織田信奈の野望~乱世に舞い降りた黒の剣士~   作:piroyuki

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鍛冶師として岐阜に訪れたリズベットこと篠崎里香。


これでSAOにいたメンバーが現れましたね!しかも意外なことに74層のボス部屋にいなかったリズがなんで?
って思う人が多いかもですが、真相はずっと先に証しますw


堺の町

~岐阜城~広間

 

 

 

「え?キリトの知り合い?」

 

 

目が点になっている一同だったが信奈はすぐに平静を装い、キリトに問う。

 

 

「あぁ・・・まぁ・・・それにしても驚いた・・・」

 

「私はそんな気がしてたから来たんだけどね・・・それより、織田の姫様?」

 

 

たくさん話したいのは山々だが、今は商談の席だと言わんばかりにリズは信奈に話しかける。

 

まずリズの用意してきた鉄砲は100丁。それを相場の半分で収めるということ、それは納屋の今井宗久が半分の資金を出したから問題はないという。さらに岐阜の城下および支配する町に鍛冶屋を建ててくれれば織田家の御用達として営んでいくということ、キリトの武器が万が一破損した場合、リズにしか修復は不可能ということを説明し、織田家には必要であろうことをアピールした。

 

 

「篠崎里香だっけ・・・あんたの好意はありがたいけど、腕のほうはどうなの?」

 

「彼女の腕は俺が保障するよ。なんせ、俺のダークリパルサーをつくったのはリズ・・いや、里香だからな。」

 

「あの名刀を・・・100点です。」

 

「こんな小娘が・・・」

 

「そういうこと!」

 

「ふぅん・・・確かにこれからのことを考えたらいい話ね。いいわ!そのようにはからうわ!」

 

「へへ~~感謝します~」

 

 

この日からリズこと里香は、織田家の御用達となったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~岐阜城下~キリトの仮家

 

 

キリトは今回の働きにより、城内に部屋を与えられることになっていた。その準備があり、今は仮の家に住んでいる。

この日は里香に話を聞くため、キリトは里香を家に招いていた。

 

 

「ごゆっくりでござる~」

 

 

ねねはお客さんがくると、決まってご機嫌になる。キリトの周りに人があつまることが嬉しいのだ。

 

 

「それで・・・なんでこんなに人がいるんだ・・・?」

 

 

部屋にはキリト、里香、直葉、犬千代、半兵衛、成政、十兵衛と、7人がひしめきあっている。さらには天井裏に五右衛門、外には聞き耳をたてる信奈、長秀、勝家がいる・・・。織田家家臣団勢ぞろいである。

 

 

「キリトは人気者だねぇ・・・」

 

「・・・・・調子にのる」

 

「犬千代ちゃんかわいいーーー!」

 

「・・・・あう」

 

「で・・・リズ、じゃない・・・里香、俺に話があるんだろ?」

 

「うん・・・あのね、私がここに来る気になったのはキリトの噂を聞いたからなのよ。」

 

「俺の噂?」

 

「そ。【二刀の黒の剣士】とか【殺さずの浅野】って。キリトの本名しらないけど、黒の剣士って聞いたとき、キリトだと思ったんだよね。」

 

「まぁ、本名じゃないけどな。」

 

「うんうん。それでね、伝言。」

 

「伝言?誰から?」

 

「アスナよ、アスナ」

 

「何!?アスナ!?どこにいるんだ!?」

 

「・・・・・・・・・・」イヤナヨカン

 

「今はね~、堺の町にいるよ。あ、あとエギルさんも堺にいるよ。訳あって出てこれないけどね~」

 

「え!?エギルも!?」

 

 

アスナも来ていた!ついでにエギルも!この世界にはキリト、リズ、アスナ、エギルがいる。ということは現実世界で行方不明になっているSAOプレイヤーは皆この世界に来ている可能性がかなり高くなった。

しかし、アスナはともかく里香もエギルも74層にはいなかったはずだ。直葉といい、謎が深まるばかりである。

 

 

「出てこれない?」

 

「うん・・・それよりアスナからの伝言。「キリト君、ここに来ているなら迎えに来て」だってさ~~~~まったく~!色男め~~!」

 

 

「「「「なにぃぃぃ!?!?!?」」」」

 

 

中にいたメンバーに加えて外で聞き耳を立てていた勝家と信奈も斬り込んできた。

 

 

「ちょっとキリトどういうこと!?」

 

「アスナって誰!?」

 

「先輩!?浮気ですか!?」

 

「おにいちゃん!?」

 

