外角低め 115km/hのストレート【完結】   作:GT(EW版)

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外角低め 115km/hのストレート
星の決意


 

 

 時は九月――中旬には新チーム初の公式戦である、都道府県大会が控えている。その都道府県大会で好成績を収めた上で地区大会或いは明治神宮大会を経て、選考委員会の目に留まった高校だけが初めて選抜高校野球選手権、即ち春の甲子園大会への出場資格を手にすることが出来るのだ。出場校の枠の関係で言えば、春の甲子園は夏以上に狭き門と言えた。

 

 そんな九月が始まって早々に、竹ノ子高校には大きな変化が訪れていた。

 

 まず、野球部に新しいメンバーが加わった。

 

 

 その部員の名前は「丸林隆」。

 

 中学時代は軟式野球で名を馳せた本格派投手であり、一年生ながら180センチ近い身長に恵まれた体格を持つ有望選手である。

 そんな彼の入部に対してはほとんどの者が歓迎していたが、夏の大会が終わったこの時期と言うのは妙に気に掛かるところがあった。

 

「小山さんじゃなくてお前かよ……。一体なんで、今になって野球部に入ったんだ?」

 

 それは、丸林が初めて野球部に加わった日の練習前のことである。

 男子更衣室の中で心なしか冷めた目を向けながら、そのことについて訊ねた鈴姫の言葉には別段悪気があったわけではないが、彼は少し怯えた様子で問いに答えた。

 

「この間の練習試合、僕も見ていたんだ……そ、それで……」

「……触発されたのか」

「う、うん……」

 

 話によれば彼はあの日、テニス部の練習を抜けて、グラウンドの外から先日の練習試合を観ていたらしい。

 竹ノ子高校とときめき青春高校の試合――その中でぶつかり合った、泉星菜と小山雅。

 二人共に女子の身でありながら男子の誰よりも激しい戦いを見ていた彼は、その心に感じるものがあったのだと言った。

 迷いを抱えていた少年の心を、少女達の戦いが大きく動かしたのだ。

 

「僕もずっと迷っていたんだ……野球をやめてテニス部に入ったけど、このままでいいのかって、ずっと迷っていた……」

「迷うくらいならやめるなよ」

 

 かつての自分を省みるように語る丸林に、鈴姫が辛辣に返す。星菜に対する態度とは雲泥の差があるが、これも彼自身には何の悪気も無かった。

 悪気は無いのだが、如何せん不器用なのだ。故に彼の丸林に対する態度は常以上に辛辣に見えた。

 

「……うん。僕もそう思ったから、また野球をやることにしたんだ。別に、試合に出させてもらえなくてもいいから……僕もあの人みたいに、自分のやりたいことに、真剣に向き合いたくなったんだよ」

「まあ、そんなことだろうとは思ったよ。相変わらず、優柔不断だな君は」

「それを言ったら鈴姫君だって……」

「なんか言ったか?」

「な、なんでもないよ……!」

 

 必死に戦う選手の心というものは、見ている者にも伝わってくるものなのだ。それが元々迷いの中で揺れていた者であれば尚のことであり、丸林隆などはまさにその典型だった。

 

 要するに自分よりも厳しい条件の中でもめげずに頑張る少女達を見て、自分も頑張ろうと思ったのが丸林の心境である。

 

 それはある意味では単純で、理解のしやすい心境の変化だった。

 しかしそんな彼の言葉に溜め息をつく鈴姫の姿を見て、外野の野球部員達が苦笑を浮かべる。

 

「なんか鈴姫君、丸林君に厳しいでやんすね」

「リトル時代、チームメイトだったんだってさ。厳しいのはアレだよ、ライバルの登場にピリピリしてるんだよ」

「ライバル……小山雅のことか」

「えっ、そっち? 丸林君じゃなくて?」

 

 野球部に訪れた変化の一つが、丸林隆の入部であるならば。

 竹ノ子高校そのものに訪れた変化が、誰もが予期しなかった小山雅の転入である。

 

 先日の練習試合ではときめき青春高校最強の選手として竹ノ子高校の前に立ちはだかり、泉星菜を苦しませた超高校級の女子選手。

 

 先日の練習試合では彼女に対して苛烈な印象を受けた竹ノ子高校野球部員達であったが、実際クラスメイトになった波輪やほむら達が彼女に話し掛けてみれば、寧ろ試合の時は何だったのかと思うほどに穏やかで、こちらの質問にも快く答えてくれたものである。

 その本人の談によると、彼女がときめき青春高校からこの竹ノ子高校に転校すること自体は練習試合をする前の時点から決まっていたらしい。

 真意のほどは彼女自身にしかわからない。当初の予定とは色々と異なっている部分があるとも言っていたが、彼女が正式な手順でこの学校に転入してきたことは間違いないようだった。

 

