してみろよ!」
「っく……。」
「できねぇんだろ!腰抜けは隅で震えてろ!」
「うわぁ!」
「リュウタ!ってことは……今良太郎一人?」
「マズイ!良太郎!」
「っち。オレが行く!っくぅ!いてぇ!」
「先輩その怪我じゃ無茶だよ!」
「良太郎一人で戦わせる方が無茶だろうが!」
「……。」
なんでだ?なんで勝ち目がないような相手に戦い続けられるんだよ?どうして武器もないのに……代わりに戦ってくれる相手もいないのにどうして……。……っち。
『良太郎聞こえるか?』
『ドラゴンス?ゴメン後にして。』
『いいから聞け。どうしてそんなになってまで戦うんだ?良太郎は弱いし、運もない。知っているぞ?』
『……昔ある人が言っていたんだ。弱かったり、運がないからってそれは何もしない事のいいわけにはならない。』
『オレが聞きたいのはそういうことじゃない!死ぬかもしれないんだぞ!どうしてそんなに平然と戦える!?』
『どうしてだろうね?分からないや。でもこれだけは言える。ここで逃げたら絶対に後悔する。だから戦うんだ。』
『……。』
「ドラゴンス?ってうわぁ!」
「何止まってんだよ!雑魚がァ!いい加減にくたばれぇ!」
……そういえば、良太郎が死ねばオレも消えるのか。流石に二度目の転生……はないか。それは……嫌だなぁ。戦っても死。戦わなくても死。……転生したことを後悔たくは…ないな。っていうか、したらなんでオレが生きているのか分からなくなるな。
……大丈夫。番組では上手くいったんだ。きっとこの一度だけ。一度だけを戦えば、オレの出番は無くなる。ジークみたいなもんだ。神様特別製の転生者だ。大丈夫。オレは死なない。オレは死なない。よし。行こう。
「離せっておい!何処へ行く!」
「ちょっとだけ、腰をはめに行ってくる。」
「はぁ?おい、どういう意味だ?」
「多分、先輩が腰抜けって言ったからじゃないかな?」
「え?ドラ!ちょっと待ちなさい!」
「もう出て行っちゃたけど?」
「ふん。これで終わりだ。」
「う……。」
居た居た。あ、変身解けてる。まぁ、丁度いいや。馬鹿にしてたけど電王のモモタロスさん仮面ライダーの中でも好きな方でした。今だけでいいので力を貸してください。ヒッヒッフーヒッヒッフー……よしOK。……行くぞ!
「う、え?何って痛い!」
「何をごちゃごちゃ言っている!死ねぇ!」
「痛い……ってあぶねっ!危ないだろうが!」
「何を今更なことを……言ってんだよぉ!」
「やっぱり怖い!って、いうか変身、変身……どうやって?」
やばい肝心なこと忘れてた。パスは……ある。ベルトが……ない。詰んだね。っていうか真面目にやばい!いつまでも避けていられないし……。
『ドラゴンス何やっているの!』
「ベルトってどう出すの!?っていうか、助けに来て難だけど助けて!」
『えぇ!?ベルトは念じれば出るよ!早く!』
「死ぬー!絶対に死ぬ~!」
ベルト出ろーベルト出ろー出た!アレ?なんか基本の電王ベルトと違う。……まぁいいや、当たって砕けろだ!腰に付けて……あぶねっ!今掠った!
「よし、行くぞ。変身!」
《Dragon Form》
「オレ!参上!」
「っちまた変わりやがって……!」
初変身はこんな状況だけど興奮した。でもさ、窓に映った姿を見たけど……ウィザードのオールドラゴンに近いって言えばいいのか……電王のガンフォームとオールドラゴンを掛け合わせて黒くしたっていうか……ぶっちゃけると中途半端臭が凄いです。
「グアァァアアアアアア!」
「ぐ……っは。そんなこけおどしにビビるわけないだろう!」
おおすっげ。ちょっとできるかな?と思って鳴いたらそこら中の窓割れたし、敵が吹っ飛んだ。お?爪や羽、尻尾も伸びる。よし、相手が来るのに合わせてっと!
「ドラゴンテール!モドキだけど!」
「グァア!……いい加減にしろ!」
せっかく尻尾で吹っ飛ばしたのにまた来たよ。そのままだったら良かったのに、っていうか速い!
