インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~   作:たかしくん

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オリ主イベント開始!


プロローグ 第8話 オリ主、始まる

「チキショー!!!」

 

三月一日の昼休み、教室に花沢さんの声が響き渡る。当然の如く彼女は受験に失敗した。ちなみに今彼女はモ○ハンをやっている。さっきの声は討伐に失敗したから発せられたものだ。

俺は彼女を無視し、東雲さんの席まで行く。

 

「東雲さん、花沢さんはああだったけど東雲さんはどうだったの?」

「あ…いや…私は受けてないんだが…」

 

気まずそうに東雲さんが答える。やはり家族を説得できなかったようだ。

 

「あっ…(察し)」

「…」

「席に戻るわ。」

 

俺はいたたまれない気持ちになって自分の席に着く。その時山下先生が教室に入ってきた。

 

「うぉ~ぃ、男子共~。IS適性調査の時間だぞ~ぉ。」

 

ついに来た!念願のオリ主イベントの始まりだ。

教室がざわつくのを山下先生が抑える。

 

「静かにしろ~ぃ。男子は今から会議室に集合だ~ぁ。早く行けえ~ぃ。」

 

教室の男子達が教室から出て行く。俺も男子の集団に入って移動する。

廊下を歩いてると、太郎が声を掛ける。

 

「かみやん!チャンスだね!」

「何のチャンスだ?」

「俺達がIS操縦者になれるチャンスだよ!」

「なれるわけ無いだろ。織斑一夏以来男性IS操縦者が出てきたって聞いたこと無いぞ。」

「えー、もうちょっと夢を持とうよ。」

「男性IS操縦者になる夢ならやめとけ。俺達ならプロ野球選手になれる確率のほうがもっと高いから

そっちにしとけ。」

「夢は見るだけなら無料(タダ)だよ?もっと夢を見ようよ。」

「夢を見すぎると目が悪くなるぞ。」

「なにそれ?そんなの聞いたこと無いよ。」

「まぁ、今俺達にあるチャンスは生でISを拝めるチャンスだけだ。それで満足しておけよ。」

 

太郎に対して心にも無いことを言う。このIS適性検査に世界で一番期待しているのは俺に違いない。会話をしているとやがて会議室のプレートが見えてきた。会議室の前では政府の役人らしき人物が待っていた

る。

 

役人の説明を受け、一人ずつ会議室に入っていく。一人入っては出て行き、また一人入っては出て行くを繰り返す。今度は太郎の番だ。

 

「次、田口太郎。」

「はい!」

 

太郎が会議室に入る。しばらくすると出てきた。

 

「かみやん、俺駄目だったよ。」

「だろうな。ISはどうだった?かっこよかったか?」

「うん、かっこよかった。詳しくはわからないけど、あれは多分打鉄だね。」

 

打鉄。それが俺が動かすISか。

 

そしてついに俺の名前が呼ばれる。

 

「次、藤木紀春。」

「はい。」

 

俺は会議室のドアを開ける。

これが俺のオリ主としての第一歩だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議室の中には女性が二人、男性が三人。計五人の人間が居る。一人目の女性はは机に座っておりノートパソコンのキーボードをせわしなく打ち続けている。もう一人の女性はコートを着ておりコートの裾から出る足は黒いタイツのようなものを履いてる。さらに足元にはスリッパを履いている。

多分ISスーツってやつなのだろう。そしてきっとこの人がこの打鉄の操縦者だ。流石に操縦者無しにISを輸送するなんて盗んでくださいって言ってるようなもんだしね。ちなみにこのお姉さん結構美人だ。

そして残る三人の男性は全員黒服を着て窓際に立っている。なんでこんな所にヤクザが居るんだ。

そしてお姉さんが名簿を持って俺に話しかける。

 

「ええと、藤木紀春君ね。早速だけどあれに触れて頂戴。すぐに終わるから。」

「はい、わかりました。」

 

残念だけどすぐには終わらせませんよお姉さん。貴方にはこの転生オリ主藤木紀春第二の誕生の瞬間を目撃してもらう。そして伝説の誕生に立ち会えた事を光栄に思うがいいさ!

 

打鉄に触れる。頭の中にキンッと金属質の音が響く

 

「!?」

 

来た、来た、来た来た来た!!!!!

頭の中におびただしい情報が流れ込む。ISの操縦方法や性能などさまざまなことを一瞬で理解する。

情報を強制的に流し込まれる俺の脳はパンクしそうだ!しかしそれは俺の歓喜の感情と混ざり合い、快楽さえ感じる。

ンギモチイイッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ISが、動いた。

 

周りの人々は驚愕に顔を染める。俺は微笑み操縦者のお姉さんに言う。

 

「お姉さん。」

「ん?私?何かしら?」

「どうやらすぐ終わらなさそうですね。」

「…そうね。」

 

その後、俺は会議室から校長室に連行され役人から様々な説明を受けた。

やはりIS学園に行くことになるだろう。と言われた。そんな説明は放課後まで続いた。

その後、俺は教室に戻ることにする。きっと教室は大騒ぎだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤッホー!みんなのヒーロー藤木紀春君の登場だぞ愚民共!サインはいつでも書いてあげるから安心したまえ!でも彼女はいらないよ!IS学園で作るから!!」