「あの子にも入部してもらえば、マジで甲子園行ける戦力になるんじゃないかな」

「いや、本人は今のところ乗り気じゃないみたいだぜ? 転校して即別のチームに入るなんて、ときめき青春高校の人達に申し訳ないってさ。まあ、裏切り者に見えるっちゃあ見えるもんなぁ」

「でも、野球は続けるんでやんすよね?」

「うん、そうらしい。高校野球はしないけど、女子プロを目指すつもりなんだって」

 

 この場に居る誰もが考えていることであろうが、彼女の転入は野球部にとって大きなプラス要素になり得る可能性を秘めている。

 無論、これまでの経緯が経緯なだけに、残念ながら事はとんとん拍子には運ばないだろう。

 

 しかしそれでも同じく野球を愛する者同士、かつては泉星菜がそうであったように収まるべきところに収まるのではないかとキャプテンの波輪は楽天的に考えていた。

 それは波輪だけではなく。偶然にも共に彼女のクラスメイトとなり、直接言葉を交わす機会のあった矢部明雄と川星ほむらの二人も同じである。

 その中でほむらなどは気が早く、授業中に自らのノートに将来の竹ノ子高校のスターティングメンバーを妄想しては落書きしていたほどである。

 因みに、その際に完成した打線は、

 

【一番センター矢部

 二番ピッチャー泉

 三番ファースト波輪

 四番ショート鈴姫

 五番セカンド小山

 六番サード池ノ川

 七番レフト外川

 八番キャッチャー六道

 九番ライト丸林】

 

 ……という具合である。

 彼女の書き上げた打線は現状、波輪の怪我の状態やポジションのコンバートの兼ね合い諸々の問題は多々あれど、実現すればどこに出しても恥ずかしくないメンバーであろう。

 二人の野球少女が加わるだけで一段とレベルが上がるチームの顔ぶれに、ほむらは一人満足そうに笑っていたという余談である。因みにキャプテンである波輪の考えるベストメンバーはこれのクリーンアップの並びが入れ替わるような形であったが、彼もまたその日が実現することを待ち焦がれている一人であることは同じだった。

 

 それほどまでに小山雅というプレイヤーは大きな存在であり、周りと隔絶した実力を持っているのだ。今甲子園を目指そうとするチームとしては、是が非でも彼女には入部してもらいたいのが正直な気持ちだった。

 そんな彼女のことで、波輪はふとこの場に居ない可愛い後輩から伝言を頼まれていたことを思い出した。

 

「ああそうそう、そう言えば星菜ちゃんからみんなに聞いてくるように頼まれたんだけど、ぶっちゃけみんな、雅ちゃんのことどう思ってるよ? 人としてのあれで」

「かわいい」

「怖い。かわいい」

「そりゃもう、最初は敵だけど改心したらツンデレな味方になるあれよ」

「怒らなければかわいい子」

「お! 最強ゥー!」

「素晴らしい先輩」

「素晴らしい先輩」

「かわいいは正義でやんす!」

「色々思うことはあるが、泉が許しているなら俺に思うことはないぞ」

「フハハ! 僕にピッチャー返しを打ち返すセンスは本物ですよ! いつかリベンジしたいですね」

「前は怖かったけど、今は穏やかそうだし別に」

「寧ろ俺は、前のSっぽい感じのが良いんだが……」

「わかるでやんす! あんな感じに見下されたら何かに目覚めそうでやんす!」

「変態だ、ころせ」

 

 波輪の質問には彼女のことを他の野球部員達が受け入れるつもりかどうかを確認する意図が込められたものであったが、矢部を筆頭に一部の男達が妙な話題で盛り上がっていく。

 そんな彼らの相変わらずな姿に波輪は乾いた笑いを浮かべるが、今の彼らが小山雅に対して概ね悪感情は抱いていないことは確かな様子だった。

 

 そして返答する者が最後の一人になったところで、波輪が個人的に最も気になっていた彼の心境について訊ねてみた。

 

「鈴姫、お前は?」

「……ポジション争いが厳しくなりますね」

 

 おそらく、この場に居る中で最も複雑な心境なのが彼女の「友達の友達」である彼こと鈴姫健太郎だろう。

 その上ポジションは互いにショートと被っており、彼女がもしチームに加わるとしたらポジション争いは必至な立場である。

 

 ……ただ、そんな鈴姫もまた彼女のことを拒絶する気は無いようだった。

 

「それは別に、入部しても問題ないってことだな?」

「まだあの人が入るって決まったわけじゃないでしょう。……どっちにしても俺は、負ける気ありませんけど」

 

 入部したならしたで、正々堂々とポジション争いに勝つつもりだと――あくまでも選手としての意見を押し通すように、鈴姫は言った。

 とどのつまり彼も彼女が入部すること自体には異存がないということでもあり、いつものことながら不器用な言い方に波輪は苦笑する。

 そして彼は、これまでの話を全てひっくるめた上で今一度新入部員である丸林と向き合った。

 