「ちょっとタンマ!」
「するわけがないだろ!」
「ドラゴンウィング!」
おぉ!我ながらすごいな。この羽。伸ばして体を包んだらイマジンの飛び蹴り直撃しても無事だったし、広げたら逆に吹っ飛ばしたし。
「っく。ふざけた名前ばっかり付けやがって!」
「今だ!ドラゴンクロー!」
って腕が!腕がァ!いや、敵のだけど。もげたァ!気持ち悪い!もうヤダ!さっさと終わらせよう!帰って寝たい!尻尾でもう一度吹っ飛ばしてっと!パス~パス~よしチャージ!
「っぐ。テメ…ェ…!」
《Full Charge & Maximum Boost》
「行くぞ?ドラゴンズ……ブレス!」
「がぁぁああああああああ!」
お約束の爆発。なんとか倒せたか。っていうか何あの必殺技?胸辺りのドラゴンの顔からビームが出たけど、それ以外にもなんか十匹ぐらいの竜が出てきて一斉掃射しているところ見てたらなんか敵が可哀想になった。清々しいまでのフルボッコ技だったんだけど。
『あの技って……。』
「戻ろうか。何も考えるな。とりあえず無事に生きていることを喜ぼう。」
『う、うん』
「ただいま……。死ぬかと思ったぁ。」
「ドラちゃんやりましたね!」
「っへ、やれば出来るじゃねぇか!」
「だからいったやろ!男はみんなやるもんや!」
「モモタロス!皆も無事でよかったよ!」
アレ……なんか急に目の前が……。
「おう!良太郎!っていうかおい!破れコウモリ!お前オレのセリフを盗るんじゃねえ!おい!聞いているのか!?」
「おーい?ふう。先輩無駄だよ。」
「何がだよ?」
「立ったまま気絶してる。」
「なにィ!?」
「あ、倒れた。」
「痛っ?この羽と尻尾ホント邪魔!」
「ぐふっ!」
「……おい鼻くそ女。今の……止めだったんじゃねぇか?」
「え?ね、ねぇちょっと!」
あ、なんか転生させてくれた神様と向こうの皆が見える……待って~俺もそっちへ行くよ~!
「戻ってきなさーい!」
『良太郎。』
「ドラゴンス何か用?」
『いや……まぁ、アレだ。ありがとう。』
「えーっと何が?」
『別に分からないならいい。もうデンライナーに戻る。』
「あ、待って!」
『何?』
「ドラゴンスが何を思っているのかは分からないけど……辛いなら僕たちに言って。それくらいのことはしてあげられると思うから。」
『……ありがとう。』
拝啓 向こうの世界の皆様。
オレが転生したのが良いことか悪いことか分かんないけど……もう少しだけ頑張ってみようと思います。
敬具
ドラゴンスより
最後にちょっとした設定
ドラゴンス――この世界の主人公。神様による転生者。ただしイマジン。イマジンとしての姿はドラゴンのような顔に尻尾と羽が生えている。尻尾も羽もそれなりの大きさを持つためかなり邪魔。本人はイマジンであることを気にしている。結構繊細なタイプであり、転生前の世界についてホームシックになることもしばしば。そういう時は空元気で誤魔化す。この世界に来てからは帰れない辛さや、人間じゃなくなった辛さを転生者にありがちなオレツエー系のことをすることで誤魔化そうとした。……が元がモヤシの一般人のため、いざ戦闘になると恐怖でうまく動けなくなる。故に戦闘することは滅多にないが戦闘する時は、モモタロスたちの真似(セリフ)をして気を紛らわす。
元が人間のため人間組とよくいる。リュウタロスとは容姿の元が似た存在のためかかなり仲が悪い。他は普通。物語が進むうちに成長したのか、心境に変化があったのか、積極的に他のメンバーと関わり、戦闘にも出るようになる。メンバー内では原因不明となっているが、神様製のイマジンであるドラゴンスはその存在の大きさが巨大であり、良太郎の体に入るときには良太郎がかなり痛がる。そして、その大きさが原因で一人だけクライマックスフォームには入れず、そのことをずっと気にしている。物語後半ではとある理由から元の世界に戻る機会が訪れるのだが、果たして――?
電王としての形態は《Dragon Form》
真っ黒な羽と竜の首が胸部のアーマーとしてつき、腕には三本の巨大な爪、腰から伸びる巨大な尻尾が特徴のフォーム。これらのパーツは伸縮自在であり、大きさを変えられる。
必殺技はドラゴンズブレス。胸の竜の首とどこからともなく現れる十匹前後の竜の幻影が放つブレスの一斉掃射。
電王内のみならず、他のシリーズのライダーと比べても屈指のスペックを誇るのだが、いかんせん扱う主人公の力量不足と残念心境でただのスペックバカとなり果てている。