 

教室の扉を開け放ち、満面の笑顔で言い放つ。しかし、教室には太郎と花沢さんと東雲さんしか残っていなかった。

 

「IS学園って…マジなの!?」

「かみやん…本当かよ!?」

「何・・・だと・・・?」

 

上から花沢さん、太郎、東雲さんの言葉だ。

おかしい。俺の予定では教室に入った時点でみんなに揉みくちゃにされて最終的には胴上げで締めるはずだった。この様子ではまるで誰も俺が第二の男性IS操縦者であることを知らないみたいじゃないか。

 

「どういうことだ?俺の予想じゃこの教室で空前絶後のかみやんフィーバーが吹き荒れてるはずだったんだが。」

「僕らは、会議室でかみやんがIS壊しちゃったから適性検査は一時打ち切りでかみやんは校長室で怒られてる聞いたよ。」

「常識的に考えろよ…普通の人間がどうやってIS壊せるんだよ。兵器だぞあれ。」

「みんな、かみやんならやりかねないって納得してたよ。それにかみやんは明らかに普通の人間じゃないし。」

「お前の兄さんよりは普通なつもりだよ。」

「そうだね…」

 

太郎と話すしていると今度は花沢さんが詰め寄ってきた。

 

「IS学園ってどういう事よ!?まさかアンタ本当にIS動かしちゃったの」

「そうだよ。ほい、これ証拠。汚すなよ。」

 

花沢さんに役人から貰った大きな封筒を渡す。自分と家族しか見てはいけないと言われていたがまぁいいや。

三人は封筒から書類を取り出し各々書類を眺める。しばらく書類を眺めた後、俺に返した。

どうやら納得してくれたみたいだ。

 

「か、かみやん…」

「すまんな太郎。俺はIS学園に行かなくちゃならなくなった。甲子園は次郎さんと目指してくれ。」

 

太郎が俺に縋り付く、俺は優しく太郎に語り掛けた。

続いて花沢さんが俺に話しかける。俺のオリ主頭脳に黒い考えが浮かぶ。

 

「かみやん…本当だったのね。」

「おおっと!これはIS学園に筆記で落ちた花沢さんじゃないですか!ねぇねぇ、自分はIS学園に行けなくて男の俺がIS学園に行っちゃうけど今どんな気持ち?今どんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち?」

 

俺は花沢さんの周りを小躍りしながら煽る。花沢さんに対して精神的優位に立てたのは久しぶりなので思わずはしゃいでしまう。

俺一人が踊る輪の中で花沢さんがプルプル震えている。何これ、すげえ面白い。

 

「ブーメランテリオス!!」

 

FIRE!

 

花沢さんのコークスクリュー・ブローを受け俺は壁に叩きつけられる。

もちろん俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!俺はいつの間に寝てたんだ!?」

「大丈夫か?」

 

教室には俺と東雲さんしか居なかった。

 

「また記憶が飛んでる…」

「――ッ!何処まで覚えてるんだ!?」

「だっ、大丈夫!教室に入る前までは覚えてるから今回は大丈夫!」

「今回はって…記憶喪失になる時点で大丈夫じゃないと思うのだが気のせいか?」

 

その後東雲さんは俺が二人目であることを告白したことと、花沢さんを煽って俺が殴られて気を失ったことを教えてくれた。そして花沢さんと太郎はもう帰ってしまったようだった。

 

「藤木、ちょっと話したいことがある。」

「ん?何だ?」

「……ここじゃ他の人に聞かれるかもしれない。屋上まで付き合ってくれないか?」

「ワケありな感じだね。いいよ。屋上に行こう。」

 

教室を出て屋上を目指す東雲さんの背中を追う。廊下に射す夕焼けが眩しい。

俺はある計算問題について考えていた。

 

放課後+屋上+夕焼け=?

 

えっ?もしかして告白?もしかして告っちゃうの東雲さん?いやいや待て待て君には織斑一夏が居るだろう!たしかにIS学園は女の園で織斑一夏の競争率は果てしないことになるだろうが諦めちゃだめだ!メールアドレスと電話番号くらいなら俺がGETしてきてやるからさ!それに俺も妥協で告白されても嬉しく無いぞ!いや待て俺冷静になれ東雲さんはそんな浅ましい女じゃないだろう二ヶ月ほどの付き合いしかないがそのくらいは解るしかし俺に告白するわけが無いだとしたら何だ?そうかケジメか!?私は家の都合でIS学園に行けないのにお前は男の癖になんでIS学園に行くんだケジメしろってか!?嫌だ!ケジメは嫌だ!セプクはもっと嫌だ!ヤクザから俺を助けて!ニンジャスレイヤー=サン!!えっ?ヤクザに興味はないから助けてくれないって?うわああああああああああ!!死にたくないよおおおおおお!!

 

俺は屋上への階段をまるで死刑囚にでもなった気分で上る。東雲さんは屋上のドアを開け屋上の真ん中まで進み、俺に振り返る。

俺は屋上に入りドアを閉めた。

 

風が吹いた。東雲さんのポニーテールが揺れる。

 

東雲さんが意を決したように口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言おう。東雲さんは俺に告白した。




何も書くことが思いつかない。

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