「と、そんな感じな野球部だうちらは。こいつらみんな、昨日ムカついたことも明日には綺麗さっぱり忘れる奴なんだよ。だから丸林も、時期がどうとか面倒なことは気にすんな」

「は、はい……ありがとうございます」

 

 大柄な体格に反して、小心者めいたおどおどした態度の丸林を気遣うように波輪が言った。

 彼もまた竹ノ子高校野球部の一員になった今、キャプテンである彼は誰がどう言おうと彼の入部を歓迎するつもりだった。

 

「波輪君、すっかり良いキャプテンでやんすね」

「去年なんか一番の問題児だったくせにな」

「あー、そろそろ行くか。ほむらちゃん達を待たせちゃ悪いもんな」

 

 ――と、そんな形でこの日もまた変わりなく練習に取り組んでいく。

 

 迫る大会に向けて、懸念事項は山ほどある。

 しかしこのチームは確実に、良い方向に向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 星菜のその日の練習は先日の練習試合で九回を投げ抜いてからまだ間もない為、監督の茂木の計らいによりボールを触らないノースローでの調整になった。そう言った日には主に肩に負担を掛けない走り込み等のスタミナ強化や下半身を強化する為の練習がメインとなる。

 そしてそれはまさに今の自分にとって、重点的に伸ばしていかなければならない課題だろうと星菜も考えていた。

 特に下半身の強化だ。あの試合の中で編み出した新しい投球フォームは上体を捻るが為に足腰への負担が大きく、生半可な肉体では多くのイニングを投げる前にバテるか最悪怪我をするのが関の山である。

 今の星菜は自分の最高の状態を維持することよりも、それよりも一歩上の状態に持っていくことを考えていた。

 自分にはまだ伸びしろがあるということがわかった以上、もはや前進を止める理由はない。たとえ高校野球の規定という根本的な問題に変わりがなくとも、泉星菜の心に迷いは無くなっていたのだ。

 

 

 ――そして、この日。

 

 これまで高校野球の長き歴史の中で、多くの女子野球選手達の前に立ち塞がって来た不落の壁は、若者達の努力の果てに遂に崩れ落ちた。

 

 

「喜べ泉、お前、試合に出れるぞ」

 

「は?」

 

 

 それは、この日の練習メニューである長距離走を終えるなり、竹ノ子高校のグラウンドに戻って来た星菜が他の野球部員達と共に集合を掛けられ、一同の前に立った監督の茂木が開口一番に言い放った一言である。

 

 いつもと変わらない気だるげな様子のまま、いつもと同じ指示を出すようにあっさりと――彼は星菜の高校野球人生の未来において、最大の障害となっていた問題の決着を言ってのけた。

 その唐突さゆえに星菜がその言葉の意味を理解したのは、集められたチームメイト達の中で最後になったほどである。

 そんな星菜の前で、茂木は続ける。

 

「さっき連盟のお偉いさんから電話が来てな。ようやく本部も、重い腰を上げたらしい」

 

 呆けたような星菜の反応を面白がるような表情で、茂木が事情を説明する。

 その話によると、先日の練習試合で彼が留守にしていたのもまた、彼が恋々高校の加藤監督やチームに女子選手が所属している他の野球部の監督を集めて連盟本部へと向かい、一日中会議を行っていたからとのことだ。

 今や高校野球連盟にとっても、彼らに対してそんな時間を割かなければならないほどにまで女子選手の大会出場問題というものは無視できなくなっていたのだ。

 そしてその千載一遇の機会を、彼らは逃さなかった。

 

「今年の秋から、ようやく女子選手の公式戦出場が認められるって話だ。泉や恋々の早川あおいを始めとする近年の女子野球選手のレベルの向上と、お前達や他の学校もやっていた署名活動が規定変更の主な理由なんだそうだ。今日の夜か、明日の朝にでも正式に発表するらしい」

 

 彼女らがこれまでの練習試合で示してきた実力や、彼女らの出場を望む者達の思い。そして、協力してくれた大人達の力。その全てが合わさり、絶妙に噛み合ったことで――難攻不落だと思われていた既定の壁を、遂に打ち破ることが出来たのだ。

 

 これまで何十年と守られ続けてきた高校野球の常識が、彼らの手で覆されたのだ。

 

 少女達のこれまでの努力が無駄ではなかったことを、遂に証明することが出来たのだ。

 

 心なしか寝不足の目を瞑りながら感慨に浸るように茂木がそう言うと、彼はこの場に居る若者達を祝福した。

 

「これで俺も、あのかたっくるしい会議に参加した甲斐があったって言うか……まあその、なんだ。おめでとうお前ら」

 

