東方軌跡録   作:1103

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 今回はタイトル通り、わかさぎ姫を焦点にした話です。
彼女の種族を考えると、話を組み上げるのは中々難しかったですが、一通り書けました。
彼女も、わりと好きなキャラなので、出番を増やせればいいなと思っています。


わかさぎ姫、人里へ行く

ここは霧の湖のほとり。そこで、影狼、蛮奇、わかさぎ姫の三人が、最近の出来事について雑談をしていた。

 

「――――――ってな事が人里であってね」

 

「この前、プリズムリバーのコンサートに―――――」

 

人里の出来事について話す蛮奇と影狼。

二人の話を聞いていたわかさぎ姫は、こんなことを呟いた。

 

「あーあ、私も人里に遊びに行きたいなー」

 

彼女のその言葉を聞いて、影狼と蛮奇はきょとんとした。

 

「遊びにって・・・・・・魚の貴女がどうやって人里に行くのよ?」

 

「魚じゃなくて人魚! それは分かっているけど、二人の話を聞いたら、興味を持っちゃったのよ。ねぇ、何か方法は無いかしら?」

 

わかさぎのこの願いに、二人はあれこれ考え始めた。

 

「大きな水槽を持って来て、その中には入るとか?」

 

「それじゃあ、私が見せ物じゃない!」

 

「そもそも、誰が持ち運ぶのよ? 言っておくけど、私は非力だからね」

 

「うーん・・・いい方法だと思ったんだけど・・・・・・」

 

「もうちょっと現実的に考えなさいよ」

 

「むっ、じゃあ蛮奇は何か思いついたの?」

 

影狼のその指摘に、何故か蛮奇は恥ずかしそうに顔を赤らめた。

 

「まあその・・・確実では無いけど、影狼よりは現実的な方法がある」

 

「え!?」

 

「なになに! その方法って!?」

 

二人は食い付くように、蛮奇に尋ねた。

彼女は意を決して、自分の考えを二人に伝える。

 

「・・・ま、魔法使いにお願いする事よ・・・・・・」

 

声を振り絞って言う蛮奇。

こんな御伽話しみたいな方法を言えば笑われる。彼女はそう思っていた。しかし―――――。

 

「あ、なるほど、それいいアイディアね」

 

「さっすが蛮奇、頼りになるわ」

 

「そ、それほどでも・・・・・・」

 

これはこれで恥ずかしいなと思う蛮奇であった。

 

「でもさぁ、そう簡単にお願い出来るかな? 魔法使いって、気難しい奴等ばかり何でしょ?」

 

「気難しいというか、タダではやってくれないと思う。何でも、等価交換を原則にしている連中だから」

 

「うーん・・・お料理を御馳走するとか?」

 

「いやいや、そんな事でやってはくれないでしょ」

 

「むしろ、この場合の対価は、わかさぎ自身だと思う」

 

「私自身?」

 

「人魚の肉を食らえば不老不死になるらしいじゃん。もしそれが本当なら、魔法使いにとっては、この上無い取引材料じゃない?」

 

蛮奇のその言葉に、わかさぎ姫の顔が青ざめる。

 

「わ、私食べられちゃうの!?」

 

「こら蛮奇! わかさぎを怖がらすんじゃない!」

 

影狼は、蛮奇の頭を叩き落とす。

蛮奇は落ちた自分の頭を拾い上げ、定位置に戻しながら言う。

 

「冗談だって。でも、本当にやるなら、それぐらい価値のある物を用意しないと、門前払いされるって事」

 

「そうは言っても・・・・・・」

 

「何も無いからねぇ・・・・・・」

 

わかさぎ姫と影狼は、深いため息をついた。

そんな時、一人の人物がこの場に現れた。

 

「あれ? わかさぎに影狼、それに蛮奇じゃないか」

 

現れたのはジンであった。

手に持っている本を見るに、どうやら紅魔館の地下図書館に、本を返しに行く途中らしい。

そんな彼の姿を見て、影狼は思いつく。

 

