織田信奈の野望~乱世に舞い降りた黒の剣士~   作:piroyuki

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今回は短めでお願いします・・・3000字以上書くと噛み噛みになりますよ!


会話の前は頭文字でなく名前に統一します!


尾張統一

 

 

 

五右衛門「信勝様、ご謀反!!」

 

 

 

五右衛門の言葉に織田信奈家臣団は騒然とした。口々に「始まったか」というセリフが聞こえるのだ。予想通りである。

信勝についた家臣は林秀貞、佐久間信盛、柴田勝家・・・。末森城にて反旗を翻した。

 

既に謀反を察知していた信奈は末森を包囲していた。それは事前に勝家がキリトに謀反のタイミングを密告していて、信勝軍は那古野城へ進軍する予定だったが信奈軍はそれを先回りしていて恐怖した信勝は即座に城に撤退宣言したのだ。

 

 

信奈「さっさと落とすわよ!こんなのが今川に知れたらすぐに攻め込んでくるわよ!!!!」

 

キリト「待て信奈。」

 

信奈「うるさい!!あたしに指示しないで!!」

 

 

信奈は明らかに動揺している。いつもの信奈ではない。

 

 

キリト「俺がやる。すぐ終わらせるさ。アンタに弟殺しの悪名なんか付けさせないよ。」

 

信奈「ちょっと・・・何言って・・・」

 

キリト「黒母衣衆!ついてこい!!犬千代も、頼む!」

 

犬千代「・・・・・わかった」

 

 

 

キリトが号令をかけると、五右衛門と成政を含む黒母衣衆15名、そして犬千代はキリトの後に続いて歩いていった。

信奈はそれを眺めているしかなかった。信奈には何の策も浮かばなかった。味方を駆逐するという選択肢を決定するしかなかった。

きっとキリトには考えがあるんだ・・・そんな期待をしていたのかもしれない。

 

 

末森城門前にキリト達15名は立っていた。織田家の精鋭ここにありといったところか・・・。

 

 

キリト「末森最強の武士!俺と一騎打ちしろ!!!」

 

 

キリトはエリュシデータとダークリパルサーの二本の剣を構え、突然一騎打ちを提案した。信勝には織田家最強の柴田勝家という駒がある。信奈軍最強のキリトを倒せれば勝負も有利に進めると踏んだ林、佐久間両名はその提案を飲めと促した。

 

これもキリトと勝家は読んでいた。それを受けた勝家は単身城外へ出た。

 

 

勝家「キリト・・・悪く思うな!!!いざ!!!!!」

 

 

二人のシナリオ通りだが、お互いこの戦いは真剣だった。勝家は馬から降り、自慢の槍術でキリトを翻弄する。その動きを凌駕して隙を逃さず斬りかかるキリト・・・城門の上で眺めている信勝、佐久間、林・・・包囲した兵の傍らでその一騎打ちを眺める信奈、長秀、犬千代、五右衛門、成政・・・皆が皆その戦いに見とれていた。

不意にキリトは勝家を押し始めた。勝家は次第に城門付近まで押しこまれて防戦一方になる。城門の上で眺めていた三人は二人の動きを見失った・・・その時だった!!

 

 

五右衛門「武器を捨てるでごじゃる」

 

犬千代「・・・・うごかないで」

 

キリト「はい、おしまい。」

 

 

五右衛門、犬千代、キリトの三人は、彼らが二人の戦いを目で追うために城門から乗り出した状態になった瞬間に背後から武器を突き付けているのであった。

かくして信勝は降伏。総大将が囚われ、家臣も捕らえられた。

一瞬の出来事であった。そして城内にいる兵は勝家の一言で収集がついてしまった。

 

 

勝家「逆らうものはいるか?キリトと私に勝てるか?もういいだろう。お前達・・・姫様は咎めはしない。全員武器を捨てなさい。」

 

 

信奈のこれまでの行動を知る雑兵たちは素直に武器を捨て、謀反はこれにて鎮圧されたのである。

 

 

信奈「・・・・・え?・・・・・おわりなの・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝家は信勝と林、佐久間に末森の城門で戦を眺めていればいいと誘導していた。

二人で一騎打ちを演じて盛り上がっていいところで城門の死角に入る。注意が逸れたところでチェックメイトという寸法だった。

ここまでうまくいくとは思わなかったが、結果良ければすべてよしである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~清州城~広間

 

 

勝家「信勝様をお諌め出来なかった不始末・・・この勝家の首と引き換えに!なにとぞ・・・信勝様をお許しください!!」

 

信奈「却下。アンタがいなかったら今川と戦うなんて無理よ。」

 

長秀「では・・・信勝様は・・・?」

 

信奈「信勝は切腹。」

 

 