「キリト様!?」

 

「キリトさん・・・どういうことですか!?グスッ」

 

「・・・・・・新たな刺客」

 

「・・・・・」ガタッ

 

「あらあら・・・」

 

「「「「説明して(なさい)!!!」」」

 

 

「里香~~~~・・・・」

 

「あははは~~・・・キリト・・・どんだけフラグたててたのよ・・・」

 

 

この状況を見て里香の第2ラウンドのゴングが鳴り響いたのは内緒のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえずキリトさ・・・一緒に堺の町いかない?」

 

「そうだな・・・」

 

 

キリトと里香は、縁側で二人でお茶を飲んでいた。

騒動を収め、里香とSAOの頃の懐かしい話をし、キリトは信奈にSAOの世界のことをある国と説明したことを話した。

 

 

「あのー里香さん、SAOの頃のおにいちゃんってどんな感じでした?」

 

 

そこに割り込んできたのは直葉だった。直葉はキリトの変化の理由がSAOの生活にあったと踏んでいた。

 

 

「んー・・・最初会ったときの印象はお金持ってなさそうで感じの悪い客・・・だったかな!」

 

「まじかよ・・・」

 

「おにいちゃん愛想なさそうだもんね・・・」ハァ…

 

「でもね、すごく強かった。たぶんSAOの中でも最強だったんじゃないかな・・・。ソロであそこまで強い人、キリトくらいだったからね~」

 

「おにいちゃんが!?」

 

「うんうん。おもしろいし優しいし・・・奇抜な発想とが多くていつも脅かされてた。」

 

「へぇぇ・・・・・」チラッ

 

「な、なんだよ・・・スグ」

 

「べっつにぃ~!」プイッ

 

「ほほ~~妹ちゃん、そゆことなの~?」

 

「んな!?里香さん!?ってか里香さんこそ!!」

 

「ちょ!!まぁ私はいいもんね~!」

 

「えぇぇぇぇ!?!?」

 

「はぁ・・・・女子トークは疲れる・・・・」

 

 

 

そそくさと立ち去ったキリトは、すぐに半兵衛に捕まった。

 

 

「キリトさん、堺にいくんですか?」

 

「そうだなぁ・・・信奈が許可くれないと行けないけどね。」

 

「もし・・・もし行くのでしたら私も・・・私もお供させてください!」

 

「あぁ、わかったよ。」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「キリト様!!私も!!」

 

「キリト先輩!!私もいくです!!」

 

 

 

 

「この調子だと何人ついてくるんだよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナにもエギルにも会いたい。SAOのメンバーがこの世界にいるのなら、できることなら全員でどうにかこの世界から現実に帰る方法を見つけたい。もちろん直葉もだ。

そのためにもこの世界に来てしまった理由を探さなければならない。そんな気がするのだ。SAOだったのなら100層をクリアーすれば・・・という目標があったが、今回は違う。目標がないのだ。とにかくアスナとエギルに会おう。話はそれからだ!

 

 

この世界に来てもうすぐ1年になる。尾張統一から美濃一国をおさえるのに1年かかったということだ。事実、信長は尾張統一から本能寺の変まで30年近くかかっている。もしも信奈の天下統一がゴールならば一体何年かかるのだろうか?

現実世界ではきっと家族達が待っている。このまま帰れなかったら・・・もう考えるのは気が遠くなる。キリトは考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

 

~岐阜城~信奈の部屋

 

 

「いいわよ!そのかわり・・・・」

 

「そのかわり・・・?」

 

「あたしも行くから!!」

 

「はいぃぃ!?!?」

 

 

キリトはアスナのことを聞かれる覚悟で信奈の部屋を訪れた。しかしそんなことを聞くそぶりも見せずにキリトの要求にあっさり快諾したのだ。もちろん信奈同伴という条件付きだ。

 

 

 

 

 

考えた結果だった。信奈は次々とフラグを立てまくるキリトを理解しなければならない。里香は昔いた国で知り合った人だと聞いた。きっとアスナもその一人だろう。もう聞くなら直接本人に聞いてやる!そんな勢いである。そして考えるのをやめた。信奈の決意だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~岐阜城下~

 

 

「さて・・・いくか。」

 

「あんたたち、留守番よ!!」

 

 

キリトの選んだメンバーは、信奈、キリト、里香、半兵衛、犬千代の5人だった。

あまり連れだしても本国が手薄になるからである。

そして信奈は五右衛門に更なる指令を下していた。不穏な動きを見せている三好の偵察であった。


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