「そうだ! ねぇジン、貴方は顔が広いのよね?」

 

「ん? まあそれなりには」

 

「だったら―――――」

 

影狼は、これまでの経緯を、ジンに説明した。

 

「―――――ってな訳なのよ。協力してくれない?」

 

「なるほど分かった。そう理由なら、力を貸そう」

 

「やった♪」

 

「そんなあっさり受けていいの? 貴方が得する事なんて、一つも無いんだよ?」

 

蛮奇のその言葉に、ジンは当たり前の事のように言った。

 

「困っている者を助けるのは当たり前だろ? それが知人なら尚更だ」

 

「・・・・・・お人好し」

 

蛮奇は誰にも聞こえないように、小さく呟いた。

 

「とりあえず、わかさぎが地上で活動できる魔法が無いか、パチュリーに尋ねてみる」

 

「お願いねー」

 

「期待しているよジン」

 

ジンは三人に見送られながら、紅魔館へと向かって行った。

 

――――――――――――――――

 

それからしばらくすると、ジンはパチュリーを連れて戻って来た。

 

「話を聞かせて貰ったわ。貴女がジンが言っていた人魚ね」

 

「は、はい!」

 

「なるほど、これは興味深いわね」

 

パチュリーは舐めるような視線で、わかさぎ姫を観察していた。

一方わかさぎ姫は、ビクビクとただ怯えていた。

 

「パチュリー、あまり彼女を怖がらせないでくれ」

 

ジンの注意に、パチュリーは、はっと我に帰る。

 

「ごめんなさい、人魚を初めて見たからつい。」

 

「あ、あの・・・やっぱ対価は私の身体何でしょうか?」

 

恐る恐る尋ねるわかさぎに対して、パチュリーはくすりと笑いながら答えた。

 

「そうよ、と言いたいところだけど、今回はジンの頼みだから、特別無対価でやってあげるわ」

 

「え?」

 

「あれ? 魔法使いって、等価交換が原則じゃあ―――――」

 

「普通ならね。でも、こっちはそれなりにジンに世話になったから、今回はそれの御返し。だから、特別貴女達から取り立てる事はしないわ」

 

その言葉を聞いて、安堵する三人。だが、パチュリーは三人に対して、しっかり釘を刺す。

 

「言っておくけど、今回はジンの頼みだからこそやるだけで、貴女達だけだった場合は、容赦なく取り立てるつもりだから、その辺は勘違いしないで頂戴」

 

「「「は、はい・・・・・・」」」

 

「さて、今回使う魔法は、“人化の魔法”と呼ばれる物で、かつて人魚が人間と結ばれる為に考案した魔法なのよ。これを使えば、尾ヒレを人間の足に変える事が出来るわ。

ただし、完全に解析出来ていないから、数時間の効果しかないけど、それでも十分よね?」

 

「はい! 人里に遊びに行きたいだけなので」

 

「それじゃあ、改めて始めるわよ。覚悟は良い?」

 

パチュリーの言葉に、わかさぎ姫はしっかりと頷いた。それを確認したパチュリーは、呪文を詠唱はする。

 

「――――――、――――、―――――」

 

普通の言語とは異なる言語を用いて、呪文を詠唱するパチュリー。

すると、わかさぎ姫が光に包まれる。

 

「わっ! わっ! わっ!」

 

驚きの声を上げるわかさぎ姫であったが、パチュリーはそれを無視して、詠唱を続けた。

 

「――――、――――、――――――!」

 

詠唱が終わった瞬間、わかさぎ姫を包んだ光が弾けとんだ。それと同時に―――――。

 

ドボン。

 

―――――という音と共に、わかさぎ姫が湖に沈んだ。

 

「「「・・・・・・は?」」」

 

「え?」

 

予想外の事に、見守っていたジン達も、魔法を掛けたパチュリーも唖然となった。

だが、パチュリーは直ぐ様ある事に気がつく。

 

