織田信奈の野望~乱世に舞い降りた黒の剣士~   作:piroyuki

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今回は信奈との交流です。


信奈の意図

尾張~清州城~

 

 

 

 

信奈「皆集まってるわね!評定をはじめるわよ!」

 

 

 

宴会の翌日朝、浅野家に犬千代がやってきた。今日は評定をするとのことで、キリトにも出席してほしいとのことで迎えにきたのだ。眠い目をこすりながらキリトは犬千代にひっぱられて清州城に登城した。

 

 

信奈「わかってると思うけど、明日の戦についてよ。目的地は村木砦!」

 

 

村木砦。史実でいうところの村木砦の戦いである。今川義元は尾張進出を着々とすすめており、その橋頭保として村木に砦を建設したのだ。

 

 

信奈「あの砦は邪魔よ。これ以上今川の好きにはさせないわ!」

 

 

ただでさえまとまりがない織田家は、家内の統率もままなっていない。しかしこのまま今川に付け入られてはやっかいだ。

 

 

勝家「では私に先陣を切らせてください!」

 

 

信奈の横に座る織田家重鎮の勝家が意気揚々に発言すると、その対面にいる艶やかな女性が返す。

彼女は同じく織田家の重鎮、丹羽長秀である。

 

 

長秀「姫様の考えは?」

 

信奈「勝家の先陣も悪くないんだけど・・・」

 

 

信奈はそう言うと家臣団を見渡し、キリトを見る。

そしてニヤリと笑みを浮かべ、信奈は何か思いついたような表情をし、そのまま背を向けた。

 

 

信奈「うーん・・・ちょっとまとまらないわね・・・。今日は解散よ!」

 

「「はぁ!?」」

 

 

一同呆気にとられた。招集したと思えば即解散の巻である。やはり「うつけ」だとかこの調子で大丈夫なのか?などという声がひそひそと聞こえてくるが、信奈は構わずに下がっていってしまった。

 

 

 

キリトも様子を見ていたが、なるほど確かに訳分からんと思っていた。すると犬千代が服の裾をちょんちょんと引っ張ってきたのだ。

 

 

犬「・・・・姫様、呼んでる」

 

キ「は?俺を?」

 

犬「・・・・こっち」

 

 

犬千代はキリトを館の奥に案内する。どうやらこの先には信奈の私室があるとのことだ。廊下の先に扉があり、その先に階段が見える。そこで犬千代は止まり、階段を指差した。

 

 

犬「・・・・ここから一人でいく。」

 

キ「あぁ、ありがとう。」

 

 

どうやら階段を登ったところに信奈がいるらしい。パイプオルガンのような音色が聞こえてくる。キリトはゆっくりと階段を上っていった。

 

 

信奈「キリト、待ってたわよ。」

 

キ「ははっお招きに預かりきょうえつ?しごくにぞんじまつりまする」

 

信奈「もう、噛みそうだし!そういうのはやめて。普通でいいから」

 

キ「じ・・時代劇の真似してみたけど無理だな・・。」

 

信奈「時代劇?なにそれ。」

 

キ「あぁ・・まぁいいや。そういや昨日浅野家の養子になったんだ。俺も晴れて武家になったらしい。」

 

信奈「へぇ・・・じゃあ浅野キリトって名前になったってわけね。」

 

キ「そうだな・・・改めてよろしく。」

 

 

 

そんなことよりも・・・と、信奈は部屋にある南蛮渡来の品物を見せ、「珍しいでしょ!」といって自慢げにキリトに話しかける。キリトもそれに答え「これは地球儀か。」とか「これは羅針盤だな。」と言い、信奈は目を真ん丸くして驚いていた。

 

普段は馬鹿馬鹿しいと言われ、他の誰もが相手にもしてくれていなかったのに対し、キリトは普通に接してくれていた。信奈はそのことが何よりも嬉しかった。そして話しているうちにその人柄にも興味が湧いてきていた。

 

 

信奈「すごいわね。キリトは南蛮のことに詳しいの?あとこの前背中に担いでた剣みたいなのも南蛮の物?」

 

キ「いや、あれはゲーム内アイテムだからちょっとちがうかな・・・」

 

信奈「げえむ・・・?あいて・・む・・?」

 

 

信奈の頭の上にハテナマークがひょいひょい飛び出しているのに気付き、キリトは分かりやすく説明しようにも説明できないでいた。

登城において武器は預けてあるため、みせることはできない。

 

 

キ「黒い剣が【エリュシデータ】、白い剣が【ダークリパルサー】っていうんだ。」

 

信奈「ふぅん。変わった名前ね。・・・・・アンタおもしろいわね。」

 

キ「は!?なんだよ急に・・・」

 

信奈「なっ・・・なんでもないわよ!!・・・・それより本題よ。」

 

 

顔を真っ赤にしながら手をわたわたと動かし話を切り替える。

信奈曰く、キリトのことは犬千代からかねがね聞いていた。さらに犬千代を寸止めの手合いで幾度も勝利していたことも。前田犬千代は【槍の又左】と呼ばれるほどの手だれ。その又左を圧倒するその実力を見込んでこの度呼びだしたのだ。

 

 

信奈「アンタは足軽として勝家の部隊に配置するわ。そこで活躍しなさい。」

 

キ「活躍って・・・・」

 

信奈「勝家にアンタの実力を見せてやれっていってるの!」

 

キ「なんでだよ・・まぁ、やれというならやるよ。」

 

 

ようわからん・・・という顔のキリトだったが、信奈はニコッと笑いこう言うのであった。

 

 

信奈「デアルカ」

 

 

 

 

 

信奈の意図が全然わからないが、とにかく腕が鳴る。初陣というわけだ。この戦いで勝利することで織田信奈の実力が示され、分裂している織田家をまとめるきっかけになる。キリトは高鳴る胸をおさえながら長屋に帰っていった。

 

明日、その砦攻略の戦が始まる!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信奈には意図があった。尾張統一にあたり、信奈直属の親衛隊を設立しようとしていた。その筆頭候補の一人は決めていたが、もう一人を決めかねていた。そこで現れた異形のキリト。その実力を見て候補にしたいと考えていたのだ。

そこで名実ともに織田家最強の勝家を納得させられればその計画も容易になると考えたのだ。

 

 

信奈「キリトか・・・不思議な目をした奴ね・・・犬千代も認めたその実力、見せてもらうわよ。」




んー・・・ネタはいっぱい浮かぶんだけどなんか文章ってむずかしいですね。

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