インフィニット・ストラトス ~栄光のオリ主ロードを歩む~   作:たかしくん

19 / 102
書き溜めおわた。
今回は、六話から十一話の計六話と番外編一話を一日ずつ投稿していきます。
よろしくお願いします。

今回の話からR-15のタグをつけさせてもらいます。そして元は番外編となる話なので短めです。


第6話 ハートブレイク・ナイト

いつだったか、織斑先生が俺と一夏に言っていた。「ハニートラップがお前達を狙っているかもしれない、気をつけろ。」と。

俺達は世界で二人の男性IS操縦者だ、確かに俺達の遺伝子情報を欲しがる奴なんて沢山いるだろう。そしてそれが悪用されるかも知れないことは、俺だって充分承知している。

 

俺も気をつけていたんだ、でもしょうがないじゃないか。だってボク、男の子だもん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベッドに座り彼女を後ろから抱きしめ、首筋に鼻を当て鼻から息を吸い込んだ。女性特有の芳しい香りが俺の脳を痺れさせる。もう俺のリトルボーイはファットマンになっており今にも爆発しそうだ。それが彼女の柔らかい尻に押し当てられている。

 

「藤木君……今まで辛かったんだね。」

「うん…もう辛くて辛くて……俺もうダメなんだ……」

「私が受け止めてあげるから……心配しないで。」

 

俺は彼女の胸を制服の上から揉みしだく。決して大きいわけでもなかったが、揉み応えのある胸だった。

 

「ああっ、制服……皺になっちゃう。」

「あっ、ごめん……俺、もう余裕無くなっちゃってるな。」

「ううん、いいんだよ。……脱ぐから、ちょっと待っててね。」

 

彼女は立ち上がり、制服を脱いでいく。制服の下から現れた薄紫色の上下お揃いの下着は彼女に似合っていると思う。

 

「……どう……かな?」

「すごく、綺麗だ。」

「そう、よかった……きゃっ」

 

少し顔が赤く染まった彼女を抱きしめ、その胸に顔を埋める。一呼吸置いた後、俺はそのまま彼女を抱き、ベッドに押し倒した。

 

「虎子さん……俺もう我慢できない。」

「いいよ、藤木君。来て……」

 

俺は彼女の下着を剥ぎ取ろうと、手を伸ばす。

俺はついに念願の素人童貞卒業をしようとしていた。その時――

 

「おーい。紀春、居るか?」

 

突然ドアが開けられ、我等が主人公織斑一夏が部屋に乱入してきた。

 

「……………」

「……………」

「……………」

 

時が、止まった。

 

その止まった時からいち早く脱出したのは彼女、虎子さんだった。

虎子さんは俺を押しのけ、制服を手にすると一夏の横をすり抜け廊下に出た。

 

「ああっ、虎子さん!」

 

俺の制止も空しく、虎子さんはどこかへ行ってしまった。

そして部屋に残されたのは俺と一夏の二人。俺の一夏に対する怒りは有頂天だった。

 

「えっ?何?今の?」

 

俺は怒りに震え一夏に答えることが出来なかった。

 

「もしかして、俺…」

「ザッケンナコラー!スッゾコラー!」

「ひいっ!」

 

俺の口汚いヤクザスラングに一夏が怯える。しかしどんなに怯えようと、俺の素人童貞卒業のチャンスを潰した彼には死を持って償ってもらわないといけないのだ。

 

「てめぇ!よくも俺の童貞卒業チャンスを潰してくれたな!?」

「ああっ、やっぱりそうだったか。」

「死ぬ覚悟は出来てるんだろうな?」

「し、死ぬ覚悟はちょっとやりすぎじゃないでしょうか?」

「うるせえ!死ね!」

 

俺は打鉄・改の右腕を部分展開する、更に霧雨も展開し一夏に霧雨で殴りかかる。

それに対して一夏も白式の右腕を部分展開し、雪片弐型で俺の攻撃を受け止めた。

 

ガキィン!と平和な寮の部屋に似つかわしくない音が響く。俺達は鍔迫り合いを始めた。

 

「死ね、死ね、死ねぇ!」

「紀春!顔が怖いぞ!」

「うおおおおお!」

 

そんな感じで数分の膠着状態が続いた。ちょっと疲れてきたので雪片弐型を弾いて少し距離を取った。

俺達は肩で息をしているが、戦闘態勢は崩さない。一夏も雪片弐型を中段で構えている。

 