「しまった・・・人魚である彼女が、いきなり尾ヒレを失ったら―――――」

 

「泳げない!」

 

そう彼女は、わかさぎ姫が湖の中にいる状態で魔法を掛けてしまった。そんな状態で尾ヒレを人間の足に変えてしまえば、どんなに泳ぎが得意な人魚でも、溺れてしまうであろう。

それを理解したジンは、急いで湖に潜った。

 

 

ジンの迅速な行動によって、わかさぎ姫は無事救出された。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、し、死ぬかと思った・・・・・・」

 

「人魚が溺死なんて、洒落にならないぞ・・・・・・」

 

「迂闊だったわ、ごめんなさい」

 

「まあ、何とかなった訳だし、次気をつければ良いさ」

 

ジンはそう言って立ち上がり、わかさぎ姫に手を差し伸べた。

 

「立てるかわかさぎ?」

 

「え? あっ・・・・・・」

 

わかさぎ姫はようやく、自分に“足”がある事に気がつく。

彼女は、恐る恐るジンの手を取ると、ゆっくりと立ち上がった。

 

「立った! わかさぎが立った!」

 

「それネタ?」

 

影狼の言葉に、思わず突っ込みを入れる蛮奇。

そんな二人をよそに、わかさぎ姫は、自分が大地に立ってる事に感激していた。

 

「これが“立つ”って事なのね。

ふふっ♪ なんだか不思議な気分」

 

わかさぎ姫は試しに歩いてみる。一歩二歩と、大地をゆっくり踏み締める度に、彼女は躍動感を感じ、思わずスキップをしてしまう。すると――――――。

 

「わととっ!」

 

「危ない!」

 

スキップをしようとして、転びそうになるわかさぎ姫を、ジンは直ぐ様支える。

 

「大丈夫かわかさぎ?」

 

「え、ええ、ありがとうジン」

 

「まだ歩き慣れていないみたいね。もう少し、歩く練習をしないといけないわね。その前に―――――」

 

パチュリーが指先を振ると、わかさぎ姫の足元に立派なゲタが現れた。

 

「サービスよ。裸足で歩くのは辛いと思うから、それを履きなさい」

 

「あ、ありがとうございます」

 

わかさぎ姫のそう礼を言いながら、パチュリーが用意してくれたゲタを履いた。

ゲタは、わかさぎ姫の足に、ピタリと填まった。

 

「これがゲタなのね」

 

わかさぎ姫は、未知なる感覚に、またはしゃぎそうになった。

それからしばらく彼女は、湖の周辺で歩く練習をするのであった。

 

――――――――――――――――

 

一通りの歩く練習を終えたわかさぎ姫は、遂に人里へ赴いた。

 

「わー、人がいっぱい! 人里なのね」

 

初めて見る里の様子に、わかさぎ姫は興奮していた。その後ろでは、ジン、影狼、ジンの三人が控えていた。

 

「そんなにはしゃいでいると、また転ぶぞ」

 

「大丈夫、大丈――――あっ!」

 

わかさぎ姫は足を躓き転んでしまった。

ジンはやれやれと呟きながら、わかさぎ姫を助け起こす。

 

「言ってる側からもう・・・・・・」

 

「ご、ごめん・・・・・・」

 

「まだ歩き慣れていないんだから、ゆっくり歩けば良いさ」

 

「う、うん」

 

ジンにそう言われ、わかさぎ姫は頷いて答えた。

そんな二人の様子を見ていた影狼と蛮奇は、何故かヒソヒソと話していた。

 

「ねぇ蛮奇、もしかして私達空気?」

 

「空気というか、おじゃま虫的な物になっていると思う」

 

「やっぱり? なんだか居づらい感じがする」

 

「ふむ・・・ならこうしょう」

 

蛮奇は何か悪巧みを思いつき、ジンとわかさぎ姫にこう言った。

 

「悪いけど、私達これから用事があって。今日は二人で人里を回って頂戴」

 