これは皆が予想していた。もう信勝は許されない・・・。キリトはこれをなんとしても阻止しなければと考えていた。勝家はそれを聞いていたが、キリトはまだ動く気配がない。

 

 

信勝「そ・・・そんなぁ!!そんな痛そうな死に方いやだよぉぉ!!!」

 

信奈「そう・・・なら、あたしが斬ってあげるわ。」

 

 

信奈が刀を抜いたその時だった。

 

 

キリト「やめろ!」

 

信奈「・・・・大名はね・・・個人的な感情に流されたらいけないのよ!皆、よく聞きなさい!今後あたしに逆らった者は例え家族であろうと殺すわ!!キリト!アンタもよ!!これが天下を収める者の務めよ!!!」

 

信勝「・・・・姉上ぇぇ・・・・・」

 

信奈「・・・・さようなら・・・勘十郎」

 

キリト「待て!!信奈、お前それでいいのか!?」

 

信奈「逆らうの!?」

 

キリト「あぁ。当然だ。・・・アンタはここで弟を斬ったら、この先自分の親しい人間を次々と斬り捨てていくことになる!それは・・・それは信奈が望んでいる天下への道じゃないだろう!?」

 

 

キリトは後ろから信奈の持つ刀の刀身を握る。手から血が滴りおちていた。

この光景を他の家臣達は黙ってみているしかなかった。

キリトは見ていた。信奈は刀を抜くその前から震えていたことを。

 

信奈「身内だからって許したら、家臣達に示しがつかないでしょ!?」

 

キリト「これでアンタは弟を殺して家臣に恐怖を植え付ける。逆らったら殺されるという恐怖をだ。そんな抑えつけた政策で民は、家臣は本当についてくると思うか?俺はそういう支配者を知っている。そんな支配者の結末は決まって破滅の道を辿る。魔王なんだよ。・・・・俺は・・・お前にそうなってほしくない!言ってたよな!?豊かな国を作るって!そんな恐怖で縛られた国は豊かになれると思うのか!?」

 

信奈「・・・じゃあどうすればいいのよ!!!」

 

キリト「信奈の本心は・・・どうしたいんだ!?」

 

信奈「・・・・・殺したくないわよ・・・殺したくないに決まってるじゃない・・・自分の弟を殺したい女の子がどこにいるのよ・・・」

 

キリト「そうか。ならそれでいいじゃないか・・・。」

 

信奈「・・・・・・・」

 

 

 

信奈は緊張の糸が切れたようで、その場に座り込みキリトの胸で涙を流し続けた。

キリトはこれはいかんとすぐに引き離し、信奈もそれに気付いて信勝を許す旨を伝えた。

許された信勝は織田の名を捨てて分家の津田家を継ぎ「津田信澄」と改めて心を入れ替えると誓った。もちろん謀反に与した林、佐久間、柴田も許されて忠誠を誓った。

 

尾張はついに統一されたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

キリトは信奈の部屋に招かれていた。

 

 

信奈「ありがとう・・・あたし、自分を見失ってた。」

 

キリト「信奈も人間だってことだよ。」

 

 

キリトの前では素直になれる。そんな自分は弱い自分だと思っていた。しかし、今はそうは思っていない。

人から指図されることは嫌いだ。でも、自分が道を踏み外したときに正してくれる人というのは少ない。大名という身分の高さゆえの宿命だと思っていた。

しかしキリトはそんな身分の差を無視して信奈を真っ直ぐに見てくれる。そんなキリトに信奈は素直に感謝していた。それが信奈の野望を燃え上がらせていた。

 

 

信奈「あたしの夢、天下統一の他にもう一つあるの。」

 

キリト「それは?」

 

信奈「好きな人と結婚することよ!」

 

キリト「・・・・・いい夢だな。」

 

信奈「でしょ!」

 

 

 

この日の月はとても綺麗だった。もし弟を斬っていたとしたら、こんな月をキリトと眺めることなんてできなかっただろう。

 

 

信奈「ねぇキリト」

 

キリト「ん?」

 

信奈「もしまたあたしが道を外れそうになったら・・・」

 

キリト「あぁ、俺がなんとかするよ。」

 

信奈「だから・・・さ・・ずっと傍にいてね。」

 

キリト「な・・・!?」

 

信奈「そそ・・・そうじゃなくて!あたしの傍で忠誠を誓いなさいってこと!!黒母衣衆は親衛隊なのよ!」

 

キリト「ははは・・わかったよ。傍にいるよ。」

 

信奈「約束だからね!!」

 

キリト「あぁ、約束だ。」

 

 

 

この日、信奈とキリトはまたその信頼関係を深めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬千代「・・・・・・・・・ぬ!」ナニカヲカンジタ




ねえこれフラグ?フラグでよくね?



次回は道三の危機!!見逃すなよ!うまくかけるかな!!

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