「フーッ、フーッ、フーッ」

「ちょっと落ち着けよ紀春。冷静になって話し合おう。」

「こっちは一週間以上我慢してたんだぞ!セシリアさんと戦うまで夜遅くまで訓錬漬けで部屋に帰ればすぐ眠れたけど、それが終わってから限界が来てんだよ!」

「我慢してるのは俺だって一緒だ!っていうか自家発電はどうした?」

「塞いでいても壁の穴からやけに隣の部屋の物音が聞こえるんだよ。摩擦音を聞かれたりでもしたら、死にたくなるだろうが!」

「行為音ならいいのかよ!」

「摩擦音聞かれるのに比べたら百倍マシじゃー!」

 

そんなことを話していると、壁の穴から声が聞こえた。

 

「藤木君!私達は気にしてないから!存分にやっちゃっていいのよ!」

 

その言葉で俺の心は冷めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏、さっきはごめん。」

「いや、いいんだ。多分俺の方が悪かったわけだし。」

 

俺達は部分展開を解除し、話し合いを始めた。

 

「で、さっきの人は誰だったんだよ。」

「彼女か……彼女の名前は羽庭虎子さん。三組の子で今日知り合ったんだ。」

「一日であそこまで行ったのかよ。お前すげえな。」

「彼女、話を聞くのが上手くて……いろいろ相談していて、気づいたらあんなことになってた。」

「ん?羽庭虎子?はにわ……とらこ……、はに……とら……ハニトラ!?」

「それに気づいた時にはもう後戻りできない状態になってたんだ、特に息子が。」

 

俺が記者会見をした日にはIS学園の入学試験は終わっていた。つまり彼女は本来一夏へのハニートラップだったのだろう。しかし、一夏は篠ノ之さんと同室であり彼女のお陰でかなりガードが固い。

虎子さんはそんな一夏より特別室に独りで居る俺を狙ったのだろう。そして俺は彼女の罠にホイホイ捕まってしまったわけだ。それについては後悔してないけど。

 

一夏としばらく雑談をした後、消灯時間になったので一夏は帰っていった。

俺もすることが無いのでベッドに潜る。その時壁の穴から声が聞こえた。

 

「藤木君、私達に夜這いしてもいいのよ?」

 

俺はそれに返す。

 

「やめてくれよ……(絶望)」

 

それから俺はずっとムラムラしっぱなしで中々眠れなかったが、いつの間にか眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンガンガンガンガン!!

 

そんな音で目が覚めた。ドアの方を見ると、ジャージ姿の織斑先生が金槌でドアとそれに繋がる壁に何かを打ち付けていた。

 

「おはようございます、織斑先生。何やってるんですか?」

「ああ、起きたか。少し待っていろ、もうすぐ作業が終わる。」

 

しばらくすると、織斑先生は打ち付けていた物に木の棒を通しドアを開けようとする。しかしそれは木の棒に阻まれドアは動かない。織斑先生は一仕事終えたかのような爽やかな笑顔でこちらに振り返った。織斑先生の笑顔を初めて見たので正直違和感が拭えなかった。

 

「ふっ、とりあえずこれで大丈夫だろう。」

「なんなんですかこれ?」

 

いや、見れば解る。ドアに閂が取り付けられていた。

 

「藤木、お前のプライバシーに関して配慮が足りなかったようだ。すまなかったな。ということでこれを取り付けてみた。我ながらいい出来だと思うのだが。」

 

それで閂ですか。この時代に閂って……どうよ?

 

「いいんじゃないですかねぇ。」

「そうか、良かった。何か困ったことがあれば私か山田先生に遠慮なく相談しろ。出来るだけ力になってやる。」

 

そう言うと織斑先生は閂を外し部屋から出て行った。

 

学園に行くと、虎子さんの姿をどこにも見ることは出来なくなっていた。三組の子に話を聞くと、家の事情とかで急に学園を辞めてしまったようだ。俺の人生初の恋は無残に終わりを迎え、素人童貞卒業の日はまだ先へと行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、気づいていたのにみすみす逃がすなんて。」

「申し訳ありませんでしたお嬢様。」

「いえ、いいのよ虚、これも全部私の責任だから。この失態はいつか必ず取り返してみせるわ。」

 

そんな会話がどこかであった。




今回はハニートラップの話でした。

ウチのオリ主は見事に引っかかってしまったわけです。
しかし、こういう描写って書くの恥ずかしいですね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。