「え?」

 

「蛮奇?」

 

「ほら、 行くよ影狼」

 

「え? あっ、ちょっと!?」

 

蛮奇は影狼の手を引いて、何処かへと行ってしまった。

残されたジンとわかさぎ姫は、ただ呆然としていた。

 

「ど、どうしょう?」

 

「・・・まあせっかくだし、二人で回るか。人里にも色々あるから、案内するよ」

 

「あ、ありがとうジン」

 

こうしてジンとわかさぎ姫の二人だけで、人里を見て回る事になった。

 

――――――――――――――――

 

二人は最初に訪れたのは、いつもジンが利用している鈴奈庵を案内していた。

 

「ここが鈴奈庵だ。いろんな本があって、外来本とかもあるぞ」

 

「へー、人里にはこんな店があるのね」

 

「いらっしゃ―――あっ、ジンさん、それに―――――」

 

「あっ、初めまして、わかさぎと申します。以後お見知りおきを」

 

「あ、はい、御丁寧にどうも、私はここの一人娘の小鈴です」

 

互いに自己紹介を済ませた二人。

小鈴はわかさぎ姫に、店の説明をする。

 

「―――――という感じです。何か質問がありますか?」

 

「大体わかったわ。でも、、私は借りれないわね・・・・・・」

 

「え? どういう事ですか?」

 

「私、湖に住んでいるから」

 

「え?」

 

「私、人魚なのよ」

 

わかさぎ姫は、自分の事情を小鈴に説明した。

 

「なるほど、パチェリーさんの魔法で、人間の足を貰ったんですね。でも、大丈夫なんですか?」

 

「ん? 何が?」

 

「童話の話によると、人魚は尾を人間の足に変える薬を飲んでしまうと、様々な代償を負うらしいんです」

 

「もしかして、“人魚姫”の話しか?」

 

ジンの言葉に、小鈴は頷いて答えた。

一方わかさぎ姫は、書物に関しては疎く、二人が何の話をしているのか分からない様子であった。

そこでジンは、人魚姫のあらすじを話すと―――――。

 

「酷い! あんまりよ!」

 

予想通りの反応を示した。

やはり、同族の悲劇な話しは、精神的に堪えたのであろう。

 

「助けて上げたのに、まったく気づきもせずに、あろう事に、別の娘と結婚したなんて・・・その王子死ねば良いのに! いえ、寧ろ殺すべきよ!」

 

「ちょ! 落ちていてわかさぎさん!」

 

「そうだ! これはあくまで童話、フィクションなんだよ!」

 

「そうだとしてもあんまりよ・・・人魚姫が可愛そう・・・・・・」

 

そして更には泣き出してしまった。同じ人魚として、感情移入をしてしまったのであろう。

このままだと収まりがつかないので、ジンはある提案した。

 

「それなら、人魚姫のアニメ映画を見るか?」

 

「え? 映画?」

 

「ああ、外の世界に有名な会社が、リメイクした映画があるんだ。原作と違って、ハッピーエンドで終わるから、見て損はないと思うぞ」

 

「行きましょう! 直ぐに観に行きましょう!」

 

「あっ、ちょっと! 待てってわかさぎ!」

 

わかさぎ姫はジンの手を引き、映画が上映されている広場へと向かって行った。

 

――――――――――――――――

 

広場にある、河童の出張映画館。二人はそこで、人魚姫の映画を見ていた。

人魚姫が王子を助けるのは同じだが、細部が所々変わっており、最後はハッピーエンドで終わった。

 

「うっ・・・ううっ・・・・・・」

 

映画を見終わったわかさぎ姫は、涙を流していた。

どうやら、感動して涙を流しているようである。

ジンは彼女に、そっとハンカチを手渡した。

 

「ほら、これで涙を拭きな」

 

「あ、ありがとう・・・・・・」

 

わかさぎ姫はそれを受け取り、涙を拭いた。

 

「それでどうだった?」

 

ジンは映画の感想を尋ねると、わかさぎ姫はとても楽しそうに話し始めた。

 

「すっごく良かったわ! 特に魔女との戦いは、手に汗握るものだった! でも、最後はなんと言っても、二人が結婚して終わるって所ね!