 彼らをストレートに祝うのがどこか気恥ずかしそうに、しかし心から喜んでいる様子で、茂木が微笑みを浮かべる。

 

 その時になってようやく――星菜の心の中に数々の思いが込み上がってきた。

 

「いいいいいいいいいやっほおおおおおおおおおおおおでやんすううう!!」

「やった……やったぞ……!」

「いよっしゃあああ!!」

「ばんざああああい! ばんざああああい! ヒャッハー!」

 

 積み重ねてきた努力が大人達に伝わり、遂に実ったのだ。

 竹ノ子高校の野球部員一同は皆自分事のように狂喜乱舞し、矢部を筆頭とする者達は宴のように踊り回った。

 

 一方で最大の当事者である星菜は、まだ実感が沸いていないようにその場に立ち尽くしていた。

 

「やったな、星菜」

 

 そんな星菜の元へ真っ先に歩み寄ったのは、おそらく彼女の出場を誰よりも喜んでいる鈴姫健太郎だった。

 その瞳に潤いが見えるのは、きっと気のせいではないだろう。

 

「夢……じゃないよね?」

「みんなの力で、夢を現実にしたんだよ」

「健太郎……」

 

 この時の星菜は傍から見れば不自然にも落ち着いているように見えたが、実際は寧ろその逆だった。

 星菜は今喜びを通り越して戸惑いを覚え、その上にこれまで積み重ねてきた感情が綯い交ぜになった結果、もはやどのように感情を表現すれば良いのかわからなくなっていたのである。

 そんな彼女に向かって、これまで尽力してくれたチームメイト達が一人ずつ祝いの言葉を贈ってきた。

 

「おめでとう、泉。これで俺の従妹も、安心してプロを目指せるというわけだ」

「六道先輩……」

 

 どこか重荷が下りたような晴れ晴れした表情で言うのは、星菜と同じ女子選手であり天才的な素質を誇る野球少女、六道聖の従兄に当たる六道明である。

 捕手としてバッテリーを務める彼にはこれまで何かと気に掛けてもらい、幾度となく助けられてきたものだ。

 

「良かったな星菜ちゃん! でもほんっとうに今更すぎるぜ高野連さんはよぉ! もうちょっと早かったら雅ちゃんも助かってたろうに!」

「波輪先輩……」

 

 六道明の次に声を掛けてくれたのは、竹ノ子高校野球部のキャプテン波輪風郎だ。

 怪物的なフィジカルと野球センスを持つ、この野球部を作り上げた竹ノ子高校最強の男。そんな彼は人格的にも大きく、星菜の存在を快く受け入れてくれた。

 彼がキャプテンでなければ、おそらく今の自分は居ないだろう。星菜にとって彼は間違いなく恩人であり、最高のキャプテンだった。

 

「おめでとうッス、星菜ちゃん! こうなったら星菜ちゃんの名前を全国に知らしめてやろうッス!」

「ほむら先輩……」

 

 身体中で喜びを表現するように、その小さな身体で勢い良く星菜の胸に飛び込んできたのは、この野球部のマネージャーである川星ほむらだ。

 思えば星菜が野球部に関わる意思を決めたのは、彼女の勧誘が最初の切っ掛けだった。

 女子ながら誰よりも純粋に野球が好きで、部員達の面倒を率先して真摯に見てあげる彼女の姿には、星菜もまた身も心も大いに救われたものである。

 

 何度も迷惑を掛けて……未だにそんな自分が好きではない星菜だが、そんな自分の為にも協力を一切惜しまなかった彼らのことを、星菜は大好きだった。

 だからこそ満面の笑みを浮かべ、星菜は言う。

 今この場に居ない恋々高校の者達や、自分が野球をすることをずっと受け入れてくれた家族にも向けて、強く言い放った。

 

「みんな……ありがとう!」

 

 ――未来への希望に満ちたその気持ちはきっと、誰にも負けない「感謝」だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 115キロの野球少女の物語は、これで終わりではない。

 寧ろその逆――少女は今、ようやくスタートラインに立ったのだ。

 

 先行きの見えない野球少女は、難儀な性格ながらも人の優しさを受け入れることによって、遂に自らが舞台に上がる資格を手に入れた。

 そんな彼女がこれから先の未来、高校野球の世界でどんな活躍をするのかはわからない。それは決して都合の良いことばかりではなく、これまでがそうであったように苦しいこともまた多く待ち構えていることだろう。

 だがそれが自然であり、当然なのだ。

 

 

 ――それが彼女達、「生きている者」の証なのだから。

 

 

 そう考える者は、一人。

 

『……僕も、未来に進まなくちゃな』

 

 今を生きている彼女らとは違う「死んだ男」の物語は、人知れず終焉を迎えようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          【最終章】

 

  ―― 外角低め 115km/hのストレート ――

     

 

 

 

 

 

 

 


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