原作も、あんな風になれば良かったのに」

 

そう力説するわかさぎ姫。

それに対してジンは、何処か冷めていた。

 

「・・・・・・俺は、原作の方が良いな」

 

「え・・・・・・?」

 

「確かに、人魚姫の最後は報われなかった。でも、彼女は最後まで愛を貫いた。

それは誰にでも出来る事じゃない。大抵の人は、王子を殺していただろうな」

 

「・・・・・・」

 

「俺は彼女の愛は真実の愛なのだと思う。俺も、ああいう愛を持ちたいと思う」

 

「・・・・・・私は嫌だよ。ジンが死ぬなんて」

 

「分かってる。俺だって、死ぬのはごめんだ。だけど――――」

 

「だけど?」

 

「いや、何でもない。それじゃあ、そろそろ帰ろう」

 

そう言って、ジンは歩き出した。

その後ろ姿はとても暗く、それを見たわかさぎ姫は、不意に不安を感じた。

彼女は思わず、彼の腕に抱きついた。

 

「わ、わかさぎ?」

 

「・・・・・・ちょっと疲れたから、少しだけ良い?」

 

「ま、まあ、それぐらいなら・・・・・・」

 

ジンは恥ずかしそうであったが、わかさぎ姫を振りほどく事はしなかった。

二人は寄り添うように、人里を後にした。

 

――――――――――――――――

 

それから翌日。元の姿に戻ったわかさぎ姫は、湖のほとりで、いつも通りに蛮奇と影狼と雑談していた。

 

「それでそれで? 昨日のジンとのデートはどうだったの?」

 

影狼がからかうように尋ねると、わかさぎ姫はそれを否定するように答える。

 

「デートって、そんなんじゃないわよ。ただ、人里を案内して貰っただけで―――――」

 

「最後は彼と腕を組んで歩いていたじゃない」

 

蛮奇のその言葉に、わかさぎ姫は顔を赤らめた。

 

「え!? 見ていたの!?」

 

「あの後、こっそりつけていたんだよ。見ている分は、かなり楽しめたけど」

 

「二人とも酷い!」

 

「まあ、少しは悪いと思ったけど、わかさぎ自身も楽しそうだったからね。おじゃまかと思って」

 

「そ、そんなに楽しそうに見えた私?」

 

「「そりゃもちろん」」

 

二人は揃って、同じ事を言った。

わかさぎ姫は、ますます恥ずかしくなった。

そんな時、向こうの方からジンの姿があった。

 

「あれ? あそこにいるのはジンじゃない?」

 

「あっ、本当だ。せっかくだし、昨日の御礼を―――――」

 

「待って二人とも!」

 

ジンを呼ぼうとした二人を、わかさぎ姫が止めた。

よく見ると、ジン一人だけでは無く、隣には霊夢の姿があった。

二人は楽しそうに歩き、そのまま過ぎ去ってしまった。

 

「・・・・・・」

 

「えっと・・・・・・」

 

何とも気まずい雰囲気が流れたが、わかさぎ姫は二人にこう言った。

 

「二人とも楽しそうだったわね。デートかしら?」

 

「わ、わかさぎ?」

 

「何かしら?」

 

「気にしないの?」

 

「何を?」

 

「ほら、ジンがさ・・・・・・」

 

影狼の一言で、二人が何を考えているのか分かったわかさぎは、二人にこう言った。

 

「別に、私とジンはただの友達よ。それ以上も以下でも無いわ」

 

「そ、そうなの・・・・・・」

 

(うーん、脈ありかと思ったんだけど・・・違ったのかな?)

 

「さあ、今日は何をしようかしら?」

 

こうして、草の根妖怪達は、いつも通りの日常を過ごすのであった。


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